【チカラつきる】

Last-modified: 2022-09-04 (日) 14:05:36

概要

プレイヤーキャラクターの【HP】が0になり、一切の行動ができなくなった状態。
戦闘不能、死亡などとも言われる。
 
シリーズ初期は明確に「しんでしまった!」と表記されていたが、時代の移り変わりと共にマイルドに変化していって現在の表記に。
……のだが、チカラつきた際に出るメッセージには「○○は しんでしまった。」と、はっきり死んだと書かれている。また一撃でこの状態に陥る効果も【即死】と呼ばれる。
 
また、DQシリーズで戦闘不能になった仲間と言えば移動中に棺桶になり、生存者が棺桶を引きずりながら移動するというシュールな絵面が有名だが、今作ではプレイヤーキャラクターの場合はその場にただのしかばねとして復活するまで倒れるしかなく、【サポート仲間】の場合は半透明の幽霊になってついてくることになる。
幽霊になるのは過去作の海外版でも見られたが、今作の場合は3Dなので棺桶を引きずる特別なモーションを用意しない限り自走式棺桶というさらにシュールな状態になる所だったので仕方がないといえるだろう*1
 
チカラつきると当然その場に倒れこむのだが、この時のモーションはキャラクターが吹き飛ばされた時(【ふっとび】参照)のモーションにも利用されている。
ただし微妙に差異があり、こちらは死んでいるため倒れこんだ後はピクリとも動かず、死に顔もあちらと比べて表情は安らか。
また、種族が【人間】のキャラだけ大人と子供でモーションが異なっており、
ポーズは男女で少し違うが、概ね大人はうつ伏せ、子供は仰向けに倒れる。
 
モンスターを倒した際にはチカラつきるモーションの後に消滅する。
このモーションは基本的に2種類あり、普通に倒した時と会心の一撃及び暴走した呪文で倒した時とで異なる。
また、モンスターを倒したことが確定すると、そのモンスターは接触判定が消失する。
 
死んでいるため、チャットはもちろん【フリーコメント】による意思表示もできなくなる。
チャットで発言しようとすると「○○の声は まわりに聞こえないようだ」と表示され、当然ログにも記録は残らない。
フリーコメントは「返事がない、ただのしかばねのようだ……。」に固定される。

復帰方法とペナルティ

本作では特にボス戦を中心に戦闘不能になる状況が非常に多く、復帰手段は多くはないが他シリーズに比べ相応に手軽であり、ペナルティも比較的軽い。

復帰方法

  1. 【ザオ】などの呪文や特技を使ってもらう
    他のプレイヤーに蘇生効果をもつ呪文や、【よみがえり節】【復活の杖】などの特定の特技を使ってもらうことで回復する。
    復帰後のHPは呪文・特技の効果に依存する。
    戦闘中は同一の戦闘内のパーティメンバーにしか使えず、移動中は【ザオ】【ザオラル】【ザオリク】以外は使えない。
    移動中のこれらの呪文であっても、戦闘中のパーティメンバーを対象には使えない。
     
  2. 【せかいじゅの葉】を使う
    戦闘不能から復帰し、「最大HPの半分+1」の状態で回復する。
    戦闘中は同一の戦闘内のパーティメンバーにしか使えず、移動中でも戦闘中のパーティメンバーを対象には使えない。
    なお、【どうぐ倍化術】の効果中の【せかいじゅの葉】は現在戦闘中唯一のHP完全回復状態での復帰手段である。
     
  3. (移動中)教会で「いきかえらせる」を選ぶ
    教会に一定の寄付をすることで、HPが全快状態で復帰する。
    【サポート仲間】専用であり、【僧侶】【旅芸人】【賢者】などに転職すれば即座に【ザオ】が使えるため、使われる機会は全くと言っていいほどない。
     
  4. (移動中)教会で復活する
    戦闘不能になった後移動中に戻り5分が経過する、または「教会で復活する」を選んだ場合、最後に教会で「おいのりをする」をしたマップに戻る。
    全滅扱いであり、【鉄の金庫】を持っておらず、Lv20以上の場合はデスペナルティとして所持金を「Lvと同じ%」(最大50%)ぶん失う。
    この際、復帰と同時にHP・MPが全快する。
    かつて【ルーラストーン】が枯渇していた時代は、これをルーラストーンの代わりに使うケースもあった

 
また、これ以外にも【強戦士の書】【魔法の迷宮】のボスフロアの戦闘であれば戦闘が終了した段階で自動的に復帰する。

ペナルティ

戦闘中にチカラつきた場合、その戦闘勝利時に獲得できる経験値およびゴールドが減る。特訓ポイントは減らない。
また、先述の「教会で復活する」での全滅がシステム上のデスペナルティに相当する。
しかし、戦闘不能になったとしても、他のMMORPG作品(参考:戦闘不能/FF11用語辞典)と比べ、それ自体へのペナルティは遥かに軽い。
 
ただし、システム的ペナルティとは別に戦闘不能になると、

  • 戦闘中のみ有効な状態変化のほとんどが消える
  • 敵の攻撃が生存しているキャラクターに集中し、実質的に一人頭で受けるダメージが増える
  • 【相撲】における壁が減る
  • DPSの著しい低下(戦闘不能中は当然与ダメージ0のため)

など、戦闘不能になることおよびそれを放置するデメリットは多い。
そのため、特別な理由がない限りパーティメンバー全員の生存を目指すのが望ましい*2

イベントにおける死亡

前述の通り、本作を含む近年のDQシリーズでは、味方のHP0状態について「チカラつきる」という遠回しな表現を多用しながらも、死亡という表現を完全に廃止してはいない。
ゆえに、HP0状態を「戦闘不能」「気絶」「瀕死」などと言い換えている他のゲーム作品と異なり、「イベントで死亡したキャラを何故ザオリクで生き返らせないんだ」というツッコミ所が残ってしまっている。
 
しかし、本作においてはゲーム内のイベントシーンでその点への回答がいくつか用意されている。
一つは【オーフィーヌの海】のイベントにおいてNPCの亡霊が、世界樹の葉を与えられた際に「魂をあるべき場所に戻す」という理屈で昇天したこと。
もう一つは【邪竜教祖オルストフ】に殺害され二度目の死を迎えた主人公の遺体が、【勇者姫アンルシア】のザオリクに全く反応しなかったこと。
二つとも、蘇生の魔法やアイテムを以てしても強く運命付けられた真の死は覆らないことを示しており、蘇生効果を受けられるうちはまだ死ぬべき運命ではなく、真の死を迎えていないということになる。
よって、本作の「チカラつきた」状態も、結局はいわゆる戦闘不能に限りなく近い仮死状態のようなものとして扱われており、真の死とは区別されているのである。
 
NPCがイベントムービー中で死亡退場する際は、真の死を迎えて一般的な蘇生手段で復活させる余地がないことを明示するためか、敵味方を問わず遺体が光の粒となって、あるいは【魔瘴】を噴き出して消滅するという表現が多用されている。
同様の表現は、後発のDQ11であるパーティメンバーが死亡退場する場面でも用いられた。



*1 ただし、Ver.3.0にてドルボードのかんおけフォルムで自走式棺桶が再現できてしまった。かなりシュール。
*2 不利な状態変化も同時に消えるため【魔蝕】【怨嗟のはどう】などの状態変化を全部喰らった場合は死んだ後に起こす(ことで治す)ほうが早い場合もある