【わはははは! こりゃまた けっさくだべ!】

Last-modified: 2023-07-24 (月) 19:53:46

DQ5

【カボチ】での魔物騒動解決後に村長の家の前にいる男性に話しかけると、以下の台詞を述べる。

*「わはははは!
  こりゃまた けっさくだべ!
*「あんた 化け物と
  グルだったとはな!
*「あんたも うまい商売を
  考えたもんずらよっ。
*「とにかく 残りの礼金を
  もらったら とっとと
  村を出て行ってくんろよ。

 
事の起こりは、ここの住民の1人が、畑を荒らす魔物退治を依頼した主人公と、村の畑を荒らしていた魔物こと【キラーパンサー】が仲良く一緒に行動している姿を目撃したことで、村の住民の多くが「彼らは共犯だ」と誤解してしまったことによるもの。
このことは、主人公がキラーパンサーを仲間にしてからカボチに戻ったころには村中に知れ渡る。
【魔物のすみか】の奥でキラーパンサーを仲間にした直後に馬車の中に入れっぱなしにし、馬車の外に出さないようにしたままカボチに戻ったとしても、「主人公がキラーパンサーを連れて歩いているところを目撃した」という趣旨の台詞を述べる住民も出てくる。いつ、どうやってその現場を見たんだ?
カボチに戻ると、ほとんどの村人から罵声、あるいは恐怖を向けられることになるが、その中でもとりわけ悪意と皮肉が込められた台詞である。そもそもこの男、主人公一行に対して初めから疑いの目を向けていた節があるので、「それ見たことか!」という心境だったのだろう。
 
嫌悪感を剥き出しにしつつも村長は一応約束の報酬は渡してくれるが、彼らにしてみれば「主人公(一行)=村にたかりにきた恐ろしい魔族か何か」であり、これ以上厄介なことになる前に金を払ってでもさっさと追っ払いたい、と思われているようである。
「事情を説明しようとしても村人は聞く耳を持ってくれず、報酬の受け取りを断ろうとするも押し付けられて追い出された」とみるのが自然か。
どうせ説明も謝罪もできない以上、キラーパンサーを仲間にしたあとは静かに立ち去るのが一番かも知れないが、「助けて貰ったのに恩知らずな村人」と取るか、それとも「迷惑をかけたうえに不当な利益を平然と懐に入れる主人公」と取るか。DQ7の【レブレサック】ほどではなくとも、多くのプレイヤーが不快感を覚えたことだろう。
いずれにせよ、後味の悪い展開と言える。
 
一方で、主人公が悪意ある人物であるとは考えていない住民もおり、村にいる1人の少年や、村長の家の2階にいるおばさんに話しかければ、その時の嫌な気分も少しは薄れるかもしれない。
 
補足しておくと、当時のカボチ村は不作続きな上に野菜まで食われて姥捨てによる口減らしもしなければならない程の飢餓寸前の状況にあり、畑だけでなく住民の心もかなり荒れていた。そんな状況からかろうじてこしらえた3000ゴールドは決して安いものではなく、自分たちを餓死から救うためのなけなしのお金。それを食糧の買い付けではなく魔物退治に使わなければならないほどに悩まされていたのだ。
そんな中、自分たちが藁にもすがる想いで「魔物を退治して欲しい」と依頼した相手が、その魔物と仲良く姿を見せたとしたら…。
さらに「ならずものに金を奪われそうだったのを助けられたから信頼した」という前編まで加えると、実はこれも「仕込み」であって、「普通に奪うこともできたくせに、金を騙し取るのみならず、平然と恩まで押し付けようとした悪質な詐欺師」と思われるだろう。
普通なら「よくも騙したな!」と食って掛かるところだろうが、ここまで仕組まれると彼らの場合はもはやあきれ果てて笑うしかなかったのだろう。
 
もちろん、畑荒らしは野良と化したキラーパンサーが勝手にやった行為なので、このこと自体は主人公一行には過失も非難される筋合いも無い。
元はといえば、カボチを貧乏にさせる間接的な原因をこしらえた【ラインハット太后】および【ニセたいこう】が、さらにはベビーパンサーを野に放った【ゲマ】が悪いのだが。さりとて主人公はキラーパンサーとは無関係ではない以上、まったくの潔白とも言い切れない。
普通、人間と魔物(それも獰猛な魔獣)が仲良くなるとは考えづらいので、事情を知るはずもない彼らがこう思うのも仕方ないかもしれない。その証拠に、幼年時代の主人公がベビーパンサーを仲間にしたのち、【妖精の村】にいる老人から「キラーパンサーが人間になつくとは信じられん」と言われるし、【古代の遺跡】では、ヘンリーをさらった賊の1人から「キラーパンサーを連れているからお前も魔族だな」と言われる。

 
リメイク版では、村長の家の2階にいるおばさんと話してから、会話システムで【ビアンカ】と話すと「カボチの住民を餓え死に寸前まで追いつめたのは事実」と述べている。
また、CDシアター版では【マーリン】が「畑を荒らしたのは事実」と発言している。
直接の責任は無いにせよ、一応の非はあるのだということは主人公たちも理解していたようだ。
 
なお、青年時代後半にカボチを訪れると、村は豊作が続いているようで、主人公たちに対する反応もとても穏やかなものに変わっている。
村長も、かつて主人公を一方的に疑い、咎めたことを後悔している様子が、話しかけた際の台詞で分かる。
自分たちの過去の過ちを反省できる分、少なくともレブレサックのイベントなんかよりは遥かに穏当なものとなっている。
 
ちなみに、キラーパンサーの加入イベントを青年時代後半に実行し(加入させるのは青年時代前半でなくても構わず、いつでも可能)、仲間にしてから村に戻ると、前述のような辛辣な言葉を浴びせられるものの、そのあとに村から出て、その直後にもう一度村に入り直した途端、村人全員の態度が180度変わっているというちょっとおかしな展開となる。
キラーパンサーの加入および【パパスのつるぎ】の入手は後でもいい、というプレイヤーはこれを試してみるのもいいかもしれない。
リメイク版では、後半に加入する仲間にもきちんと台詞が用意されており、特に【ピピン】の普段は見られないマジな反応は必見。