喰蝶花

アーガイル町治安維持隊に勤務しているアルシュは、信頼していた隊長・ヴァルガの後任・慈十蘭が気に入らなかった。
女性のような姿の十蘭が頼りなく見え、どうしても隊長とは思えない。
アルシュは初対面から十蘭にヴァルガの復職を賭けて勝負を挑む。
しかし、想像以上の十蘭の強さにアルシュは完敗する。
その後、反発心からアルシュは何かと十蘭に勝負を挑むが、十蘭には敵わない。
アルシュにとって十蘭は気に入らないが、気になる存在へとなっていく。
そんなある日、『廃屋と化した洋館から深夜ピアノの音色がする』と治安維持隊に調査依頼が入る。
十蘭とアルシュは仲間を引き連れ、廃屋化した洋館へ向かった。
各自別行動となり、地下室を探索する十蘭はかすかに聞こえるピアノの音色に誘われるようにある部屋へ辿り着く。
そこでピアノを弾いていたのは、蝶族の青年・シドだった。

いにしえから伝えられる毒花と蝶族との運命的な出会い。

シドは何かに取り憑かれたように十蘭に惹かれ始める。
十蘭の全てを奪わずにはいられないほどに。
十蘭はシドが蝶族である事に気付き抵抗するが、毒花は蝶族の求愛には拒みきれない。
シドは十蘭の全てを奪おうと求めるが、その直前アルシュに助けられる。
アルシュは十蘭を救い出す事でシドをとり逃がしてしまう。

廃屋からはピアノの音色が消え、平穏な日々が戻ったかのように思えたある日。
十蘭の姿が突然消える。
仲間から情報を集めると、十蘭はシドをとり逃がした後も独自で廃屋の調査をしていたと聞く。

十蘭は何処へ消えたのか？
アルシュは十蘭を見つけだす事が出切るのか？
十蘭を執拗に狙うシドの思惑は…