A-bikeとは

Last-modified: 2006-12-07 (木) 11:15:23

A-bike は 英国人の Sir Clive Sinclair が考案した超小型折り畳み自転車である。
小径車、極小径車というよりも、「モバイル自転車」「(ウルトラ)マイクロ自転車」というカテゴリに入れた方がいいかもしれない。簡単にいうと、「ペダルを漕いで進むスティックボード*1」となるだろうか。
2006年7月より発売が始まり、現在のところ海外通販または現地購入しか入手手段はないものの、その斬新な折り畳み機構と折り畳み時の驚異的なコンパクトさゆえに今後徐々に人気が高まっていくものと予想される。

英国大使館による紹介

気軽にサイクリング
小型計算機やZXスペクトラム・コンピューターなどを考案した発明家が、新たな革命的デザインを創り出しました。
英国の研究開発において最も尊敬されている発明家の一人であるサー・クライブ・シンクレアが新たに考え出したのは、A-bikeという折りたたみ式自転車です。5年間におよぶ研究の末に、彼は超軽量かつ小型で、手頃な価格の自転車を発表しました。
折りたたみ式で軽量 他の折りたたみ式自転車と違って、A-bikeは非常に小さな車輪と、小さな車軸を使ったツイン・チェーン・ギヤリング・システムのおかげで、重さは約 5.5kgしかありません。従来のブレーキに代わって特別にデザインされたサーキュラー・バンド・ブレーキも重量の削減に貢献しています。
持運びに便利 小売価格は200ポンド以下で、体重85kgまでの人が乗るのに適しています。普通の自転車と同じように乗れますが、わずか10秒ほどで折りたたむことができます。
ファッションを意識する旅行者 もっと重要なのは、健康な身体を維持するための良い移動手段であるということです。A-bikeを持ってバス、列車、ボート、飛行機などに乗れますし、荷物棚、職場の押入れ、学校のロッカーなどに収納することができます。ファッションを意識する旅行者にとって、A-bikeはファンキーなリュックサックになります。
完璧な回答 折りたたんでいない状態がアルファベットのAの形になるのでA-bikeと名づけられたこの新型自転車は、今年7月に発表されました。「自転車に乗ったり、折りたたんで公共輸送機関を利用したりして通勤することができるし、もっとサイクリングを楽しみたい人にとっては、コンパクトで持運びが楽なシンプルな交通手段です。従来の交通機関での移動は面白味に欠け、お金と時間がかかるので、この自転車はまさに完璧な回答です。」とサー・クライブ・シンクレアは述べています。
オンライン・マーケティング 彼が設立したシンクレア・リサーチ社は、A-bikeを販売するために、ロンドンに拠点を置く製品開発企業であるメイヘムUK社と提携しました。メイヘム UK社はウェブサイト(a-bike.co.uk)を通じて自転車の販売を行なっており、発売後12ヶ月で英国において25,000台以上を販売するという予測を立てています。
サー・クライブ・シンクレアの貢献 英国の発明家であり、起業家でもあるサー・クライブ・シンクレアは発明で賞を贈られていますが、A-bikeもその仲間入りをしました。彼は1972年に発明した小型計算機や、1970年代後半から1980年代初頭にかけて考案したZXスペクトラム・コンピューターなどを世界に発表してきました。

毎日新聞記事(2006-08-27)

最軽量自転車:重さ5.7キロ 英の発明家が開発
 【ロンドン藤好陽太郎】世界初のポケット電卓開発(72年発売)などで著名な英国の発明家、クライブ・シンクレア氏が重さ5.7キロと世界最軽量の折りたたみ式自転車「Aバイク」を開発した。
地下鉄やバスが狙われた昨年7月の英同時爆破テロ以降、ロンドンでは公共交通機関を避ける人が増え、自転車販売台数が前年比20%増と大幅増。
シンクレア氏は「Aバイクで通勤すれば便利で安全」と“通勤革命”に自信を見せる。日本でも来年1月をめどに発売する予定だ。

 Aバイクは、グラスファイバーの強化などで軽量化に成功した。名前はアルファベットの「A」に似た形から。
体重85キロの人まで乗れるが、縦67センチ、横30センチ、奥行き16センチのサイズに折りたため、車や電車で運べるほか、飛行機の手荷物にもできる。
価格は1台200ポンド(約4万円)。同氏が主催するシンクレア研究所は、初年度で2万5000台を販売する計画だ。

 シンクレア氏は「込み合う地下鉄や車に簡単に持ち込める」と、遠距離通勤の多い日本でもメリットがあることを強調。
ただ、最高時速は24キロで「通勤用には改良が必要」との指摘もある。


*1 キックボードはその代表的な商品名