【カルマッソ】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 05:08:31

ジョーカー1

【バトルGP協会】会長にして、【スカウトリング】発明などの功績を持つモンスター研究の第一人者。
外見は浅黒い肌に頬のこけたやや不健康そうな老人だが、背筋は伸びて姿勢正しく、口もとにはいつも笑みを浮かべている。
七三分けにした青い髪の右側を長く前に出して顔の半分が隠れている独特な髪型もあって、イラストではどこか年齢不詳な印象も強い。イラストでは眼鏡をかけているが、ゲーム中だと首から提げている。
 
ゲーム中では序盤からバトルGP開催の挨拶を行うために登場する。
普段はあまり人前に姿を現さないとされているが、今回のGPではなぜかよく見かけるらしい。
生物学者兼医師兼モンスターマスターであり、それぞれの方面で一流の能力を発揮する天才として知られており、本編の序盤では大怪我を負ったモンスター(神獣)の治療を行う場面もある。またマスターとして、どうやらGP優勝経験もある模様。
本編中盤でも彼と対戦する機会があり、4連戦な上に【ヘラクレイザー】【ブラックドラゴン】などのかなり強いモンスターを連れている(負けてもストーリーは進む)。
 
本編のグラフィックでは一見すると穏やかな表情の老人で、語尾に「~だよん」「にゃはは」とつけるなど、かなりお人好しでとぼけた印象を受ける。
が、実はとんでもない食わせ者で、今回の事件の黒幕。作中でも彼に違和感を覚える人物はごく少数ながらおり、「面白そうな人なんだけど、目が笑ってなくて怖い」と言う人もいた。
ゲーム内のグラフィックではいつも口角を上げているので優しそうにも見えるが、公式イラストでは気難しそうな表情で描かれており、あのおちゃらけた口調なんか想像できないような、むしろあの性格や口調であることにどこか不気味さを感じさせるような雰囲気。
 
主人公が参加するバトルGPを【マデュライト】を10個集めた上位5名が決勝に進めるという変わったルールにし、優勝賞品を伝説の宝具にしている。
別に変わったことがないように見えるが、実はマデュライトはモンスターの力の源である【マ素】が結晶化したもの。
マデュライトを集めて怪しい水晶玉【魔砲珠】を作り、【ヨッドムア島】の上空に存在する魔界の門を開こうとしていたのだ。
賞品を伝説の宝具にしたのは、宝具の存在を世に知らしめ、神獣をおびき出そうとするためである。
神獣をおびき出した後は、神獣にマ素を浴びせて自分の手下にしようとした。
実際、主人公に同行していた【キングスペーディオ】にマ素を浴びせて【デモンスペーディオ】にしている。
 
モンスターと人間は相容れぬものという思想の【ギルツ】とは真逆の考えを持っており、モンスターに対して異様なほどの愛着と憧れを抱いていた。
魔界の門を開こうとしたのも、世界をもっとモンスターの溢れる、曰く「モンスターの楽園」にしようと目論んでのこと。
災厄によって禍々しく変貌してしまったヨッドムア島のダンジョンで、魔界の門を開いている最中に主人公と対峙することになるが、このとき大量のマ素を体に浴びた結果、自分が魔物と化してしまう。
しかも、人間がマ素を浴びるとモンスター化すると分かったとたん「人類をモンスターにしてあげよう」などと言い出すあたり理性のタガは更に吹き飛んでしまった。
モンスターを偏愛する自分の価値観だけで世界や他人を塗り替えることに疑問すら持たない独善的な本性は、神獣から「心までマ素に染まった」とまで言われている。

とは言え、デモンスペーディオみたいにカタカナとひらがな(と目的)が反転した謎文章を喋っておらず、のちのJOKER3でマ素に汚染された【ブレイク系】は(ダークマスター四天王以外は)へんなうめき声を上げたり、理性を失いマザーに忠誠を誓うような副作用もあるようだが、カルマッソに影響は見られない。
また、マ素に染まった魔界にいる連中は高い闘争本能があることが判明しているが、カルマッソに負けて再戦した場合は戦いたくないと述べているあたりそういう変化もない。
最終的に主人公一行に敗れた際も我が身の心配よりも先に魔界の門を閉じないでくれと懇願しているため、
多少はっちゃけたぐらいで他のマ素に侵されたキャラと違い根っこが余り変わっているようには見えない。
しかしマ素を浴びても殆どブレなかった彼の思想は死んだあとの悪意の結晶には受け継がれず、こっちは心までマ素に汚染された模様。

モンスターとしての彼は【ガルマッゾ】を参照。
ドラクエ史上でも有数の気色悪い魔物として知られているが、口調や言動はちっとも変わらないため、それがかえって不気味という人も。
 
本編終了後、表向きには行方不明という形で処理されたようで、真実を知るのはごく一部の人間のみということになった。
末端のGP協会の係員にはその「とんでもない計画」が知らされていないため、未だに「会長はヨッドムア島の災厄を止めるために旅立った」と信じていたり、中には新会長のアロマを認めていない者さえもいる。
まあコイツが別の意味で旅立ってくれたから災厄も収まったのだが。
 
アロマGPクリア後には【しんちゅうのカギ】を使ってスラムの開かずの間に行く事ができるが、実はここはカルマッソの研究室。
中には彼自身が手に負えなくなったエスタークが封印されているほか、奇妙な装置に入れられたドラキーやスライムなどの姿が見られる。
開かずの間の研究室には、カルマッソのモンスター研究者としての論文もあり、4体配合などに関する記述もある。
手記によるとかつては【J・J】と共に研究をしていたとの事。もっともJ・Jが宝具を持っていると知った事で宝具を奪い、スラムの研究室から閉め出してしまったそうだが。
 
なお、ライブラリにおけるガルマッゾのコメントで「だいすきな モンスターになれて うれしいよ! にゃはははは!」とあり、モンスターへの愛や憧れは嘘偽りではない模様。
これが常識的なレベルであれば理想的なモンスターマスターだっただろうし、実際に表面的な行動に触れていた人々からは、一定の尊敬を得ていたことが伺える。
 
だが愛が行き過ぎかつ一方的で、いざ本性を現せば、自分以外の人間にとって危険だろうが何だろうがお構いなしな上、神獣をマ素で汚染した姿を眺めて悦に入るなど、「大好き」なはずのモンスターも含めて、周りの事など眼中にない。
魔界の門を開く動機の「モンスターの楽園」にしても、今この世界に生きているモンスターとのバランスも考えず、大量のモンスターがいれば幸せというカルマッソの自己満足においての楽園でしかないのだ。
 
自分が魔物ガルマッゾに変貌し、人間がマ素を浴びるとモンスターになると知った際に「この喜びをみんなに分けてあげたい!」「モンスターになれば人間以上の体が手に入る。これは人間のためなんだ」と善意のように言っているあたり、相手が人間であれモンスターであれ、自分以外の存在や価値観について考える事すらしないタイプだったようだ。
 
また、主人公とのエキシビジョンマッチの折に、自分の夢について語る場面もあり、このときは無邪気な子供のような一面を見せていた。
この時語った魔界に行くという夢は果たせなかったものの、彼の死後数百年の時を経て彼のもう一つの夢は皮肉にも彼の悪意の結晶やかつて魔界に行く夢を挫いた主人公の子孫とその相棒の手により思わぬ形で実現することになる。
 
複雑な境遇や復讐などのシリアスな動機から「悪のラスボス」と化していく【デスピサロ】【堕天使エルギオス】とは対照的に、ともすれば幼稚とも言える動機で、悪意や悪である自覚すらなく悪事をなすカルマッソは、今までのドラクエのラスボスにはいなかったタイプとの評価もある。
このキャラクター性に関してシナリオ担当の【成田篤史】は、【モンスターマスターメモリーズ】で「漫画『からくりサーカス』の影響が多分にあって、世界征服が目的ではない価値観の違うボスを提案した」と語っている。
またマデュライトを集めることが裏の目的であるという部分に漫画『HUNTER×HUNTER』的なテイストを指摘され、好きな漫画なので意識していたと思うと述べている。

ジョーカー2

彼自身は出てこないが、ガルマッゾはこれ以降のモンスターズシリーズでも登場する。
元会長はれっきとしたモンスターとなって、今もなおどこかで生き続けているのかもしれない。

テリワン3D

【たくらみの扉】で、上記のDQMJのシーンの再現でガルマッゾとして登場。
「モンスターマスターなんて時代遅れで、今は自分がモンスターになるのがトレンド」などと言い張って襲ってくる。
確かにこのゲーム、モンスターマスターとモンスターを兼任している自らの鍛え上げた肉体で突っ込んでくるゲームだが…
倒すと今度は「モンスターになったのなら、使われるのも醍醐味だよね」と言い出して仲間になる。
仲間になる流れに変わっても、会長はやっぱり会長だったようだ。
タイジュ王からも「キモイ」と一蹴された魔物になって、テリーに使われる事を選んだ会長は、今何を思っているのだろうか。

ジョーカー3

本人は登場しないが、彼の悪意だけを抽出した存在である【ガルビルス】【ガルマザード】が登場。
相変わらず彼らしい子供っぽい口調は変わらないため不気味であるが、カルマッソが(彼なりの)善意で行動していたのに対し、彼らはカルマッソと真逆の悪意に満ちた行動をとっている。
シナリオの終盤で唐突に登場するため、ジョーカー無印プレイ済みのプレイヤーを驚かせた。
とはいえ、【センタービル】や配合装置をリアクターで調べるとカルマッソの名が出てくるため、序盤から「何かしら関わって来るだろう」と考えていた人もいるとか。

ジョーカー3プロ

キービジュアルには描かれていたが、実際は【ノチョリン】(=【JOKER】)の回想シーンのみの登場。
やはりブレイクモンスターたちを生み出した全ての元凶であるため本人を出すのは難しかったのだろうか。
しかし、JOKERも言うように最終的に彼の「魔界の扉を開き、モンスターの楽園を作る」という野望は自身の悪意が起こしたマザーの暴走によって大魔王の邪心が砕けたために何百年越しかに達成されたので、彼も本望だろう。

なおエンディングの一枚絵ではちゃっかり登場している。しかも敵のはずのギルツと並んでピースをかましている。
 
ガルマッゾの方はJ1・J2アロマの手持ちとして登場する。

ドラけし!

DQMJイベント「カルマッソの野望と駆ける神獣」のストーリー部分に原作通り登場。