【しょうかん】

Last-modified: 2024-03-17 (日) 04:15:06

概要

DQ6、DQ7やトルネコ2などで登場する特技。名前の通り、【精霊】やモンスターを召喚する。
ちなみに「召還」と書く場合は最初からいた者を呼び戻すことであり、意味がやや異なる。
敵側の【なかまをよぶ】行為が召喚と俗称されることも少なくないが、ここでは味方側の特技について述べる。
なおWizardryシリーズではシナリオ#5から召喚呪文が登場しており、後のDQシリーズの召喚とよく似たシステムが既に存在していた。

設定

DQ6とDQ7に登場する特技である「しょうかん」では、「だいちのせいれい」に祈りを捧げることで【タッツウ】【デアゴ】【サムシン】【バズウ】の四種の精霊を召喚することになる。
これらの精霊は戦闘中に呼び出すことで主人公たちと共に戦ってくれるのだが、ゲーム内では姿が見えず、セリフも一切無いため、当初はどのような存在なのかはせいぜい使用特技や行動パターンなどから推測するしかなかった。
その後、SFC版DQ6の【公式ガイドブック】(下巻)にて【中鶴勝祥】の手によるイメージイラストが描かれると共に、特技紹介の一部としてごく短い解説文が掲載された。
 
さらにそれからしばらくして、Vジャンプ本誌連載の【DQ KIDS!! ドラゴラ村の子供たち】内の「サブキャラ千夜一夜」という連載コラム(【堀井雄二】が設定を語り、【かねこ統】が挿絵を担当した)にて詳しい設定が判明。
彼ら3名と1匹は「大地の精霊」であり、その正体は「古代に存在していた正しい心を持つ人間やモンスター」で、「しょうかん」という賢者の特技は大気中に漂っている彼らの意識を呼び寄せ、実体化させるものであるとのこと。
そして召喚に応じている彼らは主人公たちに喜んで味方をしているという設定が、彼らのパーソナリティと初出のイラストと共に語られた。
そこで明かされた各精霊の設定などについては、それぞれの精霊の個別ページを参照。

DQ6

【賢者】の★4で覚える特技。消費MPは20。
戦闘中に使用することでNPCとして参戦する精霊を呼び出す。
呼び出された精霊は、そのターンのうちにすぐに行動する。
最初はタッツウしか出せないが、使用者のレベルが高くなるにつれより高位の精霊を呼び出せるようになる。
どの精霊を呼び出すかは(レベル条件を満たした後は)完全にランダムで、一度に1体しか呼び出すことができない。
また、街中など一部の場所では召喚することができない。召喚できない状況で使用した場合は、「しかし いのりは とどかなかった!」と表示される。
呼び出した精霊はパーティとは別グループとして管理されるため、グループ攻撃で精霊をターゲットにした攻撃はパーティを巻き込まない。
精霊もHPが尽きると当然ながら消滅してしまうが、【ベホマラー】などの全体回復を用いればHPの回復も可能(ベホマなどで個別に指定しての回復はできない)。
 
戦闘中に仲間が1人増えるというのは画期的な技ではあるのだが、呼び出す精霊は選べず命令もできない上に、精霊によって性能に差があるのでいまいち戦力として計算しづらいのは確か。特に低位の精霊(タッツウ・デアゴ)は思いの外と耐久力に乏しいため割とすぐ消えてしまう。
何より消費MPが【イオナズン】(消費MP15)以上と重いこともあり効果的に使うのは意外と難しく、存在自体を忘れられてしまうことも多い。
しかし、高位の精霊(サムシン・バズウ)は攻撃性能に優れ、耐久もそこそこあるので、ハマれば【ダークドレアム】戦でも活躍してくれる。
消滅しないようにベホマラーなどで適宜回復してやろう。下位の精霊が来た場合は、いっそ弾除け要員だと思って割り切ってしまってもいいだろう。
前述のように消費MPが重いので、長期戦となるボス戦以外での用途はほぼないと思われる。
 
なお、SFC版では消滅した後に再召喚が可能だが、リメイク版では不可能となっている。
またパーティと同一グループ扱いになり弾除けとして使いにくくなってしまった。一応、精霊に【スクルト】をかけられる等のメリットもあるが…。
その一方で、【ときのすな】が繰り返し使えるようになったので、目当ての精霊を呼び出せるまで戦闘を巻き戻すことができるようになった。
 
先の述べた通り精霊たちの姿はゲーム画面では見えないが、個別に設定されたステータスや技のレパートリー、【耐性】【判断力】の高さによって各精霊の「個性」が表現されている。

タッツウ

HP:200 MP:50 攻:180 守:150 早:80
最初から呼び出せる。設定上は【浮遊系】に属しているが意味はない。
杖を携えローブを纏った若者のような精霊。
 
通常攻撃の他に【ベホイミ】【みがわり】【いなずま】【あまいいき】を使う。
どちらかというとサポートタイプの精霊。行動パターンはランダムで、身代わりの使用頻度がやや高め。
全ての呪文・特技に対して平均以上の耐性を備えている。
【判断力】は並で、ターンの初めに行動決定するためベホイミのタイミングは遅れがち。
また、敵モンスターと同じで【AI】のように相手の耐性を認識できないため、完全耐性を持つ相手であっても甘い息をキャンセルしない。
終盤のベホイミ・稲妻は焼け石に水であり、基本的には外れと認識されているが、身代わりはありがたい。
しかしHPが低く、身代わりをした際は下手をすると1ターンで沈んでしまう。

デアゴ

HP:300 MP:60 攻:210 守:160 早:120 
Lv30以上で呼び出せる。
サイのような白く大きな角を持った緑色の四足歩行のモンスターの姿をした精霊。
 
牙で噛みつく、角を突き出すといった【強化攻撃】で攻撃する他、【バイキルト】【はげしいほのお】【あまいいき】【ひゃくれつなめ】を使う。
タッツウと比べると攻撃性は増しているが、勇猛な見た目に反して行動は意外と補助技が多い。
(敵側に使い手のいない軍隊系以外の)すべてのダメージ属性に無耐性なので、敵の呪文・特技によるダメージは嵩みがち。
判断力が低いため、眠っている相手に甘い息を重ねたりすることもある。
 
ちなみにSFC版公式ガイドブック(下巻)の職業紹介ページで、賢者(チャモロ)が召喚しているのがこのデアゴである。

サムシン

HP:450 MP:40 攻:250 守:190 早:150 
Lv35以上で呼び出せる。
誇り高い剣王で、白い甲冑に身を包み、魔族のように青い肌をした二刀流の騎士の姿をしている精霊。
 
通常攻撃は行わず、【まじんぎり】【ドラゴンぎり】【ゾンビぎり】【いなずまぎり】【かえんぎり】【ルカナン】を使う。
また完全2回行動で、ルカナン→剣技の2段階ローテーションで戦う。
この辺りになると2回行動も相まって攻撃性能も高く、戦力として頼りになってくる。判断力も高いため、守備力を下げきった相手やルカナンが効かない相手には呪文を唱えず2回攻撃を繰り出す。
デイン系以外の呪文・特技に対して平均以上の耐性を備えており、デイン・炎・吹雪に弱い。
ちなみにDQ6では最高の【回避率】1/4を誇っている。敵味方全キャラ中、サムシン固有の回避率である。
 
名前は字面が「ムサシ(宮本武蔵)」にも似ているが、二刀流つながりだろうか?

バズウ

HP:700 MP:無限 攻:350 守:300 早:100
Lv40以上で呼び出せる。
攻守共に優れた最高位の精霊。人間の数倍の背丈を持つ巨人。
 
通常攻撃の他、【こごえるふぶき】【いてつくはどう】【ジゴスパーク】【イオナズン】【ベホマズン】、を使う。ただしジゴスパークは使用頻度が低めに設定されている。
使用する攻撃呪文・特技は全て全体攻撃で、シンプルに攻撃力も高いところも頼もしい。
攻撃呪文に強く、炎・吹雪に弱い。ステータスは総じて高めだが、素早さだけは低めになっている。
判断力が高いため、いてつくはどうは敵が補助系呪文を唱えた場合にのみ使用する。
ただし、召喚した際に眠っていることがある。【キアリク】で起こしてあげよう。

DQ7

基本的な仕様はDQ6のときから変わっていないが、一部の精霊の行動が変化している。
今回は賢者の★7、もしくは【のろいのランプ(職業)】★8で習得できる。消費MPは20。
今作ではより強力な幻魔を呼び出せる【げんま召喚】があるので、そちらを習得した後はあまり使われない。
 
前作とは【時の砂】の仕様が変わったので、呼び出したい精霊が現れるまで繰り返し戦闘をリセットすることができる(リメイク版DQ6も同様)。
ただし、リメイク版では、何故か経過ターンのカウントはリセットされないので、【神さま】戦の短手数撃破には役に立たない。
 
リメイク版では、召喚されたターンに精霊・幻魔が行動してくれなくなった。
また、人間上級職の技が他職に引き継げなくなり、賢者をやめると忘れてしまうが、上位職の【天地雷鳴士】★4で覚え直す。
【モンスター職】ののろいのランプで習得した場合は、引き継ぎが可能。げんま召喚が天地雷鳴士の固有技となったので、しょうかんの出番は少し増えたかもしれない。
ついでに道具使用でこの技の効果を使える【せいれいのカード】も登場している。もっとも【げんまのカード】入手後はげんま召喚諸共やはり使われなくなるだろうが。
 
リメイク版ではまた、固有のグラフィックを伴って戦闘に参加している。
主人公パーティの後ろに控えているので通常のアングルではほとんど映らないが、攻撃で前に出てくる際に一瞬後ろ姿が見える。また、特定のキャラが特定の呪文や特技を使用するとキャラの方にカットインが入るので、その際に正面からの姿を見ることができる。
いずれも、上記の中鶴勝祥のイメージイラストとは異なる姿をしている。

タッツウ

HP:300 MP:50 攻:180 守:150 早:80
最初から呼び出せる。
通常攻撃の他、ベホイミ、みがわり、いなずま、あまいいきを使う。
基本的にDQ6と変わらない。浮遊系に設定されている点も同じ。
 
リメイク版での姿は、頭にターバンを巻いて【せいぎのそろばん】らしきものを持ったアラビア系の姿。DQ3の男商人っぽい見た目をしている。

デアゴ

HP:450 MP:60 攻:210 守:160 早:120
Lv30以上で呼び出せる。
通常攻撃の他、はげしいほのお、ひゃくれつなめ、バイキルト、スクルトを使う。
あまいいきがスクルトになったが、やっぱり補助が得意。
 
リメイク版での姿は、茶色い体色で翼と脚の無い【ドラゴンヘビー】のような姿。ただし背中側の色合いは若干赤みが強い。

サムシン

HP:550 MP:40 攻:250 守:190 早:150
Lv35以上で呼び出せる。
DQ6と同様に完全2回行動。通常攻撃は行わず、ルカナン、まじん斬り、ドラゴン斬り、ゾンビ斬り、かえん斬り、いなずま斬りと持ち技も同じ。
ただし、ルカナン→剣技のローテーションはなくなっている。
 
頼もしい2回行動と判断力の高さは今作でも健在で、攻撃面においてはげんま召喚で呼び出された幻魔にも引けを取らない。
低めのHPさえフォローできれば、神さま戦のダメージソースとしても力を発揮する。
 
リメイク版での姿は、ナイフのような刀剣を持ったスマートな金髪の女剣士の姿。【ネリス】とはまた違うグラフィックである。

バズウ

HP:800 MP:150 攻:300 守:230 早:100
Lv40以上で呼び出せる。
通常攻撃の他、ベホマラー、メラゾーマ、ベギラゴン、マヒャド、バギクロスを使う。前作と同じく召喚した際、眠っていることがある。
 
DQ6から最も変更された精霊であり、呪文に特化したという個性を得たものの、そのレパートリーは前作に比べると見劣りする。
当然呪文耐性の強い敵を相手にした場合は活躍できず、MPが切れた後は肉壁にしかならない。【あやしいきり】でも無力化される。
打撃系特技中心のサムシンの方が相手を選ばず活躍できるため、バズウはハズレ扱いされることも。
 
リメイク版での姿は、小柄で獣の皮のようなものを纏った小人で、胡坐をかいて宙に浮いている。

DQ8

内部データに残る【没特技】。戦闘で使用しても効果はない。

DQ10オフライン

真の【ダーマ神殿】にいる【スキルマスター】の弟子達は上記4精霊が姿を変えたものであり、名前ももじったものになっている。

DQ10オンライン

【天地雷鳴士】固有スキルとして登場。ただしそちらで出るのは幻魔。
オフラインに登場しなかったスキルマスターの4人目の弟子(精霊)は【アスフェルド学園】のバウンズ学園長(バズウに相当する)であった。

DQM1・DQM2

DQ6やDQ7のような「とりあえず何か出てこい」みたいな召喚ではなく、呼び出せる精霊は固定。
GB版では下位のものから順番に特技が成長していくため、自分のレベルに応じた精霊を常に固定で召喚することになる。
一方PS版ではタッツウしょうかんと他の特技の組み合わせで【思いつく】。しかも思いついた後の特技は遺伝しないため、毎回特技とセットで思いつかせる必要がある。どっちにせよ使い辛さは変わらず。
詳細は【タッツウしょうかん】【デアゴしょうかん】【サムシンしょうかん】【バズウしょうかん】を参照。

トルネコ2

剣の技の一種。
本編のしょうかんとは別物で、こちらは敵を召喚する。
ハラヘリ消費は0で、自分の周囲8マスにその階層に出現するモンスターを最大4体召喚する。
召喚後はモンスターのターンになり、無対策だと直後にボコボコにされる。
なお、周囲8マスが埋まっていると召喚されない。
つまり、【モンスター召喚】を「踏む」コマンドで発動させた場合と全く同じ。
 
経験値稼ぎには使えるが、何が召喚されるかわからないので、召喚された敵の特技で剣が破壊されるなんてこともありうる。
どうせ稼ぐなら、増える相手を選べる【分裂】の方が便利。
【身代わりコンボ】等の無敵状態なら使っても良いかもしれないが、普通そんな状況では稼がない。
一部の【宝物部屋】を突破するため、【場所替えの杖】と組み合わせて使える場合もある。
 
普通に拾える剣では、【ベビーフォーク】にのみセット可能。
使えるとしたら、【必中】の習得用に【聖域の巻物】の上で使うくらい。いうまでもないが、杖や矢、にらみや炎など遠距離攻撃できるモンスターのいるフロアではやめよう。
 
習得方法は、【魔法の剣】を装備した状態で【モンスター召喚】の罠を踏むこと。
こんな効果なのに、剣のダンジョンでは習得できない高級技である。