【てつのやり】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 04:55:41

概要

DQ2で初登場し、DQ5、DQ6を除いて登場。
何という事もない、ありふれた鉄製の槍である。
それでもFC版DQ2の【公式ガイドブック】ではなかなか美しい姿だったが、それ以降はどんどん素っ気ない姿になっていった。
今でこそDQシリーズには多種多様な槍系武器が存在しているが、FC版DQ2~4においてはこれが唯一の槍だった。
ちなみにDQ1の【たけざお】は、名前こそ竿だがビジュアル上では先端を斜めに切って尖らせた竹槍の体裁になっていた。
鉄の槍と名乗れるのは穂先が鉄でさえあれば、柄の部分は【ひのきのぼう】みたいに木製であっても名乗れるので、DQ8では錬金ネタにされている。
 
シリーズ通して序盤から中盤にかけて活躍する武器というポジションを堅守しており、安価なこちらに走るか、あるいは少し無理をしてでも【はがねのつるぎ】を買うかプレイヤーを悩ませるのもシリーズ恒例であろう。
扱いは難しくないらしく、戦士系以外にも【僧侶】系などわりと装備できるキャラが多く、前衛のお下がりとして流用もしやすい。
 
ちなみにDQ5では、ゲーム内には登場していないが、公式イラストで【ピピン】【サンチョ】が手にしている。
一応、前者は【デーモンスピア】、後者は【らいじんのヤリ】という槍系武器を装備できる。

DQ2

初登場。攻撃力+20。
【ムーンペタ】で770Gで販売している。
本作は鉄製品が少なく、唯一名前に「鉄」を冠する武器である。防具でも鉄製品は【てつかぶと】のみ。
 
【ローレシアの王子】の場合、同じムーンペタで【はがねのつるぎ】が購入できるため、資金次第ではそちらが優先される。先に鉄の槍を買っておき、資金がたまったらサマルにお下がりを回すと効率がいい。
FC版では【サマルトリアの王子】にとってステータス数値上最高攻撃力を誇る武器であり、事前情報に反して【バギ】と同程度のダメージしか出せない【ベギラマ】と並び、通しプレイをせずにリリースとなったFC版の調整ミスを語る上で欠かせない一品である。
一方で、ステータス数値上では一番高いとはいえ、所詮は+20という微々たる上昇値にすぎない。
ダメージが通る相手なら基本的に【はやぶさのけん】の方が強力なので、そちらを手に入れればお役御免となる。最終的には引き立て役という方が適切だろうか。
それでも高レベル帯に達して力が伸びると、【シドー】に突き刺さるようになるのはコチラの方が若干早い。
しかし、シドーにはルカナンが高確率で刺さるので、鉄の槍でシドー相手に2桁ダメージが望めるぐらいまで攻撃力が上がっているならルカナン1回ではやぶさの剣の方が結局総ダメージが上になる。
 
ちなみに海外版【パッケージイラスト】では、【ハーゴンの神殿】らしき場所で戦う主人公たちの中で、サマルトリアの王子に対応するキャラ(Prince of Cannock)は槍を装備している。
当時、サマルは結局最後まで鉄の槍で通したというプレイヤーも少なくはなく、これを自分のプレイの再現と捉える人もいるらしい。
 
リメイク版では【まどうしのつえ】に攻撃力を追い抜かれたうえ、サマルも【ロトのつるぎ】【ひかりのつるぎ】を装備可能となったので、彼が装備する期間もさほど長くはないと思われる。
それ以前にてつのやりを買うくらいなら、値下がりした【くさりがま】でも十分に保つだろう。

DQ3

攻撃力+28で750G。
【ロマリア】【カザーブ】【アッサラーム】で買えるほか、【アントベア】が落とす。
【魔法使い】以外全【職業】が装備可能だが、【武闘家】は攻撃力が落ちてしまう。
 
FC版では、倍の値段なのに攻撃力が5しか上がらない鋼鉄の剣を買うより、こちらを買っておいたほうが経済的にやさしく、さらに上位の武器が登場しても他キャラ渡して使い回しがしやすいので、長らくお世話になるだろう。
特にFC版の僧侶はコレより強い武器が店売りの3種とドロップ限定の【さざなみのつえ】しかない。
店売りで船を取る前に入手できる僧侶の武器の中で最も強い【りりょくのつえ】【アッサラーム】【ぼったくり商店】で売っているが、値切っても5000Gもするのであまり魅力はない。
また、【さばきのつえ】【ムオル】という特に行く必要がない村で売られているため寄らなければ手に入らず、その上攻撃力は8高いだけなのに2700Gと割高(道具効果はあるが力不足な【バギ】)。
そのため、FC版では船入手直後に【ゾンビキラー】が入手できる【テドン】あたりまで、あるいは他の職業に【転職】するまでずっとコレのお世話になる。

リメイク版

攻撃力+26で650Gと、威力も値段も下がった。
武闘家の攻撃力減少値はFC、SFCで14、GBCで13となっている。SFC版での数値は【くさりがま】【てつのオノ】と同様に修正忘れのようだ。
【ノアニール西の洞窟】の宝箱からも入手できるようになったが、鞭や【ブーメラン】など複数攻撃武器が追加されたため、需要は減った。
僧侶にも【モーニングスター】【ホーリーランス】が追加されたことも考えると、【イシス】辺りでお役御免になるだろう。
 
なお宝箱から出現する際のグラフィックは、なぜかハンマーである。
 
また【海賊の家】にて、【どうのつるぎ】の取り引きで揉めていた海賊と【旅の商人】が、【バラモス】の死後は鉄の槍で揉めるようになっている。

DQ4

FC、リメイク問わず攻撃力+28で880Gと若干値上がり。
【勇者】【ライアン】【クリフト】【トルネコ】が装備可。リメイクでは【ピサロ】も装備できるがまず不要。
【イムル】【フレノール】をはじめ広い地域で販売している。
…のだが、コストパフォーマンスがイマイチなので立場は微妙である。
しかも、1章のイムルでこれを買えるほど金が貯まる頃には大抵【古井戸の底】をクリア済で、直後に訪れる【湖の塔】でこれより遥かに強い【はじゃのつるぎ】を拾えてしまうし、
2章のフレノールでは武器屋の営業開始タイミングの関係上【フレノール南の洞窟】クリア後にしか買えないが、直後に訪れる【砂漠のバザー】でこれより強い【モーニングスター】(リメイクでは【ホーリーランス】)を購入できてしまう。
つくづく買えるタイミングに恵まれておらず、コツを知っているプレイヤーから「買うのは地雷」と言われてしまう不憫な武器である。
鉄の槍が初めて店頭に並ぶタイミングでは、これをスルーして防具の購入を優先した方が合理的だろう。
第三章においては運良く序盤の敵が落とせば装備する機会もあるかもしれないが、これもイベントをこなせばすぐに【せいぎのそろばん】に取って代わられてしまう(あるいは元から破邪の剣を装備できている場合もある)。
また、【女神像の洞窟】の地下2階にある物を取らずにおけば、5章で勇者が装備できる…とは言え、地下3階の【はがねのつるぎ】を取るまでの僅かな時間の活躍になるが。
売れば序盤の資金の足しにはなる。
女神像の洞窟の宝を取り尽くしていた場合は、【ボンモール】で鋼鉄の剣を購入するか、鉄の槍で妥協するかの選択になる。妥協する場合は、【うらぎりこぞう】を撃破するのに求められるレベルが多少上がる。
 
一応、1章では店売り最強であることは事実であり、5章で合流する際にゴールドを引き継げない仕様上、金が余っているならこれを購入しておいて破邪の剣入手までの道中を楽に凌いで、破邪の剣入手後も売らずに持っておけば、5章で合流した時に売ることで少額ではあるが資金の足しにできる。
 
全体的に不遇な扱いを受けているが、むしろ本作では【スコット】【オーリン】【ホフマン】NPCの仲間キャラが愛用する武器というイメージが強いだろう。

DQ7

表記は「鉄のやり」。
DQ5、DQ6では【てつのつえ】に取って代わられ欠席していたが久々の復活。
【フォーリッシュ】(現在&過去)や【グリンフレーク】などで買える。
攻撃力+23で値段は1000G。DQ7の物価高騰に伴い金額の割りに微妙な性能になっている。
 
とはいえ、フォーリッシュの時点ではこれが(ドロップを考慮しなければ)最強武器となる。
フォーリッシュ・【フォロッド城】周辺は雑魚の【からくり兵】とボスの【デスマシーン】が非常に手強い。
このため、単体攻撃しかできない【キーファ】はもとより【ブーメラン】のある【主人公】も単体攻撃用にこの槍を用意できると心強い。

DQ8

表記が「鉄のヤリ」となった。
攻撃力+24で750Gと再びコストパフォーマンスが向上。
【ポルトリンク】【船着き場】で購入できるほか、【ダガーナイフ】+【ひのきのぼう】の錬金で作れる。
敵では【デッドアンカー】(1/32)が通常枠で、【オーク】(1/64)と、【おおさそり】【ヘルパイレーツ】(両1/128)がレア枠で落とす。
 
【主人公】が初めて手にする槍となりうる。
【オセアーノン】戦のために買っておくのもいいが、この時点では【ヤンガス】の方が攻撃力が高いうえ、オセアーノンの強力な攻撃の前に本人は回復で手一杯な状況に追い込まれていることも多く、急いで買わなくても問題ない。
更にその後の【ドニの町】で、より性能の高い【ロングスピア】が購入できるうえ、そのロングスピアが次の【なげきの亡霊】を倒すとすぐに【ホーリーランス】に強化できることもあって、あえてこちらを購入する理由はほとんどといっていいほどにない。
 
ただロングスピアは購入可能になった時点ではかなり値が張るうえに、単純に敵にダメージを与えるという意味では(上位のホーリーランスを含めても)当面は【ハイブーメラン】で十分という部分もある。
一方こちらは【とうぞくのかぎ】さえあれば【トラペッタ】の武器屋の宝箱から丁度二つの錬金材料がSETで揃うので、「とりあえず槍を持てていればいい」という場合はここで作ってしばらく持ち歩くのもいい。
ポツポツ出没し始める【メタルスライム】【一閃突き】で倒すなら、用いる武器の攻撃力は問われないので【メタル狩り】用の懐刀、ならぬ懐槍としての役目はキチンと果たしてくれる。
 
ちなみに、これとひのきのぼう2本を錬金するとロングスピアが作れるが、【錬金釜】がパワーアップするのはかなり後の話であるため、残念ながら物語進行に並行して作る手は使えない。
一応ロングスピアにしてから売れば、わずかな材料費で売却額が跳ね上がるため、作るだけ作っても損はしないが。

DQ9

攻撃力+17で450G。
【セントシュタイン城】【ベクセリア】で販売している。
今作の錬金で、これに【きんのロザリオ】×1でホーリーランスが、【てっこうせき】×1と【ようがんのカケラ】×1で【はがねのやり】ができる。

DQ10オフライン

主人公(【僧侶】【パラディン】)、【ラグアス】が装備可能。

-+1+2+3
攻撃力19212427
みりょく3456

【小国】にて550Gで購入することができる。
【ふしぎな鍛冶】でも作成可能。レシピは【中級鍛冶製作】に記載。
必要な素材は、【てっこうせき】x3、【どうのこうせき】x2。

DQ10オンライン

レベル14より装備可能。基本攻撃力は19。
詳しくはこちらを参照。

DQ11

【セーニャ】【マルティナ】が装備可能。うち直しに必要な宝珠は6個。

-+1+2+3
攻撃力24273034
武器ガード率1%

【サマディー城下町】や、その周辺キャンプの【旅の商人】などが販売。価格は750G。
【オーク】(強Ver含む)がレア枠で落とす。
ちょうどヤリを扱うセーニャが加入したばかりの時期に売っているが、初期装備の【せいどうのやり】から攻撃力7と引き換えに750Gの出費は考え物。
【おどりこの服】をはじめ他にも色々と出費がかさむ時期であるが、パーティメンバーとレベルの都合上しばらくはセーニャにも通常攻撃役に回ってほしい時期でもあるので、こまめに鍛冶や探索を行って資金に余裕ができている場合は買い与えてもいいだろう。

DQ11S

【希望の旅芸人】において、【ドテゴロ】【デニス】【モレオ】が使っている。
また【シルビア】がこれを放り投げて、落ちてきたら【パン】に変わっている…という芸を披露している。
どういう原理なんだろう…。

DQMシリーズ

スライム系に1.05倍ダメージ。攻撃力9。
参考までに、はがねのつるぎは攻撃力30、鉄のオノは23、アイアンハンマーは24。
同じ鉄製武器にあって、鉄のヤリだけ異様に弱いのだ。

少年ヤンガス

不思議のダンジョンシリーズでは今作で初登場。
少年ヤンガスでは直線2マスを一度に貫通攻撃する事ができる。
前作「トルネコ3」ではそこまでたいして強くないのに何故か激レアアイテムだった【ストレイトソード】と同じ特殊能力を持っている武器。
だが、今作では他の同時攻撃可能な武器が大幅に弱体化した事により、普通の片手剣等より役立つ場面が意外と多い。
【あやしの地下水道】という早めのダンジョンで入手でき、早い段階で入手できるとかなり楽になる。
同ダンジョンおよび、アイテム・ゴールド・仲間モンスターの持ち込みが不可能なダンジョンの【ガーゴイルの店】で見つけたら、多少無理してでも購入する価値はあるだろう。
特殊能力付きかつ全てのステータスにおいてこの槍の上位互換の【ウィンドスピアー】が入手できる頃にはお役御免となるが、序盤ではそれでも十分に強力。
ヤンガスのレベルが相応に高ければ、この槍でもモンスターを寄せ付けずに無双する事ができるだろう。

ヒーローズ1

【クリフト】専用のヤリ。
攻撃力:23、防御力:4。

ヒーローズ2

攻撃力21で店売りでは最も弱い槍。価格は880G。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.167
レアリティジャンク
カテゴリーヒストリー
コレクション武器
標準価格95,000G

余談

現実世界でも、銃砲以前の古典的な接近戦では槍を含む長柄武器の方が剣より扱いやすく優位とされることが多い。
単純に間合いが長いのに加えて、両手で持ちやすい上に梃子の原理で先端の速度も乗り、突き以外にどの方向で打っても同じダメージを与えられるため、戦い慣れない者が使ってもそれなりに威力がある。戦闘の心得がある者が扱えばなおさらである。
RPGという性質上ゲームに反映される訳ではないが、ドラクエのように少人数でモンスターを相手取る形式の戦闘であっても、暴れるモンスターを少しでも安全に、より遠くから突き刺したり叩いたりできるのは長柄武器ならではの利点だろう。このあたりは弓や鉄砲が登場する以前の原始的な狩猟にも通じる。
 
ドラクエでは国家に属する兵士の装備というイメージも強いが、史実でも槍は職業軍人の騎馬武者から、徴集兵による槍衾や隊列を組んでの叩き合いまで、剣以上に幅広く重宝されていたようだ。
日本史でも、活躍のあった7人を「七本槍」と讃えた賤ヶ岳の戦いなどは有名どころで、手柄の褒美など名槍をめぐる逸話も多い。「槍働き」と言えば戦の武功のことであり、先陣を切った勇士を「一番槍」と称するなど、槍は中世的な軍事の代名詞だったとも言える。