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ロングロングケーキ

Last-modified: 2008-09-21 (日) 21:57:52

ロングロングケーキ/大島 弓子 Edit

339 名前:ロングロングケーキ 1[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 15:29:46 ID:???
雰囲気が独特なので、実際に読んで見ないと理解しにくいところも多々あると思います。特に後半は。


同人活動(現代のとは違う)に勤しむ大学生コタ(小太郎)のもとへ、
夢を媒介にして宇宙人の宇さんがやってくる。
つい先日宇さんの星は滅びてしまったので、住まわせてほしいそうだ。
それを承諾すると、地球マニアの宇さんはとても喜んだ。


宇さんはイメージの具現化、既成物体への擬似、物質転送などが出来る。
コタは宇さんを通りすがりの美女に変身させたりする。
コタは最近執筆が上手く行ってない。同人誌の締めきりを破ってばかりだ。
気分展開にコタは本を読む。その本の中にはチョコレートバーの理論が書かれていた。
一つのチョコレートバーがあったとする。それを半分だけ食べる。
そしてまた半分だけ食べる。いつもいつも半分だけ食べていけば、
理屈でいえばそのチョコレートバーは永遠に消えない事になる。
人間がその寿命を終えたとしても、皿の上には極小の
チョコレートバーが残る事になる。永遠とはなんだろうとコタは思った。


目覚めると、宇さんがコタの理想の朝の風景を具現化していた。
美味しい朝食、柔らか仕上げのタオル、アイロンをかけたシャツ、
仕上がった原稿、励ましのファンレター。コタは喜ぶ。
同人仲間の獅子雄と目方は今までの最高傑作だと原稿を誉めた。
「コタさん わたしこれからこんなこともできそうです。
 あらゆる試験はあなたの姿で受けて最高得点を取りますし
 卒論だって期日には机にそえてさしあげます」
宇さんの提案にコタは大喜び。
コタは大学にいるホモの天の川を嫌っている。
そいつに会わずにすむと、宇さんが大学に通ってる間
コタは毎日浮かれて遊んでばかりいた。
毎朝机の上には仕上がった原稿とファンレターが置かれていてコタは幸せだった。



340 名前:ロングロングケーキ 2[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 15:31:55 ID:???
宇さんはその日、カサの姿で帰ってきた。
雨の中困っていた人がいたので、カサになってあげたのだという。
その日大学では、獅子雄は授業中も宇さんの書いた原稿を見ながら泣いたり笑ったりしていた。
その様子があまりにも可愛くて、宇さんはコタの姿のまま獅子雄に愛の告白をしたと言う。
しかし思いきり拒絶されてしまい、すぐに誤魔化した。その後、天の川が話し掛けてきた。
自分はエイズになったから入院する、お前が好きだ、さようならと言ったそうだ。
それらの事を聞きコタは憂鬱になる。獅子雄に告白した上に天の川に近づくなんて…


翌日は自分で大学に行くと、帰りにチンピラに絡まれた。
帰宅してからその事を宇さんに話すと、自分のせいかもしれないと打ち明けられた。
「傘になる前の帰り道で昨日は色々な事がありました。ゴミを捨ててる人を怒鳴り
 次にたかりをやめさせ、犬をいじめてる人がいたのでその痛みを味わってもらいました。
 酔っ払って絡んでいた人をその場で覚醒させて、路上でピストルを撃ってる人がいたので
 ピストルを奪って警察の玄関に捨てました。そしてその後カサになったのです」
そんな余計な事をしないでいいと怒鳴るコタに、宇さんは悲しそうな顔を見せた。


翌日も机の上には原稿が置かれていた。自分で書いたわけでもない原稿を
自分の名で発表なんて出来ない、もうやめてくれとコタは訴える。
その小説は宇さんが作ったものではなく、宇さんがコタの脳に埋もれている
潜在的な作品を探り当てて文章化したものだから紛れもなくコタの小説だと宇さんは言う。
「あなたには何億という小説があなた自身にも気づかれる事なく埋もれているんですよ。
 でも こちらのファンレターはわたしが書きました。
 わたしはあなたの作品を一等先に読める読者として誇りに思います。
 いえ、あなたの全行動・全思考をすきなんだと思います」
コタは、日々増えていく自分へのファンレターの返事だけでも自分の手で書こうと決意した。


毎日 少しずつ永遠にぼくはラブレターを書きつづけるんだ。僕の永遠とはこういうことだ。



341 名前:ロングロングケーキ 3[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 15:33:08 ID:???
以前の宇さん(姿はコタ)の行動によってチンピラに襲われるコタ。
獅子雄や目方に助けられるが、獅子雄たちは怪我をする。宇さんは怪我を治療した。
そこへ、宇さんが以前に姿をコピーした女性が現れる。
自分とそっくりの顔の人物に驚く女性はその場に倒れた。
宇さんは女性の心を読む。彼女は桜野蒔絵という名で女子大一年。
先ほどのチンピラと戦う獅子雄の勇姿に恋をした様子だ。


獅子雄と目方と桜野は宇さんが宇宙人である事を受け入れた。
宇さんは実在の人物の姿になる事をやめた。コピーされる側の気持ちを配慮してだ。
しかし元の自分の姿でうろついては、国や軍が動き出して研究材料にされてしまう。
架空の人物を創造して欲しい、それまで自分は無生物の姿になると宇さんは言う。
しかし地球上にいない人物を新たにイメージするのはなかなか難しい。
創造にばかり気を使い大学にも行かず引きこもっていたら、郷里の父がやって来た。
コーヒーカップに変身している宇さんを父に紹介するコタ。
父はコタが精神病にかかったと思い、すぐにでも入院させようとした。
その夜、宇さんがコタに話しかける。
「コタさんお別れです。この世界はあなたを苦しませます。
 わたしはあなたの深層部を作動し あなたをこの夢の外に覚醒させます」
今までコタがいた世界ではコタは行方不明になり、やがて一年が経った。



342 名前:ロングロングケーキ 4[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 15:35:37 ID:???
宇さんに別の世界で目覚めたコタは、その世界で夢を見て、
更にその夢の中でも夢を見て、それを幾度も繰り返すうちにようやく元の世界に帰って来れた。
自分の部屋にまだコーヒーカップの姿のままでいる宇さんに再開する。
「ぼくは病院に行くよ。それがこの世界ではみんな嬉しいんだ。
 宇さん 一緒に暮らそう。
 君は変幻自在だし ぼくはどこにいたって君と暮らせるはずだ。
 君がまた同じ事をしてもぼくはまたここに戻ってくるよ。
 なんつってもぼくはここで君へのラブレターを書きつづけなければいけないんだから」
コーヒーカップ姿の宇さんはカタカタと震えると、元の姿に戻ってコタに抱きついた。


(以下は目方目線)
コタは精神病院に入院した。宇さんは鳥になり虫になりコタの傍にいるという。
医者は宇宙人というのはコタの造りあげた妄想にすぎないという。
妄想――夢、全てはコタの夢の世界の出来事なのかもしれないと目方は思う。
そうだと仮定すると、コタが眠っている側の世界にももう一人目方はいる。
その世界の目方が夢を見たら、もう一つ別な世界で目方は生きている事になる。
さらにまた目方の知り合いが夢の中で目方を見たら、更にその世界にも目方は生きている事になる。
途方もない数の目方が存在する事になる。
そう考えると気が遠くなるが、とりあえずははこの世界ではコタは作家の端くれとなっており
目方は普通のサラリーマンに、獅子雄は桜野と結婚し若きビジネスマンとなっている。


終わり



346 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 19:29:39 ID:???
人間の輪郭をしてるけどのっぺりとした発光体?みたいなの
あとあらすじには書いてなかったけど、コタはシシオが好きだった
天の川を極端に嫌悪するのも、そういう思いの表れで、
でもそれだけじゃない気持ちももってる
そこを自分で告白する時のモノローグが作品通していちばん好きだ
収録単行本はあすかの「秋日子かく語りき」だけど、絶版
表題作になってる文庫が一番手に入りやすいと思います
あらすじ書きのひとじゃないけど答えちゃった



347 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 20:04:31 ID:???
なるほど。
潜在的ゲイで、でも自分じゃそういうところを認めたくなくて
ゲイを嫌悪するようになるっていう話なのか。



349 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/08/26(金) 20:49:06 ID:???
あらすじ書きでも346でもないが。


美女姿の宇さんとラブラブしたり、
中学(高校だったかな?)時代の片思いの相手に変身してもらったりもしてるから
ゲイとは違うと思う。好きとはいっても恋愛感情とは違う好きじゃないかな。
大島弓子の作品は読み方が何通りかあるからあまり一概にはいえないけども。