【ドラゴンクエスト　蒼天のソウラ】

概要

【月刊Vジャンプ】にて2013年2月号より2022年12月号まで連載された漫画作品。【堀井雄二】監修。全20巻。
作者は「デジモンクロスウォーズ」「エレメントハンター」など、ゲームの漫画化で好評を得ている【中島諭宇樹】。
ウェディの少年「ソウラ」と竜の子「アズリア」を中心に展開される冒険譚で、原作DQ10に独自設定を盛り込んだサイドストーリー的な立ち位置にあたる。
　
特徴として、本編主人公＝プレイヤーに相当するキャラが別に準レギュラーとして登場しており、そちらが辿る原作のメインストーリーはダイジェスト形式で描かれ、ソウラ一行は（本来なら）一目置かれつつも主役に程遠い三流パーティじみた立ち位置なのが特徴。
そのためか、ある意味では少数奮闘な印象が強い本編に比べ、本作は他のパーティや陣営との共闘が多め。
敵味方含めた6組のパーティを主要人物として物語が進むが、「アストルティアには数多の物語や冒険者が息づいている」というネトゲならではのコンセプトの元、多くのキャラがモブ含め活躍している。
　
連載中も原作シナリオが拡大しているため、漫画版らしいオリジナルの呪文や特技、設定がバリバリ登場している中で、時系列的には未登場なゲームスキルも普通に使われており、時に募集企画で実際のDQ10プレイヤーを作中に登場させる企画も実装。
全20巻の漫画連載だけで物語は完結せず、終了後後編にあたるアフターストーリーをwebで展開している（後述）。
　
2016年11月上旬にはコラボイベントとして幻想画「一宿一飯」が開催された。
2023年4月にもコラボイベントが開催され、主人公のソウラがゲーム内に登場した。
　
Vジャンプ2017年9月号では同じくＶジャンプ連載のドラクエ漫画である【スライムドーン！！】とのコラボ企画が開催された。
あちらではスライムドーン！！の作者である【かねこ統】画のソウラとアズが登場した他こちらでは中島諭宇樹画のスラヨン、ゼニまる、アスケシュ、ディネーロが登場している。
　

出張読切

ドラクエ30周年企画の一環として、週刊少年ジャンプ2016年25号にが掲載された単話（コミックス8巻に収録）。
時間軸は本編序盤にあたるが、本作の基本的な特徴を強調した宣伝という側面が強い。
　

Dragon Departure

Vジャンプwebの蒼天のソウラ特設ページにおける連載企画。
単行本第20巻発売と同日の2022年12月2日～2023年3月31日まで連載。全12話。
アフターストーリーと銘打たれており、イラスト付きショートストーリーとして展開される。
内容はPDFファイルとして公式配信されており、ページの下部にはダウンロードリンクが張られている。
4月6日には12話にエピローグ漫画が追加された。
　

アストルティアの車窓から

単行本に掲載されている4コマ漫画。
中島諭宇樹と【うりぽ】の掛け合いを混ぜながら、DQ10関連の作者の近況や企画の紹介などを扱っている。
タイトルの由来はテレビ朝日の長寿番組『世界の車窓から』だろう。
　

ドラゴンクエスト　素麺のソーミャ

集英社のwebサイト「VジャンプWEB」内の、蒼天のソウラ特設ページで連載されていた4コマ漫画。
第1話掲載は2014年4月ごろ。それ以降、毎月2回のペースで更新され、2023年4月17日更新の第216話をもって完結した。
本来は蒼天のソウラを宣伝するための漫画だったが、なぜか素麺大好きになった【ソーミャ】に乗っ取られてしまったという体裁になっている。
傍若無人かつフリーダムに振る舞うソーミャと、彼女のツッコミ役として度々災難に遭う中島諭宇樹。この二人の掛け合いを軸としつつ、他にも様々なDQ10内外のキャラクターがゲスト出演し、DQ10関連の時事ネタや作者の近況などを扱っている。
単行本には、第1話から80話までが11巻に収録されているのみとなっている。
　

この作品における本作の登場人物

登場人物・用語一覧はこちらを参照。
　

ソウラのパーティ

元々威勢と行動力は人一倍なれど、実力や成果は今一つな弱小パーティ。
だがあるクエストを契機に、様々な冒険へ関わる事に。

この漫画の主役として活躍するウェディの少年。好奇心旺盛な冒険者。
幼い頃の自分の命を救った憧れの存在「嵐のドラゴン」を探す【ドラゴンクエスト】を目指している。
アズリアから授かった【エクステンション・ライン】を発動することで強大な力を発揮する。
　

ヒロインである、竜の卵から生まれた正体不明の女の子。
姿は人間に酷似しているが、竜の角と底知れない超常の力を秘め、魔族に身柄を狙われている。
己の正体を探す冒険の中で、まっさらだった心は様々な成長を遂げていく。
　

大きなリュックを背負うドワーフの少年。少々マヌケなソウラ達を支える知恵袋。
戦闘能力は皆無だが、様々な道具による補助や的確な作戦提案など、他との共闘で活きるタイプ。
　

威勢の良いプクリポの少女。トップスターを目指す売れない芸人。
戦闘能力は皆無だが、要所要所でパーティーのムードメーカーを担う。
単行本に載ってる4コマ漫画では、ほぼ毎回作者にツッコミを入れる為に登場している。
　

マルチナのパーティ

令嬢マルチナとその護衛三名という形式のパーティ。

ヴェリナードに商会を持つ富豪の娘。ソウラとは幼馴染で、彼からは「ちな」と呼ばれている。
所謂ツンデレ系のキャラクターで、ソウラに好意を持っているが、向こうは一切気づいていない。
作者好みのスレンダーな体型の美少女で、両手杖による氷系呪文を応用して、フィギュアスケートに似た戦法を披露する。
　

経験豊かなプクリポの老騎士。盾と槍の巧みさは勇者さえ認める実力者。
元は【アルウェ王妃】の親衛隊だったが、彼女の怪死を悔いて引退し、親友のエスコーダ氏に雇われた経緯を持つ。
　

エスコーダ商会の孤児院出身で同商会の荷役夫。マルチナとルビビの幼馴染で、非常に幅広な体格を持つ。
どもりが激しくて言っている事が周囲に伝わらないという欠点があるが、仲間だけは言っている事がわかる模様。
戦闘では戦士らしく盾と片手剣を装備するが、拳に比べて小さすぎ武具としてほぼ機能していない。
　

エスコーダ商会の孤児院出身で同商会の会計士見習い。マルチナとフーゴの幼馴染で、冒険者となったマルチナの世話係を任された1人。
非常に臆病な性格だが、僧侶としての役割はきっちりこなす。
スティックと盾を使った防御よりのスタイルで、【キラキラポーン】等を使ってフーゴをフォローして戦う。
　

JBのパーティ

アウトローな実力者ぞろいのパーティ。
金儲けをする為に悪どいこともしたりするが、まっとうな人々に危害を加えることは決してしない。

ソウラの先輩にあたるベテラン冒険者。気っ風の良い快男児で冒険者らしい性格を持つ。
凄まじいパワーを持ち、【ザグバン丘陵】のクレーターのいくつかは彼が作ったものと言われるほど。
更に本気を出すと、レンジャーという職業の枠を超えた多種多様な装備や絡め手で敵を追い詰める。
　

カウボーイ風の衣装や葉巻など、ウェスタンな出で立ちをしたオーガ男。
ガンマンチックなスタイルが特徴の凄腕魔法使いで、拳銃のように呪文を早撃ちしたり、ライフルの様な杖による狙撃呪文で味方を支援する。
四人の中では比較的常識人で、兄貴分兼まとめ役。
　

表情や感情に乏しいウェディの少女。印象に違わず性格も不思議ちゃん。
暗殺や潜入に長けた一流のアサシンで、二双のナイフや様々な仕込み毒を使って戦う。
　

JB達パーティの用心棒を務める凄腕の女侍。
剣の道にも性の道にも貪欲な二重の意味でアブナイお姉さん。可愛い子ならなりふり構わず許嫁扱いする悪癖を持つ。
相手の瞬きをしている一瞬の間に斬り付ける「瞬華」と呼ばれる技が得意。
　

ユルールのパーティ

最近急速に活躍と名声を広め、勇者一行と称えられているパーティ。

原作ドラクエ10でのプレイヤーキャラクターに相当するキャラクターで、現在の姿は小柄なオーガの少年。
その功績と名声から「勇者」と呼ばれており、その肩書きに違わぬ実力と精神力の持ち主。片手半剣（【バスタードソード】）と盾を使用し、片手剣技と両手剣技を自在に使い分ける。
が、普段は仲間にも呆れられるほどののんき者で、ソウラに負けず劣らずの英雄譚マニア。
　

通称シア。最初にユルールのパーティに加入した謎の僧侶。
【賢者ホーロー】のように生まれ変わりがわかるようで、自身の目的と使命のためユルールに付き従う・・・ハズが彼に恋心を抱いてしまった模様。
死霊を操るネクロマンサーで、自身にも何かしらの禁術を施している。
　

気風のよい性格をしたドワーフの武闘家。
【エゼソル峡谷】の寒村の出身で子沢山の家庭の長女として育つ。本編の5年前、ヨナが17歳の誕生日に武闘家になる夢を目指して旅に出て、憧れの武闘家の弟子入りを果たした。
【ジュレットの町】にいる兄弟子に勝つ事を目標としている。
　

山伏風の恰好をした、魔法使いのエルフ少年。
軽薄な性格でスケベだが、学祭を仕切る事で培ったコミュ力と企画力の高さで祝勝会等をセッティングする宴会隊長である。
【ツスクルの村】の【学びの庭】出身だが、とある事情で卒業試験を受けずに退校し、薬売りを自称しながら【巫女ヒメア】の抱える憂いを探して旅をしていた。
　

太陰の一族（グルヤーン・イル・イシュ）

魔公子イシュマリクを長とした魔族の集団。本拠地は【イシュナーグ海底離宮】。
冥王ネルゲルら他の魔王達も信用しておらず、一族復権のためにアズリアの身柄を狙う。

太陰の一族の指導者である魔族の青年。
ストイックな性格であり、世界を学ぶためお忍びで市政に出かける事も。
スタイルは魔法剣士で、優れた剣術と魔法の才を掛け合わせ、強力無比な魔法剣として振るう。
　

マリクの用心棒を務める大暴れ狛犬。
豪快な中年男性で、普段はドワーフの姿に擬人化している。
JB以上のパワーを持ち、地層を引き抜いた巨大ハンマーで敵をなぎ倒す。
　

マリクの家老を務める大暴れ狛犬。
冷静な老年男性で、普段はオーガの姿に擬人化している。
計算された戦いを好み、ビリヤードのように一帯を跳ね回る魔法で敵を翻弄する。
　

マリクの小姓を務める大暴れ狛犬。
生真面目な少年で、普段はエルフの姿に擬人化している。
バギを纏わせた独楽で戦うが、まだまだ実力は未熟。
　

魔博士

命の在り方を追及する魔族のマッドサイエンティスト集団。
ある者からの命で太陰の一族の客分となっている。

【傀儡匠エストリス】
平安貴族風の装いをした攻撃的な少年。傀儡系モンスターを開発し操る。
　
【死霊博士ゾフィーヌ】
能天気な言動が目立つ長身男性。アンデッド系モンスターを開発し操る。
　
【魔工技師プラクゥ】
身体の大部分を機械化した小柄な老人。機械系モンスターを開発し操る。
　
【魔境庭師アビー】
動物的な営みを忌み嫌う妖艶な女性。植物系モンスターを開発し操る。
　

単行本

連載中のVジャンプが月刊誌である関係上、発刊は半年毎と長い。
11巻は素麺のソーミャが全話掲載されている関係で2ヶ月ほど早く出ている。
　
3巻、4巻あたりはしぐさのアイテムコード人気もあり、初版はあっという間に売り切れている。
現在は便利ツールの電子書籍でも購読することが可能。

公式サイトリンク

本作品は公式サイトから読めるコンテンツが多数あるため、ここにまとめる。

公式サイト内コンテンツ

• キャラ紹介
• WEB版写真企画結果発表

素麺のソーミャ

• 第1回～第50回
• 第51回～第100回
• 第101回～第150回
• 第151回～第216回
  上述のソーミャを主役にしたドラクエ恒例のキャラ崩壊系4コマ漫画。

番外編

• ドラゴンクエスト　蒼天のソウラ　番外編　WEB公開版
  DQ11の宣伝漫画。
• 「特別編・夏の種族入れかえ大作戦！？　WEB公開版」
  RPG編の種族変更や本編では行わなかった性別入れ替えを行った短編。

公式試し読み

Vジャンプ掲載版(単行本とは線の出力やアオリの有無や描き直しの有無等に差異がある)の単行本1話目が試し読み可能。
8巻～18巻までの試し読みも存在したが、現在は削除済み。

• 1巻第一話「へっぽこ冒険者!!」
  ソウラ達が【ベコン渓谷】の地下でアズリアと出会うまでのエピソード。