【ドミネウス王】

Last-modified: 2022-10-12 (水) 20:18:36

概要

Ver.4.0ストーリー【遥かなる故郷へ】の登場人物。Ver.4シリーズのOPムービーではラストに登場する。
5000年前の【エテーネ王国】第49代国王。一人称は「余」。
第48代国王、【ルザイオス】の長男。
見た目はヒゲを蓄えた威厳のある中年及び壮年男性で、【メレアーデ】【クオード】の父。妻(名はルミラーハと思われる)は亡くしている。弟に【パドレ】【黒衣の剣士】)がいる。
Ver.4.5前期ストーリーで【主人公】はパドレの子であると判明するため、彼は主人公の伯父にあたることになる。
なお外見からの憶測を多分に含むが、本人が見るからに老け2人の子も思春期程度の年齢となっているドミネウスと、妻共々多少の若さを残し子も生まれたばかりであるパドレとでは、それなりに歳が離れているような印象を受ける。
名前の由来は「支配する・威圧する」などの意味を持つ英語の動詞「dominate(ドミネイト)」、それに関連して子供達同様音繋がりで「dominant(属音)」と思われる。
 
後述のドミネウスの替え玉は本物の性格をコピーするため、正体判明前の言動もここで扱う。

人物

エテーネ王国では、国王は「時見の祭司」として【時見の箱】に祈りを捧げて時見を行い、その結果を基に【時の指針書】を更新する、いわば未来予知という神託に基づいた政治を行う伝統がある。
彼もこれを主な職務としており、普段は時見を行うために玉座の間に隣接した【時見の神殿】に篭りきりで、人前にはあまり姿を見せない。
 
なお、彼は第一王子ではあったが時渡りのチカラでは弟であるパドレに劣っていたため王位継承権の順位をパドレと入れ替えられそうになった過去がある。
国王即位前は家族と【ドミネウス邸】に住んでいたが、即位後は【エテーネ王宮】に住まいを移している。
 
国民からの評判は悪くないようだが、エテーネ王宮にいるニルド曰く、気さくに声をかけられるような人柄ではない模様。
内心では弟に対する強い劣等感に苛まれ、時渡りのチカラに執着している。
このことは王宮内では知れ渡っているようでエテーネ王宮にいるモクシュラはドミネウスと話す機会があってもパドレの名を出さないように忠告したうえで「逆鱗に触れた 厨房の料理人たちが……」と言い淀んでいる。
また、厨房にいるキークックによるとドミネウスが王太子だったころに「パドレ様が 次の国王になればいい」と話していた大勢の料理人をクビにしたとのこと。
 
また、自分の子ども2人を道具のように扱い、暴力や暴言まで浴びせるなど父親としても問題がある人物。
特にクオードに対しては、自身と同じように時渡りのチカラが弱いことがコンプレックスに触れてしまったためかぞんざいに扱っていた模様。
クオードは世間に見放された人間から隠れた才能を見つけることに長け、優秀な部下を得たことがストーリーで描かれているが、これは父からの扱いに対する反動かもしれない。
 
【メレアーデのお部屋】で聞ける話によると、当初は基本的にペットを飼うことには反対という考えだったようで、メレアーデが弱っていたネコを拾って帰ってきた時には「動物は自然に帰すべきだ」と言って家から追い出そうとしたことがあったらしい。
その後、妻の説得で飼育を認めたとのこと。

暗躍

エテーネ王国が滅亡する未来を予見し、時見によって回避方法を探っていたが、時渡りのチカラが不足していたため、【ヘルゲゴーグ】を使って国民から精神エネルギーを集めていた。
しかしそれは建前で、救国の王として歴史に名を残すことで弟への劣等感を払おうとしていた様子。
なお当初時見を行った際に「【魔法生物】が原因」という部分だけは理解したらしく、【ベルマ】達に魔法生物全個体の殺処分及び、ヘルゲゴーグに対抗しうる【シャンテ】の殺害を命じていた。
 
【王立アルケミア】【ヨンゲ所長】らに指示してヘルゲゴーグを錬金させ、用済みになった錬金術士達にヘルゲゴーグをけしかけて口封じをする。
この事を知ったクオードに糾弾されても時の指針書を根拠に言い逃れ、主人公に罪をなすりつけて極刑にかけようとする。
逃げ出した主人公を追い詰める最中に外皮が燃え、【自動人形ドミネウス】としての正体を現して襲い掛かってくる。
 
本物はずっと時見の神殿に篭っており、メレアーデを誘拐して力を抽出している。政務は自動人形に丸投げしていた模様。
メレアーデの救出に来た主人公とクオードの眼前で時見を行い、滅亡の原因を知るも、直後主人公の存在が時見の箱の未来予知を妨げていると言い放ち、時見の箱のチカラで【時獄のドミネウス】と化す。
敗北後はクオードに激しく責め立てられ、絶縁と国王としての退陣を迫られるも、再び時見の箱のチカラを借りて【魔人王ドミネウス】に変身、クオードを弾き飛ばして気絶させた後主人公へ襲い掛かってくる。
そして、2度敗北した後もなお諦めず、床を崩壊させ、更なるチカラを時見の箱から得ようと足掻くが、突如背後に出現した黒衣の剣士に「俗物」と罵られながら片手剣で刺され、そのまま死亡してしまった。
この頃【エテーネ王宮】はヘルゲゴーグに襲撃されていたが、ドミネウスの意思によるものかは不明。この後黒衣の剣士はヘルゲゴーグを自分の手駒として生成、使役しているので襲撃は黒衣の剣士の指示によるものと考えるのが妥当だろう。
 
王国の滅亡を回避するために尽力していたのは間違いない。
しかしそのために、自らの治める民草を犠牲にするという本末転倒を働き、動機の裏にも名声欲・弟への嫉妬心があったことも踏まえれば、一連の行為は許されるものではないだろう。
また実の娘であるメレアーデに手を上げ、同じく実子のクオードを面と向かって失敗作呼ばわりするなど、父親としてもあるまじき言動を見せており、怒りを覚えたプレイヤーも多い。【ギリウス】の血が最も色濃く出、そして最も悪い方向に向かった子孫と言える。
のちに黒衣の剣士が彼の弟パドレだと判明し、更に滅びの未来を回避しようとしていたつもりが、実際は時見の箱=【キュロノス】による滅びの計画を進ませられていたことが判明。結局は他者の掌の上で踊っていた裸の王様であった。
 
DQ11の敵役王【デルカダール王】とは雰囲気がやや似ているが、あちらが黒幕に憑依されて悪をなし、憑依が解けた後は家族と和解して協力してくれたのに対し、こちらは自らの意志で悪をなし、家族に離反されたまま死ぬなど、その顛末は対照的である。
また世間を見返すためにラスボスのチカラを利用して他所に迷惑を掛ける点は【ドルマゲス】にも似ている。名前も似ている。
歴代シリーズにおいては、初めて主人公と明確に敵対する一国の主でもある。

死後(Ver.4.4【うつろなる花のゆりかご】~4.5前期・後期【遥かなる未来への旅路】

エテーネ王宮は【時獄の迷宮】と化して消えてしまったため、彼は王国民にとっては生死不明となっている。
「遥かなる未来への旅路」ではクオードが、その死後はメレアーデが暫定の指導者となったが、これ以上の混乱を避けるためか二人ともドミネウスの死を公表することは無く、後の世では「消失王」と呼ばれるようになった(もっとも、ドミネウスがパドレに殺害される際に二人は気を失っていたので、その死をはっきりと見ているのは主人公とパドレだけなのだが)。
 
パドレやファラスの回想シーンは「うつろなる花のゆりかご」や「遥かなる未来への旅路」のシナリオ中で描かれたが、彼本人が登場する追加シーンは一つとしてない。
それどころか、彼について明かされたことと言えば、【パドレア邸】にヘルゲゴーグを放った理由が【マローネ】の精神エネルギー目当てではなくただ彼女と子どもを殺害するためであったこと(あの場にファラスがいたのはたまたま報告に来ていたためで、実際ファラスがいなかったら遂行されていた可能性が高い)や、先代国王の死に際にパドレを立ち会わせないために【海洋都市リンジャハル】への特使に指令したこと、【リンジャーラ】に弟への事実無根のネガキャンを書き込んだ【記憶の結晶】を送り付けその心を揺さぶって暴走の切っ掛けを作ったこと、前妻との間にできた隠し子を捨てたことなどマイナスのものばかりで、死後も印象は悪化する一方。
また、間接的にリンジャハルを滅亡させている点を含めれば、彼による犠牲者の数は息子によるそれに匹敵することだろう。
 
パドレに対しては、自分よりも遥かに時渡りのチカラに優れているにもかかわらず時見の行使や指針書に疑問を持つ弟が、常に身近でかつ善意100%で接してくるため非常に苛立っていたようだ。さらに【パドレア邸】で読めるパドレの日誌によれば、父が酔った勢いでドミネウスではなくパドレに王位を継がせたいと口にしてしまったことでドミネウスは完全に心を閉ざしてしまい、亀裂が決定的になってしまったようだ。
それでも妻がいた頃はまだマシだったようだが、妻の死後は本来の仕事であるはずの国政どころか子供達の世話すら弟に丸投げし、時見の箱に傾倒していく。
ヘルゲゴーグの製造自体はキュロノスが主導したものだが、そこに至るまでの経緯や家族・親戚への態度には紛れもなく彼自身の人格が表れている。
その悪質さはDQ10内はおろか、DQシリーズ全体を通してみてもトップクラスであろう。
 
キュロノスにとっては神託を流すだけで動いてくれる都合の良い駒である一方、自分が最も忌み嫌う、俗物たるエテーネ王族の典型であったと言えよう。
また、【ワグミカ】にとっては自分から仕事も生き甲斐もヨンゲを始めとした部下の錬金術師たちも奪い、酒に逃避する生活へ追い込んだ怨敵であり、メレアーデの前であろうと構わずクソ呼ばわりしていた。
 
一方、メレアーデは自分が拘禁されてチカラを抽出される処遇をうけてなお父の死を悲しんでいた。
Ver.4のエンディングシーンでも彼女は「家族と一緒にいる夢を見ていた」と語り、ドミネウスもしっかりその一員として入っていたようだ。
また、正気に戻ったパドレは、ドミネウスについては時見に依存しすぎたと評するに留め、裏切られた恨みを吐くことはしなかった。
経緯はともあれ自分もキュロノスに踊らされ、そして自分の手で殺してしまったという罪悪感のためであると思われるが、ここでもパドレの本来の人の良さと同時にドミネウスの惨めさが引き立つこととなった。
 
ベルマのクエストでは、若き日の「きれいなドミネウス」が言及される。
曰く、彼にはマイナという庶民出身の前妻がおり、若さもあって身分差も気にせず愛していた。しかしある時マイナの指針書に「自害せよ」という指示が書き込まれ、マイナはその通りに自害してしまう。そして、ドミネウスは父親が気に入らない庶民出身の妻を亡き者にしたと考え父を問い詰めるが、父からは明確な答えは無かった。
そこで時見の祭壇に侵入し時見の箱とコンタクトを取り、結局は自身の都合で指針書を変えることは出来ないという純然たる事実を知るものの、それから時見の箱に傾倒、段々と人が変わっていったという。
 
つまるところ指針書も何も、マイナの自害・病弱なルミラーハとの死別は共にキュロノスがドミネウスを絶望させるために仕組んだものと推測できる。
愛する人との早すぎる別れを2度も経験し、更に国の滅亡という「悪意のある情報」を断片的に与えられていく中で、彼は「自分に時渡りのチカラがあればこれ以上悲劇を重ねずに済むのに」という考えに取りつかれ、計画のためなら平然と他者を利用し弟へのコンプレックスを剥き出しにする最悪の性格になってしまったのだろう。
パドレやリンジャーラ程の傑物さえ「悪意のある情報」によって暴走してしまったことを鑑みれば、ドミネウスの暴走は不可避と言って良い。
 
ただだからと言って自国や友好国を犠牲にして良い筈は無い。パドレは兎も角リンジャハル滅亡はキュロノスとは一切関係ない事柄であり、またアルケミア職員達の抹殺は国家の滅亡回避では無く自身の体裁を気にしての事。
精神エネルギーの強奪にしても、国民から強引に奪う以外にも正直に真実を話す等方法はあった筈である。
一番悪いのは、過去作のドルマゲスやウルノーガと違い、ドミネウスは唆されたとは言え操られた訳ではなく、自ら進んで悪事を成した点であろう。
こうした点は息子クオードにも言えるが、あちらは闇堕ち前と最期に主人公の目の前でしっかり善の部分を見せており、姉や部下、国民を救うといった功績も残している。
一方でドミネウスは誰に対しても害しか為せず、後出しで多少のフォローがあっただけで、おまけにマイナス部分の描写まで追加されている始末。
そのため、同じように悪役としての側面を持っていてもあちらとこちらでプレイヤーからの印象は大違いであり、仮にこちらへ更なるフォローが入ったとしても多くのプレイヤーに「実は良いヤツだった」と思ってもらえる可能性はかなり低いだろう。
愛する人、クオードにとって敬愛するメレアーデと死に別れなかったことも、ドミネウスのようになり切らずに済んだ1つの理由なのかもしれない。
 
ちなみにVer.5.0では、同じく実子を道具扱いする毒親こと【エルガドーラ】が登場した。
あちらも後に壮絶な最期を迎えるが、そこに至る経緯はドミネウス王と大きく異なっており、自国や国民に対する考えも違う。

イベント・その他

【アストルティア・ナイト総選挙 大予選会!】(2018)

…等々、プレイヤーからの印象がこれ以上ない程劣悪で、またそれを払拭するようなイメージもイベントも当時は何一つなかった為か、最下位という結果になった。
なお息子は19位以内に収まり、同じく敵役の【大魔王マデサゴーラ】は20位、【冥王ネルゲル】は19位と大きく引き離されている。
今後も嫌われ者ナンバー1の座は堅いだろう。