Combat

Last-modified: 2021-07-18 (日) 09:54:16

戦闘ルールに関連した解説です。少々複雑な部分もありますが、理解していれば戦術を立てやすくなるでしょう。

DRN(Dominions Random Number)

Dominionsでは、戦闘に限らず様々な場面でDRNと呼ばれる乱数がたびたび使用されます。
DRNの計算は、まず2個の6面ダイスを振ります。そしてそれぞれのダイスで出た目が5以下であれば、それをそのまま使用します。
しかし、もしダイスが6を出した場合、計算結果から1を引いた上で、もう1つ6面ダイスを振ります。これは出た目が6以外になるまで繰り返し行われます。

この特殊な処理により、DRNは稀に異常に大きな値を出す可能性があります。
これを判定に用いることにより、Dominionsでは滅多に起きないことは多くとも、全く不可能という状況は非常に稀なものになっています。
もし運が非常に良い(あるいは悪い)ならば、ただの民兵が良い装備を持った神に手傷を負わせるという場面を目にすることもあるかもしれません。


以下の表は、互いの能力値(たとえば近接攻撃であれば、攻撃側の攻撃技能と防御側の防御技能)の差に応じた、攻撃側の勝率を示したものです。
これを見ると、とくに差が小さいときの能力値1の価値は見た目よりも大きいということがよくわかるでしょう。一方で、どれほど高い値を得たとしても、0%や100%に至ることはありません。

能力差勝率046%
-141%154%
-131%262%
-122%370%
-113%476%
-103%582%
-95%686%
-86%789%
-78%892%
-611%994%
-514%1095%
-418%1197%
-324%1297%
-230%1398%
-138%1499%

なお、使用されることは少ないものの、最初に振るダイスが1個だけの場合もあります。この場合はdrnと小文字で表記されます。

1マスに入れる人数

戦場のマスは、サイズの合計が6を超えないように占められます。合計が6を超えさえしなければ、どのようなサイズの組み合わせでも問題ありません。
総じて、1マスに入れる人数が多い小型ユニットは、同じ面積で敵と同時に相対できる数が多い点でより大型なユニットに対して有利です。ただしその分、範囲攻撃で巻き込まれる人数も多くなります。

なお、各マスはそれぞれが特定の陣営のユニットのみで占められます。たとえ容量的には隙間があるとしても、敵味方が同じマスに混在することはありません。

陣形

陣形は部隊の初期位置と共に指定可能です。基本的には初期配置にのみ影響しますが、多少ながらユニットの行動規則にも影響する部分があります。
多くの陣形は士気低下を招きますが、Formation Fighter(隊列適性)を持つユニットのみで構成された部隊はペナルティが1低下します。
一方、Undisciplined(統制不能)なユニットが1体でも含まれる部隊は、常にSkirmish Formationが選択されます。

Box Formation

四角形にユニットを敷き詰める基本的な陣形です。大規模な部隊では後方のユニットが詰まりやすく、密集しているために範囲攻撃にも脆弱ですが、士気にペナルティを受けず、移動の制約もありません。

士気が低く他の陣形を使用し難い場合や、とくに他の陣形に利点がない場合に使うことになるでしょう。また迅速に敵に接近したい場合、怪我人を気にする必要がないこの隊列が最適な場合もあり得ます。

Line Formation

横一列にユニットを並べる陣形です。列内の各マスはサイズ上限いっぱいまで埋められます。またこの陣形を組んでいる場合、部隊の移動速度は上限が設定され、行動ポイントが余っていても上限までで移動を停止します。飛行も行いません。士気低下は1です。

1部隊で広い範囲を抑えることができるため、敵が後方に漏れるのを防ぐには最適です。比較的密度が低くなるため、範囲攻撃などにも強くなります。
一方、移動が遅くなるのは状況によっては好ましくない結果を招きます。弓兵に一方的に撃たれ続けるような状況にならないよう注意が必要です。

Sparse Line Formation

Line Formationの亜種です。横一列にユニットを並べるのは変わりませんが、ユニットが居るマスと空きになるマスが交互になるように配置され、列の長さが大きく延長されます。士気低下は2です。

より少数でも広い範囲をカバーでき、かつ範囲攻撃にも強くなりますが、部分あたりの人数が減る以上、正面から突破される可能性も高くなります。あまり攻撃力が高くない相手の足止めに向いていると言えます。
なお、敵ユニットに隣接したマスは強引に抜けることはできないので、死傷者が出ない限り、見た目よりはしっかりとした壁になってくれます。

Double Line Formation

Line Formationの亜種です。横一列ではなく、二列にユニットを並べます。列の長さは著しく短くなりますが、突破される可能性も大きく減少します。士気低下は1です。

部隊規模が小さすぎるとBox Formationと大差がないような配置になってしまいますが、大規模な部隊なら分厚い前線を築くことができます。その分、範囲攻撃には注意が必要です。

Skirmish Formation

Box Formationの亜種です。四角形にユニットを配置しますが、市松模様のように中に多くの隙間が作られます。結果的にユニットがより広い範囲に配置され、また範囲攻撃で巻き込まれる人数も少なくなります。士気低下は1です。

Line Formationは使いたくないものの、範囲攻撃への対策は必要という場合に便利な陣形です。尖った強さはありませんが、多くの場面に対応できるでしょう。

戦闘命令と優先目標

各指揮官と部隊は、それぞれ1種類の基本命令と、その優先目標を指定できます。さらに指揮官の場合、5ラウンド分の詳細命令も指定できます。

基本命令

基本命令は、文字通りその部隊の行動の基本的な方針となります。命令に時間制限はとくになく、何らかの理由で続行不能にならない限りは継続的に機能します。

Stay behind troops

指揮官専用の命令です。その場で魔法や射撃武器の使用が可能ならそれを実行、不可能な場合は全部隊で最後尾に位置するものの背後へと移動しようとします。

一般的な指揮官にとっては、これが基本的な命令になるでしょう。指揮官が倒されるとその後の軍の運用に支障が出ますし、戦場の指揮官全員が倒されれば即座に全軍敗走が始まってしまうので、安全な位置に留まらせるのは重要です。

Attack

接近戦を優先する命令です。敵に可能な限り早く接近し、密着できていれば近接攻撃を行います。
移動を優先するため、投槍などの投擲武器も含めた射撃武器はほぼ使用されなくなります

挙動が分かりやすいので、前衛となる部隊は主にこの命令を使用することになるでしょう。また戦闘型指揮官も、最終的にはこの命令を下しておくのが一般的です。

Fire

射撃を優先する命令です。弾切れになるまで射撃を続け、全て切らすと接近戦へ移行しようとします。
敵が近付きすぎた場合や、乱戦により味方のほうが誤射で壊滅的な被害を受け得る場合、弾が残っていても敵への接近を始める可能性があります。

主に弓兵など、射撃武器を主力とする部隊が使用します。ただし補助的な投擲武器しか持たない兵士でも、先にそれを使い切ってから接近戦に入ってほしい場合、この命令を指定すると良いでしょう。
また一部の国は、前衛として申し分ない能力と装備をしていながら弓も装備している兵士を持つことがあります。そのような兵士は、前面に配置した上でこの命令を下しておくことで、敵が近付いてくるまで待ち続ける壁役となることができます。

Cast spells

その場で魔法の使用を試み、不可能な場合は敵に向けて前進します。当然ながら、魔法を使える指揮官にのみ設定可能です。
使用する魔法は戦闘AIが自動判断します。詳細な判断の流れは極めて複雑なため、実際に何が使われるかを予測するのは非常に困難です。

魔術師の命令は、詳細命令部分が終わった後はこれかStay behind troopsにしておくのが良いでしょう。命令なしのままでも大半の魔術師は魔法に専念しますが、HPや筋力などが高いものは、自己判断で途中から接近戦に切り替えてしまう恐れがあります。事故を避けたければ、確実に指示を出しておくべきです。

Guard commander

その部隊を率いている指揮官の周囲に留まり、護衛を行う命令です。必然的に指揮官には設定できない命令です。
この命令を受けている部隊は、指揮官の居るマスへの移動を優先し、敵が近付いてくれば応戦します。たとえ敵が射程内に居ても、射撃武器は使用しません

特殊な機能として、この命令を受けている部隊は、指揮官が暗殺されそうになった際、最大5体まで(指揮官がRing of WarningEye Pendantを装備していると10体まで)が護衛として参戦できるようになります。
実際の出現率は、暗殺者のAssassin能力の値と、護衛のBodyguard能力の値により変動します。どちらも0であれば、1枠あたり50%の確率で出現します。暗殺による戦闘中は、護衛兵士は指揮官の周囲に留まらず、個々の判断で戦闘します。


単純な使い方だと、通常の戦闘では無意味どころか後方に留まるだけの遊軍を作ってしまうだけです。何体居ても暗殺の護衛として判定される人数は5体か10体で固定なので、それが目的なら大規模な部隊に指示する必要はありません。
ただし敵が側面攻撃や飛行による強襲などを狙っているのが明らかな場合、あえてこの命令で背後を守らせることも考えられます。

飛行能力を持つ戦闘型指揮官と護衛の組み合わせであれば、集団で一斉に敵に襲い掛かる特殊な部隊として運用することも可能です。指揮官は部隊よりも長く待機できるため、敵の前衛がより離れている時点を狙いやすくなります。

Hold and attack

Attack命令とほぼ同一ですが、こちらは移動を開始する前に2ラウンド分の待機を行います。射撃武器を持っている場合、待機中に移動せずに狙える範囲に敵が居れば、射撃での牽制を行います。
この命令は指揮官には設定できません。その代わり、指揮官は詳細命令で待機を行えます。

魔術師からの補助魔法や、味方の射撃部隊が敵を削るのを待つために使用できます。また相手がすぐに突っ込んでくる場合、相手を引き付けることで射撃や魔法の命中率を上げることを期待できます。
また騎兵や飛行部隊のような機敏な兵士を、他の部隊と足並みを揃えて攻撃させるのにも役立ちます。同様に、敵が動き出すのを待ってから手薄になった後衛を狙うためにも利用できます。

Fire and keep distance

Fire命令とほぼ同一ですが、こちらは敵がある程度近付いてくると自ら後退して距離を離すことを試みます。弾切れになるか、追い詰められるまでは接近戦に移行しません。

接近戦に全く向かない一般的な弓兵などには、この命令を使用したほうが安全性を確保しやすくなります。ただし距離を取る分、相手を引き付けた場合の命中率向上は犠牲にすることになります。

Retreat

戦闘から直ちに退却を開始します。退却先があるのかどうかは判断せず、Berserker能力などによる特攻状態でない限りは確実に逃げ出します。

一般的な戦闘では必要のない命令です。自分から攻撃を仕掛けておいて逃げる必要は薄く、防衛にしても勝ち目がなければ戦闘に入る前に軍を下げるほうが安全です。


主な用途は、戦闘を前提としない偵察兵や破壊工作員の安全確保になるでしょう。役立つのは自国領土に隣接する州で活動するものだけですが、初期配置を可能な限り後ろにしておけば、相手に飛行部隊でも居ない限り高確率で逃げ切ることができます。
また魔術師による強力な魔法の撃ち逃げも、正面対決では勝てそうにもない相手を削る手段として考えられます。当然、安全なうちに逃げられる期間で、十分な被害を出せるだけの魔法を準備しておく必要があります。

優先目標

基本命令を設定した後、それがGuard commanderかRetreatでなければ、優先的に標的とする対象の種類を選択できます。
多くの場合、その指示に沿った標的が居ればそれを狙ってくれますが、判断には多少の揺れがあり、絶対確実というわけではありません。特別な戦術を立てる際は、その点を念頭に置いておくべきです。

None

とくに優先目標を指定しません。部隊はランダムに対象を選びます。

予測がつかない行動をさせてしまう可能性はあるものの、それは敵にとっても同様で、相手に明確な対処をさせない利点があります。とりわけ遠距離から行える射撃は、他に阻まれて到達できない可能性が低いためにランダム性がより強く出るでしょう。

Archers

射撃武器を持つ部隊を優先します。主に各種の弓兵が該当します。

弓兵は総じて軽装であり、また重装備のものは数が出しにくい点から避けられる場合が多いため、彼らは大半の攻撃に対し脆弱です。士気も高くないことが多いので、それなりの被害を与えれば退却にも追い込めるでしょう。
ただし弓兵は通常、後方に配置されるため、一般的な前衛部隊で強襲するには相手の前衛を抜けていく必要があります。よってこの命令を活かしやすいのは、同じく射撃武器を持つものか、飛行能力を持つものになるでしょう。

Cavalry

文字通りに騎兵を優先します。

騎兵は防御技能にボーナスを持ち、さらに移動が速いものが多いため、放置すると厄介な相手です。優先的に攻撃し、早期の撃破や最低でも足止めをしておくのが賢明な判断です。
また一部の国は指揮官のみが騎乗しているため、そのような国に対しては、この命令は実質的に指揮官を直接攻撃する手段として機能します。上手くいけば戦況を大きく変えられるでしょう。

Fliers

飛行能力を持つ部隊を優先します。Flying能力の所有者が対象となります。

飛行部隊は一瞬で距離を詰めてくる上に、間に敵が居ようと構わず標的まで移動できます。そのため後衛を狙われると極めて厄介で、数で圧倒されていると包囲されて逃げることすらできません。
一方で、飛行部隊は機を伺うために待機後攻撃を行うことが多いため、その隙に射撃で削っておくのは有効な手と言えます。またこちらの飛行部隊を先行して向かわせることで、気を散らしてしまうこともできます。

Large monsters

大型のユニットを優先します。まずはサイズ5か6のユニットを探し、存在しなければサイズ4を探します。

大型のユニットは、それ相応の厄介な能力を持つ存在であることが殆どです。代表的なのは象で、まともに接近戦を挑むと大半の兵士が大きな被害を被ります。
象の場合であれば、遠距離からの射撃で優先的に標的とするだけでも大きな違いを得られるでしょう。他のより強靭な存在に対しても、有効な攻撃手段が用意できるなら優先目標とする価値はあります。

Closest

最も近くにいる敵を優先します。多くの場合、敵の前衛部隊となるでしょう。

変な動きをせずに敵の前衛を食い止めていてほしい部隊に対しては、挙動が読みやすいこの命令を出しておくのが一番でしょう。どれほど自軍の攻撃が上手くいっていても、相手の軍に正面から指揮官を叩かれていては話になりません。
射撃もこの命令を利用でき、距離が近くなりやすい分、精度の向上が見込めますが、その際はどうしても誤射が起きやすくなる点に注意が必要です。

Rearmost

最も後ろにいる敵を優先します。実際には、後方の敵ほど狙われやすくなりますが、確実に最後尾を襲うわけではありません。
部隊の場合、Fire系の命令とは組み合わせることができません。指揮官は可能です

飛行能力がない場合、この命令を受けた部隊はまず戦場の側面のどちらかへ移動していき、端を通ることで敵前衛を迂回することを試みます。


主に騎兵か飛行部隊が使用する命令です。総じて接近戦に向かない射撃部隊などを直接襲い、同じく後方に居ることが多い指揮官も脅かすことができます。
上手くいけば非常に強力な一方、他の優先目標に比べてもとくに不安定で、実際に最後尾を襲える確率は低くなっています。それでも敵の脇腹を突くことができる可能性は高いので、それなりの成果は得られるでしょう。

射撃武器を持つ指揮官であれば、それを後方の敵に向けて放つためにも使用できます。魔法のアイテムによるより強烈な射撃攻撃を後衛に浴びせるというのも面白いでしょう。

詳細命令

詳細命令は、指揮官に対してのみ最大で5ラウンド分だけ指定できる命令です。基本命令と違い、とくに魔法の分野においてより具体的な指示が出せるのが特徴です。
各命令は原則として1ラウンドに1つずつ消化され、すべて完了すると基本命令に移行します。ただし完了前に過労などで行動できないラウンドがあると、残る命令が先送りされて完了も遅れる可能性があります。

Hold one turn

1ラウンド分、何もせずにその場で待機します。

単純に何かを待ちたいだけのときに使われます。魔法を使うタイミングを調整したり、他の魔術師の魔法使用の完了を待ったりするのに役立つでしょう。
とにかく何もしないことを確実にできるため、とくに魔術師にとっては体力や宝石の浪費を避けられるのが利点です。

Hold or Cast a spell

その場から使える魔法があれば使用し、なければ移動せずに1ラウンド待機します。使用する魔法は自己判断されます。

単純な待機命令と用途は似ていますが、こちらは魔術師に暇潰しをすることを許容します。そこまで厳密に待機しておく必要がない場合、この命令でも良いでしょう。

Cast a specific spell

魔術師が使用可能な魔法を一つ指定し、その魔法を一度、最優先で使用させます。
指定された魔法が何らかの理由で使用できない場合(適正な対象が射程内に居ない、必要な宝石や奴隷が足りない、宝石が必要だが相手が弱すぎて無駄)、代わりに使用する魔法を自己判断します。

指定可能な魔法は、そのターンまでに研究が完了しており、かつその魔術師が持つ魔法技能の属性で使用可能なもの全てです。たとえレベルが足りない魔法でも指定できますが、特別な準備がない限りは結局は使用できません
設定された魔法の名前が白であれば使用可能、赤であれば宝石不足、灰色であればレベル不足を意味しています。白以外の場合は適切な対処が必要です。


詳細命令で最も重要なもので、これにより魔法を絡めた戦術を確実なものとします。単純に使いたい自己強化魔法を予約しておいたり、他の魔術師も絡めた大規模な魔法の乱舞を実現したりと、実際の用法は様々です。
計画的な魔法の使用は、とくに有力な魔法が解禁され始めて以降は、戦いの流れを一変させるだけの影響力を持ちます。良い戦術を組み立てるには慣れが必要ですが、最初は単純な運用から慣れていくと良いでしょう。

戦術を定める際は、同ラウンド内において、魔術師は必ず一定の順番で魔法を使用することを覚えておくと良いでしょう。魔法使用の順番は、Army setup画面において上に並ぶものからで、変更はできません
これは順番が重要な状況、たとえばその場で召喚したユニットに対して強化魔法をかけてやる場合などに大きな影響があります。

Hold or Fire missile weapon

その場から射撃武器が使用できる場合は発射、そうでなければその場で1ラウンド待機します。射撃武器がなければ指定できません。

他の待機系の命令と同じく、何かを待つのに役立ちます。射撃武器は消費するものがそれ自体の残弾のみであるため、暇潰しには最適と言えるでしょう。

Attack one turn

1ラウンドのみ、ランダムな標的を選んで接近と攻撃を試みます。

主に魔術師などを意図的に前進させるために使用されます。飛行能力がない場合、すでに最前面に居ない限りは一定距離を移動するのみなので、実際に接近戦に入ることは稀でしょう。
前進により、より多くの敵が魔法の射程内に捉えられ、また距離を詰めることで命中率の向上にも役立ちます。有力ながら射程や精度に問題がある魔法の活用に役立つでしょう。

飛行できる指揮官の場合、その1ラウンドだけで敵に密着してしまいます。接近戦用の魔法の活用などには役立ちますが、実際に魔法が使えるのは次のラウンド、敵が一度行動してからなので、反撃に耐えられないような魔術師では実行すべきではありません。

Conservative magic gem usage

指揮官の命令設定画面において、その下のほうに存在するチェックボックスです。これがONになっている場合、その指揮官は自己判断において宝石を必要とする魔法を選択しなくなり、また魔法の疲労を抑える目的での宝石使用を控えます

宝石を使用する魔法は有力ですが、必然的に使用できる回数は限られますし、宝石の補充が自由に行えるのは研究所がある州のみです。宝石を必須とする魔法を要とした戦術においては、この設定で無駄遣いを可能な限り避けないと連戦は難しいでしょう。
また魔法の中には、敵味方問わず影響するために下手に使用するべきでないものも存在します。そういった魔法は宝石を消費するのが普通なので、事故を防ぐためにも役立ちます。


あえてこの設定をOFFにしておくと、魔術師は相手が弱すぎる場合やすでに総崩れになっている場合を除き、好きなように宝石を消費して魔法を発動します。
詳細命令は5ラウンド分しか指定できない以上、以降の魔法の使用は全て自己判断となるため、その際に宝石を使って強力な魔法を使えるかどうかはこの設定次第です。戦う相手が非常に強力な場合、自由な使用を許容しておくのも決して悪い手ではないでしょう。

接近戦の命中判定

ユニットが近接武器による攻撃を仕掛けた際、その命中率は攻撃側の攻撃技能(Attack skill)と、防御側の防御技能(Defence skill)、そして双方の疲労度合い(Fatigue)から計算されます。

  • 攻撃側:攻撃技能 + DRN - (疲労 / 20)
  • 防御側:防御技能 + DRN - (疲労 / 10) - (これ以前に同ラウンド中で受けた近接攻撃の回数 * (騎兵は1、それ以外は2))

この計算により、攻撃側が防御側の数値を上回ったなら命中として判断されます。
ただし防御側が盾を装備している場合、盾の回避率を上回るほどの数値を出さない限り、その攻撃は盾によって防がれたものとされ、ダメージ計算時に影響します。

射撃戦の命中判定

射撃武器(および魔法)による攻撃は、攻撃側の射撃精度(Precision)と、防御側の盾の回避性能(Parry)により判定されます。
最初に注意すべき点として、この判定においては、攻撃側の射撃精度は10まではそのまま使用されますが、それを超えた数値は2倍として扱われます。

  • 射撃精度10:10
  • 射撃精度11:10 + (1 * 2) = 12
  • 射撃精度13:10 + (3 * 2) = 16

射撃が行われると、まずはその弾がどこに命中するのかを判断します。このとき、距離が非常に近い場合は必ずその位置に命中します。

  • 必中距離:射撃精度 / 2 - 2

もし狙った位置が必中できる距離よりも遠かったならば、今度はどの程度までブレが発生するかを判定します。

  • ブレの最大幅:標的までの距離 * 1.25 / 射撃精度

ブレが起きる場合、弾は狙った位置を中心として、ブレの最大幅を限度としていずれかの方向にずれて着弾します(運がよければ狙い通りに当たることもあります)。
見ての通り、ブレ度合いは距離の影響が非常に大きなものとなります。よって少しでも命中率を上げたいのであれば、弓兵でもあえて少し前に配置することに意義があります。


こうして弾の着弾地点が決まり、実際にそのマスに誰かが居た場合、次は弾がマス内の誰かに命中するのかを判定します。ただし範囲攻撃の場合はこの判定はなく、影響を受けたマスに居た全員に確実に命中します。

  • 攻撃側:DRN + マス内のユニットの合計サイズ + (魔法武器であれば+2)
  • 防御側:2 + DRN + (盾の回避率 * 2) - (疲労 / 20)

近接攻撃と違い防御技能は使用されないので、防御側が盾を持っていない場合、直撃を避けるのは非常に困難となるでしょう。
また盾で防いだとしても、その場合はあくまで盾で弾を受け止めたことになり、その防御力が威力を下回る場合、完全な回避とは見なされません。弾が防御貫通や無視の機能を持つ場合は注意が必要です。

ただし攻撃側も命中率を大きく高める手段はありません。射撃精度を上げて狙い通りに着弾する確率を上げることはできますが、優秀な盾を持つ敵を傷つけるのは難しいでしょう。

複数の武器の同時使用

ユニットが複数の武器を所持している場合、それらは原則として一度の攻撃行動ごとにすべて使用されます。

この連続攻撃の際は、標的となるユニットは最初に狙ったマスに居るものに集中します。近接攻撃の場合、たとえ全ての武器を使う前にマス内の敵が全滅したとしても、残る武器で他のマスへと攻撃することはできません。
一方、射撃武器は先に全てを発射しておくため、敵が先に壊滅することによる未使用は起こり得ません。


一部のユニットが基本装備する攻撃の中には、やや特殊な判定を持つものもあります。
代表的なのはDrakeやDragonが吐く直線ブレスで、これらは接近戦においても50%の確率で使用されます。
また他の武器でも50%の確率でしか使用されないものが存在します。巨人系のごく一部が持つGrab and Swallowなどが該当します。

二刀流ペナルティ

一般的な近接攻撃用の武器は、複数を装備しているとその長さの合計に応じて命中率にペナルティが発生します。
これは主に指揮官に複数の武器アイテムを装備させた際に発生します。二刀流は手数を稼ぐのには非常に優れた手段ですが、使用する武器の長さに気を配っておかねばなりません。

一部のユニットは、この二刀流ペナルティを一定値まで無効化するAmbidextrous能力を保有します。これは主に最初から二刀流に該当する装備をしている場合に付加されています。


なお、武器の中にはボーナス武器と呼ばれる属性を持つものがあります。これは主に手に持たない武器や、馬などの乗り物が行う攻撃が該当します。
ボーナス武器は基本的には通常の武器と変わりませんが、二刀流ペナルティを誘発せず、発生していても長さの合計から除外され、またボーナス武器自体はペナルティの対象外となります。

命中部位

単体への攻撃が命中すると判断された場合、それがどこに命中するのかの判断が行われます。各部位への命中率は以下の通りです。

  • 頭部:10%
  • 胴体:50%
  • 腕 :20%
  • 脚 :20%

命中部位は、攻撃によって実際にダメージを受けた際に起こり得る後遺症に関連します。胴体に命中した攻撃が目を潰すことはあり得ませんし、頭部に命中した攻撃が腕を切り落とすはずもありません。
さらに腕か脚に当たった場合、その攻撃は敵の最大HPの50%を超えるダメージを与えられません。敵を即死させ得るのは頭部か胴体に命中した場合のみです。
また頭部に当たった攻撃は防御力の判定が変わり(後述)、しばしば頭を失わせることにより即死さえも引き起こします。頭が無くても生き残れるような、非常に特殊な存在以外には非常に危険です。

ただし、近接攻撃でそれぞれの部位を攻撃できるかは、攻撃側の武器がどこまで届くのかも関係します。もし攻撃側が防御側より小さい場合、武器の長さによって攻撃できる部位が限定されます。
たとえば、頭部を攻撃するには攻撃側のサイズと武器の長さの合計が防御側のサイズと同等以上でなくてはなりません。不足していた場合、命中する部位の判定から完全に外されます。
同じように、胴体は攻撃側のサイズと長さの合計が防御側サイズよりも2以上短いと攻撃できず、腕には3以上短いと攻撃できません。よって最悪の場合、相手の足しか攻撃できないということになります。


なお、範囲攻撃は特定個所へは命中しません。よって特定部位への命中によって起こる様々な利点や欠点とも無縁です。
また単体攻撃についても、ごく一部は確実に特定の部位へと命中します。これは主に即死攻撃が四肢に当たって殺し損ねることを防ぐために指定されています。

ダメージの計算

攻撃が命中した際のダメージは、攻撃力と防御力で単純に計算されます。

  • 攻撃側:攻撃力 + DRN - (盾が攻撃を防いだ場合、盾の防御力だけ減算)
  • 防御側:防御力 + DRN

この計算の結果、攻撃側が1以上大きな値を出せば、それがそのままダメージとなります。0以下になった場合、攻撃は防具や硬い皮膚に弾かれたことになり、ダメージはありません。
ただし攻撃が敵の腕か脚に命中した場合、そのダメージは敵の最大HPの半分までが上限となります。

なお、攻撃の威力が盾の防御力を下回る場合、その攻撃は完全に弾かれたものとしてその場で無効化されます。この計算はDRNよりも先に行われるので、高い防御力を持つ盾は信頼できる攻撃回避手段となります。


単純な計算ではありますが、防御力はいくつかの要因により変化します。

  • 攻撃が頭部に命中した:総合防御力ではなく、頭部防御力のみを使用します
  • 攻撃が防御貫通属性 :防御力(盾含む)は半分として計算されます
  • 攻撃が防御無視属性 :防御力(盾含む)は0として計算されます

またクリティカルヒットの判定も行われます。発生した場合、その攻撃は防御貫通であるかのように扱われます。

  • クリティカル:DRN - (疲労 / 15) < 3

DRNの最低値は2なので、疲労が15未満だとクリティカルは稀に発生するだけです。しかし疲労が溜まっていたならば、その確率は格段に高くなるでしょう。

迎撃(Repel)

迎撃は近接攻撃が行われた際に、防御側が攻撃側の使用した武器よりも長い武器を持っていた場合に発生します。
迎撃は攻撃対象とされた本人だけでなく、同じマスに居るすべてのユニットが試行できます。ただし2回目以降の迎撃にはさらに長い武器が必要です。
例:長さ1のAxeを迎撃するには、長さ2の武器ならすでに可能です。しかし2人目の兵が迎撃に加わるには長さ3以上の武器を必要とし、3人目は長さ4が必要です


迎撃の命中判定は近接攻撃と同じように行われます。ただしそのラウンド中にすでに迎撃を試行していた場合、迎撃側の攻撃技能はその回数 * 2ほど減少します。
もし迎撃が命中したならば、攻撃側はそれを強行突破できるかを判定します。

  • 突破側:士気(Morale) + DRN + (突破側サイズ - 迎撃側サイズ)
  • 迎撃側:10 + DRN + (命中判定での迎撃側の値 - 命中判定での突破側の値) / 2

判定に失敗した場合、突破側は攻撃を諦め、実質的に何も起こらずに攻撃を終了します。誰もダメージを受けることはありません。
一方、突破判定を成功したならば、突破側はダメージ判定を行い、最大でも1のダメージを受けながら攻撃を完了できます。



総じて、迎撃は士気が低く武器も短い兵士に対して有効です。たとえ本人の実力では大差がないとしても、斧を持った兵は槍を持った兵をほとんど攻撃できないでしょう。
また非常に長い武器を持つ兵が1マスに密集していると、さほど長くない片手武器を持つ兵の大半を3人がかりで迎撃できます。盾を持つ兵は防御技能も低いため、食い止めるのは容易いでしょう。

抵抗判定

魔法や武器の一部には、効果を発揮するために抵抗判定の突破を要求するものがあります。これは効果が強烈、あるいは他の防御手段が限られるものが多く含まれています。
抵抗判定の処理は、用いられる数値が異なることを除けば近接攻撃の命中判定などと同じように行われます。

  • 攻撃側:攻撃の抵抗貫通力 + DRN + (魔法の場合のみ各種ボーナスを加算)
  • 防御側:魔法抵抗 + DRN + (攻撃が魔力属性を持つ場合、その魔法技能2レベルごとに+1)



攻撃側は、まず攻撃に応じて異なる基本貫通力を参照します。これは魔法の場合は10~12が標準、武器であれば12が基本です。

魔法による抵抗判定であれば、攻撃側はさらにいくつかのボーナスを得ることができます。代表的なのは、アイテムの一部(Spell Focusなど)が持つ抵抗貫通補正で、最も簡単に貫通力を高めることができます。
さらに、その魔法の発動に必要とされる主属性の技能が条件を上回っている場合、超過分2レベルごとに+1のボーナスを得られます。よって必要条件が低い魔法を優れた魔術師が使用した場合、場合によっては+4以上のボーナスを得ることもあります。

残念ながら、武器や特殊能力による抵抗判定にボーナスを得ることはできません。また魔法であっても、設置型(Cloud of Deathなど)や戦闘呪附(Astral Tempestなど)にはボーナスが判定されません。


防御側は魔法抵抗自体を補強することで対抗するのが一般的です。とくに強力なユニットは即死攻撃などで狙われることが多く、それらを得意とする敵に対峙する際には対策が欠かせません。

また受けた攻撃の主属性と同じ属性の魔法技能を持つ場合、2レベルごとに+1のボーナスを得ることができます。魔法技能を大幅に増加させるのは難しいため、これを対抗策として用いることは稀ですが、高レベルの魔法技能を持つ機会が多い神や使徒にとっては無視できない恩恵になります。
なお、魔法以外によって発生する抵抗判定についても、その一部は主属性を持っている扱いになっています。例えば、Banefire ShieldのDecay効果は死魔法の技能から抵抗ボーナスを得られますし、Petrificationであれば地魔法の技能からボーナスを得られます。

攻撃属性

近接・射撃問わず、攻撃のほとんどは何らかの属性を持っています。これらは各自が様々な特性を持ちます。

Slash(切断)

主に刀剣類による攻撃です。この属性の攻撃は、防御力判定後のダメージが25%増加するボーナスを得ます
また敵に最大HPの50%に至るほどの一撃を加えると、命中した部位を確実に切断します
ただし水中戦での扱いはやや難しく、その際は武器の長さと同じだけの攻撃技能ペナルティを受けます。

Blunt(打撃)

鈍器などによる攻撃です。この属性の攻撃は、頭部に命中した場合に限り、防御力判定後のダメージが50%増加するボーナスを得ます
こちらも水中戦向けではなく、長さと同等の攻撃技能ペナルティを受けます。

Pierce(刺突)

主に槍による攻撃ですが、短めの剣や棘付きの鈍器の一部も持ちます。この属性の攻撃は、敵の防御力を20%少なく計算します
また水中戦に適しており、長さからのペナルティを全く受けません。また切断・打撃属性と同時に付いている場合も、ペナルティを1に軽減します

Fire(火炎)

炎による攻撃です。敵にダメージを与えた際、敵を炎上させ、鎮火するまで毎ラウンド1~対象のサイズの追加ダメージを与える可能性があります
炎上状態はラウンドごとに以下の確率で解除されます。

  • 炎上解除判定:25% + (火炎耐性 * 5%) + (Cold天秤 * 5%) + (雨が降っていれば100%)

またこの属性の攻撃の一部は、戦場にある草などの一部の可燃物を炎上させます。燃えているマスに入ったユニットも、上記と同じ炎上状態に陥ります。

Cold(冷気)

冷気による攻撃です。敵にダメージを与えた際に、敵を凍結させて攻撃・防御技能を低下、行動ポイントを半減させ、さらに毎ラウンドごとに2~12の疲労ダメージを与える可能性があります
凍結状態はラウンドごとに以下の確率で解除されます。

  • 凍結解除判定:25% + (冷気耐性 * 5%) + (Heat天秤 * 6%)

Shock(電撃)

電撃による攻撃です。これ自体は特殊な効果を持ちません。
ただし電撃耐性は所有者が総じて少なく、またほぼすべての攻撃が防御無視の特性を併せ持ちます。

Poison(毒物)

毒による攻撃です。他の攻撃と異なり、攻撃を当てた瞬間にはダメージが発生せず、ラウンドごとに時間をかけてゆっくりとダメージを与えていきます。
各ラウンドで与えるダメージは、毒の蓄積ダメージの10%です。よって蓄積量が大きいほどラウンドごとに受けるダメージは大きくなりますが、そのままであれば徐々に低下していきます。

ごく稀な例ですが、毒物属性を持たない攻撃でもこれと同じダメージの与え方をする場合があります。

Drain(吸収)

生命力を吸収し、自分自身に取り込む攻撃です。無生物(Lifeless)でない相手を攻撃した際に、自分のHPと疲労を回復させます
回復量は、HPは与えたダメージの半分、疲労は与えたダメージの2倍となります。無生物に注意は必要ですが、非常に効果的な疲労回復手段と言えるでしょう。

一部の武器は部分的吸収(Partial life drain)を持ちます。こちらも通常の吸収攻撃と同じように機能しますが、吸い取れるのは攻撃ごとに5ポイント分のダメージのみとなります。
よって部分的吸収の攻撃で30ダメージを与えたとしても、吸収量として見なされるのは5だけです。しかし敵に与えるダメージ自体に影響することはありません。

Stun(疲労)

HPを減らすのではなく、疲労を増やす攻撃です。総じて威力が高く設定されており、敵を容易に昏睡状態へと追い込みます。
また敵の疲労がすでに上限の200に到達している場合、以後の疲労攻撃はHPにもダメージを与えます。ただしこのダメージは威力問わず1~2程度と非常に小さく、敵を殺すのは困難です。

Paralysis(麻痺)

敵を麻痺させ、行動不能にする攻撃です。与えたダメージを基準として、以下の計算式で麻痺させる時間を決定します。

  • 麻痺時間:(ダメージ - 対象のサイズ) / 2

また敵が既に麻痺していた場合、麻痺時間は現在値と新たな値のうち大きい側になります。これに加え、以下の計算式でHPダメージも与えます。

  • HPダメージ:(現在の麻痺時間と新たな麻痺時間のうち小さい側) / 2 (ただし最大でも5)



大型の敵は比較的低威力な麻痺攻撃に高い耐性を示すでしょう。しかし高威力の場合、少々大型な相手でも大した差はなくなります。
また麻痺攻撃を連続で行えば、敵の行動を封じつつもいくらかのHPダメージを与えることができます。このため、麻痺攻撃しか持たない兵でも敵を倒すことは可能です。

Acid(強酸)

酸による攻撃です。ダメージを与えると敵の鉄製装備を腐食させ、使用した際に破損する可能性を与えます
これに対する明確な耐性はありませんが、鉄製ではない装備は全て対象外となるので、一部の兵士や指揮官は気にする必要がなくなります。国によっては全く影響を受けないこともあり得ます。

Magic(魔法)

魔法的な攻撃全般を示します。Ethereal(霊体)能力を持つものにも回避されないことをはじめ、様々な状況で有利となります。

複数属性を持つ攻撃

上記のような属性が複数ある武器は、攻撃ごとにいずれか1つが選択され、その効果のみが発揮されます。
よって切断・貫通属性の武器でも、防御力を20%無視しつつ、通過後のダメージを25%増幅したりするようなことはありません。常に片方だけが機能します。


ただし魔法属性は例外で、これだけは常時発揮され、また他の属性の機能を阻害することもありません。
また貫通属性が持つ水中ペナルティの軽減効果も常に発揮されます。

突撃ボーナス

一部の武器は、その戦闘における最初の攻撃の際に威力が増加するものがあります。武器のステータスにおいて、「charge bonus for first strike」と書かれているものがこれに該当します。

このボーナスはそのユニットの移動力に依存します:

  • ボーナスダメージ:行動ポイント(Action Point)/ 3

例外として、そのユニットが飛行能力を持つ場合、サイズに応じた計算も行われ、通常の計算よりボーナスが上になる場合はそちらが使用されます:

  • 飛行用ボーナスダメージ:サイズ * 2



これらの武器を持つユニットは、最初に敵に接触した時点で大きなダメージを与えることができます。敵の士気によっては、これによる被害だけでも壊走させることができるかもしれません。
ただし、Light Lance系の武器はそれ自体の攻撃力は控えめで、以後の攻撃力はやや劣るのが一般的です。重装備の敵には苦戦させられるかもしれません。
一方、ボーナス武器として使用されるLanceの装備者は、それとは別に主力となる武器を持ちます。これはほとんどは剣などのより攻撃力が高いものになっているため、そのようなユニットは最後まで高い攻撃力を見せてくれるでしょう。

戦闘魔法の疲労コスト

戦闘中に使用する魔法は、1回ごとにそれぞれ規定された量の疲労を魔術師に与えます。これに加え、魔術師は自身の装備の重量に応じた追加の疲労も受けます。

ただし、魔法ごとに規定されている疲労コストについては、主属性の必須レベルを超える技量を持っている場合、それに応じて軽減されます。
この軽減は、1レベル上なら2分の1、2レベル上なら3分の1、3レベル上なら4分の1・・・という形で行われます。よって必要レベルの低い魔法は、単により低位の魔術師でも使えるというだけでなく、高位の魔術師が疲労を軽減しやすいとも言えます。


戦場となる州の天秤がMagicに傾いている場合、魔法ごとの疲労コストはMagic側1段階ごとに10%軽減されます。同様に、Drain側に傾いている場合、1段階ごとに10%増加します。これは装備重量などから来る負担には作用しません。

この効果は、州の支配圏を維持している神から見た場合の敵味方を問わず、全員に同じ影響を及ぼします。

戦闘中の宝石の扱い

事前に魔術師に宝石を渡しておいた、あるいは戦闘用宝石を供給するアイテムを装備していた場合、その魔術師は戦闘中に宝石を使うことができます。
宝石を魔術師に渡すためには、研究所のある州に滞在させている必要があります。魔術師一人が持てる宝石は最大で30個までです。
ただし、魔法を使わない指揮官でも持ち運ぶことは可能です。指揮官同士での宝石の受け渡しには研究所は不要なので、補給なしでの連戦が予想される場合、荷物持ちとして偵察兵を利用する(隠れさせたままで同行)という手もあります。

一度に使える宝石の個数

戦闘中においては、魔術師は一度の魔法詠唱に対し、その属性の魔法レベルを超える数の宝石は使用できません。
つまり、火1の魔法技能しか持たない魔術師であれば、彼は1つの魔法のために2個以上の宝石を使うことはできません。また全く保有していない属性の宝石を使うこともできません。

必須コスト

戦闘中では、宝石は主に宝石の消費が必須とされている魔法のために使用されます。これは疲労コストが100を超えている魔法が該当し、100ごとに1個の宝石が必ず必要とされます。
この必須コスト分が不足している場合、たとえ使用を指示されていたとしても、代わりに他の魔法が選択されてしまいます。

実力を超える魔法の発動

魔術師は、自身の技量よりも1レベル上を必要とする魔法を使うために宝石を消費することもできます。たとえば火1の魔術師であれば、火の宝石を1つ消費することにより、Phoenix Powerを発動することができます。

ただし、上記の宝石の同時使用個数の制限のため、宝石を必ず消費する魔法の一部ではこれを実行できません。
たとえば、Returningは星2を要求する魔法ですが、これは必須コストとして2個の宝石を消費します。この場合、星1の魔術師がReturningを発動しようとしても、彼は3個もの宝石を同時に使うことができないため、実現できません。

宝石による疲労軽減

魔術師は、宝石の同時使用条件の範囲内で宝石を追加消費し、魔法使用時の疲労を軽減することもできます。これは主に疲労コストが100以上のものに対して自動的に行われます。
この軽減は単純で、宝石を1つ消費するたびに、魔法技能が1レベル上になったものとして疲労を計算します。

基本的に有益な機能ではありますが、これを行うかどうかは自動的に判断されるため、場合によっては予想外の数の宝石を一気に消費されてしまうこともあります。使える宝石の個数が多い高レベルの魔術師には注意を払っておいたほうが良いでしょう。

戦闘中の血の奴隷

血の奴隷(Blood Slave)は宝石と同じように魔術師に渡すことができますが、これは他の宝石と異なり、戦場においてはユニットであるかのように扱われ、戦闘が終わると元の状態に戻されます。

奴隷の利点は、魔術師は誰が連れている奴隷であっても魔法の使用のために消費することができる点です。魔術師は自分から7マス以内に居る奴隷ならすべてを使うことができます。
一方、奴隷はユニットとして存在するがために、戦闘に巻き込まれて無駄死にしてしまうこともあります。彼女らはHP9、防御力0という極めて脆いユニットなので、敵の攻撃に晒すべきではありません。


奴隷は基本的に、それを連れている指揮官を取り囲むように移動します。このため、一般的な魔術師が連れている場合は概ね安全ですが、自ら敵に殴りかかるような指揮官が連れている場合、敵に突撃してしまうことになるので注意が必要です。
またその脆さゆえに、全体攻撃との相性が極めて悪い点にも注意せねばなりません。下手をすれば、魔術師諸共皆殺しにされてしまうかもしれません。

退却判定

戦闘によって被害を受けた部隊は、その士気の高さによって異なる確率で退却する可能性があります。
退却を開始した部隊は一目散に味方側の戦場の端を目指し、端まで辿り着くと戦場を離脱します。この間、兵の戦闘技能は大きく低下し、またTrample(蹂躙)を持つ兵は味方を潰してでも逃げようとします。
無事に戦場端から離脱したユニットは、以後は攻撃を受けることはありません。ただし毒を受けていた場合など、退却完了後に画面外で死亡する場合もあります。

実際に退却の判定が起きるのは、以下の状況です。明記していない限り、判定は部隊ごとで発生します。また1ラウンドに同じ部隊が2度の退却判定を行うことはありません。

  • 最後の退却判定から、重大な損失(後述)を受けた。ただし部隊の被害が20%以下である場合は無視
  • 4人以下しかいない部隊が、このラウンド中にダメージを受けた
  • Fear(恐怖)効果の影響を受けた
  • 全軍で50%を超える被害を受けた場合、以後すべてのラウンド。この場合、すべての部隊が退却判定を行います

重大な損失は、部隊内の特定の兵がダメージを受けた際にカウントし、それが2回になった時点で退却判定を起こします。
ただし、カウントするのはダメージを受けた兵のHPが最大値の80%を割る場合のみです。



退却判定が起きた場合、部隊の士気の平均値によって退却に入るかどうかを判定します。

  • 士気:部隊の士気平均値 + DRN + 生存者の割合に応じたボーナス(0~5)
  • 恐怖:13 + DRN

生存者ボーナスの存在により、標準的な士気(10)しかもたない部隊であっても、相当に大きな被害を出すまでは比較的退却率は低く収まります。
しかし元々の数が少ない場合、生存者ボーナスの目減りも早くなり、また退却判定開始も早める結果になります。よって部隊を小分けにしすぎないことが重要です。



これら退却判定とは別に、全軍の75%の損失を被ると直ちに全軍退却状態に陥るという原則もあります。この退却については、後述する例外を除き士気がどれほど高くとも関係ありません。

Mindless、Berserker

Mindless(無心)のユニットは自我を持たないため、制御する指揮官を失わない限りは絶対に退却を開始しません。どれほどの損害を受けたとしても、最後まで戦い続けます。
しかしそれを統制している指揮官自身が退却、あるいは死亡した場合、彼らはその場から移動しなくなり、ラウンドごとに33%の確率で即死していきます。ただし敵が真横に居る場合は攻撃を続けます。


Berserker(狂戦士)はダメージを受けるとGone Berserk状態になります。この際、彼らの士気は99に固定となり、たとえ部隊の残りが退却を開始していても戦闘を継続するようになります。
これは全軍退却後においても変わらず、場合によってはBerserk状態のユニットが敵をそのまま倒してしまい、結果的に勝利になることもあり得ます。もっとも、大半の状況では確実な死が待っているでしょう。
Gone Berserk中の挙動は魔法やアイテムなどでGone Berserkだけを付加されたユニットも同一です。

退却後の移動先

退却後は、原則として戦場となった州に隣接する州のうち、味方領土(同盟国含む)であるもののいずれかにランダムで移動します。この移動はユニットごとで判定され、複数の候補があれば分散します。
もし退却先がまったくなかった場合は、退却したユニットはその状態や能力を問わず強制的に死亡します。同ターン中に退却先の候補をすべて潰された場合も同様です。
またこの退却の際は、Sailing(航海)やFlying(飛行)による遠隔地への移動はできません。これらの能力によって敵地に囲まれた場所を直接攻撃する際は、入念な準備をしておくべきでしょう。


一部の特別な戦闘においては、退却時の挙動が異なることがあります。代表的なのは暗殺時で、退却したユニットは退却先の有無を問わず強制的に死亡と扱われます。
また包囲突破戦(Break Siege)での要塞所有者側の部隊は、要塞内部も退却先の候補に加えられます。他に隣接する州があれば、そちらに流れる可能性も残っています。
さらに要塞強襲戦(Storm Castle)の防衛側は、退却すると強制的に死亡扱いになります。要塞の死守を試みる場合は覚悟して挑まねばなりません。

同様に、襲撃(Raid)の際に捕捉されて起きた戦闘は、襲撃側は退却しても死亡します。また暗殺扱いの戦闘では両者共に退却が許されません。

コメント

  • 4.16メモ:切断/刺突の両属性を併せ持つ武器への水中ペナルティが1固定になりました。海中の兵がよく使用するGlaiveが大きなペナルティを受けてしまう件への対応です。他の武器も恩恵を受けましたが、Morningstarは別の補正が入るので当たりにくいままです -- 2015-03-01 (日) 04:07:44
  • Morningstarは打撃/刺突では? -- 2015-03-01 (日) 13:08:44
  • そうだ、morningstarにはflailがついていたのだった。 -- 2015-03-01 (日) 13:25:43
  • 失礼、書き忘れておりました。チェンジログでこそ切断/刺突のみでしたが、Snake Staffで試した限り、打撃/刺突も変更の対象になっているようです。Morningstarはお察しの通りFlail特性の影響で追加ペナルティがあります -- 2015-03-01 (日) 15:37:36