【ハーケンディストール】

Last-modified: 2022-12-04 (日) 16:46:29

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する陸戦騎【ラーハルト】の必殺技。
槍を高速回転させた後 大きく振り回して弧を描いた衝撃波を発生させ、対象を切断する。
その威力たるや【鎧の魔槍】の攻撃力も手伝って【オリハルコン】すらも容易く切断出来る程で、更に槍のリーチの高さと衝撃波の広範囲もあり、大勢の敵をまとめて迎え撃つのにも高い効果を発揮する。
ラーハルトのあまりの凄まじいスピード故に、槍の太刀筋が一瞬の閃光のようにしか映らない。
同じく槍を使って高スピードで標的を切り裂く技に【海鳴閃】があるが、威力は段違いである。
作中トップクラスの圧倒的なスピードの持ち主であると共に槍術の達人であり、針の穴を通すような正確無比な槍術の腕前を持つラーハルトだからこそ成し得る神業と言えよう。
突進しながら敵を切り裂くタイプ(最終決戦で使用)と飛び上がって落下しつつ渾身の一撃を放つタイプ(ヒュンケルに対して使用)の2タイプがあるが、どちらも技名は同じハーケンディストール。【アバンストラッシュ】のアローとブレイクのようなものか。
 
物語中盤の山場、【バラン】率いる竜騎衆を迎え撃った【ヒュンケル】との対決の際に初披露している。
桁違いのスピードを誇るラーハルトの攻撃に対し、ヒュンケルはカウンターとして【ブラッディースクライド】を繰り出すが、それを見越していたラーハルトは最初の一撃に手甲を投げつけるフェイントで欺き、高く飛び上がってブラッディースクライドを回避すると、この技の一閃をお見舞いして【鎧の魔剣】の鎧を完全破壊し、大打撃を与えた。
 
決着の一撃として二度目のハーケンディストールを放つラーハルトだったが、ヒュンケルは【アバンのしるし】のチェーンを突き出して槍を受け止め、交差で作り出した十字に闘気を流し込んでカウンターの【グランドクルス】を発射する。飛び上がっていたラーハルトは避けることもできず、直撃を食らって敗北した。
満身創痍のヒュンケル相手なら急所を一突きするだけで確実にとどめを刺せていたのだが、ヒュンケルの不屈の闘志に苛立ちを覚えていたラーハルトは「それではオレの気が収まらん!」と必殺技に拘ってしまい、それが敗因となった。(ヒュンケルがそうするよう仕向けたのだが)
この戦いで使用したのはどちらも飛び上がって衝撃波を放つタイプである。
 
後にバランの竜の血によりラーハルトは復活し、彼の遺言に従いダイ達の救助に【バーンパレス】へ駆けつけると、【マキシマム】に追い詰められたヒュンケルと【ヒム】の前に現れる。
マキシマム率いるオリハルコン戦士軍団の兵士(ポーン)5体に対して突進タイプのハーケンディストールを繰り出し、ただのひと振りで、しかも鎧の魔槍が展開していない巨大な槍先の状態でスピードはそのまま、瞬く間に兵士達全員の肢体を両断して軍団を全滅させている。
このシーンは大胆に2ページ分の見開きで描写されており、圧巻の見せ場となった。
突進タイプはこの時初めて使用している。
 
【真・大魔王バーン】との最終決戦では、攻・防・呪文の必殺技三つを一瞬で放つバーンの奥義【天地魔闘の構え】に対抗するため、ヒム、【アバン】との三人同時攻撃でこの技(突進タイプ)を繰り出している。
ヒムは攻撃技【カラミティエンド】に、アバンは呪文【カイザーフェニックス】に、ラーハルトは防御技の【フェニックスウィング】によって迎撃され連携攻撃は破られてしまったものの、「放った後には必ず隙ができる」という天地魔闘の弱点を暴く最初のきっかけとなり、のちに【ポップ】が対抗手段を編み出すこととなる。

余談

「ハーケン(Haken)」は、ドイツ語で鉤、もしくは鉤印のことで、英語のhookに相当する単語。同じドイツ語由来で、岩に刺し込む登山用の金具もハーケンと呼ばれる。
もともと武器というより道具を意味するが、UFOロボやFF、【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】【グノン】の武器など、創作の世界では「鉤爪型の武器」や「硬いものも貫く武器」をイメージさせる言葉として使われている。
また、竜の紋章BOXArchive BOOKの【三条陸】コメントによると、「ディストール」はディストラクション(destruction、破滅の意味)とフォール(fall、落下の意味)が元になっている。
「JUNP COMICS PERFECT BOOK 1 ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の決定版呪文&必殺技◆大事典での英語表記は【Haken Distall】。