DQ5
【アームライオン】の仲間モンスター。
敵時の手強さとは打って変わった性能から、ガッカリ仲間モンスターとしてよく挙げられる。
色違いのボスモンスターの【キングレオ】はモンスターズシリーズで圧倒的な強さを誇ったが、こちらは見かけ倒しもいいところである。
仲間になる確率
1匹目 | 2匹目 | 3匹目 |
---|---|---|
1/32 | 1/64 | 1/128 |
仲間になったときの名前
1匹目 | 2匹目 | 3匹目 | 4匹目 | |
---|---|---|---|---|
SFC版 | アムール | シンバ | ノボル | ライアン |
PS2版 | オホリン | |||
DS版 | イシクロ |
1匹目の名前はそのまま種族名のもじり……だと思われるが、これではライオンではなく虎である。
果たして狙ったのか偶然なのか。
また2匹目を仲間にした時の名前のシンバはスワヒリ語でライオンを意味する。
ライオンでシンバと言えばアニメ映画『ライオン・キング』の主人公だが、あちらの公開は1994年6月24日なのに対し、こちらは(SFC版)1992年9月27日なのでこっちの方が先。
そして、同じ天空シリーズであるにも関わらず4匹目を仲間にした時の名前が【ライアン】である。
互いに特に関連性も無く、ライアン自体よくある名前ではあるが、わざわざ被せなくともと思わずにいられない。
実際のところは「アームライオン」を並べ替えただけなのかも知れないが、他の仲間モンスターにも【リバスト】という例があるのでやはり意識して被せた可能性が高い。
ちなみに、英語のRyan(ライアン)とlion(ライオン)の母音部分の発音は全く同じであり、日本人の耳にはどちらもライアンと聞こえる。
覚える呪文・特技
ステータス
Lv | 力 | 素早さ | 身の守り | 賢さ | 運のよさ | 最大HP | 最大MP | 経験値 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初期 | 3 | 91 | 58 | 72 | 6 | 32 | 83 | 0 | 1140 |
途中 | 15 | 105 | 83 | 80 | 20 | 48 | 190 | 20 | 109764 |
最大 | 30 | 120 | 108 | 83 | 30 | 60 | 310 | 60 | 457934 |
耐性
強度 | 属性 |
---|---|
無効 | ザキ・麻痺、マホトーン、マホトラ、休み |
強耐性 | メラ、ヒャド・吹雪、ラリホー、マヌーサ、メダパニ、毒 |
弱耐性 | ギラ・炎、イオ、ルカニ |
無耐性 | バギ、デイン、メガンテ・体当たり |
解説
初期ステータスはそこそこだが、加入時期からすると初期HPが低すぎるので即戦力からは程遠く、そもそもかしこさの都合で初期レベルでは命令を聞かない。
そして、装備等による補正なしで賢さが20を越えるのに必要な経験値が10万以上であり、【ホークブリザード】に次いで非常に遅い。
エルヘブンで購入できる【ちりょくのかぶと】を与えれば賢さが補正できるが、前述の通りどうせ即戦力にはならない。
常時金欠気味になる青年時代後半で、非常に高額なこれを急いで彼に買い与える価値があるかと言うと……。
というわけで、最初は馬車の中に入れてじっくりとレベル上げを行った方がいいだろう。
仲間にできる場所は【デモンズタワー】の高層階限定で、仲間になる確率自体も決して高くないので、普通にプレイしているとほぼ仲間にすることなく通り過ぎてしまう。
しかも出会うためには、最低でも1回は【ドラゴンの像】を乗り越えなければいけない(尤もチュートリアルなので回避は容易)。
運良く仲間にできたとしても、次に行くこととなる【エルヘブン】近辺ではコイツよりはるかに強力な【ゴーレム】が仲間に加わる可能性が高いので、一気に影が薄くなってしまう。
リメイク版では同じくデモンズタワー限定の仲間モンスターとして【ホークマン】が追加されたが、あちらも残念な性能なので、一緒にスルーされることもしばしば。
【装備グループ】は同じ肉食獣で敵のときに同じ脳筋タイプだった【キラーパンサー】と同じではなく、なぜか全然タイプの異なる【イエティ】や【ビックアイ】のメンバー。これはリメイク版でも結局修正されなかったので、設定ミスではなかった模様。
この一点が評価を著しく下げることになっている。
加入時点における最強武器がすでに型落ちになって久しい【モーニングスター】であり、その後は【ドラゴンキラー】などの強力な武器がそろい始める青年時代後半において、長きにわたって攻撃力に劣る【はがねのムチ】を装備することになる。
一応、ビックアイを使っていたのであればデモンズタワーが引退時なのでお下がりの装備をこいつにまわすことが可能だが、たとえレベルがカンストして経験値が無駄になったとしても、回復呪文を使えるビックアイの方が馬車に入れておく価値があるような気もする。
ただしこのグループになったお陰で盾が装備できるため、耐性面に関してはキラーパンサーのグループよりも有利という恩恵はある。
ちなみに同時期のキラーパンサーとステータスを比較すると、力と素早さは互角程度で、HPで劣る代わりに身の守りと耐性に勝る。
同時期に加入する【オークキング】や【メッサーラ】、【エリミネーター】と比べても、一長一短あるものの、決してパラメータが見劣りするわけではない。
ちょうどクリアレベルあたりでレベルがカンストするので、それ以降はさすがに引き離されるが。
最終パラメータの数値からつい舐められがちだが、同じ装備グループの【ほのおのせんし】や【エビルマスター】と比べても、さすがに同時期のパラメータでは負けていない。抜かれるのは成長限界に達してからである。
【エンプーサ】には腕力で負けるが、HPや耐性など耐久面で圧倒的に勝る。あまりバカにしすぎないでいただきたい。
加えて、装備品だけでなく、覚える特技のラインナップも微妙なことがトドメを刺している。
敵としては完全な脳筋モンスターだったので、そのままの脳筋でいてくれれば賢さが低くても影響が少なかったのに、早々に【マヌーサ】なんぞを覚える。
それでなくとも補助呪文はランダム行動との相性が悪いのに、なんでよりによってマヌーサ…。
しかもこの時点ではまだMPが0なので、容赦なく「マヌーサを唱えた!MPが足りない!」を披露してくれる。
そして、次に覚えるのがSFC版では使い道がほとんどない【ちからため】。
またしてもランダム行動との相性が悪い。嫌がらせだろうか。ちなみにこの時点まで賢さ1桁なので、SFC版では完全ランダム行動。
ちからためを覚えるのは敵のときの2回攻撃分のダメージの再現、あるいは前作DQ4で使えたためと考えられる。
続いて覚える【ルカナン】は使いどころが多い呪文ではあるが、この時点でまだ賢さは20未満。やはり非合理な行動のラインナップが増えただけである。
最後、賢さが20に達すると同時に満を持して今更感のある【かえんのいき】を覚える。
さすがにはがねのムチで叩いてる方が威力も高く、耐性を気にすることなくダメージも出せるだろう。終盤は【ほのおのブーメラン】もあるし…。
リメイク版では火炎の息が強化され、多少は実用性が出てきたが、これを目当てにするなら他の火炎の息使いを仲間にした方が覚えるのが早い。
もし仮に最初に覚えるのがマヌーサではなく火炎の息だったら、印象もなんぼか違っただろう。
同じ補助特技でも【おたけび】とかならイメージにも合うし、ランダム行動で暴発しても役立つ場面はあるのだが…。
あるいは、覚えるブレスが【はげしいほのお】なら、習得時期がもう少し遅かったとしても評価は一変しただろう。
なお「火炎の息を覚えるのに激しい炎以上の炎ブレスを覚えられない」という特徴を持つのはSFC版ではアムールだけであり、覚えるタイミングも断トツで遅い。
今ほど手軽に攻略情報の手に入らなかった当時では、そのうち覚えると期待して育て続け、教会で「十分に強い」と言われてひっくり返ったプレイヤーもいるだろう。
リメイク版では【今更四天王】の一角【おばけキャンドル】も最上位のブレスが火炎の息で覚えるのがさらに遅く、ポンコツ仲間が増えた形になった。
実はSFC版において【グリンガムのムチ】を装備可能な面々の中では、ラスボス討伐時点までにおいてはアムールが唯一前衛並みの力の持ち主という長所もあるにはある。
というより、アムールを攻撃役として活躍させたいのであれば、これの入手はほぼ必須に近い。
しかし、そのSFC版ではグリンガムの鞭を入手することそのものがやり込みの域。かなりの愛が必要である。
リメイク版(特にPS2版)ではグリンガムの鞭がかなり入手しやすくなったので、これを装備すれば十分な攻撃力が期待できる。
アームライオンが鞭を振り回す姿を想像すると、非常にシュールではあるが……。4本ある腕を有効活用しているのだろうか。
サーカスなどでライオンは人間に鞭を使われて芸を披露するイメージがあるが、ライオン自身が鞭を振り回すのは前代未聞だ。
なお、【複数攻撃武器】はSFC版なら【バイキルト】との相性が抜群なのだが、ここでキラーパンサー並みに素早いことが災いし、バイキルトよりも先に動いてしまってちぐはぐになることが多々ある。
この戦法で行くならバイキルト使いには【ほしふるうでわ】がほぼ必須になるが、ここでSFC版の素早さ成長抑制バグが立ちはだかる…。
ちなみに、ちからための効果は複数攻撃武器の初撃にしか乗らず相性が悪い。2ターンかけてダメージは2倍にならないのである。
力の初期値はそこそこ高く、クリアレベルまでに限れば同時期の前衛キャラの中では中程度なので、仮に【ほのおのツメ】や【こおりのやいば】が装備できれば、印象はガラっと変わったかもしれない。
なにかとシステムに恵まれない。
上述の通り、クリアレベル帯までは素のスペック面ではむしろ平均以上であり、耐性面はメラ系、ヒャド系、吹雪に強耐性を持ち、ザキ・麻痺は無効。
メラ系に強耐性に持つ仲間モンスターは珍しい。
ただし、単体対象であるメラ系は狙われなければ耐性を発揮できないし、相手の判断力次第では狙われないようにすることも可能なのでありがたみは少ない。
青年時代後半の雑魚敵に使い手が多いギラ・炎系や終盤ボスが使うイオ系には弱耐性(15~20%軽減)止まりだが、イオ系はともかくギラ・炎系については耐性防具が充実している上、【フバーハ】でもカバーできるという見方もできる。
だが、弱耐性でもないよりはあった方が確実に打たれ強くはなるので、決して侮れるものではない。
やけつく息やメラゾーマを使ってくる【ゲマ】は相性が良いので、道具をたくさん持たせて補助役として使うのであればそこそこの活躍はできる。
【みずのはごろも】と【てつのたて】を装備し激しい炎も大幅に軽減できる状態にすれば、鉄壁の守りで最大限のサポートができるだろう。
【ほのおのたて】を装備すれば【かがやくいき】もなんのその。
上述の力溜めはローテーション行動で防御する【イブール】戦がSFC版でのほぼ唯一の見せ場でもある。
愛着があれば、ぜひともゲマ戦・イブール戦に連れていきたい。
ちなみに、【ジェリーマン】がコイツに変身すると、SFC版では敵のときと同じく完全2回行動になる。
といってもステータスも特技も大したことはないので、【エリミネーター】や【キラーマシン】ほどのインパクトはない。
しかも、ムチやブーメランを装備していても敵のときは単体攻撃になってしまう。
一応、2回目の行動のみ敵の行動をコピーするので強化攻撃や薬草を使うこともあるが、だからどうしたというレベルなので、変身されてもそれほど脅威ではないだろう。
【ドラゴンクエスト5のあるきかた】での紹介でも「獅子の姿は見かけ倒し」と書かれてしまったが、全くもってその通り。
耐性はともかく、装備品と特技の貧弱さによって完全に不遇な扱いを受けており、実に悲しい...。
オープントレイ技を使用した場合
【オープントレイ技】を駆使すれば、【デモンズタワー】にいる固定エンカウントをスカウトして幼年時代での加入も可能。
この場合はちからの初期値の高さ+序盤から使える【ブーメラン】系の武器による全体攻撃、持ち前の耐性の高さによって中盤あたりまでほぼ無双状態で活躍できる。
……といってもアムール加入のためには主人公のレベルが23は必要なので、主人公や他の仲間たちがそこまで育っていれば結局アムールを使う意味が薄れてしまうのだが。
しかも同じ場所に同じ条件で、より仲間にしやすい【オークキング】もいるので……。
それでも、他の仲間と同等の戦力として計算できる分だけ、通常プレイよりは遥かにマシだといえるか。