AND(X)AS(Y)

朝、目覚めて。制服を着て、メシを作って。
登校途中、いつもの仲間に会って。ひとしきりバカをやりながら電車に乗って。
たいくつな授業。教師にばれないようにあくびをひとつ。
部活には入ってないから、放課後は悪友とやっぱりバカをやる。
そして帰れば誰もいない部屋。夕食を作って、適当に深夜テレビを見て、寝る。
そうすれば、黙っていても、また朝が来る。

そんな毎日を送る主人公藤村隆明は、その日、自分の下駄箱であるものを見つけた。
きれいにラッピングされた、バレンタインチョコレート。
そして、そこに添えられたメッセージ……

「AND(X)AS(Y)」

おかしな点は、二つ。
今日は2月16日。二日ほどバレンタインを過ぎているということ。
そして、“ここ”は私立エオシエ学院高等学校……れっきとした男子校であるということ。

ただのいたずらだろう、と。

目の前に訪れた非日常をそう切り捨てて、隆明は日常に帰ってゆく。
いつもどおりの。いつまでも変わらない。
そんな日常へと。

けれど。
チョコレートは、そんな日常を終わらせる使者だった。
異性だと意識していなかった仲間からの告白。
別れに備えるように、距離をおきはじめた幼なじみ。
少しずつ、少しずつ。
いつもの関係が壊れていく。

変わっていく日常のなかで。
隆明は歩きつづけ、そして何かを見つけるだろう。
そしてそのときにこそ。

「AND(X)AS(Y)」

この言葉の意味が明らかになる。

• 藤村隆明(ふじむら たかあき)　cv：ボイスなし
  粗暴で少し暴力的だが、その分素直な一面がある。くよくよしない性格。頭は余り良くない。運動もそれなり。言い訳を得意とするが、効果の要因は、相手がそれ以上会話をしたくなくなるだけである。相手の腹に一撃を加える強烈なツッコミを持つ。
  　　「だと？（がすっ）」
• 三条川奈(さんじょう かわな)　cv：ボイスなし
  さっぱりした性格。活動的な性格で、様々な分野のことに興味がある。他人の話を良く聞くタイプで自分のことは余り語らない。ただ、いつも相手の話題に相づちを打てるので単に聞き上手であるとも言える。よく笑う。明朗快活な微笑み。
  　　「あはは。やっぱり？」
• 伏見悠騎(ふしみ ゆうき)　cv：ボイスなし
  隆明の幼なじみ。気の利く性格。丁寧で真面目だが、それがどことなく地味だという印象を与える。実際、固執するタイプで、多様さに欠ける面がある。そのため、大抵の話題は初耳である。家事とかインテリアとかが好きなので、女くさいとからかわれる。隆明と基本的にワンセット。
  　　「痛いよ、タカアキ～」
• 黒崎信夫(くろさき しのぶ)　cv：ボイスなし
  隆明の喧嘩相手。口喧嘩からホントの喧嘩まで結構やり合っている。殴るのが得意な隆明と比べ、格闘をやっていない信夫は不利だが、喧嘩慣れしてるため、どちらかというと勝つことが多い。「だろ？」と相手を自分の意見に同調させようとする。
• 赤坂博文(あかさか ひろふみ)　cv：ボイスなし
  何故か隆明のことが気に入っている先輩。とにかく隆明を色んな所に引きずり回す。自分と隆明に似た何かを見つけたのか、単に隆明を自分の弟子にしたいのか。赤坂自身もその辺り分かっていないが、気に入ったものは仕方ないらしい。「まあ待てよ」と言って強引に捕まえることを得意とする。その時はやけに握力が強い。
• 大沢啓介(おおさわ けいすけ)　cv：ボイスなし
  教室の隅でただ座っている目立たない男。達観した性格である。いろんなことを知っている癖に、相手にするのが面倒という理由で自己表現を拒んでいる。他者が介入してきても、相手がイメージしている通りに動いて相手を満足させ、それで終わらせてしまう。いつしか、彼に近寄る者は彼を尊敬し、彼に近寄らない者は彼の存在を忘れるようになっている。
• 水無瀬京太郎(みなせ きょうたろう)　cv：ボイスなし
  隆明が興味を持った後輩。物静かな性格。天才肌で、常に才能を発揮し、学校の誰からも一目置かれている存在。才能豊かで物事に動じない性格。とてもよく寝ている。
• 玖波桐人(くば きりひと)　cv：ボイスなし
  後輩。熱血漢。京太郎には一目置かれているが先生方からはダメと烙印を押された男。竹刀を振って精神統一してることが多い。もっとも大抵の場合精神統一しきれていないが。