ハンサムな彼女

Last-modified: 2008-09-23 (火) 13:55:00

ハンサムな彼女/吉住 渉

569 名前:ハンサムな彼女1 投稿日:04/11/14 02:17:39 ID:???
萩原未央は、四ツ葉学園芸能科に籍をおく女優(連載当初中等部3年。後、高等部進学)。
親友の沢木彩は人気絶頂のアイドル歌手。
未央は幼馴染(隣人)で俳優の森本輝臣に密かに想いを寄せ、
彼の近くにいたいがために芸能界で仕事をしている。
ある日テレビ局で出会った熊谷一哉が、未央・彩・輝臣が共演するTVドラマの演出を担当すると知る。
映画監督の父と女優の母を持つサラブレットはその将来を嘱望される天才演出家で、
その勉強のために海外に渡っていたのだ。
留学前に一時一哉と付き合っていた彩は「3年は帰ってこないって言ってたのに」と突然の帰国を訝しがる。
ドラマの撮影が始まる。
未央の演技にとりわけ厳しく注文をつける一哉。
集中口撃を浴びる未央は納得がいかない。
「どうして私だけ叱るのよ」と反抗する未央に
「金もらって仕事してるんだ、甘えるな!」と一喝する一哉。
険悪なムードが流れるが未央は一哉の言うことが正しいと反省し、
腰掛同然だった今までの態度を改めようと決意する。
一方で輝臣が彩に告白しているのを偶然聞いてしまい、未央は失恋を経験する。
一哉と入ったBARで酔いつぶれる未央。
翌朝、未央が目覚めたのは一哉のベッドの上だった。
とりあえず身の安全を確認した未央は一哉を送り出した後、
好奇心を抑えきれず一哉のプライベートルームに入る。
そこには映画関連の山積みにされた書物やビデオと一緒にコルクボードの中心に
目立つように張られた未央のピンナップがあった。訳が分からず混乱する未央。



570 名前:ハンサムな彼女2 投稿日:04/11/14 02:21:08 ID:???
一哉の知り合いで来日中の映画監督、アーサー・クライトンが未央を「ボンドガール」に大抜擢する。
マネージャーは手放しで喜ぶが、未央はイマイチ実感がわかない。
実は一哉の俳優としての魅力にホレ込んでいるアーサーは、彼に出演するよう説得してほしいと未央に頼む。
一人で異国に旅立つのが不安な未央は一哉に一緒に来て欲しいと言うが
「演技は興味がない」と一蹴されてしまう。
アーサーの来日パーティーでボンドガール役として紹介される手筈だった未央。
しかし、一哉が未央を連れ去ってしまう。
コートも着ずに街を彷徨い歩く2人。
とある映画館の白黒フィルムを見ようと提案する一哉。
字幕のない映画につまらないと思う未央だったが演じている女優(マレーネ・ディートリヒ)に
言い知れない魅力を感じる。目を輝かせてスクリーンを見つめる未央を見て微笑む一哉。
上映終了後、一哉は語り出す。
「ああいうのをハンサムな女性っていうんだ。
俺だけのハンサムな女優を見つけたかった。
おまえを観たときこいつだって思った。
留学を繰り上げて帰国したんだ。
俺に撮らせて欲しい。絶対に綺麗に撮るよ。」
一哉の口説き文句にあっさり陥落する未央。
自信家で厳しくしかし照れ屋で優しい。
ひたむきに映画への情熱を持つ一哉に未央はどうしようもなく惹かれていく。
しかし一哉の目はいつも映画だけを追い続け、未央を女優としか扱わない。



571 名前:ハンサムな彼女3 投稿日:04/11/14 02:27:16 ID:???
一哉らが進める映画制作のスタッフに参加し、主役になった未央。
そんな折、彩と未央はそれぞれ一哉に告白するが、返事はいずれも「NO」。
しかしコンサートで叶わない片思いを吐露し泣き出してしまった彩を
舞台裏で抱きしめる一哉を目撃した未央は傷つき、勢いで好意を寄せられていた、
一哉の親友・可児収と付き合ってしまう。
しかし、その真意はすぐに収に知られ、収はショックを受けたものの、
未央のために彼女の気持ちに応えるよう一哉につめよるが、一哉はそれを拒絶する。
ぎこちない空気の中でそれでも映画制作に打ち込む一哉は恋愛感情を一切捨てただ事態を静観するだけだった。


突然、映画制作が中止になる。
知らせに戸惑う未央たち現場スタッフ。
なんとか上層部を納得させるために、一哉は自ら重要なバイクスタントに挑むが、
大事故にまきこまれてしまう。
九死に一生を得た一哉は初めて自分の気持ちを素直に未央に伝える。
2人はめでたく恋人同士に。



572 名前:ハンサムな彼女4 投稿日:04/11/14 02:31:03 ID:???
アーサー・クライトンの誘いで新作の映画に出演する為、渡米してしまった一哉。
そんな時、未央のクラスに転校してきたのは人気バンド『Traffic Jam』の聖としのぶ。
交際を迫ってくる聖に未央は一哉の面影を見止め、無視する事ができない。
聖は過去に一哉に主役の座を奪われた恨みがあった。
憎い熊谷一哉の大切な恋人を奪ってやつに同じ屈辱を味合わせてやりたい。
そんな聖の歪んだ思いも未央の一哉への愛と幼馴染のしのぶの献身的な支えによってやがて瓦解していく。


CM撮影でロスに行き、やっとの思いで一哉に会えた未央。
アーサーの息子・キースを運転手に現地を観光し、デートを満喫する2人。
しかし一方で一哉は「日本を捨てアメリカに残れ」とキースに言われていた。
さらにキースは一哉の将来には未央の存在がネックになると考え「一哉のために別れてくれ」と未央に頼む。
一哉の事を思い、つらい気持ちで別れを切り出し帰国した未央。
飛行機の中では泣き通しだった未央も学校では明るく振舞って彩や仲間たちを安心させる。
女優として成長し自信を持って一哉に会いに行けばいい。
未央の心は前向きに変わっていたのだ。


やがて撮影を終えた一哉は未央のもとへ戻り、
「もう2度と離れてなんかやらないんだからね」「いいよ」「もう離さない」
2人はかたく抱き合う。



573 名前:ハンサムな彼女5 投稿日:04/11/14 02:34:30 ID:???
CDを出す事になった未央。
師事した作曲家・佐野亮平は一哉の従弟だった。
妻に先立たれた亮平は未央を母のように慕う息子を見て再婚を考え始める。

一哉の新作映画に、自分ではなく事務所一押しの竹内みちるが使われることに
ショックを受ける未央だったが、一哉の説得でなんとか気持ちを立て直す。
いよいよ映画のクランク・イン。
しかし一哉は、みちるの演技にNGを連発させる。
頭の中で描いていたヒロイン(未央)のイメージにどうしてもみちるが重ならないのだ。
このままではみちるの個性を潰してしまうと感じた一哉は監督を降板する事に。


最初は一女優としてしか見ていなかった。
でも初めてブラウン管の中の萩原未央を見た瞬間から恋していたのかもしれない。
付き合っていくうちにどんどん好きになって離したくなくて、どうしても声が聞きたくて……。


時は流れてクリスマス・シーズン。未央の誕生日。一哉は指輪をプレゼントする。
「サイズが違う、せっかく一哉からのプレゼントなのに」と薬指にブカブカのリングをはめながら嘆く未央は
「そこは空けておけ。そのうち本物買ってやるから」という一哉の言葉に驚きながらも感激する。
2人は腕を組んで街の中を歩き出す。



574 名前:ハンサムな彼女6 投稿日:04/11/14 02:37:41 ID:???
追記
1一哉が未央に「読め」と手渡す本は名女優ローレーン・バコールの『私一人』
2一哉の親友・可児収は関西人。
 後に同じ関西人で映画製作スタッフの一員だった理花と付き合います。
3コミックス最終巻のあとがきには一哉と未央の結婚式シーンが
 書き下ろされています。
 「24、5歳かな」(By作者)


 <了>



575 名前:ハンサムな彼女7 投稿日:04/11/14 02:55:45 ID:???
追記補足
4彩と輝臣もカップル成立。
5佐野亮平の「嫁に来ないか」も当然却下されます。