中巻

Last-modified: 2023-09-09 (土) 16:31:48

第八話 賢者の封書

「月の使者」(月の都防衛隊)に任命された玉兎たちの訓練風景から開幕。

だらーーーーーーーっ.png
玉兎「前に地上に行ったときはさ────」
玉兎「マジでー?」
玉兎「でさぁ」

小説での設定

万が一月の民が穢れを負ってしまうと地上に落とされる。
月にとって地上は大きな監獄であった。(小説三話 豊姫)

「だらーーーーーっ」という擬音と共に、ぺちゃくちゃ駄弁る、地面に寝転がって昼寝する、
桃を食う、本を読むという牧歌的なサボリっぷりが描かれる。
依姫の足音を聞き、あわてて訓練を再開する兎たち。
二つ目の引用で分かりますが、うどんげが抜けたせいで「ずっと奇数」だったみたいですね
恨んでるというより、さみしがってる感じの描写です。
彼女らが持っている小銃に銃身が無いとか、少し話題になりましたが「秋枝はミリタリー専門じゃないし別にいいだろ」てな感じで収まってます。

 

依「ちゃんと稽古してたかしら? まあいいけど 今は緊急事態なんだからね
  そんな緊急事態に緊張しているはずの貴方たちに 新しい仲間を紹介するわ
  訳ありでうちに匿っているだけだから……あまりこの子のことは口外しないように」

依「さあ あの兎に稽古をつけてもらいなさい」
玉兎「え…でも……」
依「大丈夫 今日からレイセンの役はこの娘が務めることになったのよ
  貴方たちも いつまでも過ぎ去った日のことばかり考えていては駄目よ」

 

場面転換で、豊姫。「静の海」と呼ばれる海岸に立っています
そこに依姫が加わり、永琳の手紙とこれからの対応についての会話が始まります。

 

ナレーション:静かの海
       月の都と正反対の場所に存在する地上に最も近い海
       月の都が存在するのは月の裏側と呼ばれているが
       この場合の表裏とは月の都の結界の内側か外側かという意味である
       結界の内側つまり裏側の月は穢れのない海と豊かな都の美しい星であるが
       外側つまり表側は荒涼とした生命のない星である
       表側の静かの海には機械の残骸や人間の旗など 穢れた人間の夢の後が眠っているという

豊「八意様の手紙通りならば 地上から敵が現れるのはまだ先の話です 
   なんとなく 海は懐かしいだけよ」
依「それは……綿月の家系ですからね でも 今はそんな感傷に浸っている場合ではないのです」

手紙:──月の都を侵略しようとしているがいるという噂を聞いた
   当然 月の都では私を疑っている人もいると予想する
   でも貴方たちなら 私の言うことを信用してくれると思っている
   私は月の都を守るための知恵を貸したいだけだ
   大丈夫
   私の言うとおりに動けば見えざる敵が誰であろうと足を封じることが出来る

 

依「不確かな情報が飛び交う中 今信じられるのは八意様の手紙だけなのです
豊「あわわ」

依「そのため私は兎たちに戦闘に備えて稽古をつけています
  先の戦いで戦闘要員の兎たちも減ってしまいましたから その分稽古もきびしくなっています
  さぼっていなければ」

その後の扱い

「先の戦い」については無し
アポロ計画で月に降り立った某国の皆さんと闘ったわけではないのは確定らしい。

依「でも お姉様は…」
豊「わかっているでしょう? 私は海と山を繋ぐことができる 貴方は神霊を呼ぶことが出来る
  その能力を見越して 八意様は私たちが協力するのではなく バラバラに動くことを強要してるの」

豊姫能力.png

豊「あの石が地上に落ちていったように 水に映った星から地上の生き物 たとえば鳥なんかが
  沸いて出てくるかも知れない 貴方は兎たちの稽古で忙しいかも知れないけど…
  私は 貴方が動くか このへんに地上から何者かが現れるまで やることないのよね」

 

大きく場面転換し、博霊神社。パチュリーが霊夢に「細かい神降ろしのタイミング」
を説明しています。霊夢が面倒くさがり、あんたが逐一おしえてくれよと頼みますが
パチュリーはロケットに乗らないと言います。

 

パ「私は 乗らないから」
霊「なんでよ」
パ「航海が成功するよう 私は地上に残ってすることがあるの 月まで導く魔法は
  ロケットの外からしかできないから」
霊「ふーん そんなの 導きの専門家(天狗)にでも任せておけばいいのに」
パ「外の世界のロケットにも 地上に残るナビゲータが必要らしいのよ 本によれば」
魔「貧乏くじを引いた奴がやる役目っぽいな」
霊「くじ運悪そうだもんねぇ あんた」
パ「……今年は末吉だった 神社(こ↑こ↓)のお神籤 だからそろそろ 運が向いてくる予定」
霊「あれ? うちのお神籤に末吉なんてあったっけ? 大吉とハズレくらいしか見たことがないけど
  暇だったから私が混ぜておいたぜ 末吉とか大ハズレとか」

その後の変更

パ「知らないわよそんなもん 私のロケットは 空に映ってる月を
  追いかけるように出来てるの 後は住吉さん任せだし ホーミング弾と同じ原理よ」(十一話)
つまり、後にロケットが壊れたのは住吉さんのミスにしていると言っても過言ではない。
調べようもないし、まさにまったく隙が無い。

 

場面転換で、紅魔館地下。うどんげと永琳が侵入し、ロケットを見物。

 

うどん「あはは こんなロケットで月に辿り着くはずがないわ」
永「……ほぼ完璧ね 誰の入れ知恵かしら? 住吉三神のご加護があるなら 
  間違いなく月にたどり着けるでしょう」

 

玉兎と師匠の見解の相違を交えつつ、
永琳は「月の羽衣の切れ端」をロケットに張りつけ、
「余程のことがあっても月に辿り着く」状態にして退散します。

 

第九話 住吉・イン・ブルー

「秋も終わり」の時期の話で、超有名な「パーティ回」 儚月抄のピークだとすら言われています。
魔理沙の「シンデレラ」的な魔法でおめかしした霊夢が見られますが、
秋★枝先生の気合いがマジで入りまくってます(販促)。
おしゃれな二人が博霊神社を出発。

霊「普通に紅魔館にお呼ばれされるのは珍しいわね」
魔「よっぽど嬉しかったんじゃないのか? ロケットの完成が」
霊「普段退屈そうにしているからねぇ… 無駄に長く生きてるもんだから 新しい楽しみが無くなってるんじゃない? 念願のロケットが完成してはしゃいでるのよ」
魔「だな」
幽「走尸行肉」

 

ゆゆ様の四字熟語タイム&パーティ前の会話

 

幽「毎日はしゃいでいるのも結構だけど… どうでもいいことばっかりしているのなら
  走る屍動く肉と 何の違いもないの」
魔「動く屍のお前が言うな」
霊「珍しいじゃないの 二人お揃いで」
幽「そろそろロケット完成記念パーティの時間なので」
霊「迎えに来たっていうの? 珍しいじゃない」
幽「今から神社で宴会をしようかなぁと」
魔「…いや そんな時間はないぜ」
(紅魔館に到着 ごった返してる)
魔「これはまた 大勢呼んだんだな」
幽「まさかあの吸血鬼が月に行く時代が来るなんて 思ってもいなかったわ
  ほんと 困った動く肉ねぇ」

霊「あ でも 吸血鬼のロケットが完成したのって──妖夢が 『航海の神様』って
  ヒントを持ってきたからじゃない? 私はてっきり 
  あんたが吹き込んだんだと思っていたけど 妖夢じゃ思いつきもしないだろうし」
幽「いいえ? とんでもない 私が なんでそんなことしなきゃいけないのかしら?
霊「……」

推理ミス

妖「ロケットは宇宙を飛ぶ船なのです つまり 推進力を探すなら
  航海に関する物を探さないといけません」
咲「…確かに そうね 幻想郷には海がないから そのへん抜け落ちていたわ」
妖「船を進める力がロケットを進め 海を鎮める力が航海を安全にするのです……
  って幽々子様が言ってました」(漫画5話)

この時点でうっかり妖夢が口を滑らせてしまっているため、
普通に考えれば、幽々子が吹き込んだことは確実にバレています。

咲「貴方たちのことだから 神社で宴会でもするのかと…」
幽「料理が出るパーティと貧乏神社の どっちがいいって言ったら ねぇ?」
魔「まあ 特に突っ込まないぜ」
霊「…」

 

レミ「……で このロケットでなんとあの月へ攻め入るのです!」

※パーティー画像の解説はこちら

 

霊「立って呑むのは落ち着かないわねぇ 茣蓙でも持ってくればよかったわ」
魔「こんな所で茣蓙しいて座ってたら異様だな」
幽「あら 周りの目なんて気にする必要はないわ」
(幽々子、床にしゃがみ込む)
霊「それもそうね」
(霊夢、床にしゃがみ込む 妖夢と魔理沙は立ってる)

 

そこに、いつものよりやや色が濃い服に胸当てを加えた永琳が登場します。

 

永「どうしたの? そこの重力が強くなったのかしら」
霊「あんたも来ていたのね」
永「地上では 月の六倍体が重いのです」
霊「そうそう 今度 私もあんたたちの故郷に行くけど 何かお土産でも欲しい?」
永「じゃあイルメナイトを一握りでも… でも 私の故郷は地上だけどね」

(ロケットに愛称をつけたい、とレミリアが言い出して)
永「愛称…ね あのロケットは住吉三神のご加護があるというのに 
  下手な名前を付けてしまえば 月にたどり着けないかも知れないというのに」
霊「あれ? なんであんたが住吉三神のこと知ってるの?」
永「ん? そ そうねぇ 貴方たちはまったく話を聞いていなかったみたいだけど
  さっき事細かに説明していましたわ」
霊「あの吸血鬼が」

 

一方で、幽々子は永琳が出現した段階で」パーティを抜けてました。

 

妖「どうしてパーティの途中で抜け出したのですか?」
幽「あそこに間諜(スパイ)がいたじゃないの」
妖「あの月の民のことですか? 確かに吸血鬼の月侵略計画を妨害するかもしれないです  
  が…私たちとはなんの関係もないのでは? それどころか 元々吸血鬼の計画を
  阻止するのが私たちの計画で」
幽「あの狡猾な月の民が吸血鬼の侵略を阻止する? 
ぶちっ.jpg 
  私は あの月の民を間諜(スパイ)と言ったのよ 妖夢がよけいなことを言わないように出てきたの」
妖「余計なことも何も…私には何も分からないのですが 
  何か説明していただけませんか?」
幽「紫の月計画は動き始めたばかり 敵を騙すにはまず味方から 
  さぁ 家に帰ってパーティの続きでもしましょうか?
妖「…」

第十話 幻想ケープカナベラル

いよいよロケット発射の日。
妖精に指示を出しているパチュリーを、魔理沙と霊夢が眺めています。
魔理沙は「愛称を決めたのは私なんだから乗る権利はある」という形で参加しています。
「ロケットは赤道の近くで打ち上げた方がエネルギーが少なくて済む」
という理由で、ロケットの下に紅い絨毯を敷いています。
そこにレミリアが登場。

 

レミ「この赤い道… ふふん 私のための赤絨毯ってわけ?」

 

そんなこんなで「咲夜、魔理沙、レミリア、霊夢、メイド妖精三匹」が乗り込み、
霊夢がロケット内の神棚に祝詞を捧げ、ついに発射! パチュリーがガッツポーズ決めます。

 

霊「神社ってのは何もあの建物じゃなくても問題ない 同時に何カ所存在しても問題ない
  神棚だけでも十分神社と同じ役割を持つ いや 神棚だってただの飾りで
  神様の宿る器さえあれば十分──つまり このロケットは 空飛ぶ神社なのよ」

 

場面転換し、永遠亭。4人組の会話でシメです。

 

うどん「……お師匠様はやはり 月に恨みを持っているのでしょうか」
永「うふふ 何を言っているのかしら 私は月の都を守りたいだけ 月の都を侵略しよう  
  としている本当の犯人を見つけ出したいだけ」
輝「本当の犯人って… 吸血鬼の他に月を侵略しようとしている奴がいるってことかしら」
うどん「……そういえば お師匠様はロケットは誰かの入れ知恵だって言ってましたね」
永「あははっ 馬鹿馬鹿しい 誰が黒幕かなんて分かりきったことじゃないの」

てゐ「地上の妖怪(あいつら)も進歩しないねぇ 一度失敗してるというのに
   また失敗しに出掛けるなんて愚かとしか思えない 
   わたしゃ賢い月の御仁についてよかったよ」

第十一話 青い宙を行く

ロケット発射から既に5日。真ん中のロケットに移動し、3段目が切り離されます。
咲夜が、「油のストックを三段目におきっぱにする」というわりとキツめのミスをしてる

 

咲「下段のロケットに 油のストックを残したまま切り離してしまったみたい」
魔「へぇ 相変わらずマヌケだな」
咲「残りの燃料ではお料理するのにちょっと困るわね…」
(中略:けっきょく魔理沙のミニ八卦炉で紅茶を湧かした)

ナレーション:ミニ八卦炉 煙草から放火まで幅広く活用できる魔法の火炉 魔理沙の宝物

レミ「ま、いいけど お茶 上空になればなるほど味が変わってきているような」
咲「なんか お湯の沸点が下がってきているみたい」
魔「おいおい ロケットの空気が漏れてるんじゃないか?」
咲「あら 窓の外も普通に空気はあると思いますけど」
(咲夜 窓を全開にする 風が吹き込んでくる)
魔「宇宙は空気がないってのは 都市伝説だったのか
  そういえば、重力だって地上と変わらないしな」

咲夜は何者?

仮に外の世界の人間であれば、外の世界が宇宙に出る技術を確立させている時代に
常識である宇宙に関する数々の知識がまるで無い理由が説明できなくなる。
そうでない場合、別の異世界の人間あるいは、技術の確立以前人間でなかった可能性がある。

残念ながら、永夜抄で永琳が驚いていた割に月で特にイベントが無かったため
月の民である可能性は排除されてしまっている。

 

場面転換し、紅魔館地下。
パチュリーの所に、なんと永琳と輝夜が訪問。
永琳の目的は「どうやってロケットを完成させたか、誰の入れ知恵かを聞き出すこと」

 

パ「珍しい顔ぶれね うちの門番はどうしたのかしら?」 
永「別に手荒い真似をするまでもなく 軽い挨拶だけで… 
  そんなことより 貴方たちがどうやって月旅行を実現させてるのか気になって」

パ「知らないわよそんなもん 私のロケットは 空に映ってる月を
  追いかけるように出来てるの 後は住吉さん任せだし ホーミング弾と同じ原理よ」
輝「そういうもんなの?」
永「ええ 見えている月を追いかければいつか辿り着くでしょう 
 私たちも昔はそうやって月と行き来しましたから 
  その月は外の人間が辿り着いた月とは 異なる場所かも知れませんが…」

小説での捕捉、あるいは齟齬

``量子的に物事を見た場合、起こりえる事象は必ず起こります。なぜなら量子の世界では確率的に
事象が決まるのに、その情報を完全に捉える事が出来ないからです。
結果を求められない確率で起こる事象とは、
いかなる低い確率であろうと0ではない限り存在する事象なのです。この世は量子から出来
ている以上、地上から着きに生き物が偶然紛れ込むなんて珍しいことではありません。
それに私達だってそうやって地上から着きに移り住んだのですから ``
私はいち早く八意様の教えを理解し、今では地上と月を結びつけ、自由に行き来できる
数少ない能力者である。(小説三話)

月の民は昔から世界が可能性で出来ている事、どんな事でも起こりえることに気付いていた。 
 だからこそ、地上から月に移動することが出来たのだ。 (小説三話)

輝「でも 私たちは満月の日に月と行き来するのに あのロケットは三日月の夜に出発したわ?」
パ「ちょうど満月の夜に辿り着けるように調整したのよ 満月の夜に空に浮かんだ月は 
  月の都に入り込める穴が空くと 三日月の夜に出発したのは 
  月の民が行き来するより時間が掛かるからでしょう」

永「それにしてもそこまで詳しいなんて……貴方の本だけじゃわからないでしょ?
  誰の入れ知恵かしら」

パ「貴方でしょ ロケットに月の羽衣をつけたのは」
永「気づいていたの」
パ「大丈夫よ レミィは躍らされてるだけなことくらい分かっているから 
  だいたい長い間月に行くのは諦めていたのに このところ次から次へと
  新情報が入ってきたんだから しかも何もかも都合よく手に入るし
  なぜか霊夢も準備済みだったし 本当に月を攻めたがっているのは 
   古くて困った妖怪の彼奴でしょ? 」
輝「踊らされているのがわかって なんで出発させたのかしら」
パ「我が侭だからねぇ 一度言いだしたら聞かないし 
  たまには痛い目にあってみるのもいいんじゃないの?」
輝「じゃあ貴方が地上に残った理由って 黒幕を懲らしめるため?」
パ「うんにゃ 痛い目に会うのが嫌だから」

 

場面転換し、再びロケット。
どうやら最も上の段のロケットに移りはや十二日目が過ぎた模様。
はええー! これまでの展開がウソのようだ。
レミリアがストレスで暴れ出したとき、窓の外がぱあーっと光る。
見ると、月面に到着していた!

 

霊「さあ 最後の仕上げよ! 何かが起こるわ!」

 

海へ真っ逆さまに突っ込んで
ロケットがバラバラになったところで次回に続く。

第十二話 豊かの海

秋★枝先生入魂のイラスト 青い.jpg 

魔「…海だねぇ」
霊「これが海ねぇ」

咲「着いたばっかで何を黄昏てるのよ」
霊「だって……」
魔「帰りの船(ロケット)は大破しちゃったし」
咲「でも 月に着いたから問題はないわ」
魔「そうか?」
咲「私たちの目的は月に行くことであって 月から帰ることではないからね」

 

レミリアはノリノリで探索、咲夜はそれを追いかけて行きました。
その後、レミリアは玉兎如きに背後を取られるという失態。
まあこの後逃げ出すんですけどね。
小銃.jpg

一方魔理沙と霊夢は、フレキシブルなシンキングに元気づけられ、
とりあえず釣りでもするかと腰を上げます。
そこに、依姫が登場。

 

霊「で 道具はあるかしら」
魔「そんなもん 手づかみでいいんだよ」
霊「手づかみで釣りって言っていいのかな」
依「残念ね 豊の海には何も棲んでいないわ
  豊の海だけではない 月の海には生き物は棲んでいない 生命の海は穢れの海なのです」

依「住吉三神を呼び出していたのは──お前」
霊「ええ」
まるいち_0.jpg
まるに.jpg
(依姫が地面に剣を突き刺すと、霊夢と魔理沙の周りから「剣の檻」が生えてくる)
依「女神を閉じ込める 祇園様の力 人間相手に祇園様の力を借りるまでもなかったか
  住吉様を呼び出せると言うからどれほどのものかと思ったけど」

その後の補足

依「どうした? 動いても構わないよ 祇園様の怒りにふれるけど」

魔(咲夜も隙を窺ってるが 動けそうにないし……)

 

ここで、レミリア&咲夜が登場。
依姫的には玉兎が片付けると思っていたらしく、けっこう動揺してます。

 

依「あんな小娘相手に 貴方たち(玉兎)は何をやってい──」
レミ「誰が小娘よ 殺されたいのかい?」
依「月の兎達はどうしたのかしら」
レミ「全部のしてきたよ 後はお前だけだ」
依「真相は?」
玉兎「怖じ気づいてみんな隠れました」
依「圧倒的に実戦経験不足…ね」

 

咲夜の時止めで、依姫が技を出す前に背後を取り、羽交い締めに。

 

背後を取った!.jpg 
依「……ぐっ! いつの間に!?」
咲「貴方 手癖が悪そうだったから」

 

ついでに、咲夜が足で依姫の剣を引っこ抜くと、魔理沙と霊夢を囲っていた檻も引っ込む。

 

依「貴方たちの目的は何かしら」

咲「私たちの目的は──」

霊「そういえば目的ってなんだっけ?」

魔「さっき 月に行くことって言ってなかったっけ? つまりは知的好奇心だ」

咲「……じゃあ 達成されてたのね」

依「……」
レミ「咲夜 忘れたの?」

月は私のもの.jpg 

レミ「私達の目的は 月の都の乗っ取りだ 月は 私の物だ」

第十三話 月面の美しさ

咲夜に羽交い締めにされた依姫から

依「…八意様のいってたとおりね 増長した幼い妖怪が海に落ちてくると」
レミ「?」
依「貴方 さっき私の手癖が悪いって言ったわね?」
両手フレイム.png 

魔&霊「!!」
依「気がつくと桃に手を伸ばしている お姉様ほどじゃないと思うけどね」
レミ「そんなちんけな火 怖くも何もないでしょ? 何ひるんでるのよ!」
ゴッドフィンガー.png 
依「これは小さく見えても愛宕様の火 すべてを焼き尽くす神の火なの
  地上には これほど熱い火はほとんどない」

オオオオオオオオ.png 

霊「なんだって 愛宕様の火だって? さっきは祇園様の剣って……もしかして
  あんたも私と同じ──」
依「そう 私は神々をその身に降ろして力を借りることができる」

依「貴方がいろいろな神様を呼ぶと私が疑われるのよね 謀反を企んでるんじゃ
  ないかって」
霊「そんなの知らないわよ 稽古はやらされてたんだもん」

依「でも その疑いも 今日晴れる」

 

再び祇園の技で、今度は全員を閉じ込めます。アッサリと。

 

魔(まいったぜ 
まったく隙がない2.png 
  まったく隙がない 霊夢と同じ能力と言ったって 
  見るからに力の差は歴然だ 吸血鬼は余裕の表情だが 何を考えているか分からんし
  咲夜も隙を窺ってるが 動けそうもないし……こんなのまともに戦ったら勝てるわけ  
  がないぜ お得意の逃げるにしても 逃げ道(ロケット)は大破している…)

依「どうした? 動いても構わないよ 祇園様の怒りに触れるけど」

魔「こ、降参だ 降参! 今のままじゃ こっちに勝ち目がないしお互い大きな被害を被るだろうし」
依「あら、あっけない」
魔「ただな 幻想郷には知的で美しい決闘ルールがあるんだ 
  力の強い妖怪が多い幻想郷だからこそ生まれたルールだ それで少しの間楽しまないか?」
依「何かしら?」
魔「人間も妖怪も月の民もオケラも皆 平等に楽しめる 
  この世でもっとも無駄なゲーム スペルカード戦だ」
(妖精三匹に対し玉兎無双)

魔「ま、こんな感じで基本一騎打ちで戦うんだ 
  (まさか三匹みんな負けるとは思わなかったが)
  その際自分の持っている大技をすべて見せて相手にかわされるか潰されたら負け 
  技と体力が残っている側はさらに続けても構わない 
  でも勝負がついたら大人しく引き下がる」
依「…普通の決闘と何が違うの?」
魔「美しいほうが勝ちなんだ つまり精神的な勝負ってことだ」
依「へぇ それは分かりやすいわね」(漫画15話)

小説での補足

「ねぇ、あの星って当たっても痛くなさそうだけど……」
痛くなくても当たればミスみたい。だから華麗にかわすのよ」
「へぇ、なら弾数が多い方が有利なんじゃない?」
「多分、同時に出せる弾数に限界があるのよ。エネルギー保存の法則だか、
 エントロピー増大だかなんだか知らないけど…」(小説第六話)

 

豊姫「でも、ルール付きの決闘って何?」
レイセン「美しく相手を制した方が勝ちだそうですよ」
(中略)
豊姫「美しくって誰が判定するの? というか人間が思う美しさって何? 
   美人コンテストでもやってるのかしら、面白そうだわ」
レイセン「い、いや、言い方が悪かったですかね。
     美しさというか穢い手を使わないで戦うというか」(小説六話)

魔「で、うちらが全敗したら…おとなしく地上に帰るから」
依「ふーん それで無駄な血が流れないのであるのならいいかもしれない
  もし私が敗れるようなことがあっても 月の都には入れさせないけど……」
魔「ま そのときは手土産一つでもあればいいや 正直本気で月の都を攻めたがっているのは
  一人だけなんで」

レミ「ちょっと いつまでこんな茶番劇見てなきゃいけないのよ! さっさとそいつを倒して 
    月の都に向かうよ!」
依姫「話は終わったわ さあ 一番最初に私と戦うのは貴方かしら?」
レミリア「咲夜 あんたが行きなさい」
咲夜「はい」
依姫「怖じ気づいたのかしら?」
レミ「 先に貴方の能力を見て 少しでも勝率を増すためよ でも咲夜は強いから 
    私の出番がないかもね 」

最大限美しい.png 

依「それでは 私も月の使者のリーダーとして 最大限 美しく……」

第十四話 金属の戦い

永琳の手紙:──依姫は 豊の海に現れるであろう敵を迎え撃つ 
      そこで現れる敵は囮です しかし その囮は貴方の潔白を
      証明するのに役立つでしょう

火雷.jpg 火雷2.jpg 

依「『火雷神』よ 七柱の兄弟を従え この地に来たことを後悔させよ!」

(時止めで回避し、依姫の背後を取る)
依「貴方は 不思議な術を使うのね」
咲「さっきも見せたでしょ 瞬間移動のイリュージョン」
(ここで依姫、咲夜のスカートの裾が焦げていることに気づく)

 

咲夜の弾幕こうげき! 『ルミネスリコシェ』で、空から大量のナイフが降ってきます。

 

うるさい蠅.jpg  senaka.jpg 

依「金山彦命よ 私の周りを飛ぶうるさい蠅を砂に返せ!」 
魔「なっ!」
霊「ほー 便利ねー ボムかしらー」
依「そして 持ち主の元へ返しなさい」

咲「ま まさか 自分のナイフを避ける羽目になるとはね! 避けにくいのは当然ね
  しょうがない…いざ!! ……!! 『私の世界』へ!」

 

ここで依姫は、
「咲夜が時止めをする寸前に火雷を展開し、『反射したナイフ+雷』で、
 『体を通す隙間がない密度』の弾幕を張って勝利」しました。
以下、玉兎による依姫へのヒーローインタビューをお楽しみ下さい

 

二号「さすがです依姫様 あと三人ですね!」
依姫「私には八百万(やおよろず)の技がある 一人頭二つしか使っていないんだから
   あと399万回連戦しても勝てる計算」
二号「はあ」

二号「ところでなぜあの人間は 最後 
   雷に囲まれたときに瞬間移動しなかったのでしょう?
依「あの者は 瞬間移動などできないってことよ 移動したい場所までに 身体を通せる隙間がある
  場合のみ移動できる 私は最初の火雷神のときに気づいたわ スカートの裾が焦げているって…」
二号「さ さすがですね!」

依「さあ 次は誰かしら?」
レミ「そうだねぇ 魔理沙(あんた)も負けそうだから 次 頑張って
     思いっきり負けるのを見せてね」

魔「ま いくら力の差があろうと スペルカード戦なら負ける気がしないがな」

底巻