【ジャンク】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト　ダイの大冒険】に登場するキャラクター。CVは稲田恵司。
【ランカークス村】の武器屋の亭主であり、【ポップ】の父親。45歳。
　
髪型こそポップに似ているが、目付き鋭く厳つい顔つきと体格で、性格も絵に描いたような頑固親父。
腕力で厳しくしつけた為か息子は彼を苦手とし、【ダイ】の父親と比べて自分の父は理知的ではないとぼやいている。
実際に口より先に手が出るタイプなのか、ある事情で里帰りしてきた直後のポップを見つけるや、初対面のダイたちがいる前でいきなり肩と股間を鷲掴みにして持ち上げ投げ飛ばし、容赦なくボコボコにして出迎えた。
もちろん親として心配していなかった訳ではないのだが、当のポップも村を訪れたアバンに弟子入りする為に家出同然で出て行った挙句に1年以上も音沙汰無しだったし、それを心配する妻を間近に見ていたジャンクにしてみれば当然のお仕置きだったのだろう。
　
ポップが友人として、パーティーの一人として勇者ダイを支えている事を聞いても疑い半分だったりと、家出息子の成長を信じていない節もあったが、仲間に信頼されている姿や【鬼岩城】に立ち向かおうとする真剣な目を見て彼の成長と根性を認め、妻の【スティーヌ】共々、彼を一人の男にしてくれた【アバン】に感謝していた。
　
かつては【ベンガーナ】王宮随一の鍛冶職人だったが、威張ってばかりの腰抜け大臣をぶん殴って宮仕えを辞め、村の武器屋になったという。投獄や追放などの重い処分を受けたという話は特に出てこないので、それなりに地位や信用があったのだろうか。
実際の所、作中に登場したベンガーナ王宮の関係者は傲慢な所がありつつも有能さを見せる【クルテマッカVII世】、優秀で忠誠心の高い【アキーム】などであり、「威張ってばっかの腰抜け」が幅を利かせられるような環境には見えない（もちろんジャンクの現役時代からは大分年月が経っているため、当代で大きく改善されたと言う可能性もあるが）。「他の家臣はジャンクに同情的だったため罪に問われなかったが、けじめとして自分から辞めた」辺りが考えられる所だろうか。
いかにも頑固職人といった武勇伝ではあるが、この過去はジャンク本人にとっても自慢できるものではないようで、友人【ロン・ベルク】がバラすまで息子であるポップも知らなかった。
コミックス28巻収録のキャラクター・プロフィールによれば、ジャンクの出身地がベンガーナ王国、スティーヌの出身地がランカークス村とある。「宮仕えを辞めた後に夫婦で妻の故郷に身を寄せた」か、あるいは「ベンガーナを出てランカークスに流れ着いたジャンクが、そこでスティーヌと出会って結婚した」のだろうか。
　
武器屋となった今も職人気質は健在で、辺境の割にいい武器がそろっていると評価されている。商業の発達したベンガーナとさほど離れていないので、そちらから武器を仕入れているのかもしれない。
また【かわのたて】や【てつのおの】等、本編にも出た武器が入荷されているが、あの珍武器【どたま金づち】も(わざわざ張り紙まで用意して)入荷されている。需要があるのだろうか？
　
劇中では「並の武器なら燃え尽きるほど強烈なダイの竜闘気に耐えられる武器」を探すクエスト中、【メルル】の占いが出したランカークスの地名に、故郷として心当たりがあるポップがしぶしぶ里帰りする…という流れで登場している。
さすがにジャンクが経営する武器屋にもそんな凄い武器は置いていなかったが、友人のロンが最強の剣造りを目指す魔族の鍛冶屋だった、という奇縁が【ダイの剣】誕生に繋がることとなった。
　
ロンと知り合ったのは割と最近らしいが、ロンもまた価値観の合わない上役の態度に腹を立て厚待遇を蹴った過去があり、似た経歴を持つジャンクを「他人に思えない」と言い、気が合う友人かつ酒飲み友達になったという。
最強の剣という目標に行き詰まっていたロンに、ジャンクは時々、店で扱う特注の武器造りも依頼していた。
モチベーションを失っていたロンも「酒代稼ぎ」「居眠りしながら作ったようなもの」と言いつつ武器造りを辞めずにいる動機にはなっていたようで、それですら市販品を遥かに上回る品質を持つため、売り物としては十分に好評だったらしい。
実際、それらの剣に触れたダイも、自分の力には耐えられないとしつつ、一目で他にない凄味があると感じている。
その後、最高の素材が手に入り【ダイの剣】を作り上げる際や修理する際にも、ジャンクが鍛冶の手伝いをしている。
　
旧アニメ版では登場せずに終わったが、新アニメ版では初回から主題歌の背景として登場。
まだ武器屋の息子に過ぎなかった当時のポップがアバンと出会う一幕であり、声なしの静止画とはいえ初期バージョンからその姿を見ることができるため、旧アニメ未登場キャラクターの中で最も早く新アニメで描かれた人物となった。