電話機の種類/携帯電話機PART2

Last-modified: 2009-10-09 (金) 12:42:40

携帯電話機

  • 携帯電話機構成部位
    携帯電話の端末には、アンテナ、スピーカー、マイクと、これらを制御する電子回路と、入力のためのボタン(ボタンは暗い場所でも見やすいよう大体光るようになっており、色は緑、オレンジ、赤、白、青などがある。また、輝度を変えることができるものもある)と、電源から成っているが、機能の増加からパーツは増える傾向にある。最近の端末ではディスプレイを搭載しており、液晶や無機EL、有機EL、発光ダイオードなどさまざまな素材が利用されている。初期型の製品にはアンテナがほとんど露出していたが、2000年代中頃に内蔵の機種が増え、現在のアンテナはほとんどが内蔵型である。
  • 電源
    また電源も初期には一次電池が使われていたが、二次電池の発達により1990年代にはニカド電池およびニッケル・水素蓄電池が、2000年代はリチウムイオン電池が主流と成っている。携帯電話端末本体が充電器の役割も兼ねており、二次電池の充電回路を搭載している。そのため外部電源を接続することで本体から電池を取り出さなくとも充電が可能である。機種によっては専用の充電用簡易スタンドが付属する場合があり、その場合は外部電源との接続が容易である。外部電源としてはACアダプタによる直流送電が用いられる。家庭用電源から電源を取得し、リチウムイオン電池の定格電圧である3.7Vよりも高い、5V程度に落として供給される。
  • 演算・記憶装置
    端末のデジタル化により、通信処理を司るベースバンドLSIを利用してコンピュータ化が進み、電話帳機能や発着信履歴の保存のためにフラッシュメモリによる不揮発記憶装置による補助記憶領域も備え付けられるようになった。このことで着信音にバリエーションを持たせることが可能となった。
    さらに携帯電話でモバイルブラウザを動かしたり、画像や動画、音楽といったマルチメディアデータを扱うようになると、ベースバンドLSIとは独立したCPUが搭載されるようになった。補助記憶装置の必要性は更に増し、内蔵の補助記憶装置のみでは容量不足となった。そのため2000年代に入ると外部にメモリーカードのスロットを設け、外部メモリへの記録も可能とした。初期ではSDカードやメモリースティックが用いられていたが、端末に占める容積が大きかったためminiSDカードやmicroSDカード、メモリースティックDuoなどの、携帯電話に特化したメモリーカードが開発された。このような外部メモリのスロットは主に端末の下部や側面部などに設けられていたが、近年発売されているmicroSD対応端末においては頻繁な交換を想定せず、バッテリスペースの内部に設けられている機種もある。

機能

通常の通話機能とSMS程度の単機能のみの機種から、携帯情報端末 (PDA) を凌ぐ多機能な機種まで、さまざまな製品が存在する。日本では、高機能(高価)な機種でもインセンティブ(販売報奨金)により安価に流通可能なビジネスモデルのため、高機能機種が広く普及している。また韓国の携帯電話も高機能機種が多いことで知られる。その他の国では、契約と端末の分離により端末の価格が機能に比例することや、コンテンツサービスが発展途上であり必ずしも高機能な端末が必要とされないことなどから、安価で基本的な機能の端末にも根強い人気がある。こちらの項目では2000年代以降、近年の日本の携帯電話に搭載されているハイテク機能をメインに記述している。

カメラ機能付携帯電話

デジタルカメラを内蔵した携帯電話端末のことをいい、カメラで撮影した画像を壁紙に設定したり、携帯電話キャリアのサービスを利用してメールに添付して他の人に送ったりすることができる。機種によってはメモリーカードに記録してパソコンで印刷したり、DPEサービスで現像したりすることもできる。またカメラ機能を利用した画像解析機能によりQRコードやJANコードが読み取れるようになり、特にQRコードは大容量の文字データを格納することができるため爆発的に普及した。最近ではカメラを使って動画を撮影できる機種も登場しており、動画をメールに添付できるサービスも開始されている。初めてデジタルカメラを内蔵した携帯電話は、2000年10月に発売されたシャープのJフォン(当時)向け端末「J-SH04」。11万画素の256色表示と、当時としてもいわゆる「おもちゃデジカメ」的な性能だったが、簡単に撮影できて友だちと画像を交換できる手軽さが若者に受け、Jフォンの「写メール」サービスとともに大ヒット商品となった。これを見た各キャリア・各メーカーが次々とカメラ付き端末や関連サービスを投入し、現在ではデジタルカメラはほとんど標準機能として多くの携帯電話に搭載されるようになっている。2003年には、デジタルカメラとして十分な性能と言われる100万画素以上のカメラを搭載した「メガピクセルケータイ」が登場し、カメラ付き携帯電話が本家デジタルカメラのライバル商品となってしまった。

GPS携帯電話

GPSとはGlobal Positioning Systemの略で地球の周回軌道を回る衛星から発信される情報を元に現在地の緯度・経度を測定するシステム。GPS携帯とはそれを利用できる携帯のことで。これを利用するサービスにauのEZナビウォークがあり、自分の居場所を常時携帯で表示する上、目的地を入力するとそこまで誘導してくれる。見知らぬ土地に赴く際や、誰かと知らない場所で待ち合わせる場合などに力を発揮する。ただしあまりにも辺境地で、電波が届かない場所だと全く効果がないので注意が必要。

お財布ケータイ

ソニーが開発した非接触型ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」を、ドコモのインターネット接続サービス「iモード」と融合させ、専用機器にかざすだけで、簡単に電子決済や本人認証ができる機能が付いた携帯電話。NTT DOCOMO端末では端末名の末尾に「ic」が付く機種を指す。2005年以降、NTT DOCOMO以外のキャリアからも随時発売されている。代表的アプリケーションとして、モバイルSuica、edy、nanaco、Docomoのクレジット決済サービス対応のiDやDCMXなどがある。

デコメール

デコメール(デコメと略するのが一般的)はNTTドコモのiモードメールの追加サービスの一つで、絵文字や背景、文字色など様々な装飾をメールに付加できるサービス。主に若者に絶大な人気がある。デコメールではメールの文面をWebページのように装飾することができ、背景色を設定したり、文字の色や大きさを自由に変えたり、文字に点滅やスクロールなどの効果を加えたり、カメラで撮った画像を文中の任意の場所に挿入したりすることができる。画像にはiモードサイトなどで提供されているアニメーション画像(GIFアニメーション)を使うこともできる。さらに、903iシリーズ以降では、署名部分をデコレーションしたり、「デコメピクチャ」(デコメ絵文字)と呼ばれる専用の絵文字を標準で240種類(iアプリによるダウンロードで追加可能)利用できる。キャラクター画像などがセットされたデコメールのテンプレート(ひな型)や、デコメールで利用できるGIFアニメなどの素材を提供しているiモードサイトもあり、ダウンロードして取り込むことでさらに豊かな表現が可能となる。デコメールの実体はHTMLで記述されたWebページなので、受信側はiモード閲覧機能があれば旧世代の機種でも表示可能で、パソコンで受信して閲覧することもできる。auでは「デコレーションメール」、ソフトバンクモバイルでは「デコレメール」(旧称:アレンジメール)、ウィルコムでは「デコラティブメール」の名称で類似サービスを提供している。なおイー・モバイルでも同種のサービスが利用可能だが、特にサービス名称はない。

ワンセグ携帯

テレビ(地上デジタル放送、以下、地デジ放送)を視聴できる携帯のこと。第一に挙げられるワンセグ携帯の魅力は、なんといっても「高画質」で「高音質」な地上デジタル放送(地デジ放送)をいつでもどこでも視聴できるという点です(注1)。地上デジタル放送なので、当然、従来のアナログテレビ放送に比べ格段に、「高画質」、「高音質」ですし、そもそも、ワンセグ携帯というかワンセグ(注2)とは携帯で移動しながら地上デジタル放送を視聴することを目的として作れたサービスものなので安定視聴という面からも、従来のアナログテレビ放送に比べワンセグ帯は優れてます。ワンセグ携帯は、ノイズもなくクリアな映像と音声が楽しめ、電車(新幹線む)や走行中の車内(高速道路走行も含む)でもワンセグ携帯であれば快適な視聴が可能です。代表的及び人気のワンセグ搭載機種としてはSHARP製のAQUOSケータイが有名。
(注1)
ワンセグ携帯ならば、必ず、どこでもいつでも受信できるとは限りません。電波の弱い場所などでは、受信できないことがあります。携帯電話の通話可能エリアとワンセグ受信可能なエリアは異なります。
(注2)
ワンセグの正式名称は「携帯・移動体向けの1セグメント部分受信サービス」。

GSM携帯

GSMとは、Global System for Mobile Communications の略。デジタル携帯電話に使われている無線通信方式の1つで、欧州、アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカなど、世界で幅広く利用されている方式です。日本で使われているCDMAやPDCなどとの適合はしていません。GSM携帯電話とは、GSM方式のもとで使える携帯電話本体のことで、機種によりますが、異なった周波数(GSM900MHz、1800MHz、1900MHz)のもとでの使用が可能です。GSMの携帯電話は各国のキャリアショップで売られているSIMカードを指せばそのまま使える方式です(簡単に言えば自分の携帯電話にあるSIMカードを差し替えるだけで日本の携帯{日本と同じ携帯番号}をそのまま海外で使用出来るという事です。)

着うた・着うたフル

着うたとは、携帯電話の着信音にMP3などの音楽ファイルを再生できる着信音再生サービスの名称であり、ソニー・ミュージックエンタテインメントの登録商標となっている。着うたでは、30秒程度の音楽ファイルをダウンロードして、曲のサビ部分などを着信音として再生できるようになっている。対して着うたフルは、携帯電話で従来の着うたを1曲全体でダウンロードできる、日本の音楽配信サービスで、圧縮率を約2倍に高めたHE-AACを使用することで、AACで圧縮された着うたの音質を維持したまま曲全体をダウンロードできる。着うたフルは着うた同様、ソニー・ミュージックエンタテインメントの登録商標である。

携帯電話でWeb閲覧

当初は通話機能だけであった携帯電話だが、音声通話のデジタル化により端末全体がデジタル化し、これによりパケット通信によるデジタルネットワークへの接続が可能となった。デジタルネットワークの中でも、世界的に普及しているインターネットへの接続が早くから行われ、携帯電話でインターネット網にアクセス出来るようになった。クライアント化である。これにより携帯電話を対象にしたウェブページが携帯電話会社から公式サイトとして設立されたり、また個人でインターネット上に携帯電話を対象にした勝手サイトと呼ばれるサイトが開設されるようになる。さらに携帯電話の高速通信化により、通信機能を利用して携帯電話で金銭の管理を行うモバイルバンキングやオンライントレードも行えるようになっただけでなく、動画コンテンツの閲覧も可能となった。従来、携帯電話ではそれのみを対象にして作られた簡素なHTMLによるウェブページしか表示できなかったが、近年ではブラウザを搭載した端末も実現し、パソコン向けに作成されたコンテンツの閲覧が可能(フルブラウザ)となった。Web閲覧機能の向上によりパケット定額制(データ通信料が使用量に関わらず定額の料金制度)への加入者増加に繋がった。

携帯電話の主なデザイン

ストレート式携帯電話.jpg
  • ストレート式-携帯電話の基本形。操作部と表示画面がひとかたまりの延べ棒状になっている。操作部と表示画面がそのまま外面に露出しているためこれらが傷つきやすい。また、表示画面の大型化に伴って平面形も肥大化しつつあり、コンパクト化が難しい。しかし近年では、タッチパネルを採用することで表示画面も操作部も一体としたコンパクトな製品も登場している。派生型として、操作部分をカバーで覆い、使用時にはカバーを開けるフリップ式と呼ばれるタイプもあるが、近年はそうした製品は少ない。
折り畳み式携帯電話_0.jpg
  • 折り畳み式-携帯電話が多機能化するに従い表示画面が大型化し、ストレート式では平面形も大きくなりがちであること、また、操作部と表示画面を未使用時に保護する観点から、本体中ほどにヒンジを設け二つ折りにできるようにしたものである。折り畳み式携帯電話の元祖かつブームの火付け役になったのはNECである。近年は技術革新により、二つ折りになっても非常に薄い製品が登場している。また、ワンセグなどの普及により、縦開き、横開きの両開きが可能な製品が登場。通常時は縦、ワンセグ視聴時は横とそれぞれに合った開き方を可能にした。
スライド式.jpg
  • スライド式- 本体が上層部と下層部の二層に分かれており、上層部を横にスライドさせることで下層部の内側にある操作部を露出させる。スライド方法はレールによるものと回転軸によるものの2種類がある。折り畳み式と違い表示部が表面に露出しており、基本機能はスライドしなくても使えるものが多い。

白ロムについて

白ロム、FOMAカードを抜いた状態.jpg

白ロムとは携帯電話やPHSに電話番号などの情報が入っていない状態、もしくは解約や機種変更などによってそれまで書き込まれていた情報が消去された状態の端末本体のこという。「FOMA」、「au ICカード対応機」、「SoftBank3G」などのSIMカード(FOMAカードやUSIMカード)を使う機種は、カード未挿入状態(カードを抜いた状態)が白ロムになります。白ロムの状態では通話・通信は不可能。これに対して、有効な回線契約があり、番号が書き込まれている状態の端末を、黒ロムと呼ぶ。なお、端末紛失や破損による解約の場合は、電話番号を消去することができないため、解約したにもかかわらず電話番号が記録されたままの端末が残る(また、事業者によっては、特に申し出がない限り番号を消去しないところもある)。このような端末を、白ロムと黒ロムの中間という意味で、灰ロムと呼ぶ。灰ロムも通話・通信はできない。改めて申し出れば、電話番号を消去して白ロムにしてもらうことができる。番号が記録されているが、ショップに納入されたばかりの状態で、一度も正式な契約が結ばれていない端末は、半黒ロムと呼ぶ。半黒ロムも通話・通信はできないが、一度でも契約が結ばれたかにより、灰ロムとは区別される。

PHS

PHS画像.gif

PHS(Personal Handyphone Systemの略)とは、設備や仕様を簡略化し、通話料を低く押さえた携帯電話の一種。一つの基地局がカバーする範囲が狭く、端末1台あたりの周波数帯域が携帯電話よりも広いため、データ通信の速度は32~64kbpsと携帯電話に比べて極めて高速で、ISDNと遜色ない快適な通信環境を実現できる。音質も固定電話網並みに良い。また、基地局設備が簡易で安価な点を生かし、地下街や地下鉄駅などでの基地局設置がいち早く進み、都市部では携帯電話よりもつながりやすいという状況が生まれている。登場した当初は通話中の基地局の変更(ハンドオーバー)ができず、高速移動中(電車・自動車など)に通話ができないなどの欠点があったが、そうした欠点は現在ではほとんど解決され、「データ通信が高速な携帯電話」とも言える強力な通信システムに変身を遂げている。

ポケットベル

ポケットベルとは、NTTが提供していたページャサービス。2001年1月には、旧NTTからサービスを引き継いだNTTドコモが「ポケットベル」から「クイックキャスト」に名称を変更している。
 ページャとは小型の液晶端末にデータを送信する移動通信システムで、電話を使って相手のページャの番号をかけることで、相手のページャ端末で着信音を鳴らしたり、振動させたり、簡単な文字メッセージを送ったりすることができる。「ポケベル」「ポケットベル」は同社のページャサービスの商標だが、ページャを意味する一般名詞として定着した。
 電電公社(当時)が1968年に東京23区でサービスを開始したのが始まりで、1995年3月の端末買い取り制度の導入とともに、急速な普及が始まり低価格化が進んだ。特に女子高生のコミュニケーションツールとして爆発的に普及し、社会現象として注目を集めた。日本で広く一般に普及した初めての携帯通信機器です。
 しかし、1996~97年から携帯電話とPHSの急速な普及・低価格化やメール機能の向上が始まり、わずか数年で携帯通信機器の主役の座を追われることとなった。NTTドコモは2004年6月30日で新規受付を終了、「ポケットベル」サービスは普及が始まって10年と経たずにその歴史に幕を閉じることとなった。

ポケットベル画像.jpg
  • ベル打ち-名前が表すとおり、もともとは文字表示機能が追加されたポケットベル向けに、プッシュトーンを発生できる電話を用いて文字送出するために考案された方法である。プッシュボタン式電話機と同じキー配列のボタンインターフェースが携帯電話でも主流となったため、ポケットベルが廃れた現在でも入力法そのものは利用され続けている。ほかの呼び名としては、ベル打ち、2タッチ入力などがある。入力方法の主流であるかなめくり入力に次ぐ搭載率であるが、全ての機種でポケベル入力が出来るわけではない。

携帯電話機の今後、未来について

昨今の携帯電話機器は電話本来の機能である通話よりも、Web機能に重点を置いており、どのキャリアにおいても独自性やサービスを提示し、各キャリアがより多くの顧客獲得に奮闘している。
2008年にはスマートフォン(注)の世界的代表格である「iphone」がソフトバンクから日本発売を開始し、各メディアでも大きく取り上げられ脚光を浴びたのは記憶に新しいところである。2009年にはより高速な操作性とデータフォルダ容量を増加させた「iphone3GS」も発売され、こちらも人気で中々入手困難な状況が続いている。又、iphoneほどの話題には成らなかったがGoogleが開発した携帯向けプラットフォームを搭載した「Android」(Googleケータイともいう)がNTTdocomoから2009年夏に発売された。今後もよりPCの機能に近づいた携帯端末が各キャリアから開発、発売されることは必至だが、電話本来の機能である通話品質の向上にも力を注いで頂きたいものである。

iphone.jpg
 

(注)コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理機能を持つ携帯電話を指す。パソコンに近い利用が可能で、インターネット接続・電子メール機能はもちろん、長時間駆動で作業場所を選ばず軽量でありソフトウェアをインストールする事で、多種多様な使い方が可能。