クロノクルセイド

Last-modified: 2008-11-14 (金) 11:41:57

クロノクルセイド/森山 大輔

191 :クロノクルセイド :04/04/26 16:21 ID:???
主要キャラ紹介Vol.1
○ロゼット=クリストファ(シスター・ロゼット)
エクソシスト(悪魔祓い師)を擁する「マグダラ修道会」に所属するシスター。
よく言えば勇猛果敢、悪く言えば猪突猛進な正確のじゃじゃ馬娘。
相棒であるクロノのツッコミには容赦なく手を上げ足を上げる。
苦手なものは始末書と上司であるシスター・ケイトのお小言とサブミッション。
○クロノ
常に陰に陽にロゼットを支える良き相棒。何かと多方面に迷惑をかける
ロゼットをたしなめてはグーを貰う毎日である。
だが、彼にはある大きな秘密がある。それは・・・
○ユアン=レミントン牧師
ロゼットとクロノをマグダラに導いた牧師にしてエクソシストの優男。
二人の事情を良く分かっているからか、少々甘いところがある。
エクソシストとしての腕は超一流で、ロゼットの憧れの人。
○シスター・ケイト
「マグダラ修道会」の幹部にしてロゼットの直属の上司。
悪魔の跋扈以上にロゼットの破壊活動に頭を悩ませる日々を送る。
得意技はサブミッション(対象は主にロゼット)。
○長老(エルダー)
マグダラの戦闘力・移動力等の要である技術部の主任を務めるエロ老人。
スカートめくり、脱衣所進入はお手の物だが、頭と腕もピカ一。
クロノとロゼットの境遇を察しているものの一人でもある。



192 :クロノクルセイド :04/04/26 16:23 ID:???
<イントロダクション編>
ここはは1924年、アメリカ。今港に辿り着こうかという貨物船では
地獄絵図が展開されていた。必死に「ヤツ」を食い止めようとする船員たち。だが・・・
その船を遠くから眺めるものがいた。ロゼットである。
マグダラに連絡を取るも「別件で人員は割けない。貴方たちでやりなさい」と
いうシスター・ケイトのセリフに腹を立て、今だ寝ているクロノに起すついでに
八つ当たりのケリを食らわす。目覚めたクロノと憂さ晴らしに成功したロゼットは、一路港を目指す。
港では、船の惨状に警察やヤジ馬が溢れていた。その時、船がら何かが現れる。
それは・・・エスニックな風貌の化け物だった。
化け物の出現に逃げ惑う人々に逆らい爆走する車がひとつ。
ブレーキが効かないのか、港に降り立った化け物に体当たりを敢行しようやく
止まったその車からは、罵声とともにドアを蹴破りシスター・ロゼットが登場。
唖然とする警察らに令状を見せ、現場に踏み込む。
聖水を詰めた弾丸「聖火弾(セイクリッド)」で攻めるロゼットとそれを的確にサポートするクロノ。
逃げる化け物を追い船に突入する。だが、船は動き出していた・・・。
そんなこととは露知らず応戦を続ける二人。貨物室の金銀財宝の山(英国の
第一次大戦での借金のカタ)に感服する二人を化け物は急襲、ロゼットは抜けた床に飲まれ落ちていってしまう。
落ちた先は機関室。化け物は食らった人間の魂を使役し船を動かしていたのであった。
そこにクロノから「十字結界(対悪魔用の結界。捕縛にも防御にも使える)の準備が出来た」との報告。



193 :クロノクルセイド :04/04/26 16:25 ID:???
しかし、その時化け物がロゼットを取り込もうと襲い掛かる。
意識を乗っ取られようとする最中にロゼットが見たのは、黄金京滅亡の刻。
故郷に帰りたいという化け物の怨念に圧倒されようとしていた、その時・・・
「そのヒトの魂はボクのモノだ」
クロノのその言葉と共に十字結界が作動、化け物は身動きが取れなくなる。
とりあえず魂が誰の物だって!?とクロノをいびり倒すロゼットはトドメを
刺しにかかるも、聖火弾は尽きてしまった。ならば、とこっそりエルダーから渡されていた新弾丸を装填。

迷える子羊に安寧を 狼の牙にひと時の安息を そして悪魔に死の鉄槌を

新弾丸「福音弾(ゴスペル)」が光を放ち、化け物を浄化する。
後に残ったのは金で出来た神像と思しき物。どうやら植民地化されたときの
虐殺による怨念があの化け物を作っているようだった。
「封印」を少し緩めてあげるから元の場所に返してあげて、というロゼットの
願いに答え、クロノは力を行使し神像は帰っていった。

夜も開けすがすがしい朝を迎えた二人を待っていたのは、船が自由の女神像に
突撃していたという事実であった・・・。



194 :クロノクルセイド :04/04/26 16:28 ID:???
明けて翌日。朝早くからロゼットは呼び出されて先の一件などの説教をされていた。
だが、うっかりロゼットはこの惨事を本にでもすれば印税が、などと口を滑らせる。
ロゼットを追い執務室に向かうクロノは調査を終え戻ってきたレミントン牧師と鉢合わせ。
二人して執務室の扉を空けたとき、そこで見たものはシスター・ケイトの見事なコブラツイストであった・・・。
ロゼットの関節を心配するレミントンにシスター・ケイトは甘いんじゃないかと
指摘するも、いいタイミングでロゼットはエルダーからお呼びがかかり逃走。
後に残されたシスター・ケイトとレミントンは、二人のこと、特にクロノが
本来マグダラにとって異端な存在であることへの危惧を語っていた。
一方、エルダーの研究室に辿り着いたロゼットを待っていたのはエルダーのスカートめくりだった。
もっと色気のあるもん穿けというエルダーを足蹴にし、先日放ったゴスペルの感想を告げる。
そのとき、ゴスペルに似た黒い弾丸を発見する。エルダー曰く「セイクリッドの
聖水の代わりに悪魔を詰めた、ゴスペルより強力な弾丸」なのだそうだ。
試作品なのでじゃじゃ馬にゃ使わせられんと言うエルダーの言葉を無視し、
こっそりその弾丸を盗み出したロゼットはクロノの静止すらも無視し、射撃場で弾丸を撃ち放つ・・・!
大爆発。封じていた化け物が二人を襲う。
それを発見したシスター・ケイトは完全にブチ切れていた。



195 :クロノクルセイド :04/04/26 16:29 ID:???
少々心許無い武装ながら、必死で立ち向かうロゼット。だが、一瞬銃が
弾丸を正常に発射できなかったスキに化け物は豪腕を振るい、ロゼットを殴り飛ばす。気を失うロゼット。
「爵位も名前もない下級の分際で大切な契約者が動かなくなったじゃないか・・・どうしてくれるんだ・・・!」
怒りと共にその形相を激しく歪ませるクロノ。それに合せる様に周囲の木々が
枯れ果てていく。クロノが木々の生命を吸っているのだ。
シスター・ケイトは語る。クロノは普段はロゼットが身に着けている懐中時計で
力を封じられているものの、その本質は「悪魔」である、と・・・。
クロノごと化け物を退治せんと指示を送るシスター・ケイトをレミントンは静止する。
ここで終わるようではロゼットらにはこの先の困難に立ち向かうことなど出来やしない、と。
今まさにその力を発揮せんとするクロノに、意識を取り戻したロゼットが抱きつき、自分は大丈夫だから、とクロノをなだめる。
元に戻ったクロノとロゼットが退避したところでエクソシスト達による一斉掃射。化け物は退治された。
二人の間に絆がある限り、クロノは心優しいままでいられるはずだ、と語るレミントンとエルダー。
シスター・ケイトも二人を見守ることにしたのだった。
だが、そんなことで被害が消えるはずも無く、ロゼットはお仕置きの
サブミッションフルコースと掃除を仰せつかったのであった・・・。



196 :クロノクルセイド :04/04/26 16:31 ID:???
キャラ紹介Vol.2
○クロノ(2)
クロノは前編で言われたように、本来はマグダラの敵である「悪魔」である。
その力は契約者であるロゼットと彼女が身につける懐中時計により封印されて
いる。その力が解放されるとき、クロノの真の力が解き放たれる。
○アズマリア=ヘンドリック
通称アズ。俗称アズっち。
ポルトガルの生まれで楽団の歌い手として生活していたが、突如悪魔信奉者
リカルドの養子に迎えられる。だが、そこで待っていたのは、神の御使い
「地上代行者」の力を制御するための強引な実験の日々であった。
「地上代行者」として他人を癒し浄化する力を持つ反面因果律が常に悪い方向に
傾き、そのせいで「周囲の不幸は自分のせい」と思い込むようになってしまっている。



197 :クロノクルセイド :04/04/26 16:35 ID:???
<ベガスの歌姫編>
ここはラスベガスのとあるカジノ。
あまりの当らなさにスロットを破壊するのは、そう、ドレスに身を包んだロゼットである。
今回二人に課せられた任務は、かなりの名を馳せる悪魔信奉者リカルドの養女アズマリア=ヘンドリックの保護。
当人を遠目ながら発見したロゼットらは、その見事な歌声に酔いしれていた。
しかし、リカルドは満足でない様子。従者のレライエが「規定値の半分にも
満たない」と語るや否や実験を中断させる。
アズを部屋から外に出すなと命じられていたメイドは、アズが窓から外に脱出した後を見つけ、
ガードマンと共に捜索に当る。
だが、実はアズはソファの下に隠れていた。メイドたちが出て行った隙を突きアズは部屋から逃げ出す。
そのころ、ロゼットは内から、クロノは外からリカルドのプライベートスペース
に進入していた。周囲の混乱に身動きが取れないロゼットの耳に届くのは、クロノの不満声。
だが不意にクロノとの通信が途絶え、つい声を上げてしまう。
見つかったらヤバいということでシーツ用の荷車に飛び込んだ彼女を待っていたのはなんとアズ。
貴方を保護しに来たと語るロゼットの手をアズが取ろうとしたそのとき、
レライエが突如現れる。その圧倒的な迫力に何も言えなくなるロゼット。
自ら身を投げ打ってロゼットを庇い立てするアズにロゼットが歯がゆさを
噛み締めているその時、突如としてクロノの悲鳴が響く。
警護のため配備していた石人形(ガーゴイル)に発見され、格闘していたのだ。



198 :クロノクルセイド :04/04/26 16:37 ID:???
今がチャンス、とアズを奪い去り、ビルから脱出する3人。
ロゼットから「クロノ」と呼ばれた少年の姿にレライエが醜悪な笑みを浮かべ
ながら、なぜか特に動くということも無く見送る。
脳裏に、かつて完膚なきまでに「ヤツ」に叩きのめされた記憶がよぎる。

無事着地できた3人を待っていたのは相変わらず追ってくるガーゴイル。
不運に巻き込んでしまって申し訳ないと語るアズに、ロゼットは自分が
いるから大丈夫だと励ましながら、武器を取りに先行したクロノと合流。
翼を落せば自重で砕けるというクロノの進言どおりにガーゴイルを撃退して
いくロゼットだったが、場所が悪かった。落下するガーゴイルの下敷きになって、多くの人が傷ついてしまった。
その光景を見たアズは、グレゴリオ聖歌を歌う。背には光の翼が羽ばたき、癒しの光が怪我人を癒していく。
その光景に、二人は驚きを隠せなかった。
その光景に、リカルドとレライエは「規定値を大幅に超えている」と大喜びであった。
レライエの顔には、いつでも奪還できるという自信とは他の、別の感情が表れていた・・・。
アズは語った。7年前、咳と熱にうなされる自分に天啓が降りてきて、それ以来歌に聖なる力が宿るようになった、と。



199 :クロノクルセイド :04/04/26 16:39 ID:???
マグダラで迎える朝。アズが目覚めるととこにはクロノと凄まじく寝相の悪いロゼットが。
なかなか起きないロゼットをクロノが池に落すという和やかな光景で今日が始まる。
アズはほかのマグダラの人と一緒に教会の掃除にすることに。楽団では自分で
なんでもやらなきゃいけなかったからこのくらいへっちゃらです、と語る。
その一方でシスター・ケイトとレミントンはアズの経緯・リカルドの行動の
調査結果を話し合っていた。あまりにずさんなリカルドのやり口、かつて
アズがいた楽団は身元の特定はおろか何人だったかすら分からないほどに
惨殺されていたこと。これらから推察できるのは、リカルドが焦っているのでは
ないかという推測、悪魔がやはり絡んでいること、いつでも取り返せるという自信があるということだけであった。
ロゼットは泣いているアズを見つける。どうやら先の話を立ち聞きしてしまったようだ。
必死で泣いていることを隠すアズを見たロゼットはもどかしさを感じ、彼女に目隠しをしてある場所に連行する。
そこは、ロゼットとクロノにとって思い出の場所に良く似た、森の湖であった。
3人で水浴びなどして、悲しいことなど吹き飛ばすように笑いあい、語り合う。
自然な表情を浮かべるアズに、悲しいことは自分ひとりで抱えてないで周りの
人間に打ち明けてほしい、もっと自分に素直になればいい、とロゼットは語りかける。
本当に言って欲しかった言葉。心のどこかで誰かに言って欲しかったその言葉にアズは、思わず嬉し涙を流す。



200 :クロノクルセイド :04/04/26 16:42 ID:???
突如、クロノが殴り飛ばされる。
クロノはその相手を「子爵」レライエと呼び、レライエはクロノを「罪人(とがびと)」クロノと呼ぶ。
圧倒的な力で迫るレライエに、アズは懇願する。自分は大人しくするから二人にはこれ以上手を上げないで欲しい、と。
だが、アズを抱えたレライエは二人に向かい光弾を浴びせかける・・・!
リカルドは帰還したレライエに縛鎖(ギアス)による制裁を加える。
ギアスがある限り逆らえないのだからあえて時間をかけるような真似はするな、
というリカルドの言葉に苦虫を噛み潰したような表情でレライエは答える。
その後ろで、アズは、奇妙な装置に繋がれていた。
ロゼットたちは、無事であった。場所の目検討がついていたレミントンが先頭に立ち、二人の保護や消火活動が進む。
なぜか妙な虚脱感を感じるロゼットに、防御結界と自己修復のためにちょこっと
力つかっちゃったテヘッと語るクロノ。とりあえず制裁。
レミントンは知っていた。軽々しい感じで受け答えしてはいるが、クロノの
力の源は、契約者ロゼットの魂そのものであることを・・・。



201 :クロノクルセイド :04/04/26 16:44 ID:???
レミントンは、ロゼットに「神託」、「第3の予言」のことを話す。
神託とは、7年前にポルトガルの農村の子供たちの前に突如聖母マリアの
幻が現れ、今起こっている戦争が間もなく終結すること、20年後にもう一度
世界規模の戦争が起こること、そして「神の御使い」「地上代行者」が
現れることの3つ。この3つ目の予言とアズの力が繋がるものであり、その力が
目当てでリカルドはアズを確保しようとしたというのだ。
リカルドたちは私用の飛行船で何らかの儀式を遂行しようとしているらしい。
リカルドが強引に、ずさんに行動を起していたのは空の上では手出しできまいと
いう自信があってのことであった。さすがにお手上げか。
でもアズに会ってひとりじゃないと伝えてあげたいロゼットの声に応えるようなタイミングで、飛行機が一機降り立つ。

目が覚めたアズが見たものは、繋がれた自身の体と、大きな水槽に浮かぶ女性。
リカルドの目的は、アズの歌声によって呼び起こされる「アストラルライン」
と呼ばれる目に見えない魂の奔流を取り込み、妻を生き返らせることであった。
機械が機動し、決して歌声とはいえないアズの悲痛な叫び声と共に儀式が始まる。
飛行機に乗り込み、半ば強引にリカルドの飛行船に乗り込むロゼットとクロノ。
メイドやらガードマンやらが出てくるが、クロノは「人間は二人しかいないから撃って構わない」と語る。
その言葉を信じメイドに弾丸を撃ち込むと、メイドの姿は崩れ虫のような化け物へと変わっていく。
メイドたちはリカルドが使役していた群魔(レギオン)であった。
レギオンどもを蹴散らしながら、二人はアズが待つ部屋へと急ぐ。
もっと「らしい」悪魔でもいるのかと思っていただけに拍子抜けな感じの
ロゼットに、レライエだけが特殊で、ヤツはロゼットと会う前に殺したと
思っていた「追っ手」の一人だと告げる。



202 :クロノクルセイド :04/04/26 16:48 ID:???
リカルドの儀式はいよいよ佳境を迎えていた。いよいよ妻が蘇る・・・と
期待していた矢先、水槽が割れ、作り直した妻の体が崩壊することに狼狽するリカルド。
アズは気付いていた。自分が集めていた力がレライエの方に集まっていたことに。
体に埋め込んだレセプターにアストラルをたらふく溜め込んだレライエはギアスを
引きちぎり、リカルドを消し飛ばす。
ちょうどそこに二人が到着。だが、レセプターのおかげでかつてよりも強くなり、
クロノへの復讐に燃えるレライエの前になす術がない。残された手段は只一つ、封印解除。
寿命が縮むことになるんだと説得するクロノに、10分だけだから、そのうちに
決着つけちゃってと告げ、懐中時計のスイッチを入れる。
圧倒的な力にご満悦のレライエに一陣の閃光が迫り、アズを抱える腕を斬り飛ばす。
その光の主は封印を解除され真の力を発揮したクロノ。
アズをロゼットのもとに退避させ、レライエとの戦いに赴く。
レセプターのおかげで力だしまくりのレライエに対し、力を使うほどロゼットの
命を食うことになるため全力を出せないクロノ。かつては圧倒的だった差もこの状況下ではクロノが不利。
一方ロゼットはアズに、「30まですら生きられるかどうかわかんないけど、
やることやんなきゃ死んでも死に切れない。やれることがあるなら勇気を持ってやらなきゃ」と告げ、秘策を巡らす。
押され気味のクロノに満足できないレライエは、標的をロゼットらに変更。左腕を巨銃に変え撃ちぬく・・・!



203 :クロノクルセイド :04/04/26 16:50 ID:???
かに見えたその時、レライエの半身が吹き飛び、レセプターが割れる。
ハナっからこちらを狙ってくることを読んでいたロゼットは先手を打って
十字結界を張り、クロノに見せ付けるべく動きを止めて攻撃を仕掛けるその時を待っていたのだ。

 敗因を教えておいてやるよ お前は人間をナメすぎた

クロノの腕がレライエの心臓を抉り出し、引きちぎり、握りつぶす。そして、レライエは光と消えていった。
だが、事態はそこで終わらない。クロノVSレライエで激しく損傷した飛行船は降下の一途。
クロノも時間切れでいつもの姿に。打つ手のない3人。
ロゼットの「やることやんなきゃ死に切れない」という言葉を受けたアズは
勇気を振り絞って力を発動、二人を救い出すことに成功。最後は飛行機に
乗ったレミントンが3人を空中で拾って万事解決。
マグダラに戻り一夜明けた翌朝。アズは先日の一件以来力が発動しないことを告げた。
世話になっていた劇団ももうないし、自分に力があるから保護してくれた教会も
力がなくなってしまったらもう居場所はないだろうと言い出すアズに、ロゼットは聖歌隊に入ることを提案。
アズはこぼれんばかりの笑みでそれを受けることにしたのであった・・・。



204 :クロノクルセイド :04/04/26 16:58 ID:???
これにて1巻終了。編立ては自分でしたものです。
一応言っておきますが、変身後のクロノはゲームなんかでよくあるような
悪魔というよりは、20歳前後の逞しい男性に悪魔らしい翼を取り付けたような姿と思ってください。



295 :クロノクルセイド :04/04/28 13:39 ID:???
<Interlude1>
アズマリア奪還から数日経ったある日のこと、マグダラ内で夜な夜な幽霊が出る
ようになったというウワサでもちきり。訓練後のシャワールームでもその話は絶えない・・・
が、ロゼットはなにやらおねむの様子。ちょうど下着を盗みにきたエルダーとロゼットを
呼びにきたクロノをシスター総出でタコ殴りにした後、エクソシストたちはシスター・ケイトの執務室へ。
シスター・ケイトは今回の件を重く見ているようで、さらには主に女子寮で頻出している
ということもあり、シスターだけで速やかに解決せねば、と居眠りするロゼットの額にペンを
投げ刺しつつ語る。その夜から見回りが強化されることとなった。
いい機会だからとアズも見回りに加わることに。アズをひやかすロゼット、「精神年齢は
アズの方が上じゃ・・・」などと言って鉄拳制裁をくらうクロノ。
気がつけばロゼットはスープの海にダイブ爆睡。なにやら病的なものすら感じられる
ロゼットの異常な眠さ加減に一抹の不安を感じるアズとクロノ。
案の定、夜の見回りの時間になってもロゼットは起きてこない。仕方が無いので
ロゼットはあとでお説教を食らってもらおうという結論を出し見回り開始。



296 :クロノクルセイド :04/04/28 13:41 ID:???
そのころ、ロゼットは寝覚めスッキリいい気分。思わず空を飛んでしまい・・・
ってホントに飛んでる。幽霊の正体はなぜか抜け出したロゼットの魂だったのだ。
事態を伝えたいロゼットだが回りからはどう見てもゴーストそのもの。アズは見たとたん
失神、シスターたちからは十字結界とセイクリッドの集中砲火。
シスターたちはまたもロゼットを探すついでに下着を盗みにきたエルダーをフクロに
しつつ、ロゼットの魂とは知らずゴーストをを追い込んでいく。
そして、ロゼットももはやこれまでかというとき、突如として閃光が。
そこでロゼットが見たものは、クロノと契約をした「あのとき」の光景。
だが、ホントのそのときとは違うらぶらぶちっくな展開に思わず手を上げる・・・
と、その拳はクロノのこめかみにクリーンヒット。無事ロゼットは覚醒する。
エルダー曰く、今回の一件は、クロノVSレライエのために封印を解いたことに
起因する懐中時計の動作不良によるもの、とのこと。自分では及ばないほどの
技術で作られたブラックボックスの塊だから大事に扱え、とエルダーは告げる。
そして、夢の中身を思い出して思わず赤面するロゼットが照れ隠しにクロノに
一発食らわせて、騒動は一件落着したのであった。



298 :クロノクルセイド :04/04/28 13:43 ID:???
キャラ紹介Vol.3
○ロゼット(2)
元々はセブンズベル孤児院に住む戦災孤児だったロゼット。弟のヨシュアの
体調が芳しくないことや、最近何かにつけてヨシュアを教会に連れて行こうとする
牧師(レミントン)の出現などでちょっとヨシュアを過保護ぎみに扱う。
○ヨシュア=クリストファ
ロゼットと同じくセブンズベル孤児院に住む戦災孤児でロゼットの弟。
他人のキズを癒すことができる代わりに自分のキズは治せず、さらに能力の反動で常に床に伏せがちな毎日を送る。
夢はでっかく「世界でまだ誰も行ったことのないところにロゼットと二人で行くこと」。
病気がちの体が心の奥底に生み出したコンプレックスが、悲劇の幕開けを告げるベルとなる・・・。
○クロノ(3)
ロゼットとヨシュアが遊びに行った森で、偶然落とし穴に嵌って見つけた地下の
遺跡の奥で眠っていた。ロゼットの第一印象は「自分を『悪魔』と呼ぶヘンなヤツ」。
二人との出会いは偶然か必然か、再び己が運命に立ち向かうこととなる。



299 :クロノクルセイド :04/04/28 13:45 ID:???
<過去・セブンズベル編>
帰りにレミントン牧師を拾ってこいとのお達しに上機嫌のロゼット。
ウキウキ気分でグランドセントラル駅に車を走らせる。が、当のレミントンは抵抗不能の窮地に立たされていた。それは数時間前のこと。密かに「罪人(とがびと)」を探らせていた工作員を
レミントンは待っていた。だが、そこに来たのは見知らぬ一般人。だが、その口から放たれた言葉は

彼は来ないよ 私が食った 骨、肉のひとかけらも残さずね

男を組み敷き銃を向けるレミントン。だがその男は理解できない状況に泣き出すばかり。
だが、今度は周囲の人々が突如ガラスの破片を首筋にあてがう。人質。要求はロゼット。
ロゼットが駅に入る直前、一瞬のスキをついたレミントンは正面に立つ先ほどの
男の背に回り首筋に手をかける。その手の中には蜘蛛。その蜘蛛を使って駅にいた人たちを操っているようだ。
そしてロゼットが駅に入ってくる。操っていたヤツがロゼットに集中している
一瞬の間に十字架から光の刃を発生させ蜘蛛の糸を断ち切り、ロゼットに
銃を撃つように指示。わけも分からず引き金を引くロゼット。
人々を操った張本人には逃げられたが、とりあえずその場は片付いたようだ。
しかし、ロゼットには気がかりなことがあった。そして、レミントンが見せた
一枚の写真がその気がかりを現実的なものへと変えていく。
写真に写っていたのは、たったひとりの大切な弟、ヨシュアの姿であった。



300 :クロノクルセイド :04/04/28 13:47 ID:???
ロゼットとクロノはある場所へ赴く。二人にとってはじまりの場所、セブンズベル孤児院。
そこは、永久に時が動かなくなった場所・・・。
4年前のセブンズベル孤児院。そこはどこにでもあるごく普通の孤児院。
今日も元気にガキどもが暴れ周り、ロゼットがブチ切れる、そんな毎日。
ロゼットは今日は体調がいいんだというヨシュアをつれて森に遊びに行く。というのも
今日もまたあのいけすかない牧師がヨシュアを連れ出す算段を立てにきたからだ。
レミントン曰く、ヨシュアには特別な才能があるからマグダラに迎えたい、とのこと。
だが、ロゼットに嫌われているという自覚もある手前、無理にとは決して言わない。
ヨシュアは都会へのあこがれを語り、ロゼットは実験に使われるだけだから
行くな、と反対する。そのとき、不意に足元の土が抜け、そのまま穴に転落。
落ちた拍子にヒザを怪我したロゼットを「力」で癒すヨシュア。
自分の体も直せればいいのに、と語るヨシュアに、貴方が人を癒す分周りが
貴方を守る、私が貴方を守ってあげると諭すロゼット。
出口を求め辿り着いたのは大きな扉。何やら字が書いてあるようだがかすれて読めない。
だが、ヨシュアが扉に手をかけた瞬間音も泣く扉が開く。そこで見たものは大きな棺桶と
思しきものと、その傍らに佇む少年であった。
少年は語る。自分の名前はクロノ、人間が『悪魔』と呼称する存在だ、と。



301 :マロン名無しさん :04/04/28 13:48 ID:iHYUZlz0
起き上がろうとするもアストラル不足で満足に立ち上がれないクロノを、
起き抜けで腹ペコなのかと判断したロゼットは隠し持っていたおかしをあげる。
こうして、3人の交流が始まった。
時には「誰か」の昔話、時にはクロノがハズレのサンドイッチ(ロゼット作)でリバースと楽しい日々を過ごす。
あるとき、クロノはヨシュアに請われるままに、天空を流れる魂の大河「アストラルライン」の話をする。
目を輝かせたヨシュアはお返しとばかりに「前人未到の地にロゼットと二人でいくんだ!」とでっかい夢を語る。
そして、新しい夢。「アストラルラインの行き着く果てに、自分と、ロゼットと、そしてクロノの3人で行こう」。
夢をかたって大いにはしゃいで疲れ眠るヨシュア。力を得て以来発作がちになり
夢を語らなくなったからもう忘れてしまったのかと思っていた、とちょっとれしいロゼット。思わず一言。
「私がもしいっぱい勉強したら、お医者さんになれるかな・・・?」
それから数日後、夕暮れ時に突如クロノが眠る遺跡にロゼットが駆け込む。
何やら視線を感じるというクロノにロゼットは泣きすがる。
ヨシュアが誰にも相談せずにひとりでマグダラ行きを決めてしまったのだ。
そのとき、ヨシュアはレミントンに語る。もう誰にも負担をかけたくない。
ロゼットも自分のために無理することなんてない。マグダラに行けば強くなれるかな?



302 :クロノクルセイド :04/04/28 13:52 ID:???
クロノが泣きじゃくるロゼットをなだめているその時

           ヨォ、相棒

声の主、それはかつての仲間にして盟友、アイオーン。
「ちょっと人手が要るようにになったから、こっちに戻って来い。
いまだったら『あのとき』のこともチャラにしてやるし、『尖角(ホーン)』も返してやるぞ?」
ハテナマークが浮かぶロゼットにアイオーンは語る。
悪魔の力の源は尖角にあり、そして尖角は悪魔にとって必要なアストラルを吸収する
為の器官でもあること、その悪魔の生命線である尖角を折られたクロノは力を失い堕落した存在であることを。
クロノにとっては実に魅惑的な交換条件。だが、クロノはアイオーンの提案を
撥ね付ける。空の上では見つけられなかった、大事なものがここにはある。
しかし、アイオーンは続ける。
「この尖角いらないのなら、誰かにくれてやろう。ちょうどアテもあるしな」
寝込むヨシュアにアイオーンは語る。
「世の中にゃ外を走り回るガキどもがいるのにおまえは寝たきり。
そんなの不公平とは思わんか?思うならこれを受け取れ」



303 :クロノクルセイド :04/04/28 13:55 ID:???
アイオーンの目論見が読めたクロノは無理を承知で真の姿となり、ロゼットを抱き孤児院へと一気に飛び立つ。
ヨシュアは言われるがままにクロノの尖角を受け取り頭に取り込んでいた。
接合部からは血が噴出し、これまで感じたこともない激痛が絶叫となって孤児院に木霊する。
そして、ヨシュアは見る。心配になってやってきた孤児院の仲間や院長先生から立ち上る不快な「ノイズ」を。
それは心の声。あまりに不快すぎるノイズに思わずヨシュアは叫ぶ。
ノイズを、止めろぉぉぉぉぉ!
閃光がほとばしり、孤児院の子供の一人が石と化す。逃げ惑う孤児院の人々、ノイズに苦しむヨシュア。
そこに、ロゼットとクロノが到着。だがクロノは無理に力を発動したせいでリバウンドに苦しむ。
ロゼットは急ぎヨシュアの元に向かい、それをクロノが静止するその時孤児院から大爆発。
ギリギリ範囲外にいたロゼット、クロノ、ヨシュアを除く孤児院の人々の時間が、凍結する。
ロゼットの声に一瞬正気を取り戻すヨシュアだったが、今度は力を制御できずに
暴走させ、周囲に時間凍結の霧を発生させる。
残り少なくなった力を防御と飛行にあて、クロノはロゼットを抱き遠くに逃げる。
力の源たる尖角もなく、契約者もいないクロノには何も出来ない。



304 :クロノクルセイド :04/04/28 13:56 ID:???
契約者がいればなんとか出来るのなら私がなってあげるというロゼットに、
契約として差し出すものは魂の時間すなわち寿命であり、契約者になって
しまえば常人の半分の長さも生きられやしない、そんな人生でいいのか、とクロノは迫る。
それでも、ヨシュアを止めなきゃいけない。夢をかなえに行こう、って言ってあげなくちゃいけない。
ロゼットの強い決心を悟ったクロノは、ロゼットと契約する。その後レミントンに拾われた二人は
マグダラで訓練を受け、戦う術と、そしてヨシュアの手がかりをついに手に入れることが出来た。
この場所で止まってしまった時を再び動かすために、二人は歩き出す。



305 :クロノクルセイド :04/04/28 14:09 ID:???
キャラ紹介Vol.4
○アイオーン
かつてのクロノの仲間であり兄弟分。ある「計画」のためにヨシュアにクロノから
もぎ取った尖角を与えさらった張本人。この時点では今だ姿を見せておらず、使い魔の鷹で暗躍。
ついでの用語解説その1
○アストラル(霊素)・アストラルライン
アストラルとは要するに純粋な魂。誰のものとは決まっていない。基本的に魂が
個人のものとなるのは肉体の情報によるもの、とのこと。
悪魔にとっては、人にとっての酸素であり食料である。
で、アストラルラインは死んだ人や動物などの魂がひとつに集まり流れる見えない大河。
FF7をやったことがある人はライフストリームを連想してくれると分かりやすいかと。
○尖角(ホーン)
悪魔にとっては、人間の肺であり、消化器官であり、(あるとして)魔力の源。
悪魔の個々の能力は尖角によって定義され、ヨシュアが放った時間凍結能力は
元々は尖角の持ち主クロノの能力。

○悪魔との契約
クロノのように尖角を失ったなどの理由で力を失った場合に、相手の同意を持って
魂から直接アストラルを譲り渡してもらう契約を為す事。
契約者の魂を直接減らすことになるので、契約者の寿命は縮まる。



376 :クロノクルセイド :04/04/30 23:01 ID:???
<旅立ち編>
アズマリアは夢を見た。喪服に身を包んだ少年と話をする夢を。アズは問う。貴方は誰?
しかし、アズがご就寝のその時間は授業時間だった・・・。
ロゼットはクロノを引き連れてシスター・ケイトの執務室へ。ヨシュアの行方が
分かったとなればいてもたってもいられない。今すぐにでも旅立たせてくれと迫る
ロゼットは、感情的過ぎる、組織として行動するにはあまりに情報が少なすぎる、
と理詰めでシスター・ケイトに攻められ知恵熱でショート寸前。
必死の反撃の言葉は

 ブ・・・ブ~ス・・・!

奇声を発しブチ切れるシスター・ケイトの執務室を全力ダッシュで走り去る二人・・・
だが、そのとき居眠りのバツ当番で資料運びをやらされていたアズとクラッシュ。
お互いの荷物が散乱する。
ロゼットの荷物の中にあった写真を見てアズは、その写真に写ってる少年が自分の
夢に出てきた少年にそっくりであることに驚く。
写真に写ってるのは弟よ、と写真をアズから取り上げて先を急ぐロゼットとそれを追うクロノ。
そのとき、ロゼットの「ここを抜け出してでも探しに行っちゃる!」という言葉に
言い様のない不安を感じるアズであった。



377 :クロノクルセイド :04/04/30 23:04 ID:???
ロゼットとクロノは武器庫へ向かう・・・が、その行動はレミントンには見抜かれていた。
どうしても行きたいというロゼットに彼は、エクソシストのランク1st「修道騎士(ミリティア)」
になれば、権限のひとつである独立調査権でもってヨシュア捜索に出れる、と持ちかける。
当然断る理由などありはしないロゼットであった。
時を同じくして、アズの「ロゼットのようになりたい」発言で紅茶を口からぶちまけて
ひっくり返るシスター・ケイト。ロゼットのように、どんな困難が立ちふさがろうと勇気を
持って立ち向かえる人になりたいと語るアズ。
当初は儚げであったアズがロゼットとの出会いを通じてこれほどまでに成長したのかと
感心し、その姿を「聖女マグダレーナ」に重ねるシスター・ケイト。
そして、悪魔祓いを学んでみますか?と提案する。
シスター・ケイトはアズを連れ、教会地下にある悪魔祓い訓練施設へ向かう。
ここでは擬似的にポルターガイストを発生させそれを用いて訓練を行うのであるが、
今回はそれをせず精神集中の場として用いる、とのこと。
・・・だが、年のせいか(といっても29歳だが)冷え症で、もよおすものが近くなって
しまったシスター・ケイトは、アズに施設に立入るように行ってトイレへ駆け込む。
一方ロゼットとクロノはなぜかいるシスター・ケイトにハテナマーク。とりあえずいなく
なったようなのでいざ昇級試験・・・というところでなぜか遅れてきたレミントンの含み笑い。
懐中時計をレミントンに預け、試験のため施設に乗り込むロゼット。
とりあえず試験を始めたところでレミントンがぶっちゃける。下に一匹封印されていた
魔物を一匹放してきた、こいつを倒せればシスター・ケイトも断りきれなくなるだろう、と。
その言葉に鬼の形相でレミントンに攻め寄るのは帰ってきたシスター・ケイト。
下にアズがいる、との言葉に「やっちまった・・・」と顔面蒼白の二人。



378 :クロノクルセイド :04/04/30 23:07 ID:???
そんなこととは露知らず、迫り来る気配に背筋が寒くなるのを感じるアズであった。
目の前の擬似ポルターガイストを次々と打ち倒していくロゼット。
その脳裏には過去受けた訓練の日々がよぎっていた。
そのとき、レミントンから通信が入る。まずひとつは試験のついでに魔物を放ったこと、
もうひとつはすれ違いで施設に入ってしまったアズと連絡が取れないこと。
放った魔物というのは、相手の心に取り付き殺戮の限りを尽くすという霊魂系の魔物「マインド・イーター」。
その時、電波障害。そこにいたのは、マインド・イーターに憑依されたアズであった・・・。
心は魔物、体はアズ。どうしようもなく逃げ惑うロゼット。一瞬のスキをつきアズを押し倒し
十字結界に閉じ込めるが、マインド・イーターは思いのほか強力で追い出すことが出来ない。
打つ手もなくなり、ロゼットには任せられないとロゼットより腕の立つエクソシストを呼びに
行こうとするシスター・ケイトを制止するレミントン。
レミントンもロゼットも、決断した手段は同じ。相手の精神に飛び込み内側から除霊する
「潜行(ダイブ)」。レミントンは、この先の苦難はただ引き金を引くだけで解決できるもの
ばかりではないというのを悟り、精神的に成長するにはいい機会だと語る。準備も完了し、いざダイブ。



379 :クロノクルセイド :04/04/30 23:09 ID:???
アズの深層心理。そこは墓地であった。墓地に佇み外からの干渉を拒絶するアズと、
アズの姿を模したマインド・イーター。
自分の力が周囲に不幸をもたらしてきた、だから自分が嫌いで嫌いでしょうがない、
とアズの心理を語り支配権を完全に掌握するマインド・イーター。
だが、それでもロゼットはアズに語りかける。同じように自分の力に苦しんでいた弟は
結局その力から来る恐怖に負けてしまった、一人でダメなら二人で克服できる方法を見つけようよ、と。
その言葉に心動かされ、ロゼットの手を取るアズ。心の奥底から放たれる閃光は
マインド・イーターを光の彼方に消し去る。
目覚めたロゼットと駆けつけた3人が見たものは、力を取り戻し光の翼をはためかせるアズの姿であった。
なんだかんだで、結局「ミリティア見習い」ということでヨシュア捜索に向かうロゼット、
助手クロノ、エクソシスト新入りとしてロゼットについて行くことになったアズ。
二人のこれからの動向は、全米はおろか悪魔の世界までも巻き込む大きなうねりに
なっていくだろう。レミントンはそう語るのであった・・・。
しかし、彼女らの道には悪魔などいなくても「まとも」という言葉はあり得ないわけで、
何の因果かパンクを起す。おニューのミリティア制服が汚れると修理をクロノに任せて
ひとり芝生に寝そべり歌うロゼット。それは、昔ヨシュアと歌っていた聖歌であった・・・。



380 :クロノクルセイド :04/04/30 23:10 ID:???
場所は変わって海岸沿いのコテージ。ここでも聖歌が。
メイド服の少女・フィオレが歌声の主、ヨシュアを呼ぶ。雑談などしながらコテージに戻り
食事をとり、ニンジン嫌いのヨシュアを偏食は体に良くないとフィオレがたしなめたその時、上空から刃が。
寸でのところでかわした二人が見たものは、子爵ボルゾを筆頭とする悪魔の大群。
罪人アイオーンを狩るべくしてやってきた刺客であった。
その光景を特にどうとも感じずコーヒーをフィオレに頼むヨシュア。
それから数分、コーヒーを持ってきたフィオレと、それを受け取ったヨシュアは、
悪魔の死肉と血でまみれた海を見ながらの食後のティータイム。
その晩、アイオーンから「ベガスの歌姫とはすれ違いになった」との連絡を受ける。
今だ見ぬもう一人の地上代行者と、そしてあの時以来会っていない「ねえさん」に
思いを馳せるヨシュアであった。



381 :クロノクルセイド :04/04/30 23:12 ID:???
キャラ紹介Vol.5
○フィオレ
ヨシュアの世話を一手に引き受けるメイドの少女。身体能力は常人を凌駕している
あたりになにやら秘密の匂いを感じる。ヨシュアのこととなると意固地になる部分もある。
○ヨシュア(2)
かつては体の弱かったヨシュアも、あのときクロノの尖角を宿してからは健康そのもの。
陽気な笑顔で悪魔の大群を虐殺する。その反面、昔よりシスコンの気が増したようだ。
ついでの用語解説その2
○エクソシストのランク
3rd・助修士(コンバーサス)・・・いわば見習い。2ndや1stの補助担当
2nd・修練士(ノービス)・・・マグダラ各支部の管轄内のみで活動する実働隊
1nd・修道騎士(ミリティア)・・・支部の管轄を超えて活動できる権限を持ち、強力な武装を扱うことが出来る。
2ndと1stの関係は、言わば現代アメリカの州警察とFBIのような関係。



23 :クロノクルセイド :04/05/04 01:19 ID:???
<宝石の魔女編>
ニューヨークのとある港の倉庫。ギャングが何やら怪しげな御札張りまくりのコンテナの
前でビビりながらブツの確認をしていると、突如フダ付コンテナの「中身」が吼えだす。
ますますビビるギャングたちの前に一人の女性が現れる。
彼女は、自分を「宝石の魔女(ヘクセン・デァ・ユヴェール)」と名乗った。
パンクに続いてガス欠を起した車を必死に押してニューヨークの港町に辿り着いた
ロゼット・クロノ・アズマリアの3人はもうヘトヘト。とりあえず今日の寝床を探さねば・・・
とその時、ロゼットの上に女性が降り立つ。その女性はロゼットを踏みつけながら
クロノに色目を使い、気合一発飛び起きたロゼットと何やら険悪ムード。
その最中、遠くから悲鳴と怒号が響いてくる。「時間稼ぎをするつもりね・・・」と女性は呟き、逃げるように告げる。
現れたのは、亡者の塊。その豪腕が女性目掛けて振り下ろされようとしたとき、
女性の振り上げる腕に合せるように宝石のように輝く腕が現れ、亡者の拳を受け止める。
 昌喚(ラーデン)、姿成せ(エアシャイセン)、‘宝石の騎士(リッタァス・ユヴェール)’!!
その声に合せ、まばゆいばかりに輝く、大剣を掲げた雄雄しき騎士が現れる。
 「勇壮なる5月(ムーティッヒ・シューティア)」、 消滅(エアレッシェン)!!
宝石の騎士は、女性の掛け声に合わせ大剣を振り下ろし、亡者の塊を一刀両断。



24 :クロノクルセイド :04/05/04 01:22 ID:1XKyiEb8
もう大丈夫よ、とさわやか笑顔で振り返る女性を聖火弾で迎えるロゼット。
聖火弾を受けても姿を保てるほどの強力なものを呼び出せる「宝石使い」であることにクロノは驚く。
ロゼットが聖火弾で迎えた理由は亡者と一緒にえっちらおっちら押してきた車が
破壊されたから。怒りの収まらないロゼットと悠然と「スクラップが燃えてるだけじゃない」と切り返す女性。
「貴方たちマグダラが頼りないから私達が繁盛するのよ」との言葉でその女性が対魔物
専門賞金稼ぎであることに気がつく。
そうこうしているうちに亡者の群れが数を増していく。迎撃せんと出向く女性の髪を
引っ張り引きとめ弁償を要求するロゼット。
口論の最中吼え猛る亡者の群れが「うるさい!!」と一蹴される光景に、涙を禁じえないクロノであった・・・。
結局、協力して蹴散らすことに。お互いに名乗りあう。
女性の名前はサテラ=ハーベンハイド。通り名は「宝石の魔女(ヘクセン・デァ・ユヴェール)」。
ロゼットとサテラが迎撃、クロノはロゼットとアズのサポート、アズは結界の準備。
何とか蹴散らしていく中、ひときわ大きな一体にトドメを刺す「勇壮なる5月」。
その大剣は勢い余ってビルを倒壊、その行き着く先にはロゼットたちが。
やってしまった、と顔を青ざめるサテラは、次の瞬間衝撃の光景を見る。



25 :クロノクルセイド :04/05/04 01:23 ID:???
倒壊するビルから身を守る手段として選んだのは、クロノの封印を解くこと。
ビルの残骸を軽々片手で支えたクロノは、ロゼットの進言でさっくり残った亡者を
蹴散らし、そのままロゼットとアズを抱えて飛び去っていった。
一人残されたサテラは呟く。
「とうとう見つけた、尖角の無い悪魔」
その影で、先ほどサテラに倉庫を襲撃され逃げてきたギャングたちは興奮のあまり
荷物の封印を解いてしまった・・・。
シャワーを浴びながら、昨夜のことを振り返るサテラ。
尖角のない悪魔。もし「あのとき」の悪魔であれば、この手で、必ず・・・
ロゼット達はといえば、馴染みのマグダラNY支部の面々と現場検証。その裏では
また車を~!とロゼットは電話口で叱られていた。結局ワシントンには汽車で行け、と言われてしまう。
あの時車を潰されなければ、と徹夜込みのグチをこぼすとそこにシャワーでさっぱり
ソープの香りを漂わせサテラ登場。特にクロノに話がある、と3人を連れ出す。
そのとき、現場では血みどろのコンテナが発見された・・・。



26 :クロノクルセイド :04/05/04 01:24 ID:???
公園に着き、話を切り出そうとしたところで屋台のホットドッグを突きつけられるサテラ。
味がなってないと堂々と屋台の前で言い放つサテラをなだめて、話の内容とやらを聞くことに。
サテラの目的は「人探し」。ドイツからアメリカにわたり10年、今だ手掛かりなし。
とはいえ本題をなかなか切り出さないサテラにロゼットは怒り出し、ついつい
「そんなだから10年もかかるのよ」と言い放ってしまう。
そんなロゼットを、人を探す苦しみはボクらだって知ってるはずだろ?となだめるクロノ。
反省し詫びようとしたロゼットを、近所のガキのボールが襲う。ブチ切れたロゼットは
ガキどもを襲撃、そのまま遊び始める。
ロゼットが遊び始めるのを見ながら、クロノはサテラに、ひとつの事をやり続けられるのは
信念が強いからだ、早くその人がみつかるといいね、と語る。
とても悪魔とは思えない優しさに溢れた言葉に耳を疑うサテラ。
そして、サテラは語る。私が探しているのは、10年前、家を焼き、家族を殺し、
姉をさらった、尖角のない悪魔、つまり貴方のことだ、と。
ロゼットはガキどもと遊び終えてさぁ何の話よ、と振り返ったら、そこには誰もいなかった・・・。
サテラ、クロノ、アズの3人は何やら不思議な空間に誘い込まれていた。
そこにいたのは昨日見た亡者ども。報復のために封印を解いたな、と語るサテラ。
空間の主は、エジプトの名も無い王の亡霊。
迎え撃つため宝石の騎士を呼ぼうとするサテラだったが、完全に隔離された空間のため
呼び出すことが出来ない。そして、亡者の豪腕がクロノを殴り倒す。



27 :クロノクルセイド :04/05/04 01:26 ID:???
クロノが殴り倒されたそのとき、3人を探すロゼットの懐中時計がかすかに光る。
意識が吹き飛んだクロノは、本能のまま暴れ始める。亡者の持つ剣を奪い取り、
手近な亡者を片っ端から蹴散らしていく。
その獰猛さに、やっぱりあいつが、と言うサテラに、会って半年だけどクロノはそんな
悪いことをするような心を持ってはいない、と反論するアズ。
不意に亡者の一匹が二人を襲う。アズを突き飛ばし、自分が盾になろうとするサテラ。
亡者の鎌が振り下ろされようとしたその時、意識を取り戻したクロノが体で攻撃を受け止め、亡者にトドメを刺す。
なぜ、と問うサテラに、、自分は人じゃないからこのくらい大丈夫だし、アズを守って
くれたじゃないか、それに目の前で大事な人が死なれるのはもうごめんだ、と答える
クロノ。その真摯な言葉に、あのときの悪魔とは大違いだ、と感じるサテラ。
そのとき、空間の主を弾丸が襲う。ロゼットが現実世界にいるほうの空間の主にダメージを与えたのだ。
空間が裂け、サテラの「勇壮なる5月」と激哮する空間の主。だが強力な空間の主の力に「勇壮なる5月」も押され気味。
意を決したロゼットは、懐中時計の封印を解く。クロノは、一撃で空間の主を打ち倒す。
空間から脱出した3人とロゼットはやっとの合流。
サテラは、さっきの答えを聞きたい、と「勇壮なる5月」の剣をクロノに突きつける。
クロノを起したのは4年前、10年前なら人違いならぬ悪魔違いだ、と反論するロゼットの
信頼溢れる様子に、残念なはずなのになぜか清々しい表情を浮かべるサテラであった。



28 :クロノクルセイド :04/05/04 01:27 ID:???
そのころ、マグダラニューヨーク支部。先のギャングの一件をシスター・ケイトに
報告したレミントンは、帰り際、貴女なら今後のことも分かっていたのだろうな、と
聖女マグダレーナの絵の前で一人呟くのであった。
戦い終え、ロゼット達は、車の弁償と無礼の詫びにとサテラに連れられ別荘へと向かっていた。
そのあまりの豪邸っぷりに思わず叫ぶロゼット。
何でも元々ハーベンハイト家は美術商の元締めなのだそうだ。
執事のシュタイナーに言われるままにイブニングドレスに着替えるロゼットにアズ。
そしてなぜかセーラー服(言っとくが水兵スタイルってことだぞ)のクロノ。
そんなこんなでサテラにとっては久しぶりの、シュタイナー以外の人を交えての晩餐。
その最中、不意にグラスに注がれたのはワイン。禁酒法もなんのその、私19よと
言い出すサテラ(お酒はハタチになってから)の口車に乗せられロゼット(16)も
ついついワインを口にする(お酒はハタチになってから)。
30分後。晩餐は一転、酒乱二人の狂乱と化していた・・・。
だが、久しぶりに素の表情をさらけだすサテラに嬉しさを隠せないシュタイナー。
サテラの手がクロノに伸びる。その豊満な胸を押し付ける。サテラはショタコンだったのだ・・・。



29 :クロノクルセイド :04/05/04 01:29 ID:???
このまま一気に迫るかと思いきや、一転抱いた手を解き、人探しのあてもつかないし、
もうやめちゃってもいいかな・・・などと弱気なことを言い出す。
そこに、酒乱極まりないロゼットのお説教が。あんたと違ってわたしにゃ時間がないん
だからがむしゃらにやるしか・・・と言って眠りこける。
しょうがないなぁもう、と表に連れ出しロゼットを夜風に当らせるクロノ。
何よ一方的に、と怒り出すサテラに、アズが事の経緯を話す。
ロゼットの決意に導かれるように、サテラも共に行く事を決意する。
その直後サテラが見たのは、ロゼットの寝返りの勢い余ってぶつかった高価なツボが転落、割れる光景であった・・・。
翌日、ひどい二日酔いの中、車の弁償のはずなのにツボの弁償を請求されたと報告し
またもシスター・ケイトの大目玉を食らうロゼットであった・・・。



30 :クロノクルセイド :04/05/04 01:32 ID:???
キャラ紹介Vol.6
○サテラ=ハーベンハイト
ドイツ名門貴族令嬢の19歳。10年前に家族を「尖角のない悪魔」に殺されてから
執事のシュタイナーと共にアメリカに渡り、「尖角のない悪魔」の情報を求め対悪魔
専門の賞金稼ぎ「宝石の魔女(ヘクセン・デァ・ユヴェール)」として日々を送っていた。
魔物と戦う力の源は「宝石」。宝石に封じた力を解放し、「宝石の騎士」を繰り出す。
今回の編で繰り出した「勇壮なる5月(ムーティッヒ・シューティア)」の他にも様々な「宝石の
騎士」を繰り出しロゼット達と共に魔物や悪魔と戦う。
ちなみに重度のショタコン。現在のターゲットはもちろんクロノ。
お気づきとは思いますが、カッコで付け足しているのは原作準拠のドイツ語ルビです。



455 :クロノクルセイド :04/05/12 02:54 ID:???
<車上の決闘編>
今日も元気に朝っぱらから全力ダッシュのご一行様。
というのも、2時間はおくれるのが当たり前っつーロゼットの言い分を信じたばかりに
たった15分遅れで出ることになったワシントン行きの列車に乗らねばならないからだ。
辛うじて飛び乗り、これでシカゴの乗り換えさえ無事に済めばノンストップでワシントン。
ほっと一息というところで若い母子とすれ違う。荷物持ちを手伝った御礼にマフィンの
詰まった袋を貰いほくほく顔のロゼット。
とりあえず席に着く一行。もはや恒例となったサテラとの口喧嘩の末もらったマフィンを
ひとりじめしようとしたロゼットは驚くべきものを見る。
袋の中には伝言が書かれたヨシュアの写真が入っていたのだ。
伝言は「一人で食堂車に来い」。
物々しい形相のロゼットを心配するアズに適当なことを言い、トイレと嘘をつき食堂車に向かう。
食堂車にいた先ほどの母親に、なぜあんたがヨシュアの写真なんてと詰め寄ろうとしたとき
食堂車の客に異変が。この異変は、先のグランドセントラル駅の時と同じ。
敵は、「人形使い」と名乗った。
ロゼットを心配して食堂車に来たクロノを、子供を使いあしらう「人形遣い」。
続いて銃と懐中時計を差し出すようにロゼットに告げる。
ロゼットは孤立してしまったことに一人焦燥する。
そのとき、食堂車の次の車両が大爆発を起す。
激哮し目の前の母親に迫るが、その女性も操られているだけ。奪い返した銃で撃ったって
ただの人殺しにしかならない。さらに焦燥するロゼットと煽る「人形使い」。



456 :クロノクルセイド :04/05/12 02:55 ID:???
その時、食堂車を聖なる光が包み、張り客に取り付いていた蜘蛛を一掃する。
食堂車の屋上に結界が張られたのだ。
続いてクロノが窓から食堂車に入りロゼットと合流。ロゼットがウソをつくときのクセを
見抜き、もしやと思い2人を連れて食堂車に来ていたのだ。
ひとりじゃない、仲間がいてくれる。ロゼットは気を取り直し、反撃開始・・・
だが、今だ懐中時計は「人形使い」の手中にあった。
と、その時「またカードが増えた」との「人形使い」の言葉に弾かれるように食堂車の後方に
向かうと、結界の外にいて支配されたままの乗客がアズとサテラを拉致していた。
ク「相変わらずなやり方だな・・・『人形使い』リゼール!」
リゼールは趣向を変えようと言い放ち、ロゼットにクロノを撃つように仕向ける。
まともに撃てばクロノは只では済まず、外せば「人質」に当ってしまう。
この絶体絶命な状況の最中、クロノはひとつの妙案を閃き、ロゼットに撃つように言う。
同じ案に思い至ったロゼットは「鎮魂歌を歌ってあげて」とアズに言い、迷いのない銃弾を
クロノに撃ちこむ・・・!
その弾丸をわざと食らい、その反動でアズを拘束する「人質」の手を振り解いたクロノ。
解放されたアズは鎮魂歌と共に力を発動し、「人質」たちに取り付いていた蜘蛛を一掃する。
目の代わりでもある蜘蛛を失ったリゼールは、自ら動くことを決意する。
乗客を結界の張ってある食堂車に避難させ、これで改めて反撃開始・・・だがせっかく
取り返した懐中時計はアズの手に。
最後の手段でもある懐中時計を取ってこようとしたその時、車両の屋上からの襲撃。
ロゼットは糸に絡まれ車両の屋根に引き上げられてしまう。



457 :クロノクルセイド :04/05/12 02:57 ID:???
そこで待っていたのは、下半身が蜘蛛・上半身が美女という「罪人」のひとりにして「人形使い」リゼール。
機関車と二人の乗る車両だけ、そしてクロノたちを残し車両が切り離される。
機関車の人たちは解放しろというロゼットに、冷たく「全部食った」と言い返すリゼール。
激しく怒り聖火弾をありったけリゼールに撃ちこむが、リゼールには全く効かない。
福音弾なら効くかもよ、と挑発するリゼールだが、逆風が強く、反動が強い福音弾はとても
じゃないが撃つことは出来ない。
為す術もなく、車両すら切り裂く糸の猛攻をただ避ける他ないロゼット。
その一方、後続の車両もいよいよ止まり機関車から離されていくクロノ達。
一計を案じたサテラは「宝石の騎士」を晶喚する。
銃も福音弾を装填した残り一丁、衣服も少年誌ギリギリまで切り裂かれるロゼット。
そんな状況でも、仲間を信じ、ヨシュアを必ず連れて帰ると強いまなざしで言い放つロゼットに
いよいよブチ切れるリゼール。
人間如きのためにコキ使われているのが気に入らないというこの任務への怒りと今だ眼差しの
萎えないロゼットへの怒りが相まって、滅茶苦茶に攻撃を仕掛ける。
周りが見えなくなったその隙を突き、銃のアンカーをリゼールの首に引っ掛け強引に引き寄せるロゼット。
ロゼット「自分で味わえ!マリオネットの気持ちを!」
超至近距離で福音弾を撃ちこむ。反動で列車からずり落ちそうになるロゼット。
一方、満身創痍のリゼールは閉ざされた視覚で必死にロゼットを探す。
その必死さはひとえにアイオーンへの愛。例え報われなかろうと、ただあのひとのため・・・
その必死の形相に恐怖の声を上げるロゼット。声で居場所を突き止め最後の一撃を加えんと
するリゼール。思わずロゼットは手を離し、列車から転落・・・!



458 :クロノクルセイド :04/05/12 02:58 ID:???
それを受け止めたのは「宝石の騎士」‘深遠なる3月(ディープフィッシェン)’。
クロノとサテラは浮遊能力を持つ「深淵なる3月」でロゼットを追ってきたのだ。
そして、ロゼットは機関車に福音弾を撃ち込み、リゼールごと機関車を爆発させる。
首だけになったリゼールは、最期にクロノへの怨嗟と共に
「今でも我ら『罪人』の目的は真の自由と解放だ。そのためには代行者(アポズルス)が必要なのだ。
今お前が必要なのはヨシュアを安定させるために過ぎない。ヤツは魔界(パンデモニウム)に侵食されかかっている」
と言い残し、アイオーンへの想いと共に水の底へと沈んでいった・・・
無事、アズや乗客たちと合流を果たし、ようやくこの戦いが終わったことを実感する。
だが、罪人の目的とは?魔界(パンデモニウム)とは?疑問だけが残ってしまった・・・。

<Interlude2>
時をさかのぼることまだロゼットがクラス2ndで旅に出る前のこと。
欧州から人形展のためやってきた人形(人間サイズ)のひとつが夜な夜な動き出すという
事態にいつもの二人が調査に向かうことに。
過程をかっ飛ばして、動く人形を追い詰めるロゼットだったが、某3連星の先頭の人のごとく
踏み台にされ逃げられてしまう。その人形の目には涙が浮かんでいた・・・
下水でワニに襲われたりワープでハワイにいったり渋滞に巻き込まれたりしながらなんとか
再び動く人形を追い詰める二人。
聖火弾を撃ち込み魔を祓おうとするロゼットの手を止めるクロノ。彼には人形に取り付いた
魂が「自分の足で歩きたかった」と泣いているのに気がついたのだ。
足を滑らせ転落しようとした人形をなんとか食い止めると、魂は病院に飛んでいった。
夜が明けて病院に出向くと、ずっと歩けず車椅子で過ごしていた少女が感謝祭の光景をみて
憧れ、気がついたら人形に取り付いてしまった、というのが真相のようだった。
これにて一件落着万々歳・・・かに思われたが、破損した人形の弁償に関する請求書の額に
愕然とするクロノであった・・・



459 :クロノクルセイド :04/05/12 03:05 ID:???
キャラ紹介Vol.7
○リゼール
上半身は美女、下半身はクモという異形の悪魔にして、アイオーンの同士であり「罪人」のひとり。
視覚は失われてしまったが、その代わりに蜘蛛を介し世界を知覚している。
蜘蛛を使っての人間操作と鋼鉄すら切り裂く鋭い糸を使う。
その行動理念の根幹はすべて愛するアイオーンのため。



499 :クロノクルセイド :04/05/14 18:01 ID:???
<因縁編>
リゼールとの死闘を終えひと段落の一同はシカゴに到着しホテルでゆっくり晩御飯。
・・・というのもサテラが「教会は辛気臭くてイヤ」と言って譲らなかったからだ。
一人先に休むクロノを心配し部屋に戻るロゼットだったが、その間クロノの過去を何も
知らないでここまで来たことを思い返す。
そのころ、町では不穏な空気を醸し出す存在が、「100人殺し」の匂いを嗅ぎ付けていた。
クロノは夢を見ていた。
暗い暗い、悪魔の死体が広がる荒野。「同族殺し」「100人殺し」と呼ばれた自分が築き上げた物言わぬ悪魔の山。
その山に腰掛け、自由を手にするためについて来いと語り手を差し伸べるアイオーン。
その手を取れば、この暗がりから抜け出せるのか・・・
そのとき、背後からクロノを呼び止める声。その声の主は誰だったか・・
と、そこで目が覚めるとロゼットの膝枕。
いろいろ気にはなるけれど、いつか聞かせてくれればいいや、と優しく告げるロゼット。
その時、窓の外から部屋の様子を覗う影が二人。それはアズとサテラ・・・ではなく悪魔。
痩躯の悪魔グーリオと直立歩行するブタ型悪魔カルブのコンビ。
ドアの向こうで様子を覗っていたアズ・サテラと合流し一路ホテルから脱出。
ちょうど転落したところにあった車を拝借し、ドロボー!との声までも振り切るように全力疾走。
マグダラのシカゴ支部に行けば武器を取って体勢を立て直せるはず・・・なのだが、
シカゴに地の利がある者などいるわけもなく、あてもなく車を走らせる。



500 :クロノクルセイド :04/05/14 18:03 ID:???
が、カルブに追いつかれてしまう。「宝石の騎士」を召喚しようとするサテラに気付かず
急ハンドルで振り落とそうとするロゼット。その反動で宝石はサテラの手からポロリ・・・
「魔界を死滅させた貴様ら罪人に安息の地などありはしない、ここで殺してやる」という
カルブに「うるさいよ!」と銃口を向け一撃撃ち放つロゼット。
とりあえず振り切ることに成功した一行。
先ほどのカルブの話が気になるアズをロゼットは制止するが、クロノはなぜ自分達が
「罪人」と言われ追われることとなったか、そろそろ話す時だと語る。
一行の乗る車とすれ違う車がひとつ。その車の主は、シカゴ支部に出張したレミントンであった。
来て早々の悪魔絡みの事件の目星が付いた、と同僚のギリアムに告げて一行を追う。
ロゼット達は廃工場に結界を張り、シカゴ支部に連絡をつけ立てこもる。
その間に、クロノは自分の立場を説明する。
自分達「罪人」は、悪魔の住まう地「魔界(パンデモニウム)」で罪を犯し魔界を離反、
人間界に逃げて来て、そして罪人を狩るべく追っ手が差し向けられた、とのこと。
とはいっても先のレライエと今回の件の2回しか遭遇しなかったという。
そして、本格的に「罪」について語る前にアイオーンのことを語っておこう、と告げる。
そのころ、海岸沿いのコテージこと「罪人」のアジト。
そこに、ベガスに向かったついでにフィオレに使いっぱしりを頼まれ食材を買ってきたアイオーンが帰ってくる。
フィオレはアイオーンに、リゼールが遺した最期の蜘蛛を差し出す。
蜘蛛の目を通じ、アイオーンはリゼールの最期を見届ける。そして、其処に映ったクロノの姿にほくそえむ。
「完全に日和ったわけではないようだな・・・うれしいぜ、ブラザー」



502 :クロノクルセイド :04/05/14 18:04 ID:???
「ぼくたちは、いわば兄弟とでも言うべき関係だった」
元々悪魔は唯一の存在である「魔界(パンデモニウム)」により生み出された同胞のような
存在であり、それは言わば蜂や蟻が作る封建社会のようなものだ、と語るクロノ。その時、結界が崩れる。
「だからこそ、同族殺しなど許されようはずもない その罪、死をもって償え
キサマの『100人殺し』と、アイオーンの━━━」
グーリオの言葉に、クロノは「罪」を振り返る。
魔界(パンデモニウム)の卵室  燃え上がり、血にまみれる
    中央、母、パンデモニウムが鎮座するべき場所には、あいつが

パンデモニウムの首を抱えたあいつ、アイオーンは囁く
      これで俺達は自由だ 咎めるやつはもういない そうだろ?クロノ
      お前も共犯だ 手伝ってくれるよな?

炎に包まれる卵室 四方を囲む悪魔 中央にはクロノ、アイオーン、そして「罪人」たち

改めて自分達「罪人」が犯した罪を認識させられ、動揺を隠せないクロノ。
そのスキを見逃さず、カルブが詰め寄る。
瞬間、ロゼットが引き金を引き、油の詰まったドラム缶を撃ちぬく。
炎に照らされ浮かび上がったカルブに迷うことなく弾を撃ち込む。
「アイオーンに言ってやらなきゃいけないことがあるんじゃないの?
だったら今は先に進んでいくしかないでしょ!」
ロゼットの言葉に正気を取り戻したクロノ。4人の反撃が始まる。



503 :クロノクルセイド :04/05/14 18:05 ID:???
結界の外では、起こらないはずの炎に戸惑いを隠せないグーリオ。カルブに撤退しろと
告げるが「すぐに片付けてやる」と息巻くカルブ。
高熱の火炎放射は逃げるしかなく、ただでさえ手持ちの少ない弾丸も表皮(つーか脂肪)に
弾かれ効きもしない。その上デブい割に異様に素早いカルブに決め手を欠く4人。
その身軽さで器用に動き回り、ロゼットとアズを捕獲し、握りつぶそうとする。
そこに、サテラの「深遠なる3月」にクロノが乗り、突撃をかける。
衝撃でロゼットとアズは解放されるも逆に「深遠なる3月」は破壊されてしまう。
だが、「深淵なる3月」と入れ替わりに、クロノが新たな決意を胸に、カルブの喉に鉄パイプを突き立てる。
そして、鉄パイプ伝いにカルブの体内に直接ロゼットが弾を撃ち込む!
大爆発。後に残ったのはガレキに埋もれススだらけ、なんともしまらない二人であった・・・
と思いきや、カルブはまだ生きていた。
ガレキの山を押しのけ、今また4人に襲い掛からんと・・・したところで一斉放火の前に完全に沈黙。
連絡を受け飛んできたギリアム牧師以下マグダラ・シカゴ支部の面々によるものであった。
その一方グーリオの方はといえば、レミントンに下半身と羽を切り落とされ、結界により
壁に貼り付けにされ、尋問されているところであった。
夜明け前の、「罪人」のアジト。リゼールの最期を見届けたアイオーンは歓喜に撃ち震える。
そこに、捜し求めていた、「地上代行者」の最後の一人、「ベガスの歌姫」アズが映っていた
からだ。アイオーンは「罪人」たちに招集をかける。次なる計画のために・・・。



504 :クロノクルセイド :04/05/14 18:08 ID:???
久々の用語解説その3
○魔界(パンデモニウム)
「魔界」とは悪魔達の住まう世界にして全ての悪魔にとっての母である悪魔を指す言葉。
母殺しを行ったアイオーンは、ただの母殺しに留まらず「悪魔社会の中枢を破壊した」と
いう最大級の罪を犯したことになる。
今詳しいことを言ってしまうと最終決戦編のネタばらしになるので、詳細はその時に。

○「罪人」と「罪」
「罪人」とはなんらかの悪事を働き魔界を出奔したものを指す言葉だったが、今では
最大級の罪を犯し脱走したクロノ・アイオーン・リゼールらだけを指す言葉として
用いられている。彼らの罪は「母殺し」、パンデモニウムへの造反である。
直接パンデモニウムを手にかけたアイオーン、それを手助けしたリゼール達、そして
伯爵級悪魔100人をたった一人で皆殺しにし脱出口を作ったクロノ。
発見し次第抹殺するべく人間界に悪魔が進出してきている・・・が、「罪人」が
出奔して50数年、今編でも語ったがたった2回しか「罪人」は追っ手と戦っていない。
もっとやる気出せよ悪魔。
魔界脱出時生存していた「罪人」は6人だが、リゼールが死んだため残るはクロノ含め5人。
○悪魔の階級
上項で「伯爵級」と出たのでここで説明しておこう。
悪魔にはその総合的な強さから爵位によるランク付けが行われている。
階級は人間界の爵位と同じく上から公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵・爵位なし となる。
最初の時に出た悪魔入り弾丸に封じ込められていたヤツなんかはブチ切れたクロノの台詞に
あるようにただ悪魔なだけの爵位なしで、レライエやボルゾは子爵。今回のカルブや
グーリオなんかは明示はないが少なくとも爵位はあるものと思われる。
「罪人」たちは皆出奔する際に爵位を剥奪されているが、クロノは伯爵級100人を皆殺しに
して語り草になっていることから、少なくとも侯爵クラスの実力があるものと思われる。
分かっているとは思うが、本気モード・尖角アリ状態でのクロノがですよ?



505 :クロノクルセイド :04/05/14 18:10 ID:???
オマケ・カルブ㌧
漫画ではロゼット達を苦しめた彼だが、アニメではうって変わってグーリオや彼の
上司(CV.若本氏)共闘することに。
アニメでは見事なまでの「漢」っぷりを見せ、シスター3人娘やへたれたロゼットらを体を張って
助け、上司(CV.若本氏)よりも華麗に、そして「漢」らしく散っていった。
その姿に涙した視聴者は数知れず。その後上司(CV.若本氏)があまりにもやっつけかつ
噛ませ犬な死に方をしたために余計にその素晴らしさ(とゴンゾのストーリー構成の悪さ)が際立つことに。



452 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/06/08 02:03 ID:???
前回はdat落ち済の前スレなのでまとめサイトへどうぞ。
期間空いてしまって申し訳ない。お詫び代わりに1編投下。
<ひとときの休息編>
カルブ・グーリオのコンビとの激闘を制し、シカゴ支部で一休みのご一行。
シカゴ支部長の小言を聞き終えてややうんざりなクロノ・ロゼットの前に泥だらけのサテラとアズが帰還。
先にカルブに車ごと体当たりしたときに落とした宝石を捜しに行ったはいいが、アズの
ドジっ娘属性が発動し見つけた宝石はドブの中へ・・・というわけでドブさらいをしてきたのであった。
アズに厳しく当たるサテラを諌めようとするクロノであったが、宝石は自分にとっては命と
同価値なものであること、昔の自分と似ていることをサテラから聞き、どう考えてもサテラと
アズが結びつかず混迷を深めつつもとりあえず納得する。
サテラの脳裏には、厳しかった母と、優しかった姉の姿がよぎっていた・・・。
ロゼットとアズは魅惑のシャワータイム。
早く大人になって手助けができるようになりたいと焦りを隠せないアズに、ロゼットは自分だって
精神的にゃ大人とは言い切れないけど、それでも少しずつ成長していけばいいじゃない、と諭す。
シャワーから上がり修道服に着替えたアズは、聖歌隊の歌を聴きながら、楽団にいたときの
こと、さっきロゼットに言われたことを思い返す。
そして、歌われていた聖歌を歌いだす。教会中に響き渡るアズの聖歌。
歌い終わり、一斉に駆け寄り歌声を絶賛する聖歌隊の少女たちの人垣の向こうには、感動の涙を流すサテラが。
照れながらもアズを励ますサテラ。ただ居てくれるだけで力になることもあった、と語るクロノ。
姉がそうであったことを、サテラは思い返していた。
その時、ギリアム牧師から呼び出しがかかり、足が届いたから至急出発する、とのお達しが届く。



453 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/06/08 02:06 ID:???
そのころ、人里はなれた海岸沿いのコテージに向うトラックがひとつ。出迎えたのはアイオーンとフィオレ。
急な呼び出しにグチりつつも車から降りるジェナイと、寡黙にコンテナを開けるヴィド。積荷は、人。
「処理」をフィオレに任せてコテージで夕食をとる罪人3人。
夕食の席、ジェナイは憤りを隠せない。なぜなら、イカれかけた人間一匹のためにリゼールが
犠牲になったからだ。ヨシュアには会わせられないと道を塞ぐフィオレを押し倒し、殺さんばかりに締め上げる。
そこに、リゼールを失ったのはボスである自分の責任だ、文句ならオレが聞く、と凄みを効かせつつ
ジェナイを諌めるアイオーン。ジェナイも大人しく引き下がる他なかった。
ヨシュアは、尖角の侵食が進み、フィオレも精神安定の役割を果たさなくなってきていた。
アイオーンは、まもなく姉に会えるぞ、楽しみだなぁ、と楽しそうに語りかけるのであった。
騒動続きだったからか、飛行機でただじっと到着するのを待つのが落ち着かない
ロゼットは、何度も何度も操縦席にいってはギリアムに寝てろと怒られる始末。
というのも、ただ単に大人しく寝てろというだけでなく、操縦席に座るレミントンの提案で
自分とロゼットは今は会うべきでないと考えていたからだ。
グーリオを拷問にかけ、西海岸がキナ臭いとの情報を仕入れたからこその判断だ。
長い夜に押しつぶされそうになるロゼットに、いちいち起きるロゼットがうっとおしくて眠れなかった
クロノは、明けない朝なんてない、確実な成功のために全力を尽くそうと話しかける。
そして、飛行機は、朝日を浴びながら、運命の場サンフランシスコに到着する・・・。



454 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/06/08 02:07 ID:???
キャラ紹介Vol.8
○ジェナイ
新たに姿を現した罪人の一人。普段はカウボーイハットにウェスタンスタイルな長身痩躯の
男の姿だが、本性は左腕が巨大な剣の、残忍極まりない斬殺狂の悪魔。
リゼールに惚れていた節があり、そのへんも含めてヨシュアが気に入らない。
○ヴィド
もう一人の新たな罪人。筋骨隆々ながらも寡黙な性格で、戦闘面では参謀的な役割をする。
両腕・両足の器官から光弾を一斉掃射し敵を殲滅する。
アイオーンに心の底から心酔しており、袂を分かってもなおアイオーンに気にかけてもらっているクロノが
気に入らない。



351 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/14 23:11 ID:???
どうしてもリアル事情とぷ○○規制が絶妙のタイミングで襲い掛かってきやがる・・・
<運命のカーニバル 前編>
飛行機が辿り着いたのはサンフランシスコ。ここにヨシュアがいる。
逸る気持ちを抑えロゼットら一行が向ったのは・・・サンクスギビングデイのお祭り。
祭りなど楽しんでるヒマはないと吼えるロゼットとまったりお祭りムードのその他。
代表してクロノに跳び蹴りをプレゼンツ。
というのも、シスコ支部がこれほどまでの大規模活動をするのが始めてのことなので、
どんなに逸ろうと何も出来なければ仕方がない。事務所の整頓にアタッカーは不要・・・
というわけでシスターグレイスに投げ飛ばされ事務所から追い出された一行は、他に出来る
こともなく、どうせなら、ということでお祭りに行くこととなったのだ。
事務所では、ギリアムとレミントンが「明日を乗り切れば、我々の勝ちだ」と静かな闘志を燃やしていた。
お祭りを楽しむ一行。
コルク銃の的当てに失敗したロゼットがブチ切れて本物出してひと悶着起こしたり、サテラに
冷やかされたのが悔しくてクロノとダンスの壇上に登ったものの結局踊れなさが原因で猛烈な
足の踏み合いになったり、楽しい時を過ごす。
そんな光景を見ていた地元カメラマンが辛うじて踊りになってきたロゼット・クロノを写真に収める。
サテラはそのカメラマンに自分たちの写真を撮ってくれ、と頼む。そして、4人そろっての集合写真。
後に、この日のことを「彼女」はこう振り返る。 時代と共に駆け抜けていった4人の、輝かしい時間。
それが、確かに会った事を証明する、たったひとつの証。4人で撮った、最初で最後の写真・・・。



352 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/14 23:15 ID:???
お祭りの光景を遠目に、サテラは「処理」を終える。罪人達が動くときが来た。
だらしない格好で付いていくと言うヨシュアの身なりを整えるアイオーン。
狙いは、最後に残る地上代行者アズマリア。彼女を得ることで、計画は最終段階に入る。
地上代行者の力によりアストラルラインを制御し、そしてパンデモニウムを殺す。
そして、世界の死と引き換えに、真の自由と解放を得る。
ステージの幕は上がった。罪人達はカーニバルの光を目指す。
そのころ、ギリアム・レミントン以下マグダラの実働隊は一手違いでもぬけの殻となった罪人達の
アジトを包囲していた。誰もいないアジトと、大量拉致事件の首謀者のものと思われるトラック
(前にヴィドとジェナイが乗ってきたヤツね)を発見し、罪人の規模が予想できない事態を
感じ取ったレミントンは撤退を進言する。
だが、少し離れた木陰で様子を覗っていたギリアムは険しい声で「そうはいかなくなった」と返す。
彼の眼前には、同僚の牧師の首を両手に抱えたジェナイの姿があった・・・。
シュタイナーとの「尖角のない悪魔」に関する情報のやりとりを終え、騒がしいお祭りに一休み、と
いった感じのご一行。ゴミを捨てに行ったクロノを探しに喧騒に戻るロゼット。気を聞かせて二人きりに
させてあげようと、追うサテラを引き止めるアズ。
なんとか会えた二人。クロノはロゼットの手を取り人ごみから抜け出す。そこに広がっていたのは
サンフランシスコの夜景。夜景を見ていたクロノは、不意に、似た光景を「命の灯火みたい」と例えた
「彼女」のことを思い返し、ロゼットと重ねていた。
変わらないアンタはいいわね、と言い出すロゼットに、変わらないものなんて無い、自分も目覚めて
4年になるが変わり続けている、と答え、その変化が楽しい、嬉しい物であることを教えてくれた
ロゼットに感謝している、と告白する。
ふと視線を夜空に向けたロゼットは、見た。・・・アイオーンの使い魔の鷹。
飛び立った方角へ必死に走り出すロゼットと、人ごみを掻き分けながら追うクロノ。
鷹が行き着いた先。腕を差し出し鷹を止まらせる一人の少年。
そこにいたのは、紛れも無く、ヨシュアであった・・・。



354 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/15 02:48 ID:???
<運命のカーニバル 後編>
ついにヨシュアと巡り会えたロゼット。感極まって泣き出しながらヨシュアに語りかける。
だが、それに対しての返答は

     はじめまして。  姉さんの名前もロゼットっていうんだ

尖角の影響で記憶が混濁してしまっていたのだ。
その光景を背後で見据える影が二つ。電灯の灯りに照らされて現れたのは、アイオーンと
フィオレ。捜し求めていたロゼットと相対してもヨシュアに変調に改善の余地がなくロゼットを
見限ったアイオーンはヨシュアの世話をフィオレに任せ、ロゼットを挑発する。
そして、さらなる挑発として、ロゼットの福音弾入りの銃口を眉間に当てさせて、「オレの計画の
破綻とおまえの4年間で得た全てで賭けをしようじゃないか」と言い出す。
焦りと怒りの入り混じった顔のロゼットは、引き金を引く。
喧騒の中でも銃声はアズの耳に届く。何があったかとその方向を目指そうとするアズをサテラは
制止する。視線の先には、巨漢、ヴィド。
福音弾は、額に掠り傷を負わせる程度でしかなかった。
ロゼットは完全に冷静さを失い、恐怖と焦りに完全に支配されてしまう。
それをからかうように、時間操作を利用した跳躍で銃を掠め取り銃口を向ける。
と、そこにクロノが合流。クロノの存在と共鳴する尖角に苦しみだすヨシュア。
誰がどう見ても完全に動揺しきっているロゼット、直接接触、包囲。
打つ手なしと冷静に判断したクロノは撤退すべきと勧告する。
しかし、ロゼットは何かできるはずだ、と半ば衝動的に返す。



355 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/15 02:49 ID:???
ヨシュアの戦意を感じ取ったクロノは逃げるように促す。しかしヨシュアが、ねえさん、と呟いたように
聞こえたロゼットは、思わずクロノの手を取ってしまう。
その背後に、跳躍したヨシュアが、銃口をクロノに向けて撃ち放つ。
ヴィドに導かれてその場にやってきたサテラとアズが見たのは、左上半身と完全に破壊され
崩れ落ちるクロノの姿であった。
その光景に崩れ落ちるアズ、戦意を向けるがヴィドの気迫に気圧されるサテラ、そんなばかなと
目の前の光景を信じられず動揺の極みに達するロゼット。
崩れ落ち、物言わぬクロノの胸倉を掴み吼えるアイオーン。
おまえはタイセツなモノなんて作るから世界の果てを越えられないんだ
失望したぞ。この数十年何も学ばなかったのか?
いつまで死んでいるつもりだ!体組織(レギオン)を活性化して立ち上がれ!
戦闘態勢を取り敵を迎撃しろ!
殺せ!打ち倒せ!目の前にいる、このオレを
でなければ、おまえのタイセツなモノは永遠に失われる その言葉に、クロノは夢を見る
ロゼットが泣いている。悲しいから泣いている。死を目の前にして泣いている。
死ぬと言うことは「大切なものが永遠に失われる、だから悲しい」と「彼女」は教えてくれた
二度と悲しませない
でも、ヤツが「彼女」を奪ったアイオーン
クロノは立ち上がる。その姿に感激を覚えるロゼットだったが、次の瞬間視界が歪む。



356 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/15 02:52 ID:???
マグダラNY支部。
レミントンの行方不明の報とシスコ郊外でアストラルの異常濃度が観測されたとの報が
同時に飛び込み、後者にエルダーは過敏に反応する。
早急に救助隊を編成しシスコの住民を避難させろ、最悪シスコが消える、と激吼する。
ロゼットは突然訪れた異常なほどの苦しみにもがいていた。
クロノは消し飛んだ体の部位を急速に修復し、そして封印を強引に解除する。
そう、クロノはロゼットの寿命を食い真の姿に戻ったのだ。
ただ怒りのみに任せアイオーンに襲い掛かるクロノ。
アズは必死にクロノを止めようと叫ぶが、ヴィド曰く「ああなったら誰の声も届かない」という。
このままじゃロゼットが死んでしまうが、自分には何も出来ない。ただ泣くしかない。
ヴィドはフィオレにこの場を任せ、アイオーンに「届け物」をすべく戦場に向う。
後を追おうとするサテラを制止するのはフィオレ。
その指には宝石が、その左耳にはサテラの右耳のものと対になる宝石のピアスが。
戦場。派手に光弾をぶちかまし「息切れ」を起すアイオーン。
それみたことかといった表情で「届け物」を渡そうとするヴィド。
そのとき、クロノがヴィドを吹き飛ばす。その鬼気迫る殺気にほくそえむアイオーン。
日頃抱く「なぜアイオーンに従わないのか」という怒りを胸に、真の姿を晒しトラック投げや
腕・足の器官からの光弾掃射でクロノを仕留めにかかるヴィド。
だが、その攻撃の数々もクロノには全く通じず、両腕を切断され、なぶり殺しにされる。
そのとき、クロノは「彼女」の気配を感じる。失うことの悲しみを刻み付けてやる、と
怒り以外の感情を失ったように叫ぶクロノを優しく抱きとめる。その姿は、「彼女」かロゼットか・・・。



357 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/15 02:55 ID:???
正気に返り、いつもの姿に戻ったクロノ。目の前の光景に茫然自失。
自分の行いを悔いるクロノに、アイオーンは「届け物」、剣を背後から突き立てる。
そのアイオーンの頭に、尖角は無かった・・・。
どちらも尖角ナシの互角の勝負なのにこんな終わりじゃつまらない、と呟くヨシュア。
クロノを持って帰ってきたアイオーンの姿にサテラはある「確信」を抱く。
ロゼットが死んでしまうからと戦闘を拒否するクロノを、腑抜けが、と一蹴するアイオーン。
そのとき、光剣を手にしたレミントンがアイオーンに迫る。
一方、戦場から離脱しジェナイと合流したヴィド。
満身創痍のヴィドと、レミントン・ギリアムのコンビによる結界に捕らわれたジェナイ。
レミントンの剣技はアイオーンを圧倒する。その光景に加勢しようとするヨシュアをギリアムが放った結界弾が阻む。
これでチェックメイトだ、と次げるレミントン。だがアイオーンは余裕の表情。
ギリアムの方にフィオレをけしかける。
彼女は、晶換(ラーデン)、と呟き、右腕を死神の如き鎌を握る宝石のガンドレットに変えて
ギリアムを襲い、ヨシュアを結界から解放する。
それに動揺し隙を作ってしまったレミントンはアイオーンに胸を斬られ、まだ動けるサテラにアズを連れて逃げろと告げる。
正直確かめたいことがたくさん目の前に落ちているが、それでもアズを守らねばならない。
サテラはアズの手を引き脱兎の如く逃げ出す。



358 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/07/15 02:58 ID:???
だが、突如アズが動かなくなる。ヨシュアが時間凍結でアズを固めたのだ。
アイオーンは、世界の再生とパンデモニウムの死という最高のショーの、極上の観客席を
用意してやるから追って来い、とクロノを挑発する。
そして、ロゼットには、あんたがクロノにとってかつてのマグダレーナと同じ存在かどうか
気にはなるな、と言い姿をくらます。
同じく消えゆくフィオレに「行かないで、姉様!」と叫ぶサテラ。その言葉に明らかに
動揺するフィオレだったが、その姿も完全に消滅する。
後に残ったのは、動揺と焦燥に完全に打ちのめされ、しかもアイオーンの最後の言葉の意味が
分らないロゼット、戦闘不能のクロノ、それと傷ついた面々。
レミントンは呟く。完敗だ、と・・・。



24 名前:クロノクルセイド[sage] 投稿日:04/08/19 21:31 ID:???
<新たな決意・新たなる始まり編>
罪人たちに対し完全敗北を喫したマグダラ修道会。シスター・ケイトはその責を問われ、騎士
統括局(エクソシストが所属する部署)の長を辞することとなった。
現場のほうが性に合うからこれはこれでいい、と語るシスター・ケイトに「お偉いさん方よりあんたの
ほうがよっぽど聖女の精神を受け継いでおるよ」と励ますエルダー。
エルダーはかつて会った、「先見の聖女」と呼ばれたマグダレーナのことを思い返し、50年前の
ようなことは起こって欲しくないと願うばかりであった。
一方、若干一名満身創痍ながら完全勝利を果たし全ての代行者を手に入れた罪人達は
アジトに帰還。出迎えたのは罪人の最後の一人、頭脳労働専門のネコミミ悪魔・シェーダ。
罪人達は計画の最終段階への準備を進める。
ぐっどなもーにんぐ。
寝ぼけ眼のアズは2度寝をしようとしたところで事の重大さを思い出し部屋を飛び出そ・・・
としたらそこははるか上空雲の上。危ないところをシェーダが抱きつき助ける。
シェーダにはカワイければ男女問わず抱きつくシュミがあるのだ。
その場に居合わせたヨシュアとじゃれ付いていることに不機嫌さを隠せないフィオレにせかされて
朝食に向う。そこでアズはシェーダにも尖角がないことに気がつく。
ここはエデン。罪人に残された最後の楽園。シェーダはここでアストラルラインの観測や
罪人達の装備品の作成、計画の遂行に必要な装置の開発などを行っているのだ。



25 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:04/08/19 21:33 ID:???
朝食を取る4人。シェーダはしばらくぶりの缶詰じゃない食事に感涙もひとしお。
だが、アズは食事をためらう。人々を傷つけ、ロゼットを苦しめ、クロノを苛む、そんな人たちの
食事は食べられない、と。
そんな言葉にシェーダは、その認識を改める必要はないけど食事そのものに罪は無いでしょ、
と諭す。貴女の寝顔を見ていたら「妹」を思い出してしまい「妹」の好きだったものばかり
作ってしまった、と照れ笑いするフィオレ。
そして、楽しい朝食。
なぜこんなにも心が暖かくなるのだろう、と思わずにはいられないアズであった。
朝食も終わったころ、ヴィドの具合を見ていたアイオーンとジェナイがやって来る。
ヴィドなら尖角が無くても大丈夫だということで、彼の回復を待たずに計画を進めることに。
アイオーンは改まり、礼をもってアズに「打倒パンデモニウム」協力を申し出る。
酸素は人間にとって必要不可欠だが過剰摂取は毒となる。これと同じ原理で、代行者の
力でアストラルラインを操り、パンデモニウムの体内に過剰に流し込み内部から破壊する。
これが罪人達の計画。何年も前に集め凍結していた代行者を起こす。
そして、彼らはニューヨーク近海に沈むパンデモニウムに呼びかける・・・。

シアトル。アストラルラインがオーロラを作っていた。その光景を憤りの眼差しで見つめる男。
彼は何者か・・・



26 名前:クロノクルセイド[sage] 投稿日:04/08/19 21:35 ID:???
暗い暗い水の底。自分に銃口を向けるヨシュア、そして自分の命を食らうクロノ。
差し伸べられた手を撥ね付けると、クロノは霞と消えていく・・・
ロゼットはあれから1週間、ようやく目覚めた。皆をのことを心配するロゼットに対し、ギリアムは
思い面持ちで答える。クロノは報道管制が間に合わず真の姿が新聞で報道されてしまい、
その結果拘束せざるを得なくなったこと、アズがさらわれた事。
クロノは拘束着を着せられ全身を十字架に磔にされた上にさらに結界で拘束されていた。
その体は体組織・レギオンの半暴走状態に陥っていた。というのもロゼットを守るために
修復に必要なアストラル、つまりロゼットの命を食わないように無意識の内に再生を
拒んでいるためだ。レミントンは、クロノから「ごめん、と伝えて欲しい」と言付けを頼まれていた
ことを告げる。ロゼットは、ただ悔し涙を流すことしか出来ない・・・。
そして、新任の騎士統括局長からヨシュア捜索を解任される。
前を見て走り続けていなければ押しつぶされそうだったこれまでの日々。その結果何が
得られただろうか、いや、あまりに大きなものばかり失ってしまったのではないか。
病院の裏で、心が折れてしまったロゼットは一人泣くしかなかった。
そこに、エルダーの怒号が響く。レミントンと言い争っているようだ。
窓越しにロゼットが見たものは、レミントンの姿。
彼は過去の事件で負った瀕死の重傷の際にエルダーに頼み込みレギオンの移植を受け、
年は取らないが寝ることさえ許されない半人半魔の体と化していたのだ。
現状を省みずレギオンを活性化させて欲しいとのレミントンの申し出に対し、これ以上は
無理だし自分も長くない、一蓮托生だ、と諌めるエルダー。
レミントンは、まもなく終わるであろうこの戦いの結末を見届けるために、たとえ騙し
騙しにでも突っ走っていくだけさ、と自分に、そしてロゼットに言い聞かせる。



27 名前:クロノクルセイド[sage] 投稿日:04/08/19 21:36 ID:???
レミントンと話をした後、独りになったロゼット。ちょうどそこにサテラが現れる。
彼女はこれから独自に動かざるを得ないため、クロノだけにでも別れを言いに来たのだ。
クロノの現状を聞いたサテラは冗談半分で「目覚めのキスでもすれば・・・」などと
言い出しいつものケンカになるが、鎹役のクロノがいないことを改めて認識するだけであった。
サテラは、自分の目的が攫われた姉を助け姉を攫った「尖角のない悪魔」を狩ること、先の
一件で敵はロゼットと同じアイオーンであることを告げる。
ロゼットは、レミントンが話してくれた、彼の体のこと、自分とロゼットとの差は強さでは
なく歩いた距離の差でしかないこと、そして諦めるのなら道が途切れてしまってからでも
いいんじゃないかと励ましてくれたことを話す。
クロノが目覚めて、二人で答えを出せばまた歩き出せる。
先に行くサテラ、必ず追いつくと約束するロゼット。
ハイタッチをした二人は新たな決意を胸に歩き出す。
答えを出すためにロゼットが選んだ手段、それはクロノの魂へのダイブ。
彼女自身は先にアズの魂にダイブをした経験はあるが、悪魔へのダイブも、契約者による
悪魔へのダイブも先例のない事態。
二人は繋がっていると信じたい、という強い想いを胸にロゼットはクロノの魂へと向っていく。



66 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/29 01:43 ID:???
<過去・マグダレーナ編 前編>
時はロゼット達の時代から50余年遡る。
罪人アイオーン・クロノ・ヴィド・ジェナイは追っ手との戦いの最中に失った「あるもの」を探すため
グランドキャニオンを訪れていた。しかし、それは悪魔である彼らには感知することができない。
彼らのアテは、この世のあらゆる事象をその目に映し出すという力を持った、先見の聖女マグダレーナ。
マグダレーナはその力をもって、広大なグランドキャニオンから「あるもの」の所在を絞り込む。
だが、その広大さゆえに絞り込むにもかなりの消耗をしてしまう。
さらに絞り込めというアイオーン、疲労なんざ関係ないからやれと急かすジェナイ。
それに対し、クロノは彼女を休ませてやって欲しい、と頼む。
しぶしぶ承知したアイオーンはクロノにマグダレーナを任せ、ヴィドとジェナイを連れて該当ポイントへと向う。
マグダレーナを寝かしつけたクロノは、自分たちを悪魔と忌み嫌うこともなく、むしろ積極果敢に
接してくる彼女に戸惑いを感じていた。
夜が明けて、パンデモニウムを抜け出したときの悪夢から目覚めたクロノが見たのは
水浴びをするマグダレーナ。彼女の強引さに押し負け服を脱がされ洗濯&繕いをされる。
あまりに積極的なマグダレーナに「少しは立場をわきまえてくれ」と言うクロノだったが、
彼女は「そのときは、貴方が私を殺すのですか?」と問い直すばかり。
なぜ、あのとき特に抵抗することもなく付いて来たのか、疑問でならないクロノであった。



67 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/29 01:44 ID:???
夜の教会の一室。寝付く前の読書のひとときを過ごすマグダレーナの前に現れたのはクロノ。
初めて会ったはずのクロノの名を呼び、マグダレーナは「貴方を待っていた」と言い出す。
そこに現れたのは、彼女を守るべく現れた若かりしころのレミントンを筆頭としたエクソシスト数十名。
所詮は人間なので時間凍結なら瞬殺だがそれでは騒ぎが大きくなると戸惑うクロノに、
マグダレーナが誰も傷つけずにこの場を脱する手順を予言する。
まさにその通りの展開となり、クロノはマグダレーナを抱え修道会を後にする。
誰も傷つけたくはないという想いと自分はアイオーンの剣たるべきだという想いの板挟みに
悩むクロノの心を見透かすように、マグダレーナは自分も同じだ、と告げる。
そこに、「あるもの」を引っさげアイオーンが帰還。それは、脱出のとき引きちぎって持ち出した、
魔族の母・パンデモニウムの首であった・・・。
パンデモニウムの首自体は所詮末端に過ぎないが、分析すれば打倒法も見えてくる。
となれば頭脳労働専門のシェーダの出番。
マグダレーナが知識をものすごい速さで吸収していくから大助かりだ、とのシェーダの
言葉に思うところがあるクロノ。それを察したシェーダとアイオーンは示し合わせたように
クロノを冷やかすのであった。
首を発見しエデンに引き返して2ヶ月、連れてきたマグダレーナは罪人達皆と親しく、
まるで最初から7人だったかのように暮らしていた。



68 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/29 01:47 ID:???
首の記憶領域の99%の解析が終了。前祝ということで豪勢なディナーとしゃれ込む。
クロノとアイオーンは庭に出て二人で語り合う。
脱出のとき、自ら血路を切り開いてくれたクロノに素直に感謝するアイオーン。
パンデモニウム脱出の時。多数の悪魔に取り囲まれエデンも陥落寸前。
その時、ケガ人や調律前の子供の悪魔を収容したエリアに侵入される。
単身向うクロノ。爆発。彼が腕に抱いた子供は炭となり消えてゆく。
クロノの前には、獲物を掲げ迫る伯爵級悪魔100体。
激吼。
戦いはひとまずの決着を終えた。
地上に夕日が差し込む中、クロノは悲しみを胸に、伯爵級100体の骸の山の上に佇む。
結局あのとき生き残った罪人はいまここにいる6人だけ。犠牲の多さに心が折れそうになる
クロノに、アイオーンは「そんなもの忘れてしまえ、生き残り先に進むのが生き残った者の義務だ」と諭す。
意見の相違から言い争うところにちょうどやってきたマグダレーナは、家のほうから何かが来る、と先見の力で感じる。
ジェナイは両目を失いと左腕を斬り飛ばされ、リゼールは腰を両断される。駆けつけたクロノ達が
見たのは、首だけの状態から再生し、ジェナイの左腕やリゼールの下半身を取り込んだパンデモニウム。
パンデモニウムが吼えると、彼らは尖角を通じて縛鎖(ギアス)に拘束されてしまう。
マグダレーナが咆哮を中和する。パンデモニウムは攻撃の矛先をマグダレーナに向ける。
彼女はその攻撃の中何かが内側に流れ込んでくるのを感じていた。
マグダレーナに意識を向けた隙を付き、クロノとアイオーンが駆ける。首を断ち、胴を裂き、尖角を粉砕。
結局記憶情報はすべておじゃんになってしまったが、とりあえず事が済んで一安心の一行であった。



73 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/30 01:34 ID:???
<過去・マグダレーナ編 後編>
パンデモニウムの端末との戦いから1週間。
直接その身に攻撃を受け傷口のレギオンが完全に死滅したジェナイとリゼール。
割り込んだ際に「何か」を流し込まれ昏倒したまま目を覚まさないマグダレーナ。
決して安い被害ではなかった。
マグダレーナは夢を見ていた。
幼いころ。若かりしころのエルダーに連れられ修道会へと向う馬車の中。
南北戦争での南軍の死体が野ざらしになる横を通った折、そこにあった死体の無念、怨念が流れ込み苦しみだす。
これまでそうした経験を重ね「自己」というものが消えかけていた彼女に残された唯一
ゆるぎない「自己」は、くろくておっきくてなぜかないている、「くろの」という人の夢
深い深い海の底。ささやかな「自分」を改めて思い出す。
そのとき、さらに暗いところから、なにかが蠢く・・・
傷ついた仲間を見舞うクロノ達。パンデモニウムから受けた傷は魔族の生命力であっても
蘇生することが出来ないということをいやというほど思い知らされ、一同沈痛な表情。
一人どうしたものかと思案するアイオーン。そこにマグダレーナが現れる。
やっと起きたかと安堵の声をかけるアイオーンに対し、「このような戦いをまだ続ける気か、
階級(クラス)抹消済み調律体・罪人アイオーン」と答える・・・



74 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/30 01:35 ID:???
一方クロノはシェーダを呼びにいく。シェーダは「霊素収束制御ユニット」を作っていた。
先の戦闘の際に得たヒントを元に、パンデモニウム戦で絶対必要になるから・・・と難しい
理論込みで嬉々としゃべりまくるシェーダの言ってることがさっぱり分らないクロノ。
そのとき、アイオーンとマグダレーナが言い争っているところに出くわす。
アイオーンの顔には、珍しく焦燥とも恐怖とも取れる表情が浮かんでいた。
アイオーンは、クロノの呼びかけで「正気に戻った」マグダレーナを確認するとそそくさとその場を後にする。
一方マグダレーナも、かつて夢で見たクロノの姿が脳裏をよぎり、来るべきときがきたか、と
覚悟を決めるのであった。
夕日が差し込むエデンの外れ。マグダレーナはクロノを連れ、夕日が差し込む眼下の町を眺めていた。
街の明かり、そこにはひとりひとりの人々の命の灯火、生きた証。
不意にそんなことを語りだすマグダレーナにクロノは困惑する。
いくつもの人の生き死に、世界中のあらゆる場所で起こる様々な出来事を幼いころから
見続けてきて、からっぽになってしまった自分。
その自分にとって確かなことは、クロノという人物と、その人が自分を殺す、ということ。
その言葉に、困惑極まるクロノ。
そこに、戦闘態勢のアイオーンが現れ、彼女の首を切れ、と命ずる。
アイオーンは先の言い争いのときに確信していた。端末戦の折にマグダレーナは端末の声から
記憶情報を無意識の内に取り込み、もはや第二のパンデモニウムとなるのも時間の問題で
あり、しかも失われたと思われた記憶情報が手に入るという運気が巡ってきたことを。



75 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/30 01:37 ID:???
マグダレーナの首に手をかけるクロノ。だが一線を越えることが出来ない。
どんなに叫んでも、泣いても、見てしまった未来を変えることはできない。ならばせめて
自分に手をかける人の姿を見ておきたかった、と言うマグダレーナ。
その言葉にクロノは手を下ろし、新たな選択肢を捜そう、とアイオーンに持ちかける。
アイオーンは何も言わずそっと近寄り、クロノを昏倒させる。
そして、仲間の誰にも知らせることなく、只一人だけ「秘密」を抱えることを選ぶべくマグダレーナの首を撥ねようとする。
間一髪のところで復帰したクロノがそれを阻止する。
結論を先延ばしにしてはお前の言う新たな選択肢すら失われてしまうんだぞ、と詰め寄る
アイオーンに対し、彼女の何を恐れる?何を知ってしまったんだ?と問うクロノ。
もはや何も言うまいと仕掛けるアイオーン、阻止するクロノ。
一瞬の邂逅。
クロノは尖角をもがれ、マグダレーナと共にエデンから墜落。
アイオーンは左肩から袈裟切りにされ地に伏せる。
クロノとマグダレーナが墜落する光景を、自作の望遠鏡で発見したエルダーとレミントン。
マグダレーナの背には、眩い3対の翼がはためいていた。
尖角を失い、傷を治すこともかなわぬクロノ。どうすることも出来ないマグダレーナ。
何も知らないまま殺すことなど出来なかった、と最期の言葉を告げるクロノ。

不意にマグダレーナの中の「記憶」が告げる。クロノを生きながらえさせる手があることを。
それは、契約。彼女が見た「クロノが命を奪う」というのはこういう意味だったのだ。
クロノは思う。その契約とやらで、彼女の笑顔が守れるなら、彼女の命が守れるなら・・



76 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/30 01:39 ID:???
セブンズベルの森の地下、クロノとロゼットが始めて会った場所。
ダイブしてきたロゼットと内に閉じこもったクロノはこの場所で出会った。
しかし、クロノは帰れない、帰ってしまえばマグダレーナと同じ目にあわせてしまう、とロゼットを拒絶する。
マグダレーナと契約したクロノは、彼女を修道会に連れて行くべく馬を走らせていた。
自分に魂を分け与え、その上内からはパンデモニウムに食い荒らされる。彼女が長くないのは
目に見えて明らかであった。
休憩に立ち寄った水場。クロノが手桶に水を汲むと、霊素収束制御ユニットをそっと首にかけるシェーダ。
彼女がいるということは、アイツもいるに違いない。
マグダレーナの元に駆け寄るクロノを見送るシェーダの顔は、悲しみに曇っていた。
マグダレーナの元に戻ったクロノ。ちょうどその時現れたアイオーン。
クロノは身を挺して庇うもそれすら適わず、アイオーンの手剣は二人の腹をまとめて貫く。
クロノは残り僅かなマグダレーナの命を糧に戦闘形態をとり、アイオーンに時間凍結を
食らわせ、彼女を腕に飛び去る。 夕日が眩しい丘の上。マグダレーナは、そっと、息を引き取った・・・
だから、僕は帰れない。君も彼女のように殺してしまうかもしれないから。
そういってクロノはロゼットを拒絶する。
ロゼットの魂はもはや活動限界。魂の形状を維持することすら適わず、限界を超えて
魂が離れた肉体は発作を起こしていた。



77 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/30 01:39 ID:???
どうしようもなくうろたえるばかりのエルダーとギリアム。
レミントンはクロノに詰め寄る。贖罪を果たそうとせず、ここで終わるつもりか、と。
魂が離れたはずのロゼットの体が不意に動きだし、クロノの方に歩み寄る。
同じように、ギリギリのところで留まっている魂のロゼットもクロノに歩み寄る。
私はクロノがいてくれてよかったって思ってる。でも、私のためにここに残るっていうのは
間違ってる。よかったことまで否定しないで・・・
ダイブ装置が爆ぜ、魂が留まれなくなる。消え逝くロゼットの魂を抱き寄せるクロノ。
拘束具を引きちぎり、倒れ行くロゼットの体を抱きとめるクロノ。
今だ癒えぬ、癒えることを拒絶するクロノの体。ロゼットは懐中時計の封を解き、魂を
分け与える。「苦しいことも、悲しいことも、マグダレーナの分まで半分こしよう」と。
クロノは思い出す。あの時ロゼットと契約したのは、一人じゃどこもあでも突っ走っていって
しまいそうな彼女の背中を守ってあげなくちゃいけないと思ったからだ、と・・・



78 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/30 01:40 ID:???
キャラ紹介Vol.9
○シェーダ
ネコミミ・メガネ・頭脳明晰・やや天然・料理下手・愛情溢れる・ボインちゃんと7属性を
備えたかなり強力な萌・・・じゃなくて、罪人の頭脳労働を一手に引き受ける発明家。
現在ロゼットが所有する懐中時計こと霊素収束制御ユニット・アイオーンの剣・最終決戦編で
出る罪人の切り札などを製作。人間の頭脳をはるかに超えた技術を持つ。
普段は缶詰を食べながらアストラルラインの観測を行っている。
かわいいものをこよなく愛し、目の前に現れると抱きつかずにはいられないらしい。
人間を切り捨てなければ計画を為すことは適わないことに良心の呵責を感じている。
罪人サイドではクロノの心情を理解できる唯一の人物であり、それ故特別な感情を抱いている節も見られる。
○マグダレーナ
先見の聖女として崇められた女性にして、クロノのかつての契約者。
幼いころからその力で世界中のあらゆる現実的事象・霊的事象を見続けてきたため自己を
希薄に感じているが、唯一自己を繋ぎとめていた夢の中の存在「クロノ」と出会うことで
その運命の歯車は加速度的に回りだす。
死によって失われた彼女の魂は今もクロノの側に佇み、彼やロゼットを見守っている



86 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/31 01:02 ID:???
<Interlude3>
ロゼットがまだエクソシストになっていない、13歳のころのお話。
今日も今日とて周りとなじめずいざこざが耐えないロゼット。
食堂で大暴れのところをひっとらえられ、相部屋の室長エリザベスと一緒にお説教タイム。
優等生タイプのベスと猪突猛進のロゼットは水と油。お説教タイムの直後でも口喧嘩。
ロゼットに対して、騒動娘というだけでなく「悪魔と契約をした」という噂話が持ち上がり周りがとやかく突っかかってくる。
わざとらしい陰口を言う周りに向っていこうとするロゼットだったが、ベスは「規則を守って
真面目にしていれば、いずれ誰も何も言わなくなる」と諌める。
一方共にマグダラの厄介になっているクロノは、エルダーの「研究」を名目に研究室で寝泊りを
していた。そのエルダーはシカゴに出張ということで一人留守番中。
夜、ベスがふと目を覚ますと横でとんでもない寝相をしているはずのロゼットが居ないことに
気付く。当のロゼットは研究室でクロノと談笑中。ベスのことを何かと話すロゼットに、クロノは
「いいコンビになれそうだ」と返す。
気恥ずかしくて否定しつつも「まともに話が出来るのはベスだけだ」というロゼットを、「それなら
なおの事大切にしなきゃ」とクロノは優しく諭す。
物音に気付いたクロノはロゼットに隠れるように言うが、それより早くベス襲来。
「早く溶け込まなくちゃいけないのに、こんな悪魔なんかと会っているだなんて」となじる。
「噂だけで判断しないで、ちゃんと物事を見れる人だと思ってた」と半泣きで答える
ロゼットの言葉にうろたえたベスは、コードに躓いてしまう。
停電。次の瞬間、研究用にケイジに捉えていた魔物が飛び掛り、ベスを庇ったクロノを咥え
さらに偶然にもトゲにベスを引っ掛けたまま外へと踊り出る。



87 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/31 01:05 ID:???
このままでは魔物だけでなく、クロノまで一緒に処理されてしまう。だが、自分に戦う力はない。
挫けそうなロゼットの目に映ったのは、後に相棒となる銃。銃を手に、ロゼットは部屋を飛び出す。
何とか振りほどこうともがくクロノ。だが、目を潰しはしたものの振りほどくことは出来ず、
駐車場の柱に激突。その衝撃で服がトゲに引っかかっていただけのベスは投げ出される。
自分の状況を省みず自分の無事に安堵するクロノに、ベスは意外そうな顔を浮かべる。
そこに、銃を手にしたロゼットがやってくる。しかし、初めて持った銃。
テクニックだとかそういったこと以前に、「命を容易く奪うことも出来る重さ」に飲まれてしまう。
「何か手があるはずだ、よく考えて」となだめるクロノ。
他人でしかも悪魔のあなたが何故と問うベスに、「同じ悲しみを味わった。ここに来たのは
失くしたモノを取り返すべく二人でともに強くなるためだ」と答えるクロノ。
クロノに当ててしまうかもしれない恐怖で引き金を引けないロゼット。
ベスは、近くの車を撃って、と叫ぶ。



88 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/31 01:07 ID:???
うまく命中し、車は爆発。その衝撃で魔物はクロノを放し、これでようやく安心して弾を
撃ち込める・・・のだが、銃を手にして間もなく訓練も受けていないロゼットにガタイが
いいとはいえ動く目標に当てる腕などない。
慣れない反動によろけ倒れてしまったところを魔物が食らいつこうと迫る。
間一髪駆け寄ったクロノはロゼットの手を取り、引き金を二人で引く。
なんとか魔物を倒すことは出来た。ロゼットはめまぐるしい事態から解放されただもう笑うしかできなかった。
だが、騒ぎを聞きつけた人たちが集まってくる。そうしたらクロノの処遇が危うい。
しかし、ベスは「私が規則を破るのは『自分が正しいことをした』と思うときだけ」と弁護に協力してくれることに。
結局子供のウソで大人がそうそう騙せるはずもなく、結局二人まとめて仲良くシスター・
ケイトのお説教タイムなのであった・・・。
それから1年も経たずして、実家の都合でベスは修道院を出ることとなった。
半泣きのロゼットに「目指す場所が変わっただけだけ。いつかクロノと外に出ることになるのだから、
そのときにまた会いましょう」と言い残し、修道会を後にする。
彼女は、二人にとって、修道会で出来た最初の友達であった・・・。



89 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/31 01:08 ID:???
<決戦への旅立ち編>
レミントンに対し、司教協議会の決定が伝えられる。
雨の降りしきる外を見て、レミントンは何を思うのか・・・?
一方、「とある場所」の指揮を取るシスター・ケイトと通信するエルダー。
全米各地で突然頻発するようになった悪魔の活動に修道騎士たちも手を焼いているとのこと。
何かに焦っているように思えるというシスター・ケイトの言葉に対し、目的は罪人だろうと
返すエルダー。目的地はシアトル上空。
そのころ、吹っ切れたロゼットは炊き出しの手伝いや怪我をした子供たちの相手などを
積極的にこなしていた。仕事の合間をぬってクロノに食事を持っていく。
世界を見渡すような、マグダレーナのようなものの見方が必要になるんだ、と呟くロゼット。
しかし、先の一件以来妙な気恥ずかしさが生まれ、ラブコメちっくな間が出来てしまうのであった。
そこにレミントンが現れ、「ある場所に付き合って欲しい」と二人を連れ出す。
アイオーンたちがアジトに使っていた海岸沿いのコテージ。
これから罪人の空中要塞「エデン」に向うが君たちを連れてはいけない、と突如ロゼットを
昏倒させ、クロノに「せめてもの手向けだ」と剣を投げつける。
司教協議会の決定、それはクロノの処分。処刑人は、レミントン。
54年前、マグダレーナを連れ去られたあのときの決着をつけよう、と光剣を構える。



90 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/08/31 01:11 ID:???
激しく斬り合うが、圧倒的にクロノが劣勢。
辛うじて立ち上がったロゼットが二人の間に入るが、レミントンは「君がやめろと言われて
ヨシュアを諦められないのと同じ、信念ある行動を止めることは他人には出来ない」と
殴り飛ばす。さらに「悪魔は自身の力に絶対の自信があるが故に、『心静かに』相対せば
勝てないことなどない。時計の封印をといてもらったら勝機があるかもしれんぞ?誰かさんが
死ぬかもしれんがな」とクロノを煽る。
ロゼットは思う。なぜレミントンはこんなことをするのか。
しかし、彼の言葉を思い返す。彼の言う通りだ。私たちはここで止まるわけには行かない。
ロゼットは引き金を引く。狙うは、レミントン。
例え相手が貴方でも、引き金を引かなければ先に進めないのであれば迷わずそうする。
その言葉に、クロノも頭を冷やす。足りなかったものを掴む。
ロゼットに銃をおろし、決着をつけるべくレミントンと相対する。
二つの斬撃。
クロノの切っ先はレミントンの胴を薙ぎ、レミントンの光刃はクロノの結った髪を断つ。
クロノが得たものは、「激情を自ら制御すること」。
レミントンはこれを教えるべくあえて立ちふさがったのだ。
トランクに積んだいつもの武装入りバックパックを託し、二人を送り出す。
追って駆けつけたエルダーとともに、二人の無事を祈るのであった。
コテージに入る二人。だがずいぶん前からもぬけの殻・・・と思った矢先、足元に見慣れたものを見つける。
それは、サテラの宝石。宝石に触れると、サテラが残した映像が映る。
地下にレギオンで偽装した隠し部屋があり、そこにエデンへの転移ゲートがあるとのこと。
それに従い地下の隠し部屋の転移ゲートを起動。いざ、決戦の地、エデンへ・・・



116 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/09/01 03:49 ID:???
<決戦のエデン 第一部 オラトリオ>
マグダラの書庫に眠る、マグダレーナが書き残していた予言書。
その中身は、彼女の死後50年内容を違えることはなかった。しかし、この日を持って予言書は空白となる。
1924年 12月24日
決戦を前に一眠りしていたヨシュアは、フィオレによって起こされる。
彼は、「ねえさん」の夢を見ていた・・・。
転移ゲートを通りエデンに辿り着いたロゼットとクロノ。
まずはサテラと合流・・・といきたいが、もう54年前のことなので、エデンの内部もいまいち
思い出せないクロノ。とりあえず鉄拳が飛ぶ。
「どんだけいようと片っ端からやっつけてやる」と息巻くロゼットに、背後から声がかかる。
何の気配も感じさせずそこに居たのは、ジェナイ。
どこかで聞いた「死人を送る際に、その人の目にコインを入れる」という風習に従い、
失われた眼窩に入れておいたコインを投げつけ、リゼールを殺ったロゼットを切り殺すべく襲い掛かる。
左腕の剣は聖火弾を切り裂き、足場だった転移ゲートを切り裂き、とっさに張った結界を
切り裂き、さらには迫り来る福音弾までも切り捨てる。
絶対優位の状況のジェナイは、クロノには「そんな女のために能力を使えないヘタレ」、
ロゼットには「あのガキはおまえのことなんかおぼえちゃいねーよ」と煽る。



117 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/09/01 03:50 ID:???
ヨシュアは思いかえす。夢。
しんしんと降る雪。たった二人、両親の墓の前で手を繋いでじっと佇む。
相手の顔は、思い出せない。名前はロゼットだったはず。
あのとき、カーニバルの時にあったあの女もロゼットと名乗った。
でも、それも思い出せない。明日になったらもっと忘れてしまうかもしれない。確かめなくちゃいけない。
フィオレは、「会って、確かめてみましょう」と優しくヨシュアを包む。
そう、真実は言葉だけでは伝わらない
クロノはバックパックに入っていた新しい銃をロゼットに投げ渡す。
真実は言葉だけで伝えられるものじゃない
新たな銃、その名は四聖文字砲(テトラグラマトン)。
その威力は凄まじく、何の反動もなく放たれた閃光はジェナイの左半身を消し飛ばす。
まだ終わってねぇぞ!と息巻くジェナイを制したのはヴィド。
二人を外が見える場所に連れてってやる。
そこで見たのは、空を覆いつくさんばかりにエデンを取り囲む魔族の群れと、それを指揮する
最強の悪魔、公爵テュフォー。
戦慄するロゼットとクロノ。不敵な笑みを浮かべるアイオーン。
決戦の幕が上がる。
手を下すまでもなかったからこそ出向かなかったが、今再び魔界に牙を向くというのなら
全力を持って潰してやろう。テュフォーが進軍命令を下す。



118 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/09/01 03:52 ID:???
管制室からその様子を眺めるシェーダ。防御障壁も昔とは違うと余裕の笑みを浮かべて
いたのもつかの間、巨大悪魔が身を挺した体当たりを敢行。障壁に綻びが生まれ、しかも
爆裂四散した腕に包まれテュフォーがエデンに降り立つ。
徹底抗戦。その最中、アイオーンとテュフォーの一騎打ちが始まる。
だが、最強の悪魔・公爵たるテュフォーの前には為すすべなく、アイオーンは一方的に
やられるばかりであった。
一方ロゼット達はエデン内部へ向う。死守すべき最終計画「オラトリオ」を阻止されぬベく
立ちふさがるジェナイ・ヴィドに運良く守られ、先に進む。
絶対的過ぎる戦力差。なのに戦う罪人達。
クロノは思う。勝つ算段などありえるのか?オラトリオとは何なのか?
そんなことよりもやるべきことがある。二人がここに来たのはアズとヨシュアを助けるため。
決心の一閃。テトラグラマトンの閃光が轟く。
二人は目的を達するためひたすらに駆ける。呑み込まれるくらいなら、こっちが呑み込んでやる!
一方、アイオーン対テュフォー。
手をもがれ、足を跳ね飛ばされ、腹も一部吹き飛び、全身から血を噴き出すアイオーン
テュフォーは全くの無傷
内部に辛くも侵入したロゼットとクロノ。
閉まる障壁をなんとか越え、眼前に現れたのはクロノが居たころにはなかった巨大な
パイプオルガン。奏者はヨシュア。



119 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/09/01 03:55 ID:???
演奏が始まると、その空間はすさまじいまでの霊素に満ちる。
不用意に近づけない事態に混迷を極め、知恵熱で煙が立ちはじめたロゼットはとりあえず
「罪人あたっくよ~!」とか言い出すが、クロノは「封印を解くのは死を覚悟するだけの
事態になった時だけだ」と諌める。その言葉で平静を取り戻す。
演奏にあわせて響く、アズマリアたち代行者の聖歌。
血涙を流しながら、アストラルラインとシンクロし、そして操るべく歌う。
眼前のガラスが突然モニターに代わり、映し出されたシェーダが説明する。
次に映し出されたのは、ボロ雑巾もいいとこなまでに全身を破砕され、辛うじてその原型を
留めるかというほどに痛めつけられたアイオーン。
将を気取るなら前に出るべきではなかったな未熟者め、と吐き捨てる無傷のテュフォー。
突撃命令を下す。 だが、誰一人として動かない。
次の瞬間、不意に訪れる激しい束縛間と衝撃に苦悶の表情を浮かべるテュフォー。
そして、崩壊寸前の体を引きずって迫るアイオーン。
「オレ自身がオトリだとは、誰も思わないだろ?」勝ち誇ったように告げるアイオーン。
そして、剣に宝石をはめる。ありえない速度で修復されるアイオーンの体に驚嘆を禁じえないテュフォー。
そして、アイオーンは事態をわかりやす~く説明してやる。
オラトリオによって目覚めたのだ。
1万年、大西洋の深く深くに眠っていたパンデモニウムが。
その出現は巨大な津波をもたらし、西海岸全域を全滅させる。
それは、大陸もかくやというほどの巨体。パンデモニウム。



120 名前:クロノクルセイド 投稿日:04/09/01 03:58 ID:???
シェーダが説明を続ける。
オラトリオによって導かれたアストラルラインは直接パンデモニウムに流し込まれ、中枢は
過呼吸で混乱を起こしている。それにより自らのレギオン、そしてレギオンから生まれた
悪魔全ての統率に混乱を起こしている。そして、悪魔の統率は尖角を通し行われる。
テュフォー達追っ手側は尖角を通じ上位統率者用拘束制御コード「縛鎖(ギアス)」により
拘束されてしまったのだ。
そして、この「オラトリオ」を行うためには、アストラルラインを操る力を持ち、かつ
パンデモニウムと交信せねばならない。だが、悪魔ではパンデモニウムの支配からは
逃れられない。そのために、ちょうどよい素材としてヨシュアは選ばれ、別離の際にもぎ取った
クロノの尖角をつけさせたのだ。ギアスから逃れるために尖角を折った罪人たちは、策を講じた。
宝石使いにより人間を生きたまま宝石に封じ込め、そしてその宝石から尖角を素材とした
武器を介し霊素を強引に頂く。これで、この状況下でも罪人達は活動することが出来る。
形勢逆転。
バイバイ、テュフォー。将を気取るなら前線に出るべきじゃなかったな
ロゼットも、クロノも、全身を怒りに振るわせる。
自分たちの都合だけで、勝手に命を食らうなど、許せない。どんな大儀があろうとも!
その言葉にアズ、そして代行者たちは意識を取り戻しかける。
が、このままオラトリオを終わらせるわけには行かない、とシェーダは二人の立っている部分を
パージし、二人を雲の海に放り投げる。
いつかと違い、二人に飛ぶ手段は今はない。
このまま終わってしまうのか・・・というところで、二人の手を取る者が。
私が居ないとダメねぇ、と現れたのは「深遠なる3月」に乗ったサテラであった。