【みなごろしのけん】

Last-modified: 2024-03-21 (木) 05:00:43

概要

DQ4~DQ7に登場する魔剣。
敵に対しても所持者に対しても滅亡をもたらすと言われる、まさに敵も自分も皆殺しという剣。
見た目は髑髏などがあしらわれており、いかにも禍々しい。
高い攻撃力を誇る上にDQ5以降は全体攻撃が可能という強力な武器だが、装備すると守備力が0になってしまうという強烈な呪いがついている。
守備力が「0倍」になる仕組みなので、どんな防具を身につけていても守備力の面では無駄になる。
ただし防具の耐性は無効化されないため、この剣を装備する際は防具の耐性を重視しておきたいところ。
特技の【みなごろし】は敵も味方も皆殺しかねない技だが、(装備者が混乱しない限り)この武器によって味方が殺されることは無いので安心。使用者は敵に殺されかねないが。
 
デザインは【てんくうのつるぎ】を禍々しくしたような見た目で、特に先端の形状は非常に似ている。天空三部作のすべてに登場していることから何らかの関係性が示唆される。
また、いずれの作品においても【主人公】【伝説の勇者】が装備できないという共通点がある。
 
色違いとして、【じごくのやいば】が存在する。

DQ4

攻撃力120。
非売品でドロップもない完全なる一点もの。6種の中でドロップのない本作唯一の呪い武具。
【ライアン】【トルネコ】が装備可能。
道具使用で「けんは ぶきみな うめきを あげた!」というメッセージと共に【ルカナン】の効果が発生する。前作【くさなぎのけん】と全く同じ効果である。
【勇者】が装備できない唯一の剣且つ呪い装備。
本作の勇者は【バトルアックス】【まじんのかなづち】といったもっと重そうな最重量級の武器をライアンと同等に装備できるだけに、別にそこまで重そうでもないこの剣を装備できないのは呪いの弊害なのだろう。
こういう設定の装備品は他に【モーニングスター】があるのみだが、どちらも需要は少なく、装備できないお陰で勇者がルカナン効果を使うとき誤って装備してしまう可能性がないのでむしろ安心という見方もできる。

また本作では呪い武具のほぼ全部が勇者とライアンしか装備できないので、トルネコが装備できるというのも珍しい。トルネコが装備できるのもこれと【じゃしんのめん】のみであとの5人は邪神の面しか装備できない。
さらに言えば、道具使用で特殊効果(しかもプラスの効果)のある呪い装備というのもシリーズ通して大変珍しい。というか歴代でもこれだけである。
 
【コナンベリー】のものものしい開かずの部屋の宝箱に入っているが、入手するには【さいごのかぎ】が必要となる。
 
上記の通り道具として使うとルカナンの効果を出せるため、呪われているからと言って安易に売っ払ったりするのは勿体ない。とりあえず勇者に持たせておこう。もっとも売ったところで150Gと金策にもならないが。
勇者以外のメンバーに直接指示を出せない5章で守備力低下を任意に狙うには、【モシャス】を使って【ブライ】【マーニャ】に変身して【ルカニ】を使うか、これを道具として使うしかないので、道具としての利用価値は高い。攻守力が高い上に【せいじゃくのたま】でこちらの呪文を封じてくる【ピサロナイト】戦では特に重要なテクニック。本作の雑魚としては珍しく守備力が高い上に黒い霧で呪文を無力化してくる【よるのていおう】【デーモンスピリット】【スカラ】で大幅に守備力を高めてしまう【ライノソルジャー】【だいまどう】相手にも重宝する。
 
武器として使うなら話は別である。冒頭に述べたようにこちらの守備力が0になるという強烈な呪いがつく。
その攻撃力は真の力を解放した【てんくうのつるぎ】をも凌ぐが、守備力0倍のデメリットが大きく、装備する際には相応の準備や覚悟も必要となってくる。
 
装備させて使う場合には、狙われにくい最後尾に配置して守備力0のデメリットを軽減するか、むしろ逆手にとって、【やいばのよろい】を装備させて先頭に立たせ、反射ダメージを上昇させる方法がある。
これでボスにより多くのダメージを与えたり、意外な【メタル狩り】の方法として【はぐれメタル】【メタルキング】を即死させることも可能となる。
後者の利用法ならHPの高いライアンの方が相性が良いし、後列に配置する場合も、防具の耐性は無くならないことを利用し、ライアンに装備させて耐性防具(【まじんのよろい】【ドラゴンシールド】など)と併用する方が比較的効率が良い。
ただ、ライアン・トルネコ共に【きせきのつるぎ】【はぐれメタルのけん】といったノーリスクで強力且つプラス効果のある武器を装備できるため、守備力を犠牲にしてまでこの武器を利用するのはメリットに乏しく、通常プレーではそれほど実用的ではない。
また、一度装備させると【のろいをとく】で消滅させるしか外す方法がなく、さらに魔神の鎧などの呪い武具と同時に装備していた場合、解呪の際にどちらか一方を任意に選ぶことはできず、道具欄の上の方の装備が先に消える。(もう一方は外れない。)
一度装備すると呪い武具同士を後から並び替えることもできないので注意。
勇者以外のキャラに装備させるとルカナン効果を任意に使えなくなるデメリットもあり、装備させるかどうかはプレイスタイルにもよる、というか趣味の領域だろう。
高レベル帯でHPが爆発的に伸びるトルネコと相性がいいという意見もあるが、裏ボスもいない本作でそこまでレベルを上げること自体がもはやただの趣味である。
 
余談になるが、TAS動画ではトルネコの組み合わせが輝く。
手軽に手に入るうえに攻撃力が高いので、【ちからため】→商人軍団呼びとの相性が抜群に良い。
攻撃される前に瞬殺するか、攻撃されても回避するのが前提なので、守備力×0のデメリットなど関係ない(むしろ【デスルーラ】がやりやすくなるメリットがある)。
これらで攻撃しつつ、口塞ぎや足払いでボスのやっかいな攻撃を妨害する様こそ、肩書きの頭文字「ぶ」が「武器屋ではなく武神の“ぶ”」と言われる所以である。
 
なお、FC版において通常プレイでは不可能だが、チートコードを利用して複数この剣を所持した場合、守備力が0になる効果を打ち消すことができる。(詳しくは【ステータス倍率消失バグ】を参照。)
とはいえ、そこまでするぐらいなら攻撃力でも10上回り、メタル系に必中2ダメージというオマケもあるはぐれメタルの剣を複数所持したほうが、全然効果的。
もし皆殺しの剣が唯一品でなかったなら、リメイク版のピサロのように、ライアンやトルネコにとって強力な武器になり得ただろう。

リメイク版

ライアン・トルネコ・【ピサロ】が装備可能。
ピサロは呪い装備のデメリットを無効化できるため、彼にとっては普通に強力な武器となる。
【まかいのつるぎ】入手までの優秀な繋ぎとして活躍してくれるだろう。
 
ただし、DS・スマホ版ではバグにより初期装備の【はやぶさのけん】【ドラゴンぎり】【メタルぎり】を使用した方が単体へ与えるダメージは高くなる。
逆に複数の敵に対して【ムーンサルト】を使用する場合、隼の剣よりこちらを装備した方がダメージは高くなるため、敵が単体か集団かで使い分けてみるのもいいだろう。
 
FC版ではルカナンの効果が守備力の「現在値の50%を下げる」だったが、リメイク版では守備力の「初期値の50%を下げる」に仕様変更されており、ルカナンとこれをセットで使うことで複数の敵の守備力を一気に0まで下げられる。
また、【めいれいさせろ】の導入により、誰に持たせてもルカナン効果を任意に使えるようになった…が、同時に補助呪文も任意に使用できるため、むしろ需要は減っている。
本作のモンスターは全体的に守備力が低く、ボス以外は終盤でも守備力が2桁台に留まっている雑魚が大半のため、わざわざ守備力を下げずとも前衛キャラが普通に殴るだけで何とかなる場合がほとんどである。
ボス戦なら一発で守備力0まで下げられるルカニの方に軍配が上がる。
また、【謎のダンジョン】では【ギガデイン】【イオナズン】が有効な敵も多いため、グループの守備力を下げている暇があったらこれらで一気に蹴散らしてしまった方が早いだろう。どうでもいいことだが、本作ではFC版でブーメランやモーニングスター等、後の作品で複数攻撃武器のイメージがついてしまった武器をクロスボウやホーリーランスのように別の武器に置き換えることでFC版のバランスを維持しているが何故かこれだけはそのまま出ていて、攻撃範囲も単体のままである。置き換えるふさわしい武器がなかったのだろうか。一品物のうえ呪い装備なので他作品同様全体を攻撃できるようになってても良かった気はするが……。

DQ5

完全な一品物で、【謎の洞窟】の宝箱に入っている。
売値はSFC版では562G、リメイク版では375G。SFC版の売値があと2G高ければ組み合わせて「みなごろし(37564)」だったのに…惜しい。
 
人間キャラではサンチョとピピン、仲間モンスターでは【スライムナイト】等の剣士系、【メッサーラ】等の悪魔系、および【キラーマシン】【装備グループ】が装備できる。
攻撃力95と時期の割に微妙だが、この作品から全体攻撃になった上、本作では呪い装備を自由に外せるので2個目の破壊の鉄球として使うのもあり。
先手を取れるメンバーが敵の集団を全滅させる自信があるなら、普段は装備せず、攻撃するときだけこれを用い、終わったら外せば、長所だけを活用できる。
こうした多少のマネジメントが必要だが使いどころはある。
ピピンと悪魔系、キラーマシンと【ヘルバトラー】は破壊の鉄球を装備できないので、彼らをパーティーに入れているならこの武器の有用性も高まるだろう。
もちろんボス戦ではほぼ無意味。エスタークと戦う前には外しておくこと。
 
また、守備力0になったのを逆手に取って【やいばのよろい】によるカウンターダメージ増幅でメタル狩りに利用するのも手。
だが、これを装備できるキャラは皆【はめつのたて】を装備できる上に、全体攻撃の特性はメタル狩りとは相性が悪い。呪文などの被ダメージが増えないのは強み。
仲間狙いのときなどは、他のモンスターの露払いのため素早いキャラに装備させるのが効果的。

DQ6

なんと【欲望の町】で普通に売っている。お値段は実に29000Gというとんでもない価格。ボッタクリとしか思えない。
人間キャラでは【ハッサン】【テリー】【アモス】、仲間モンスターでは【スライムナイト】等の剣士系、【くさったしたい】等の亜人系、および【ドランゴ】を含む重戦士系の【装備グループ】が装備できる。
攻撃力95、かっこよさ15だが、隣町に行けば攻撃力105で呪われない【ふぶきのつるぎ】を21000Gで売っている。スライムナイトの装備グループ以外は全員そっちを装備できる。
しかも、この武器が入手できる頃になると、前衛キャラはすでに物理攻撃系の範囲攻撃・全体攻撃の1つや2つは使えるようになっているため、この攻撃性能もあまり頼りがいが無い。
一応、無属性で攻撃力依存の全体攻撃は【ムーンサルト】に限られるが、代替特技が存在するという時点で不遇。
敵では【ブルサベージ】が稀に落とす。売値は21750Gなので、運良く落としてくれれば良い換金アイテムとなる。
 
なお、全体攻撃武器の中では(入手が難しいはかいのてっきゅうを除けば)一番攻撃力が高いので、本体が物理攻撃を行わず【ザオリク】を唱える【ひだりて】を先に倒さなくてはいけない【デスタムーア】とは相性がいい…ということは全然なく、【バイキルト】【きあいため】の効果が初撃にしか乗らないのに当たるのは本体→左手の順になっており、ダメージ減衰の仕様によりさらにダメージが小さくなるため、まるで話にならない。
こんなことでは守備力0のデメリットを到底カバーできない。
本体だけになればデメリットを無視できるが、これでは全体攻撃の意味がない。

リメイク版

基本性能と装備者の面で完全に【はかいのてっきゅう】の下位互換なので、やいばのよろいによるカウンターダメージ増幅といったテクニック以外に使い道はほとんど無くなる。まあ、そもそも本作でははかいのてっきゅうを手に入れるのが難しいが。

DQ7

【ラッキーパネル】および【まかいファイター】(1/128)か【ナイトキング】(1/256)のドロップのみとレアアイテム化。
 
性能はDQ6据え置きで、入手する時点では微妙な数値の上、アイラしか装備できない(データ上はキーファも装備可能だが、これを入手できる時点では仲間から外れている)。
一応、アイラが装備可能な数少ない全体攻撃武器であるという特徴はあるのだが、装備を変更するために呪いを解くと消滅してしまうので気軽に装備できない。
 
偶然ポロリと手に入ったならともかく、こんなものをわざわざ狙ってまかいファイターを狩るくらいなら、コインを溜めて【はかいのてっきゅう】を手に入れた方が良いのは間違いない。
アイテムコレクター以外には無用の長物。
売値は14500Gとそこそこあるが、これが出るラッキーパネルでは同じく使えない装備でもっと売値が高い【はかいのつるぎ】が出ることがあるのでその意味でも微妙。
何のために続投させたのかがわからない武器になってしまい8以降では削除されてしまった。

リメイク版

トクベツな石版【いわくつきの廃墟】の初回クリア報酬になっているほか、ドロップする敵に【トクベツなモンスター】【やみのしょくだい】が追加された。
 
性能に関しては何も変わっていない。
呪いを解いても装備品がなくならなくなっているので気軽に装備できるようにはなった。
 
移民の町のカジノが狙わなくても登場してくれるようになった上、すれちがい石版を利用して集中的に金稼ぎをしてコイン30万枚を金で買うことさえ難しくなくなっており、ますます「わざわざこれを使う意味」が無くなってしまった。
 
すれちがい石版で早期に入手すればキーファに装備させてやることも可能。
もっとも、魔法や特技の習得が制限されるダーマ解放前にクリアするのは非常に困難な上、
あるレベルから防御力が爆発的に上昇する彼にとってこの武器の呪いは相性が最悪。
キーファを離脱させない縛りをする場合においても、使いどころは非常に限られるといえる。

タクト

2021年7月16日開催の1周年イベント「ドラゴンクエストVIイベント」にて、Sランク武器として登場。「海底の宝物庫へ!」で入手可能。
基本値 : HP+30・こうげき力+30
特殊効果 : しゅび力-40
錬金候補 : こうげき力+12・HP+54・すばやさ+17 他

アベル伝説

作中に名称は出てこないが、【カードダス】の装備欄によると【オルテガ】の持つシンプルな意匠の大剣がこれ。
これと投擲用のハンドアックスを駆使してアベル一行を大いに苦しめた。
だが、呪いの兜に抗うオルテガの精神力とアベル達の機転・奮闘により、作中で描かれる限りついに誰一人この剣で殺められることはなかった。