【じゅもんせつやく】

Last-modified: 2024-01-05 (金) 15:06:03

概要

DQ4、DQ5に存在する【作戦】の一つ。
なるべく最小限の【MP】消費で敵を倒すことを目標とする作戦。
NES版DW4での作戦名はSave MP。
リメイク版とDQ6以降ではこの作戦は削除されてしまった。

DQ4(FC版)

DQ4では、移動中は「じゅもんをせつやく」、戦闘中は「じゅもんせつやく」という表記になっている。
雑魚戦では、基本的に攻撃呪文の類は唱えず、ボスなどの【HP】の高い相手のみ、一部の攻撃・補助呪文を唱える仕様になっている。
つまり、雑魚戦に限れば、【クリフト】【ザキ系】を連発するのをほぼ完全に防ぐことができる。
回復呪文に関しては【ガンガンいこうぜ】と同じで、ピンチになったらちゃんと唱えてくれる。
本作では、【みんながんばれ】が中途半端に【呪文】をケチり、【じゅもんをつかうな】では回復呪文すら唱えないので、雑魚戦でMP温存したい場合にはこれらの作戦よりはるかに有用。
ただし、学習が完了するまでは、他の作戦と同じくボス戦で無効な呪文(ザキ系など)を唱えることもある点はご愛敬。
 
また、この作戦だと【ブライ】【バイキルト】を優先しやすいという非常にありがたい仕様があり、ボス戦でバイキルトを使わせたい時にはこの作戦が効果的。
より正確には、実はMP消費そのものを節約する思考は働くため、バイキルトの条件自体は厳しくなるのだが、「攻撃呪文の優先度が下がる」ことにより、相対的に「補助呪文の優先度が上がる」ため、唱えるやすくなるというカラクリがある。
そのため、AIが「他に有効な手段がない」と判断した場合には、実は「じゅもんをせつやく」よりも「みんながんばれ」や「ガンガンいこうぜ」の方がバイキルトを唱えやすい。
 
実際には敵の耐性を学習するまで時間がかかるため、他の作戦では攻撃呪文を優先しがちであり、「じゅもんをせつやく」の有用性は非常に高い。
ボス戦はもちろん、雑魚戦でも結構バイキルトを使ってくれる。
ただし、相手のHPと守備力、こちらの【攻撃力】のバランス次第では、全く唱えてくれない場合もある。
お爺ちゃんの補助呪文を活躍させるのは、実は「じゅもんをせつやく」なのであった。禁欲的で堅実に事を運ぶブライの性格によく似合ってるといえる。
 
一方、基本的に攻撃呪文しか使えない【マーニャ】は呪文をほぼ唱えてくれなくなるので、マーニャをスタメンで使いたい場合にはこの作戦はあまり有効ではない。
ブライとマーニャはさまざまな意味で対照的な部分がある(ブライの項目を参照)が、それはこんな所にも表れていたのだった。

DQ5(SFC版)

「みんながんばれ」と同じく、前作よりも積極的に呪文を使うようになった。
【AI】の思考パターンが見直され、MPを温存しつつ攻撃、補助、回復をバランスが良く使うため、最も有用な作戦との呼び声も高い。【瀕死】の味方がいたとしても、敵から攻撃を受ける可能性がない場合には回復しないなど、通常では考えられないほど高度な節約も行う。
 
ただでさえ優秀なSFC版DQ5の戦闘AIだが、この作戦にすると輪をかけて行動に無駄がなくなり、ゲーム全体の難易度が一段落ちるとまで言われるほど。
実際、作中でも難関と言われる【グランバニアへの洞窟】でさえも、かなり余裕を持って抜けられるため、決して誇張ではない。
 
また、【まんたん】コマンドを使用する際に、この作戦か「じゅもんつかうな」を選択しておけば、HPが90%以上残っているキャラには回復呪文を使わない仕様になっていた。

その後

DQ6以降は廃止となってしまったが、その理由は『週刊ファミ通』1996年2月9日号の【堀井雄二】インタビューによると「あんまり使えないから」だそうだ。
しかし実際のところは、多くのプレイヤーの思っていることは堀井雄二の認識とは真逆である。この作戦の廃止を惜しむ意見は多く、同誌のクロスレビューでも指摘されていた。
その上廃止されたDQ6以降は「ガンガンいこうぜ」ではなく「みんながんばれ」でも、強力だが消費MPの多い【グランドクロス】【ビッグバン】などをビシバシ使いまくるのだ。
むしろ汎用性が高すぎてAI任せで済み、プレイヤーのやることが無くなって面白さをそぐという意味で「あんまり使えない(使うべきではない)」作戦という意味なのかもしれないが、上記記事にはそれ以上のことは書かれていないので真偽のほどはわからない。
 
また、この作戦を有用たらしめているのは、AIの基本構造の出来の良さが大きく関係している。一口に「せつやく」と言っても、「どのような形で」「どの程度」節約するかで、大きく評価が変わってくるだろうからだ。