【シンシア】

Last-modified: 2024-01-09 (火) 16:52:26

概要

DQ4の【主人公】の幼馴染の少女。
後述の通り、リメイク作やスピンオフを含めてゲーム中では人間ではないかのような見た目をしているが、人間なのか異種族なのかについては特に言及されない謎多き人物。
基本的にはその外見も含めて、【ピサロ】の恋人である【ロザリー】と対を成す存在といえる。

DQ4

【山奥の村】に住む少女で、【勇者】の幼なじみ。
NES版での名前はCelia。
キャラクターグラフィックはFC版では【エルフ】と同じで、髪は緑。
しかし、公式ガイドブックのイラストでは金髪の人間の少女として描かれている。
なお、チュンソフト元社員くりからはづき氏によると、当時のデザイン担当のチームにはシンシアがエルフとの認識はなく、【天空人】をイメージして描いた羽飾りがグラフィック上エルフの尖った耳に見えてしまったとのこと。(参考ポスト1
もっとも、本物のエルフとグラフィックが同じである以上、シナリオ担当の【堀井雄二】がFC版当時シンシアの種族をどのように考えていたかは不明である。
また、技術的な話としてゲーム内で勇者とカラーパレットを共有したグラフィックを使用することで、FCの少ないメモリで二人が抱き合うシーンが実現しているとの開発秘話も明かしている。(参考ポスト2
 
主人公(勇者)の性別が男の場合は恋人またはそれに近い関係を匂わせる描写があり、女の場合はシンシアから「妹のように思っていた」という台詞が聞ける。
性別がいずれにせよ、主人公にとってかけがえのない大切な存在だといえる。
 
主人公との会話の中で「私たち、大きくなってもずっとこのままで」という台詞がある。17歳の男性に対する将来の話として「大きくなっても」とは一般的にはまず使わない表現だろう。
単なる言葉選びのミスなのか、当時のプレイヤー層の主流である小中学生の視点を意識したためか、あるいは当初の設定では主人公たちの年齢がもう少し若かったのかもしれない。
 
仲睦まじく平和に暮らしていたのだが、山奥の村が【ピサロ】率いる魔物の集団に襲撃された際、【モシャス】で勇者に化け、身代わりとなって殺害されてしまった。
そして、この事件をきっかけとして、勇者の冒険が始まるのである。
 
滅んだ村の中心の、シンシアが寝転んでいた花畑のあった場所で、彼女の物と思しき【はねぼうし】が落ちているのは割と有名。
もっとも、彼女が羽帽子を装備していたとする明確な描写はない。
ただ、少なくとも村の中に羽帽子が似合うような女の子はシンシア以外には確認できず、他の女性も主人公の育ての母だけである。
 
その後エンディングで再び登場し、山奥の村に一人帰ってきた勇者の前に姿を現す。
このシーンについては、「【マスタードラゴン】が生き返らせた」「死んでいなかった」「勇者が見た幻だった」など幾つかの解釈があり、論争の対象になる事がある。
公式設定として答えは出されておらず、DQではよくある「プレイヤー各自の想像にお任せします」だと思われる。

リメイク版

専用のグラフィックが用意され、髪の色はピンクになった。ロザリーと似ているが若干違う。
尖った長い耳を持ったグラフィックになっているのはロザリーや他のエルフと同様であるため、エルフである可能性は高いがゲーム内で明言はされていない。
 
DS版以降の英語版での名前はEliza。
このネーミングの由来として考えられるのが、"Where The Wild Roses Grow"という暗い雰囲気のヒット曲の歌詞である。
やはり殺された少女の歌なのだが、シンシアと似た外見と立ち位置であるロザリーが英語版で"Rose"となっており、これはピサロによって名付けられたため、この曲の歌詞の「彼らは私をWild Rose(野生のバラ)と呼んだ。本名はElisa Dayなのに」というサビの部分に合わせて、少女の本名の方をシンシアに使って、シンシアとロザリーの共通点を意識させた可能性がある。
逆にDQ6の【エリザ】の英語名はCynthiaになってる。
「こうなったら2人の名前を逆にしよう」という遊び心の結果だろうか。
 
新たに追加された序章において、モシャスでカエルやウサギに変身するシーンが描かれる。
勇者を強く育てるための集落の生まれなので、普通の少女ではないと思われ、ただの遊びや趣味で「モシャス」という大変ハイレベルな呪文を習得したとは考えにくい。
勇者の影武者として育てられたのではないだろうか?
 
エンディングでは天空から光が舞い降りてきてシンシアが現れる演出になっている。
この演出はロザリーが復活する際と同様である(厳密にはPS版では両者の光の表現は異なっているが、DS版では全く同じ表現になっている)。
両者の演出をあえて揃えたことからすると、シンシアもロザリー同様何らかの力で復活したと考えるのが自然で、(マスタードラゴンが行ったかは別として)シンシアがエンディングで生き返った可能性はかなり高くなったといえるだろう。
ただし、だとしたらなぜ生き返ったのがシンシアだけで、育ての両親を含めた他の人たちがなぜ生き返らなかったのか謎であるが…。
 
第六章で手に入る【せかいじゅのはな】をシンシアに使おうとしたプレイヤーもいただろうが、残念ながらこれでシンシアを生き返らせることはできない。
 
ちなみに例のはねぼうしを【ふくろ】に入れた状態で2個目のはねぼうしをふくろに入れてしまうと、どのはねぼうしが村で拾ったものなのかが分からなくなってしまう。
はねぼうしは道中で普通に拾えたりもするため、シンシアの形見として特別扱いしておきたいプレイヤーは注意が必要。

小説版

外見上の特徴として耳朶の先端が尖っていると表記されている他、主人公である【ユーリル】(男性)がまだ幼い頃から、成長して青年となった時点でも、シンシアの外見(年恰好)がほぼ変わっていないなど、明らかに人外の存在として描かれている。
エルフであるロザリーとどこか似ている印象を受けさせるような描写がある。
小説版においてユーリルとピサロは色々と共通点ないしはコインの表裏のような関連性を持たせる描かれ方をされており、ここでも「似たような存在をかけがえのないモノとしている」という因縁を持たせている。
また、ユーリルとの関係が「恋人」と明言されている上、既に関係を持っている事を匂わせる描写もある。
魔物たちはデスピサロに「勇者(に化けたシンシア)は多くの魔物を道連れに跡形もなく自爆した」と報告しているため、遺体は残らなかったようだ。
エンディングでは原作同様、具体的に踏み込まない「ご想像にお任せします」な曖昧描写となっている。

ゲームブック

挿絵で耳は尖っておらず、勇者の2歳上で父親もいる(旅人を村に入れた男)と人間として描かれている。
エンディング部分ではマスタードラゴンが生き返らせるような描写がされている。
この際彼女からの
「どこに行っていたのよ?」
という問いかけに対して、主人公の
「君を探してたんだ」
は名言。

CDシアター

声優は川村万梨阿。
小説版同様、主人公が幼い頃から年格好が変わっていないと言及されている。
村に魔物が襲撃してきた際にルビーの涙を流すシーンがある。

DQ6(リメイク版)

【デスコッド】で「ちかいみらいの夢」を選ぶと男勇者と一緒に酒場の2階にいる。
男勇者は話に夢中で周りが見えなくなっており、シンシアも大好きな勇者と一緒に過ごせることを喜んでいて、二人の仲の良さがうかがえる。

DQ11(3DS版)・DQ11S

冒険の書の世界ではモシャスでスライムに化けたまま、元に戻れず困っている(クエスト【私はシンシア】)。
見た目は3DS版ではFC版、DQ11Sではリメイク版のデザインとなっている。

DQM1(GB版)

【獣系】の♀の名前を付ける際に何も入力せず決定すると出て来る候補の1つ。

DQM3

原作通りモシャスで勇者に変身し、勇者の身代わりとして散る。