【アントリア】

Last-modified: 2024-04-21 (日) 14:20:31

DQ7

過去の【ダーマ神殿】編に登場する【ボス級モンスター】で、【オルゴ・デミーラ】配下の魔界の神官。
左手に杖、右手に宝玉、腹にふくよかな贅肉を持っている。ちなみにイラストとPS版では指が3本しかないが3DS版以降は5本指になった。
 
英語版での名前はPS版ではAntoria、3DS版ではCardinal Sin。
Cardinalとは「枢機卿(カトリック教会の最高顧問)」のこと。海外3DS版の名前を和訳するなら「シン枢機卿」となる。なお、"sin"は「(道徳上の)罪」を意味する。
DQ世界には間違いなくキリスト教が存在しないので、ここでは単に魔界の教団(恐らく魔王が信仰対象)の大幹部、といったところか。
 
手下の魔物を率いてダーマ神殿に攻め込みこれを占拠すると、本当の大神官である【フォズ】を捕らえて洞窟の奥深くに幽閉してしまう。
そして自身は大神官に成り済まし、神殿にやってくる者達の力を奪った上で【ふきだまりの町】に落としていた。
また、ようやく外に出られると自分の下へやって来た決闘場の優勝者を一瞬で灰も残らない程に消し飛ばし、「人間はもう用済み、ここで死んでもらおう!」という台詞から力を奪った人々は最終的には皆殺しにしてしまうつもりだったことが窺える。
残虐非道さは作中でもトップクラスと言え、長く暗いダーマ編を締めくくる最後のボスとしてプレイヤーの前に立ちはだかる。
 
グラフィックは【ほうらい大王】の色違いだが、クリア前なら実質彼専用のグラフィックでもある。
他作品ではスーパーライトで再登場した。

戦闘

【ダーマ神殿地下の決闘場】を勝ち抜くと、いよいよ総大将である彼との戦いとなる。これが過去ダーマ編最後の戦いとなるため、十分な準備を持って挑むべし。
ちなみにマリベルは「さっさと やっつけるわよ。 あんなのを生かしておいたって 百害あって一利なしよ。」、ガボは「チカラを うばってくれた お礼を たっぷり してやろうぜ! もちろん 剣とコブシでな。」と、やる気ならぬ殺る気満々。今まで散々苦労させられたお返しを食らわせてやろう。
 
ステータスはなかなか高く、1~2回行動でHP700、MP55、攻85、守63、速75。
強大な魔力を持つという設定通り様々な呪文や特技を使いこなす芸達者なヤツで、ラインナップは通常攻撃の他に【かえんぎり】【念じボール】【ベギラマ】【イオ】【マジックバリア】
 
かえん斬りやベギラマも痛いが、最もキツいのは念じボール。
67+通常攻撃の半分のダメージという一発でも即死級の威力がある攻撃が2発も来るため極めて危険。
バランス調整か規定ダメージ以外は能力値無視の0~13の範囲に固定されているものの、それでも2発合計で134~160ダメージと、2発とも喰らえば主人公ですら即死する。
その上隊列無視攻撃のため、単純計算で3/16(18.75%)で味方がお陀仏になる。
【制限行動】なので2回連続で来ることはない点だけが救いだが、あくまでも1ターンに2回使えないだけで、次のターンにも使ってくることはある。
何よりMPを使わないので他の特技が使えなくなってもこれだけは影響がなく、戦闘が長引くと必然的に使用頻度が上がってますます苦しい戦いになる。
ベギラマ、イオも制限行動ではあるものの、念じボールと同じターンに来るとダメージがバカにならない。
【まほうのほうい】で耐性を少しでも増しておいた方がいいだろう。
【判断力】0ではないので、MPが尽きた状態になったりすると、火炎斬り、念じボール、通常攻撃しか使わなくなり、火炎斬り+念じボールばかり飛んでくる鬼畜パターンに陥る可能性がある。
助っ人として加わるフォズがダメージを肩代わりしてくれたり【ベホイミ】を唱えてくれたりすることもあるが、所詮NPCなので当てにしすぎるのは禁物。大ボスだけに強敵となるのは間違いない。
 
……と、普通にプレイする分にはかなり手強いのだが、実は一部の補助呪文に弱いという致命的な弱点を抱えている。
有効なのは【ラリホー】【マヌーサ】【ルカニ系】で、これらは弱耐性止まりのためかなりの確率で効く。
そのため開幕ラリホーで眠らせ、黙らせたまま一気に叩き潰すのがセオリー。
公式ガイドブックに掲載されていたため今となっては有名だが、普通こんな大ボスにラリホーが効くとは思わないはず。発売当時は苦労したプレイヤーが後を絶たなかったようだ。
しかもマジックバリアを使用されると補助系呪文は格段に効きにくくなってしまうし、弱耐性ということは効かない事もあるということ。1ターン目でラリホーが効かずにバリアを張られたり、先手を取られたりすると厳しい戦いとなる。
そういった意味でも真っ先にラリホーを唱えて無力化し、その後ルカニで守備力を下げ、短期決戦に持ち込むのが得策。
その他には休み系の耐性も強耐性止まりなので、【ガボ】【ほえろ】【まだらくもいと】を併用するのも手。半々程度には効いてくれるのでラリホーが効かなかったときの時間稼ぎになる。
 
ときどき2回行動するため単体では効果が薄いのだが、眠っている時に休み系が成功した場合(逆は不可)は覚醒後の最初の行動で休み状態が発揮されるという仕様を利用すれば保険としてはかなり有効となる。
また【ふきだまりの町】で買える【ねむりのつえ】をガボに持たせ、自力でラリホーを覚える【マリベル】と共に2人がかりで眠らせ続けることで「ずっと俺のターン」状態にもできてしまう。
素早さの高い2人ならばほぼ確実にアントリアに先制できるため、もはやマジックバリアを張る余裕すら与えない。
あとは【主人公】とフォズがボコボコにすれば拍子抜けするほどあっさり終わる。
 
ちなみにリメイク版ではマジックバリアが「呪文にしか効果がない」という弱体化を遂げたおかげでねむりのつえが更に使いやすくなり、NPCが特殊会心(約1/16の確率で自身の攻撃力の2.5倍のダメージ、防御も無視)を使えるので、PS版より戦いやすくなっている。
マジックバリアを使われてもフォズが会心を連発してほとんど1人で片付けてしまうことも。
 
なお【負けバトル】【イノップ】【ゴンズ】があれほどの強さを持っていたのは、アントリアが人間から奪った力を与えていたため。
だが、コイツ自身はあそこまでの反則的な強さを持っていない(念じボールは非常に強力だが)。
もっとも、イベント戦でもないのにあそこまでの強さで来られてはそもそもゲームが成立しないので、そこは仕方の無いところだろう。
一応ストーリー的に見るとアントリアと戦う頃には多くの人間が力を取り戻しているので、そのせいでアントリアも弱体化していた(というか本来の強さに戻った)のかも知れない。

余談

アントリアが倒されたことで「人間から奪ったチカラで魔王を強化する」という計画は失敗に終わったが、この計画は主人公達の介入していない歴史では成功しているはず。
つまり、本来の歴史におけるオルゴ・デミーラは主人公達が戦った時よりも強かった可能性が高いのだ。
詳細が不明な上にタイムパラドックスの問題もあるが、なんとも興味深い分岐点ではなかろうか。
転職が可能になる前の最後の敵という前作のムドーポジションであることから、大魔王オルゴ・デミーラ直属の側近の一人、つまり従来の魔王ポジションの一角だと思われる。事実この計画には魔界側もかなりの戦力を動員しており、オルゴ・デミーラの本気度が窺える。しかし、彼はムドーのように外伝出演する事がほぼないので影が薄いのが残念。