藤原 妹紅

Last-modified: 2023-09-10 (日) 14:57:08

1300年の人生

不死になってからもう千三百年くらい経つのだろうか
不死になってから最初の三百年は人間に嫌われ、身を隠さないと自分にも周りにも
迷惑を掛けるという悲しいものだった。
次の三百年はこの世を恨み、妖怪だろうが何だろうが見つけ次第退治することで
薄っぺらな自己を保つことが出来た。
その次の三百年はその辺の妖怪では物足りなくなり、何事に対してもやる気を失う
退屈なものであった。
その次の三百年、ついに私は不死の宿敵と再会し殺し合うことに楽しみを見出すことが出来た。

私には宿敵がいた。その名は蓬莱山輝夜。私の家族の人生を狂わし、
身勝手な行動で多くの人間に迷惑を掛けた不死の人間である。勿論、今でも宿敵であることは変わらない。
今ではお互い不死と言うこともあり、定期的に壮絶な殺し合いを行っている。(小説四話)

『その壺をこの山で焼かれてしまうと、火山はますます活動を活発にし、
私の力では負えなくなってしまうでしょう。その壺は神である私の力をも上回る力を持っています。
貴方たちはその壺に入っている物がどのような物なのか理解しているのでしょうか?』
(咲耶姫の、蓬莱の薬が入った壺に対する台詞。小説四話)

住処

私は迷いの森の中にある小さな隠れ家に戻っていた。(小説四話)

現在の妹紅

そして今、私の存在も人間の社会に順応しつつある。
今は長く生きてきた知識と長く戦ってきた力を使い、人間の護衛を行っているのだ。
竹林に迷い込んだ人間 ──それは外の世界から迷い込む人間も含めてである、
を竹林に棲む妖怪の手から守る仕事を行っている。
昔は決して有り得なかった人間からの感謝が、今の私の生きる支えである。
不死を恐れない人間のいる幻想郷はまさに楽園の様であった。(小説四話)

─夜の竹林は何か出てきそうなおどろおどろしさがあった。
でも人食い狼が出ようと、怨霊が出ようと私には怖さは感じられない。
私は死ぬことを恐れなくなった。
私は飢える心配も必要なくなった。
その私が、今、何かに怯え足早に永遠亭に向かっている。
そうだ、不老不死の私が退屈しないで生きていられるのは、宿敵(あいつ)がいたからじゃないか!
不老不死の恐怖は永遠の孤独。罪の意識にさいなまれる永い現実。
それを共感できるのは、同じ境遇(不死)である宿敵だけだ。
私が不安に思っている事、それは『宿敵が永遠にいなくなってしまう』事だ。
その宿敵は千三百年前に月に帰ると言っていたことを思いだした。だから、吸血鬼が月に行くって
話を聞いたときから嫌な胸騒ぎがしていたのだ。そして今日。その吸血鬼達のロケットがついに発射した。
地上の生き物が月に行く、嫌月の民が月に帰る手段がまた一つ増えたのだ。
永遠亭の明かりが見えてきた。その明かりを確認すると、少しだけ安心した。(小説四話)

言語センス

我が人生で最もセンセーショナルな出来事である

不死になってから300年位
死ぬほど後悔したよ。まあ死ねないんだけどね