【ときのすな】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 04:55:51

概要

DQ4~7、スラもり1などの派生作品に登場する【道具】
時を操る力を秘めた砂。振りまくと時間を逆戻りさせることができる。
戦闘中に使用すると、少しのターンまたは戦闘開始時まで時の流れを巻き戻す。
 
道具使用する必要があるので、所持しているキャラが行動不能になったり、全滅したときには発動できない。
派生作品を別とすれば、シリーズを通じて希少な一品物。基本的に繰り返し使用可能だが、作品や機種によって使用制限がある。また、SFC版DQ6に限って使い切りの消耗アイテムとなっている。
 
DQ6・7では、イベントのキーアイテムとしても登場している。
強力な効果だが、上述のように制約もあり、使いどころを見極めるのは案外難しかったりする。クリアまで役立てる機会がなかったプレーヤーもいることだろう。
しかし、起きた出来事をなかったことにして、わずかの時間とはいえ過去に戻ってやり直すことができるというのはRPGといえど掟破りであり、ある意味では伝説の武具をも超えるほどのシロモノである。魔王サイドから「それは反則だろ…」という不平の声が漏れ聞こえてきそうだ。
 
そのような世界観やストーリーのシリアス性への影響を考慮してなのか、DQ8以降の作品では登場していない(3DS版DQ11および11Sでは一部の敵が使うことがあるが、味方は不可)。
 
DQ7やDQ11での例に見られるように、砂時計がイメージの元になっていると思われる。
実際にPS版DQ4の公式ガイドブックのように、「魔法の砂時計」と説明されている場合もある。砂時計は傾けて使うものなので、実際に戦闘で使用したときの「ふりまく」という動作と整合しない気もするが…。
 
作品によっては、【パルプンテ】で同じ効果が発生することがある。

DQ4

【滝の流れる洞窟】で手に入る。
入手には【かわきのいし】のほか、【まほうのかぎ】も必要となる。
【はぐれメタルのけん】など、この洞窟の他のアイテムは【さいごのかぎ】がないと入手できないが、このアイテムだけは例外である。
従ってボス戦では【キングレオ】から投入可能となる。
 
戦闘中に使うと使用したターンを含めて2ターンだけ(道具使用のコマンド入力をする1つ前のターンまで)時間が戻る。使ったときには戦闘画面全体が高速で何周もスクロールしながらフェードアウト・フェードインするという演出がある。
 
一度使うといったん【宿屋】に泊まらないと再び使えるようにはならない(セーブ・ロードしても不可)。
直前のターンまでしか戻らないこともあって使いどころは限られるが、強敵相手の戦いで態勢を立て直すための奥の手になりうる。ただし、残念ながら肝心要の【デスピサロ】戦では使えないという特殊な仕様なので要注意。
不意打ちで大ダメージを負ったときや、【ザラキ】で運悪く味方が死にまくったときなどに使うといい。
また、【メタル狩り】にもそれなりに役立つ。
基本的に【AI】は使ってくれないので、【勇者】に持たせておこう。
 
怒って痛恨モードになる【おおめだま】や怯える【アンクルホーン】は、これを使うとターン経過に関係なく必ず元の色に戻る。ただ、グラフィックが戻るだけでその状態が解除されるわけではないバグが発生する。
 
さらに【8逃げ技】に絡んだバグがあり、特定の状況下では2ターン以上戻る。

リメイク版

DQ7の仕様に変更され、【めいれいさせろ】の実装もあいまってぐんと使いやすくなった。
デスピサロ戦や「6章」の【エビルプリースト】戦でも使えるようになったが、最初の形態からやり直しになる。【悪の化身】が流れる段階まで行った状態で時の砂を使うと、悪の化身が流れたまま第一形態に戻る。
 
DS版ではターンの最後に行動したキャラが使った場合、効果を発揮しないバグがある。つまり、素早さの低い【ライアン】はまず使いこなせないため、素早い【アリーナ】辺りに持たせておくのが無難。
ちなみに、【海辺の村】で時の砂の情報を聞いたとき、この2人は両極端な意見を述べる。「卑怯な手でも勝つためなら使うのが一流の戦士」と言い切ったライアンよりも「時間を巻き戻すのは卑怯」と嫌悪感を露わにしたアリーナに向いているとは皮肉である。
また、このセリフは兵士として絶対に王や国民を守らなければならないライアンと、武闘家として武を極めんとするアリーナの考え方の違いがよく出たものだと言えよう。

DQ5

【ジャハンナ】の裏手の【カンダタこぶん】が持っている。
効果は基本的にDQ4と同じ。
めいれいさせろが登場したので、主人公以外のキャラに持たせて任意に使えるようになった分だけ若干使いやすくなった。

PS2版

ジャハンナの宝箱のアイテムが【ストロスのつえ】になり、登場していない。
ただしデータ上には残っている。

DS版以降

【暗黒のすごろく場】のゴール景品として復活。
DQ4のリメイク版同様に仕様はDQ7に準じており、格段に使いやすくなった。

知られざる伝説

DQ5【知られざる伝説】では、『時の砂物語』として、妖精族がときのすなを作ったことから始まり、のちにカンダタこぶんが持っている理由の伏線が語られている。
また、【妖精の城】の“あの絵”はときのすなで描かれた砂絵となっている。
 
ちなみに本編ゲーム内の妖精の女王の台詞では「妖精には時の流れを変える力はない」と明言されており、真っ向から矛盾している。
よくあるこの書籍独自の設定ということだろう。

DQ6

【ちいさなメダル】を50枚集めたご褒美で貰える。
 
戦闘開始時点まで戻るようになり効果が強化された…のだがそれと引き換えに一度使うとなくなってしまうというありがたくない仕様に。完全に一品物の超レアアイテムなのに…。
結局クリアまで使わない、あるいは使い切りであることに気づかず大したことない場面で消費してしまって後悔した人も。
 
プレイヤー心理ではなんとも使いづらい(もったいなくて使えない)アイテムとなったが、命懸けの冒険に臨んでいる主人公たちの目線で考えると、起こってしまった悪い現実をなかったことにしてやり直すことができるというのは途方もないメリットである。
それがたった一度きりだったとしても、やはり至高のアイテムなのだろう。この点、ゲームのプレイヤーとストーリーを生きる主人公たちで評価が分かれるだろうが…。
 
エンディングを迎えればセーブされないことを利用して、【デスタムーア】戦か(20ターン以内撃破が必要だが)【ダークドレアム】戦に使うのも有力。
なお、三形態との連戦になるデスタムーア戦では、使うと第一形態からのやり直しとなる。
 
本作ではイベントにも登場。
【カルベローナ】【ブボール】の家の前に撒かれており、部屋に入ろうとしても【無限ループ】に陥って入ることができない。
「ときのすなを入れるための専用の器」である【すなのうつわ】を使うことで解決する。

リメイク版

効果はそのままに使ってもなくならないように修正された。つまりDQ7と同じ仕様になったため、はるかに使いやすくなっている。

DQ7

表記は「時の砂」。
 
戦闘開始の場面まで戻してくれるうえに、前作とは違って使ってもなくならず繰り返し使用可能になった。
おまけにDQ4~5のときのような使用制限もないので、同一の戦闘中に何度となく使うことだってできる。
 
パーティのもっともタフなキャラに持たせておけば、ボス戦などでとても頼りになる。どれだけピンチに陥っても、そのキャラが行動可能な限りは戦闘を巻き戻して最初からやり直せるのだから。
……あまり使いすぎると戦いに緊迫感を欠いてしまいそうなので、ほどほどに使用するとか、ここぞという場面のための切り札にとどめたほうがいいかもしれない。
 
それにしても、時間を巻き戻すといっても主人公たちの目線でそれまでの記憶は引き継がれるのだろうか。
もし主人公たちといっしょに敵の方も記憶を保持して過去に戻るのだとすれば、主人公たちを追い詰めたと思ったところを何度でも巻き戻されてぬか喜びさせられるわけで、敵ながら不憫である。
 
【しょうかん】【げんま召喚】で目当ての精霊・幻魔を呼び出せるまで戦闘をリセットする、という使い方もある。
また、メタル狩りにも役立つ。メタル系モンスター討伐の成功率を大きく引き上げられるので、愛用するプレイヤーは多かろう。メタル系が複数匹出現したのに一匹しか倒せず、欲張ってこれを使ったら全員に逃げられた…なんてことも日常茶飯事。
戦闘中に種や木の実を使用し、時の砂で巻き戻して上昇値の吟味を行うというテクニックも使えるようになった。特にハードがPSの本作では、ハードリセットからゲーム再開までにかかる時間が長いうえにソフトリセットもないため、非常に有用性が高い。
 
前作に引き続きイベントのキーアイテムとしても登場。
【リートルード】の町が、同じ日が繰り返されるループにハマっていた直接の原因であり、【時の狭間の洞窟】【タイムマスター】が巨大な砂時計にこれを入れて時間を戻し続けている。
そしてこのタイムマスターのお供として出現する【マキマキ】が、戦闘中に使用してくる。
効果は味方側が使用した場合と同じで「戦闘の最初まで戻す」なので、運悪く連続で使われると戦闘がやたらと長引いてしまう。使用率自体は6%強と高くはないものの、2体で出現するため使われるときはとことん使われてしまう。
こちらが大ピンチに陥った際に使ってくれると逆に助かったりもするのだが、そんなときに限ってさっぱり使ってくれないのもご愛嬌である。使用者の立場からすれば当たり前だが。
このタイムマスターを倒すと、戦闘後に道具としての時の砂が手に入る。
 
なお【ニコラのメイド】に見せると、時の砂という名前を知っているうえに、見たことがあると宣う。一体どこで見たのだろうか?
 
3DS版ではこのアイテムを特定の状況下で使うと起こるバグが確認されている。詳細は【出現数バグ】にて。

DQ10

アイテムとしては登場しないが、あるクエストにおいて、特殊な魔法儀式の場として使われていた洞窟が儀式に適しているのは「周りの土に時の砂が含まれているから」とする考察が出てくる。

DQ11

世界の時の流れを見守る【忘れられた塔】では塔の上部から砂がこぼれ落ちており、往年のファンなら時の砂を連想するところ。仲間会話によるとこの塔自体砂時計がモチーフらしい。

3DS版・DQ11S

【カラーストーン採掘場】でDQ7と同じくマキマキが使用してくる。消耗品なのか、一度使うとその戦闘で再び使うことはない。
また3DS版でゲーム序盤のみ選択できる【きりかえ】は戦闘を最初まで巻き戻すことになるため、時の砂の代用としても使える。
 
11Sでは、【時の砂時計】が新しく登場した。追加された裏ボスに繰り返し挑むためのアイテムである。

DQM3

【進化の秘法】を完成させるための数千年を短縮させる為に【アグルカ】が作り出す。
これを【ベネット】がこっそり盗み出していた事が巡り巡って【ピサロ】の運命を変える事に繋がり、ベネットは「後で返す」と告げる。
なお一度巻き戻した後再びロザリーを選ぶと念の為にと複数盗んでいた事が明らかになる。

トルネコ1

読むとフロアに降り立った状態に戻る【時の砂の巻物】が登場している。トルネコ2以降には登場しない。

スラもり1

店で100Gで買える。消耗品とはいえ、他の作品での扱いを考えると恐ろしい事実である。
というか、こんなものを当たり前のように何個もストックしている店って…。
ステージで時間切れになったとき、これを持っていれば時間が朝に戻り、一度だけゲームオーバーを阻止できる。
他の作品との違いは、それまでにゴールドや資材や魔物を集めたという結果は反映される点。
つまり、これを持っていれば通常の2倍の時間ステージを探索できることになる。
新たなステージに行くときや、資材集めをする際に役に立つ。
 
スラもり2では【赤しっぽ】が登場せず、スラもり3では時間の概念自体が無くなったことから登場していない。

ライバルズエース

ソロバトルアドベンチャー専用アイテムとして登場。持っているとスタミナ消費なしで再戦できる。
デッキの順番が固定された状態で再戦できるのが特徴。ストーリーのボスで苦戦する場合はとりあえず粘って順番を見てからこれを使用するのがいいだろう。
ただしそれが一番ほしい試練の間では使えず、【はぐれメタル】などに逃げられた場合は勝利扱いなので対象外とそこまで強力ではない。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.60
レアリティトレジャー
カテゴリーレジェンド
コレクションどうぐ
標準価格5,800,000G

また、宝石オブジェに【ときのすなオブジェ】がある。

ロトの紋章

アイテムとしての時の砂は登場しないが、時の砂の呪文【サンズ・オブ・タイム】というオリジナル呪文が登場する。
賢者【カダル】が使用し、対象の肉体年齢を自由に操作できる(記憶はそのまま)。
これによって、カダルは100年以上も年を取らずに生き続けていた。

その他

【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】の姉妹版「1Pコミック劇場」の3巻にあるDQ5のネタとして、次のようなものがあった。

主人公の子供たちがサンチョの家の玄関前で、ときのすなを落として瓶を割ってしまった。
玄関前の地面に中身の砂がばらまかれてしまい、サンチョが帰ってきて家に入ろうとすると、何度も何度も元に戻されてしまう。

これはDQ6発売前に掲載されたネタなのだが、先述したDQ6のカルベローナで発生する現象と同じである。
 
一方、ダイ大でアバンがキルバーン戦で使用した「魔法の砂」は、その原理や使い方からして本質的に異なるものだが、結果的に不利になった戦闘の仕切りなおしに成功したという点ではよく似ている。
当時の読者の中には、時の砂が原作から輸入されて独自の理由付けがなされたものと解釈して読み進めた者も少なからずいたのではなかろうか。
なお実際にはルラムーン草から作られた魔法の砂であることが後に明かされる。
どちらかというとピロロがキルバーンにかけている謎の粉が時の砂っぽいかもしれない。