【とじこめ投げ】

Last-modified: 2022-11-29 (火) 21:40:28

トルネコ3

【くさった死体】系や【マドハンド】系のモンスターに、【とじこめの壺】を投げつけられること。
【トルネコ】【ポポロ】がとじこめの壺を投げることをこう呼ぶケースはまず無い。
 
操作キャラクターであるトルネコやポポロにとじこめの壺が命中すると、問答無用で冒険失敗となる。
外れることもあるが、もちろん当たる確率の方が高い。プレイヤー側が投げると必中であることを考えるとまだ温情措置と言えるか。
しかもHPが0になるわけではないからか、 【世界樹の葉】の復活効果も発揮しない。
世界樹の葉の効果に加えて、【ザオラルの巻物】や、仲間の【メガザルロック】【ポムポムボム】が使用する【メガザル】の効果も適用されないので、正真正銘の即死攻撃と言える。
 
当然、トルネコの仲間である【イネス】【ロサ】が閉じ込められても冒険失敗となる。
また、ポポロの仲間モンスターがとじこめ投げをくらうと、その時点で対象となった味方は即死扱いとなる。
ポポロ本人に投げられるよりかはよっぽどマシだが。
仲間モンスターが身代わりになってくれる可能性があるだけ、トルネコよりマシかもしれない。
 
プレイヤーに投げられると即死するアイテムとしては、とじこめの壺以外にも【ザキの杖】【ニフラムの巻物】があるが、これらは基本的に世界樹の葉による復活が有効である。
ザキの杖はいけにえのほら穴以外では普通に落ちていないし、ニフラムの巻物は異世界の迷宮31F以降で低確率でしか落ちていない貴重品である。
それに対してとじこめの壺は、比較的様々なダンジョンに落ちている上に、出現率も低くはない。
【バーサーカーのたね】【大砲の弾】など、モンスターに投げられると危険なアイテムは他にもあるが、やはり最悪なのはこのとじこめの壺であろう。
 
とじこめ投げの最も理不尽な点は「世界樹の葉が効かない」、この1つに尽きる。
「識別済みの世界樹の葉があるから大丈夫だろう」と油断していた多くのプレイヤーが、このとじこめ投げの餌食になった。
世界樹の葉の効果が適用されない死因は、他にも「フロアに長居し過ぎて【風】に飛ばされる」があるが、これはある意味フロアに滞在し過ぎたプレイヤーの自業自得となる。
細かいことを言うと、ニフラムの巻物・【しにがみの指輪】【ビッグモアイの石像】も世界樹の葉を無効にする即死を引き起こす可能性があるが(発生条件はそれぞれの個別ページを参照)、いずれも条件が特殊で滅多に起きないので、さほど気にするものでもない。
 
【バリナボチャレンジモード】なら、とじこめの壺が命中した瞬間にバリナボの村送りである。
ただし、バリナボチャレンジモードでは、世界樹の葉は限られた手段でしか入手できない。
なので、世界樹の葉を貫通するとじこめ投げは、相対的には通常プレイよりマシになっているとも受け取れる。

くさった死体系とマドハンド系のアイテム投げ 

くさった死体系は足元にあるアイテムしか投げないため、即座にとじこめの壺を投げられる可能性は低い。
部屋内で操作キャラを視認するとアイテムに向かって移動し、そのアイテムに乗った後に投げるという習性を持つため油断は出来ないが、マップを注視すればその動きを判断できるため、対処する数ターンの猶予がある分まだマシである。
くさった死体系統は寝ている状態で発生することが多く、起きている場合はアイテムが落ちていない通路を出歩いていることが多いので、この点でもマドハンド系統よりは多少対処しやすいと言える。
 
マドハンド系は移動しないが、周囲8マスにあるアイテムに手が届く上に、集団で大量発生するため、即座に投げられる確率が高い。
プレイヤーに隣接すると、手持ちのアイテムを盗んで投げるという特技も持つため、より危険性が高い。
上位種のブラッドハンドは、手招きをしてプレイヤーを引き寄せて強制的に隣接させるという技を使用する為、悪質にも程がある。
ただ、【アイテムぬすみ】に関しては、他の所持アイテムを荒らされる可能性はあるが、プレイヤーがとじこめの壺さえ持っていなければ大丈夫である。
 
最も警戒すべき点は、フロアに初期配置されているとじこめの壺と、上記のアイテム投げモンスターとの組み合わせである。しかし正直なところ、警戒していてもどうしようもないこともままある。

発生し得るダンジョン

幸いにも、どのダンジョンでも発生する訳では無い。
【不思議の宝物庫】【魔物の巣】では、そもそもとじこめの壺が落ちていないのでまず起きない。
【まぼろしの洞くつ】にはとじこめの壺が大量発生するが、マドハンド系やくさった死体系が全く出てこないので喰らう心配はない。
【投げ効果の石像】に自分でとじこめの壺を投げつける、とかいうマヌケなことをしなければ問題ない。
 
発生率はそこまで高くなく、普通にプレイをしていて喰らう可能性が高い場所は【いけにえのほら穴】のみ。
しかし、とじこめの壺と上記のアイテム投げを行うモンスターが発生するダンジョンならば、どこでも発生し得るため、早ければ【海竜島の遺跡】で喰らう可能性がある。
壺がとじこめの壺と【まものの壺】の2種類しか発生しない【邪悪な風穴】も危険で、ブラッドハンドが出現する12F~14Fは注意したほうがいい。
かなり低確率だが、【封印の洞くつ】【異世界の迷宮】でも起こりうる。
他に起こり得るダンジョンは、【遺跡の大空洞 北】【密林の墓場】【密林島の発掘場】がある。
当然【モンスターハウス】でも危険で、特にモンスターとアイテムが密集している小部屋タイプは危ない。
 
そもそもいけにえのほら穴は、出現モンスターがマドハンド系とくさった死体系オンリーで、出現アイテムも種類が少なく壺はとじこめの壺1種類しか発生しないという、滅茶苦茶とじこめ投げが起こりやすい環境になっている。
しかし、とじこめ投げ以外にも即死要素がオンパレードなダンジョンなため、とじこめ投げだけが理不尽というわけでもなく、よくある死因の一つに過ぎない。
いけにえのほら穴は持ち込み不可ダンジョンなので、喰らってしまったとしても失うアイテムは大したものではない。
 
邪悪な風穴などのクリア前ダンジョンであれば、とじこめ投げを喰らってもリセットしてしまえばロストしたアイテムを取り戻せるので、まだマシである。
しかし、封印の洞窟や異世界の迷宮で起こってしまったら、失ったアイテムは取り戻しようがない。
特に封印の洞くつは持ち込み可能ダンジョンなため、これまでに蓄えてきたアイテムや鍛えてきた装備を一瞬にしてロストしてしまう可能性がある。
【クロウアンドレア】等の貴重品をこれでロストしてしまったら、コントローラーを投げたくなるだろう。
 
異世界の迷宮はマドハンド系・くさった死体系モンスターの出現階層が限られており、彼らが出現する階層は26~35Fと66~70Fのみ(【ゾンビゾーン】【バーサーカーゾーン】【爆ゾーン】)。
合計15フロアあるので油断はできないものの、実際にとじこめ投げが異世界での死因となったという話はあまり聞かない。
異世界の迷宮での死因は、大部屋モンスターハウスだったり、開幕での【石像】事故だったり、仲間モンスターの【裏切り】だったり、【ダースドラゴン】だったりすることが多く、そこまでとじこめ投げに警戒する必要はない。
とじこめ投げに気を取られすぎて、他の難点の対策を愚かにするのも考え物である。
 
一方、封印の洞くつはマドハンド系とくさった死体系が広く分布している。
全階層に出るわけではないが、5F~83Fの間で随所随所に出現するため、どの階層に出現するか把握しづらい。
また、このダンジョンはアイテム持ち込みが可能なので、あらかじめ大量の世界樹の葉を持ち込めば、冒険失敗になる恐れはほとんど無くなるのだが、その中で唯一の不安要素となるのがこのとじこめ投げである。
さらに封印の洞くつには【ようがん石】ばかり落ちており、マドハンド対策に有効な【魔法の石】があまり拾えない。
 
とはいえ、異世界や封印は出現アイテムの種類の総数が多いため、とじこめの壺をピンポイントで投げられる確率は低い。
とじこめの壺の出現率は低くはないと言っても、【保存の壺】などに比べれば出にくいし、1度の冒険で何十個も見つかるほどの出現率ではない。
ダンジョンに発生する数百種類のアイテムからとじこめの壺を引き当て、さらにそれがマドハンド系やくさった死体系の近くに配置される」というかなりの不運が必要なため、封印の洞くつや異世界の迷宮でとじこめ投げが発生する可能性はかなり低く、実際に封印や異世界での被害報告はそこまで多くはない。
少なくとも、シナリオを1周するだけ、封印の洞窟を1度99Fまで行くだけ、ならとじこめ投げに遭わないことの方が多い。
ほとんどのプレイヤーはいけにえのほら穴でしか喰らったことがないと思われる。
しかし、封印の洞くつや異世界の迷宮で万が一喰らってしまった時のショックは大きいだろう。
 
ちなみに、とじこめ投げに遭遇した事実は【冒険の履歴】に載る。
いけにえのほら穴に繰り返し挑戦していれば、とじこめ投げは嫌と言うほどくらうので、履歴を埋めること自体は簡単。

対策方法

確実な対策として、【みかわしの指輪】【はね返しの指輪】があれば防げるが、この2つの指輪は不思議の宝物庫の深層でしか入手できないレアアイテムで、簡単に入手できる代物ではない。
シナリオクリア前や異世界の迷宮ではどちらも入手不可能なので、確実な対策は不可能である。
 
シナリオクリア後や封印の洞窟なら、上記の2種類の指輪を入手してダンジョンに持ち込むことで確実な対策は可能。
しかし、不思議の宝物庫は封印の洞窟よりはるかに難易度が高く、不思議の宝物庫で対策になる指輪を入手してから封印の洞窟の初クリアに挑む、というのはあまり現実的ではない。
まずは封印の洞窟98Fの【宝物部屋】【ロトのつるぎ】を入手し、次に不思議の宝物庫95Fの宝物部屋の跳ね返しの指輪の入手を狙うのが現実的。
封印の洞窟を何周もプレイするつもりなら、宝物庫もクリアして上記の指輪を早めに入手しておきたい。
何度もダンジョンに挑戦していれば、とじこめ投げの発生率もその分だけ上がってしまうので、【ベビーフォーク】【ホワイトクロス】などを目当てに封印の洞窟を何周も周回するような場合は、あらかじめ宝物庫で身かわしの指輪か跳ね返しの指輪を入手しておくと良い。
 
基本的な対策としては、ダンジョンに落ちているとじこめの壺を発見したら、即座に叩き壊すこと。
マドハンド系やくさった死体系が出現するフロアでとじこめの壺を発見した場合、早急に割って処分しよう。
放置すると後からモンスターが配置される可能性もあるし、持ち歩いても盗まれて投げられる可能性がある。
プレイヤーがとじこめの壺を発見する前に投げられてしまったら仕方ないが、プレイヤーが先にとじこめの壺を見つけたら叩き割ってしまえばよい。
とじこめの壺が出現するどのダンジョンでも行える基本的な対策なので、諦めずに発生率を下げる工夫をしよう。
 
マドハンド系が出現するフロアでは、アイテム盗み対策としてとじこめの壺は持ち歩かない、これも基本。
とじこめの壺は投擲アイテムとしては強力だが、即死のリスクを抱えてまで持ち歩くものではない。
売っても大したお金にはならないし、命とお金どちらを取るか、分かり切った事である。
 
その他の対策としては、【透視の指輪】【レミーラの杖】【レミーラの巻物】でマップを確認して、マドハンド系と思われる赤い点の集団に青い点(アイテム)が隣接していたら入るのを避ける(ただし透視・レミーラではアイテム位置は映らない)、魔法の石で先に倒す、【ひきよせの巻物】でアイテムを回収する、ポポロなら仲間モンスターを突っ込ませて捨て石にする、といった方法が挙げられる。
 
開幕と同時に部屋内にマドハンドと隣接する壺が見えた…という場合でも、1ターンの猶予はあるので手持ちのアイテムとじっくり相談すべき。
部屋が広い場合でも、マップを注意深く確認すれば投げられる危険性があることに気付けるはず。
とはいえ、いちいちそこまで気を使うのも手間がかかる上、透視が手に入らずレミーラ系アイテムも希少である異世界でチェックを行うのは厳しい。
 
実際はここまで神経質にならなくてもよく、
・プレイヤーはとじこめの壺を決して持ち歩かない
・落ちているとじこめの壺を見つけたら、即座に叩き割る
この2点を厳守するだけでも、とじこめ投げの発生率は大幅に下げられる。
それでも喰らってしまったら、運が悪かったと諦めよう。

総評

その理不尽さと対処不能さから、不思議のダンジョンシリーズ史上最悪の攻撃と言われ、本作をプレイしたことのない人にもとじこめ投げの恐怖が伝わっており、トルネコ3がマゾゲーであるという認知にも貢献している。
そればかりか公式パーフェクトガイドの電話相談室コーナーでも、とじこめ投げの理不尽さを自虐ネタにする始末である。
マドハンド系やくさった死体が出現するダンジョンにはとじこめの壺を配置しないようにしていれば、少しはトルネコ3の評価は違っていたであろう。
 
いけにえのほら穴以外での発生率はそこまで高くなく、このとじこめ投げだけがトルネコ3の難易度を物凄く上げているという訳でもない。
仮にとじこめ投げがなくても、まぼろしの洞窟や不思議の宝物庫の難易度には全く影響しないし、異世界の迷宮も相変わらず極悪ダンジョンとして恐れられていただろう。
ただ、低確率ではあるが様々なダンジョンで起こり得るため、全く気が抜けないゲームにしている要因の一つというのもまた事実である。
 
一部のバランス調整や仕様変更が入ったGBA版でも健在な仕様だったが、さすがに少年ヤンガスではオミットされた。
 
最後に、悪いのはマドハンド系やくさった死体系であり、とじこめの壺自体に罪はない、ということを心に留めておこう。

余談

とじこめの壺は『風来のシレンGB2』及びそのリメイク版『風来のシレンDS2』にも登場するアイテムだが、シレンGB2でもプレイヤーに投げられると即死するのかは不明。
というのも、シレンでとじこめの壺が登場するダンジョンは「壺の洞窟」くらいで、このダンジョンにはアイテムを投げてくるモンスターが登場しない。
少なくとも、リメイク版のDS2ではプレイヤーに投げられても即死することはないようだ。
そのため、プレイヤーへの即死効果はトルネコ3で独自に付け加えられた可能性が高い。
プレイヤーに不利な効果をわざわざ付け加えるあたり、本作の難易度を上昇させようというスタッフの意気込みが窺い知れる。
 
ちなみに、その他のシレンシリーズでは「壺われずの巻物(=【壺強化の巻物】)を読んだ特定の壺を投げられると、復活の草が発動せず冒険失敗」という即死要素があった。
・壺われずの巻物を読んだ「手封じの壺」を投げられる(シレン2)
・壺われずの巻物を読んだ「やりすごしの壺」を投げられる(アスカ見参)
ただ、どちらも意図的にそのアイテムを作って捨てなければ起こらない事故なので、とじこめ投げよりはずっとマシである。
上記の2つは「【われない壺】に閉じ込められる」という分かりやすい死因だったのだが、割れるはずの本作のとじこめの壺でどうして即死してしまうのかは不明。
とじこめの壺は内側から壊せない仕組みになっているのだろうか?