【ダイアラック】

Last-modified: 2023-11-28 (火) 18:16:53

DQ7

過去の【ダイアラック地方】にある廃墟の町。
英語版での地名はPS版ではDialac、3DS版ではRegenstein(ドイツ語でRegen=雨、Stein=石)。
 
町の中央に巨大な石柱があるのが最大の特徴で、かつてはこの石柱を御神岩として崇めていた。
訪れたときには既に町の人すべてが【石化】しており、町は【廃墟】と化している。
裏の井戸端では唯一石化を免れた老人【クレマン】が迎えてくれる。
話によると住人たちは【灰色の雨】という災いによって石化し、たまたま町を出ていたクレマンは町の者達を救おうと必死の思いで【天使の涙】を手に入れるも、その間に風化の進んでしまった住人の石像にはもはや効果を発揮せず、救うことは叶わなかったという。
後のイベントで同じ理由で石化した人々は「石化した直後だったため天使の涙で救うことができた」ことから、石化した時点ではまだ死亡しておらず、その後の風化によって涙がきかなくなったことで実質的に死亡したことがわかる。
ただしこの時点でも「完全に死んでいる」のか「石化が二度と解けないだけでまだ生きてはいる」のかは窺い知ることはできない。
 
このあと無人の宿屋に泊まると夜中に目が覚め、光っている石像を調べることで物悲しいBGMに乗せて、朽ち果てた住人たちの灰色の雨が降った日の記憶を全員分見られるイベントがあり、精神的にも肉体的にもプレイヤーの再プレイを阻む大きな壁となる。
それによると、この町は雨がほとんど降らない土地にあり、年がら年中水不足で悩まされていたという。
町には水神の像も作られ、定期的に雨乞いの儀式も行われていた。
この町のほぼすべての人々の石像が外で風化してしまったのは、ちょうど雨乞いの儀式の最中で彼らが屋外に出ていたこと、そして慢性的な水不足だったこの町では雨が降ることが非常に喜ばしいことだったため皆が雨を歓迎して外に出てきてしまったためである。
つまり、後に訪れる【グリンフレーク】の人々のように雨宿りしようとすぐに屋内に入ろうとしなかったのだ。
このイベントの際、1人のおじさんの石像が砕け散ってしまう。

上記の回想で隠し階段の位置も判明するが、夜中は調べられない。
夜が明けるとその隠し通路に入ることができ、抜けると町の中央の石柱の上に出る。
ここで「天使の涙」を使用すると辺りは明るくなり、地下の「ひみつきち」に入っていた【ヨゼフ】少年が元の姿に戻って地上に現れる。
彼は石像となったものの、地下にいたため風化することはなく元に戻ることができたのだ。
そしてクレマンとヨゼフは「灰色の雨」の恐怖を伝える語り部となるべく、共に旅に出ることとなる。
なおヨゼフのいた「ひみつきち」では、かなり先の【砂漠地方】用の【ふしぎな石版黄】が手に入る。
ちなみに「天使の涙」を使用したあと石版だけ回収し、ヨゼフやクレマンを無視して町の外に出ようとするとキーファに止められる。
 
島自体と上述の二人を救うことはできるが、石化し風化した町の人々を救うことは不可能。
明るいBGMにはなるものの、町はこのまま滅びてなくなってしまう。
一通り話が終わった後で町に戻っても、やはり空が晴れただけで石化した人々が立ち並ぶ廃墟となるだけ。
クレマンとヨゼフも旅立ってしまい、正真正銘の廃村となってしまう。
気の遠くなるような時を経て全てが風化したのか、現代では後述の通り石柱1本除いて過去の姿を示すものが何も残らない。
ただ、助けた2人がのちに埋葬した等の可能性もある。
更にこのイベントは終始一貫して回避しようが無いため、まだ選択肢で壊滅を避けられる【ルーメン】と異なり、「ヨゼフを除き、子供も含めて全滅」という残酷な事実は否応無しにプレイヤーに絶望を叩き付ける。
「石版で行ける過去よりもさらに過去に戻れたら、他の村人も救うことができるのに……」とやるせない気持ちになるプレイヤーは今なお多いことだろう。
 
この辺一帯は以前は戦地だったらしく、町の地下にはそのときに作られたと思われる施設が残っている。
ヨゼフが発見し「ひみつきち」と呼んでいたのもそんな地下空間の一つ。
町の中央のある石柱は、地下から登ってその上に立つことができるようになっているため、元々は見張り櫓のような役割で設置されたものだったのかもしれない。
また灰色の雨を降らせた張本人は【オルゴ・デミーラ】の配下【あめふらし】であり、のちのグリンフレークで戦うことになる。
 
現代では平原の中に石柱だけが残り、そこには【移民の町】が作られることになる。
プレイヤー次第では世界一大きな町にすることも可能であり、最終的には【神さま】も住むことになる。
ある意味ではDQ7で一番救いがある町なのかもしれない。犠牲になった人々は帰ってこないが…。
 
ドラクエ史上全体で見てもかなり珍しい、一切の戦闘を経ずにシナリオが終了する町。
ダイアラック地方それ自体も非常に小さな島ということもあり、フィールドでのエンカウントも一度も経験しないままクリアした人も多いだろう。

リメイク版

町の住人たちの記憶は、PS版でも見るのが進行上必須だった、クレマンの婚約者【ミリー】、ヨゼフの友達【レナ】、そしてヨゼフの父【キーン】の3人のものだけが見られるようになっている。
とはいえ強化された3Dグラフィックスは石化前の町の賑わいと、石化の瞬間の悲劇、そして石化後の惨状を十分に表現しており、これで全員分の記憶を見せられたらそれだけで多くの人の心が折れることは容易に想像できる。
また、石柱の上に行くと、天使の涙を使うかどうかの確認メッセージが自動で出るようになった。

漫画版

漫画版ではエンゴウを解放後に【グレン】がダイアラック地方を解放している。
グレンがエスタード島で手に入れた【七色のしずく】を石柱の上から振り掛け、町の人達を全員救出しているため、クレマンとヨゼフは登場しない。
だが、現代の世界ではダイアラックはなくなっており、グレンが石柱の近くに残した石版をアルス達が受け取る流れになっている。