【ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ】

Last-modified: 2024-03-14 (木) 06:33:30

概要

ドラゴンクエストビルダーズシリーズ第1作。
発売日は2016年(平成28年)1月28日。対応機種はPlayStation4、PlayStation3、PlayStation Vitaのマルチ。
ブロックで町などを作り上げていくブロックメイクゲームである。
 
DQシリーズとしてはDQ10オンラインに次いで2作目となる【スクウェア・エニックス】内製タイトル(スマホ版はアートディンク)。当然、派生作品としては初である。
ディレクターは【新納一哉】、プロデューサーは【藤本則義】。新納がベースとなる企画を立ち上げ、それに藤本が惚れて【堀井雄二】に提案し、開発が始まった。
なお、『ファイナルファンタジーXIV』のアシスタントディレクターとして入社した新納は、DQシリーズの多くを担当する【第6ビジネス・ディビジョン】ではなくFF14を中心とした第5BDに所属するため、DQとしては珍しく第5BDが開発する作品となっている。
 
2018年12月20日には続編である【ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】が発売された。

対応環境

環境発売日備考
PlayStation 42016/1/28海外では2016/10発売(PS3除く)
2016/12/1アルティメットヒッツ版(廉価版)発売
PlayStation Vita
PlayStation 3
Nintendo Switch2018/3/1海外では2018/2/9発売
iOS, Android2022/5/27全世界同時配信
Steam2024/2/14海外では2024/2/13発売

なお「アルティメットヒッツ」レーベルはDQシリーズでは本作をもって最後となった。

ゲーム内容

全てが立方体型の【ブロック】で作られた【アレフガルド】が本作の舞台。
【勇者】が敗れ、【竜王】に滅ぼされたアレフガルド」という【ドラゴンクエストⅠ】の世界のifをテーマにしており、魔物に支配され荒廃したアレフガルドを再建、復活させるのが目的となる。
パッケージイラストは非常にほのぼのした雰囲気を出しているが、ストーリーがストーリーだけに各所に欝展開がちりばめられている。
【主人公】は男女の選択式で、【キャラクターメイキング】も可能になっている。
名前、キャラメイクはタイトル画面からいつでも自由に変更可能。
 
近年世界的に流行しているサンドボックスゲーム(クリアやスコア獲得を目的とするのではなく、広大な世界の中、高い自由度でものづくりを楽しむゲーム)の要素が取り込まれており、プレイヤーは戦闘ではなく、立方体型のブロックや素材を積み上げ、自由自在に町を「建設」することで強くなっていく。
ブロックを使ったクラフトゲームという要素は、サンドボックスゲームの中でも国際的な大ヒット作として知られる『マインクラフト』に類似しており、発表当初から肯定派否定派を問わず「ドラクエ版マインクラフト」と形容されることが多かった。
現在はマインクラフト側も拠点襲撃や死亡時に全快するアイテム不眠不休のプレイヤーを襲う敵など、ビルダーズ1の要素を意図的ではないにせよ取り入れている。
余談だが、2018年に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では、DQから勇者が、『マインクラフト』からスティーブ/アレックスが参戦しており、両者が共演を果たしている。
 
ただ、本作は公式ジャンル名で「ブロックメイク"RPG"」と銘打っている通り、既存のサンドボックスゲームよりもストーリー性を重視している。
ストーリーは全4章で構成され、基本的に荒れ果てた町に拠点を建造し、襲ってくる敵から町と人々を守っていくことでストーリーは進む。
次の【章】にいくたびに全ての持ち物とステータスが失われるが、セーブデータが各章で独立しているためクリア後の町を引き続き発展させることも可能。
高すぎる自由度ゆえに初心者には敷居が高い面がある『マインクラフト』などと異なり、ストーリーとチュートリアルを通して無理なくものづくりのノウハウが身につく作りになっており、この優しさはDQの面目躍如といったところ。
 
なお、よりサンドボックスゲームらしい自由なものづくりを行いたい人のために、ノルマや敵の襲撃がなく建造に集中できる【フリービルドモード】も用意されている。
こちらはストーリーモード中で条件を満たすごとに出来る要素が解放されていく。
 
ストーリーでは各章ごとに5つの【チャレンジ】と呼ばれるミッションが存在する。
いずれの章においても、一定期間内にクリアすることと、【キャンプレベル】を最大にすることは共通している。
ストーリーを進めるだけであれば達成する必要は全くないのだが、フリービルドモードでのレシピの開放条件となっている。
「一定期間内にクリア」と他の4つ全てを同時に達成するのは困難であるため、大体各章2周ずつプレイすることになっていたが、Nintendo Switch版は「一定期間内にクリア」がアイテムを一定以上入手することに変更された(そのかわり、条件が若干厳しくなったチャレンジも存在する)。
 
ゲーム中に流れる音楽はFCで発売されたDQであるDQ1~DQ4のものをアレンジしたもの。
【なつかしの竪琴】という家具を設置して、ファミコン音源風に変更することも可能。

ストーリー

【1章 メルキド編】
【2章 リムルダール編】
【3章 マイラ・ガライヤ編】
【終章 ラダトーム編】

操作

PS4PS3VitaSwitch動作
Lスティック移動
Rスティックカメラ操作
R3(Rスティック押し込み)画面タッチRスティック押し込みカメラリセット
タッチパッド
クリック
SELECT-設計図の詳細を見る
(設計図上のみ)
OPTIONSSTART+あたりをみまわす
(上空視点)
Y攻撃
X道具を使う
道具、装備欄整頓
Aメニューを開く
便利ボタン
×Bジャンプ
メニューキャンセル(戻る)
方向キー↑↓武器の切り替え
方向キー←→道具の選択
L1L攻撃の方向を上に
R1R攻撃の方向を下に

その他

  • ストーリーの進行ルートはDQ1で順当に進めた場合に訪れる町の順番を逆行する形となっている。
    DQ1では順当に行けば最後に訪れる事になる【メルキド】から始まり、最終的にDQ1で物語のスタート地点となった【ラダトーム】を終着点としている。
    一つに括られている【マイラ】【ガライ】(マイラ・ガライヤ編)も、この逆行に沿った形で登場する。
    地続きではなく、こうしたルートの設定にもDQ1という作品をベースに作られたという丁寧さが窺える。
    また、DQ1で出てくる魔物は全員登場している。DQ2以降の魔物も登場するが、こちらは魔物の仲間内では新参扱いされており、竜王軍内で確執が産まれている描写もある。
     
  • 『アレフガルドを復活せよ』というサブタイトルについて、日本語の文法として変ではないか?という指摘も見かけられる。
    「復活」が世界そのものである「アレフガルド」にかかっているのに、命令形の「せよ」は主人公に向いており、両者が「を」で繋がれているせいで違和感を覚えた人が多かったようだ。
    サブタイトルが主人公(プレイヤー)への指示であると捉えれば、
    ・『アレフガルドを復活させよ
    ・『アレフガルドを復興せよ』
    アレフガルド回復の願いを表現する言葉なら、
    ・『アレフガルド復活(復興)せよ』
    などの方が妥当ではないかという声も。
    文法的に「せよ」はサ変動詞の「する」の命令形で、動詞に係るのが基本だが身分や抽象理念にも係る事がある。よって「復活せよ」は抽象理念の命令形だと考える事も出来るには出来るが、文法的な正しさよりも語感が重視されたのかもしれない。
  • 2022年に発売された『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター ファイナルファンタジーVI』の開発において、なんと本作が開発参考ツールとして、オペライベントの舞台の検証に使用されたことが明かされている。

移植版

ドラクエシリーズではリメイクという形で別ハードに移植されることは珍しくないが、本作の場合最初からマルチ展開され、ほぼそのまま別ハードに何度も移植されているという特徴がある。
最初に発売されたPS3/PS4/Vitaに関してはゲーム内容に相違点はなく、ボタンガイド表示や処理負荷が重くなった時の挙動が若干異なる程度である。

Switch版

ゲームの本筋自体は同じだが、ゲームバランスの調整や要素の追加などが行われ、「チャレンジ」の条件変更やフリービルドモードでの新要素追加などが施されている。
特に大きな変更点がオリジナル版にあった日数チャレンジが廃止されアイテムの収集に置き換わった点。
知られざる島でベビーパンサーに乗れるようになる、ドット絵ブロックの追加など快適性の改善、建築要素の拡充が行われている。

iOS/Android版(スマホ版)

スマホの操作性に合わせてUIなどが大きく変更されている。
フリービルドモードに更に有料コンテンツ等の新要素が増えた。そしてゲームをクリアするとタイトル画面が青空に包まれる。
さらにゲーム難易度も易しめに調整されている。具体的には

  • 各章での初期HP上昇、プレイヤーの攻撃リーチ拡大、耐久度の廃止など
  • 建築向けの機能として、ビルダーズ2で言う【ビルダーアイ】のような機能が最初から解禁されている
  • 【ドッカンハンマー】がビルダーズ2から逆輸入
  • Undo(間違えた時に1手戻す)追加

などが施されている。
有料DLCとしてボスフィギュアパック、天体パック、ドットのゆびわ、魔法のじゅうたんが配信されており、建築の自由度が上がっている。
細かいところでは、【超げきとつマシン】の操作が大幅に易しくなっており、用いるボスバトルの制限時間が超大幅に延長されているなどの相違点がある。
 
また2022年9月10日のアップデートでクラウドセーブ機能、設定画面に移動カーソル、フリービルドモードの「時間を止める」設定の保存、【グローブ】使用中のジャンプ可能が追加された。

Steam版

スマホ版の移植という格好になっており、ゲームバランスや要素については上述のものと変わりがない。
PC向けに画質・フレームレートの向上、フリービルドの高さ上限2倍などの変更が入った。
ほか、従来バージョンでは夜になると真っ暗になっていたのが緩和されており、夜間に湧くゴースト系の敵を除けば非常に活動しやすくなっている。