Havenwoodから数マイル、Vallaは座って焚き火を見つめていた。
無意識の内に、あごの傷跡に指が伸びる。
―お前はまだ未熟。
―デーモン・ハンターならば、常に憎しみを規律で制御しろ。
Josenの言葉が未だに頭の中に響く。
しかし、考えれば考える程、恐らく…恐らく、師匠の言うことは正しいんだろう。
あの遺跡での「失態」に心は引き戻されて…
数日の後、VallaとDeliosはDreadlandの南に到着した。
Deliosは粗野でガサツ、イライラする。
出来れば単独で任務をこなしたかったが、Josenにペアでやれと指示されたのだ。
ここは名も知られていない文明の、忘れ去られた遺跡。そして、悪魔の隠れ家。
Vallaは心の「守り」を固める。
師匠は私達2人に言った。今回の標的のような強力な悪魔、ヤツとの戦いは剣を交えるものだけではない、と。
「悪魔の最大の武器、それはお前達自身だ」
崩れた石碑が並ぶ中、遺跡の地下へ降りていくにつれて、Vallaは心が掻き乱されるのを感じる。
階段は巨大な玄室に繋がっていた。聳え立つ無数の石柱、その上部は暗闇に消えている。
カンテラの灯りがチラチラと瞬く。
Deliosが躍り出た。
彼はなんと無用心で、愚かなことを。
Vallaは怒りに駆られ、同時に悪魔が心に忍び込んだのを感じ取った。
心の中では、悪魔は黒い触手であった。こちらを探し、誘惑し、挑発してくる。
Vallaは、あらゆる怒り、負の感情の真っ只中に居た。Deliosは憑り付かれたに違いない。
彼女の動揺は、直ぐに怒りへと変わった。そして、激怒へと。
Vallaが止まれと叫び、Deliosは再度前へと進む。
彼が振り向き、ニヤニヤと笑っている。
Deliosは堕落させられたか、と彼女はすぐに確信する。アイツは「向こう側」に行ってしまった。
もはや怒りは鎮まらない。自分が、Deliosを殺すだろうと分かる。
アイツは哀れで、矮小だ。アイツの死に慈悲あれ。
Vallaが進み出る。Deliosはニヤニヤと笑いながら立ったままだ。
飛び掛ると、Deliosは柱の陰に隠れる。
それを追いかけ…
Deliosが掻き消えた。
ようやく、悪魔が彼女の後ろに居るのに気付いた。
巨大な、異世界の住人が。
自分の心の中で、嘲笑が聞こえる。
操り人形の如く、容易く、悪魔は自分を操っていたのか。
私が追いかけたDeliosは幻だったか。
負けたのは私、今や死ぬのは私だったか。
突如、爆発が鳴り響いた。
続いて彼女が思い出せるのは、この瞬間だけだ。
Josenが悪魔と闘っている。
Deliosも加勢した。
Vallaもクロスボウの矢に集中する。
「見つけたぞ、Draxiel、Mephistoの僕よ。死にゆく者達の名にかけて、貴様を滅する!
消え去れ、そして2度と帰れぬ地獄へと舞い戻れ!」
Josenが浄化の言葉を叫ぶと共に、クロスボウを放つ。
眼も眩む光が走った。
悪魔は消え去っていた。
「あの遺跡」は試練であった(全ては試練、生は試練、とは師匠の口癖だ)。
そして、Vallaは落第した。
そして、今や…今や、Deliosも試練に失敗した。自身の魂を代償として。
今回の悪魔を打ち倒すとVallaは心に決めていた。
しかし、Deliosの運命と向き合いたくは無かった。
―今や、我々の知っているDeliosではない。只の悪魔だ
Vallaは恐怖を抑え付けた。
数多くの悪魔を消滅させる方法の中で、唯一Josenが教えた方法がある。
師匠はまた、こうも教えた。
「悪魔がお前の中を覗き込んだなら、逆に覗き返すのだ。
しかし…それは、デーモン・ハンターにとって最も危険な手段だがな」
同じ過ちは、もう繰り返さない。
あの時よりも、私はずっと強くなったはずだ。
ポケットから、妹のHalissaがくれたお守りを取り出す。
「貴方のためにも」
そう呟き、焚き火が消えた後、師匠の教えてくれたように瞑想を始めた。
- 公式に日本語訳出てきたら、このページ不要になるんだろうか。とりあえず、続きを読みたい人はわっふるわっふると(ry -- ページ作者? 2012-05-18 (金) 21:43:05
- わっふるわっふる! -- 2012-05-19 (土) 12:02:10
- わっふるわっふる(@ ̄□ ̄@;)!! -- 2012-05-30 (水) 18:45:08
- わっふるわっふる(@ ̄□ ̄@;)!! -- 2012-05-30 (水) 18:49:29