【ハドラー親衛騎団】

Last-modified: 2024-01-23 (火) 08:20:08

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する団体。 【超魔生物】と化した【ハドラー】率いる【オリハルコン】製のチェスの駒から【禁呪法】で生み出された5人の金属戦士軍団の総称。
メンバーは

  • 兵士(ポーン)の駒より生み出された屈強な格闘戦士【ヒム】
  • 騎士(ナイト)の駒より生み出された冷静沈着な槍使い【シグマ】
  • 僧正(ビショップ)の駒より生み出された全身が鋭い刃で構成された狩人【フェンブレン】
  • 城兵(ルック)の駒より生み出された超怪力を誇る巨漢兵士【ブロック】
  • 女王(クイーン)の駒より生み出された親衛騎団のリーダー格を務める高潔な紅一点【アルビナス】

の五人。
彼らは体の一部を破損されたり額をぶち抜かれた程度では死なず、全身を両断される、核が破壊されるなどの致命的なダメージを受けない限り、魔力主であるハドラーの魔力でいくらでも修復・再生が可能。
しかし禁呪法生命体の性として生みの親であるハドラーが死ぬと魔力が途絶えて彼らの命も尽きてしまう。
核の位置は人間の心臓と同じく左胸にある。ヒムは「人間の心臓と同じ位置」と左胸を指していたが、実際の人間の心臓の位置は胸の中央になる。実際に左胸を的確に撃ち抜かれて死亡したのはアルビナスのみで、胴体すべてを消滅させられたシグマを除く他のメンバーは中心部に大きなダメージを受けて死亡している。また単行本の背表紙を18巻~20巻の3冊に渡り飾っている。
 
ゲーム作品では星ドラのダイ大コラボで全員、スーパーライトではヒムが登場した。
 
新アニメでは中盤のOPの後半部分で超魔生物ハドラーと同カットで本編に先駆け登場。
原作ではヒムの初登場時のみに終わってしまった親衛騎団全員の駒からの変形シーンも見ることができる。
そして48話のサブタイトルにもなった。
 
新アニメの1周年を記念したタイアップで、キャラクタージュエリーブランドのユートレジャーから彼ら親衛騎団を再現したチェスセットの発売が決定している。
ジュエリー職人が手掛けるシルバー製のハイクオリティーな一品とのこと。数量限定、完全受注生産で330万円と驚愕の価格設定となっている。

【ダイ好きTV】#45によるとモチーフがチェスなのは、バラバラな六大団長に対し統一感が欲しかったためだと語られている。
ダイの大冒険が始まる前にジャンプで長期連載しており、最初の1年ほど連載期間が被っていた『聖闘士星矢』が星座をモチーフにしており、それと同じような横並びのモチーフを探していた、とも言及しているが…
…実は、ダイ大で親衛騎団が初登場した回は『聖闘士星矢』の連載が終了してすでに2年ほど経過した後であり、その間に同作品の作者車田正美の次回作『サイレントナイト翔』において、戦士の階級を示す用語としてチェスの駒の名が使われていたりする……タイミングなどから考えても、親衛騎団が作品として受けた影響は聖闘士よりも直近のサイレントナイトの方が大きい・直接的である可能性は高い。両作品は登場人物のコスチュームなどコンセプトのよく似た作品であり、コミックス2巻で終わったサイレントナイトよりも長期連載作であった聖闘士の方が強く印象に残ってしまったのも無理からぬトコロはあるが…。

出自

元々は【生きている駒】(リビング・ピース)と呼ばれる【マキシマム】が率いる、意思の無いオリハルコン戦士軍団の構成員であった。
しかし【大魔王バーン】が超魔生物へと強化変身後初となるハドラーとの謁見の際、一皮剥けたハドラーに対し戯れに5種の駒を授け、それを基にかつて【フレイザード】を生み出すのに使われた禁呪法を用いて今の彼に見合う新たな近習を設けるよう薦め、誕生した。
 
外見的特徴・デザインについては、マキシマム配下と親衛騎団との間に、左腕に腕章型のエンブレムをついている以外にさして違いが無いところから、ハドラーの創造や禁呪法の影響などは関係なくオリハルコンの駒の元々のモノと思われる。
ヒムが初めて登場した時に取っていた巨大な駒の形態を全員がいつでも随意に取れるのかどうかについては、原作においては描写がなく、マキシマム率いるオリハルコン戦士軍団同様不明。
新アニメではOPにてメンバー全員が巨大な駒の形態から人型に変形する描写がある他、47話でのサババ襲撃の追加シーンでも出撃の際に全員の駒の形態と人型への変形シーンが一人ずつ詳細に描かれている。
何気にアルビナスの駒形態は初公開になる。
彼らの左腕に装着されているエンブレムは親衛騎団の証であり、マキシマム配下の駒には付いていない。
これも体の一部らしく、フェンブレンがダイに倒された際、地上に送りつけたエンブレムも同時に粉々に砕け散り彼の戦死をメンバーに知らしめた。
サババの戦いでヒムは肩にダメージを受けたため左腕を切断、腕と共に落ちたエンブレムも一緒に爆発しているが帰還後腕と共に再生しており、他にもバーンパレスで何度か腕を破損することもあったが回復呪文で傷を癒せば腕と共に復元されている。
 
ハドラーを新たなる王とし、彼の忠実なる僕としてダイ達の下に立ちはだかる新たなる脅威の一角となった。
術者の精神に強く反映されるこの呪法を再度用いる際、ハドラーは精神的にも一皮剥けていた為フレイザードと違ってメンバー毎に性格の違いはあれど概ね人格者揃いで、敵役である故に残酷さこそは拭いきれないが基本的に正々堂々の戦いを好み、ハドラーの命令には忠実。
それはハドラー自身【ダイ】達との戦いを通して大きく変わった証とも言えよう。
フェンブレンはハドラーの精神にわずかに残っていた負の部分に大きく影響を受けてしまった為、かつてのフレイザードに似た残忍な性格となってしまったが…。
しかしながらそのフェンブレンにも常識的な部分は少なからず存在するため、各々が「ハドラー親衛騎団」の名に恥じぬ騎士道精神を持ち合わせているといえる。
また、彼らは仲間意識も人一倍強く、コンビネーションはチームワークに長けている筈のダイ達ですら圧倒した。その精神はかつてハドラーが纏めきれなかった魔王軍六大魔団長達とは歴然たるものがある。
さらに、これまで多くの軍団長がダイたちを少なからず侮って隙を生んでいたのに対し、彼らはハドラーがダイを「全てを賭けてでも倒すべき強敵」と評価するようになってから作られたためか、ダイはもちろん他のパーティーメンバーを相手にしても油断を見せなかった。
【マトリフ】【ポップ】からヒムとの初遭遇時の様子を聞き、その時のヒムの振る舞いと行動に、戦闘能力よりもむしろそちらの方に戦慄、警戒を怠らぬよう弟子に助言している。
 
その後何度もダイ達の前へ立ちはだかり度々彼らと死闘を繰り広げるも、親衛騎団のメンバーは皆志半ばで次々と散っていった。
しかし、中にはシグマやヒムのように、アバンの使徒を好敵手と認めダイとハドラーの関係と似た無二のライバル関係を築いていった。
ヒムに至っては命を与えられていたハドラーが死してなお、その遺志を受け継いだのかそのまま斃れることを由とせず、ダイ達の仲間に近い存在としてのふるまいをも見せていった。

戦闘力

戦うために生まれてきたチェスの駒から生みだされただけあり、全員が例外なく天才的な戦闘スキルを持っている。
戦闘スタイルには元のチェスの駒の特徴が反映されており、例えばフェンブレンは元となる僧正の奇襲性を反映して死角からの変則的な奇襲攻撃を得意としている。加えて、他の駒になれる昇格(プロモーション)能力を持つヒムや、一手で主の位置を入れ替える【キャスリング】能力を持つブロックのように、チェスの駒から生まれた所以から、チェスのルールに沿った駒特有の能力を持つ者もおり、要所要所でそれらを活かす場面もある。
アルビナスに関しては、うかつに動かさないのが定石である女王が調子づいて激しく動き回ったことが敗因となっており、そこにもチェスの鉄則的なものが取り入れられている。
 
また、全身がオリハルコンで構成されてるので当然のごとく全員が異常なまでの防御力を持っており、【マヒャド】等で極低温にして砕くなどの用い方をしなければ並大抵の技や呪文はまるで効果を成さない(それも未遂に終わったため、実際に有効かどうかは不明)
非生命体なので、【閃華裂光拳】【マホイミ】)のように生命活動に関連する技や呪文も当然通用しない。
実際、彼らにダメージを与えた描写のある呪文は、【メドローア】【カイザーフェニックス】だけである。
ただし物理的な攻めなら相応の威力は必要になるがオリハルコン製の武具でなくともダメージを与えることは可能。
 
オリハルコンの体は攻めにも有効に働いており、特にヒムやフェンブレンのように肉弾戦を得意とする者達にとっては、【覇者の剣】等の伝説の武具を使うに等しい攻撃力をも内包する。
他にも、ヒムには【メラ系】、シグマには【イオ系】、フェンブレンには【バギ系】、アルビナスには【ギラ系】の呪文……と、彼らにはそれぞれ違う種類の攻撃呪文の力が生まれながらにして宿されており、しかもそれらを単体で使うのみならず、それらの力を最大限活用した強力な必殺技が使用出来る。(ブロックだけは呪文を持っているかどうか不明のままだった)
 
またシグマには特別に伝説の武具である【シャハルの鏡】がハドラーより与えられており、そのあらゆる魔法を跳ね返す能力を自分やチームの戦力として用いている。

余談  

初めてダイ一行とヒムが対峙した際は「ハドラー様の忠実なポーン、ヒム」としか名乗っていないのだが、サババ襲撃の一報を受けたダイ一行はその名を聞く前にごく当たり前のように「ハドラー親衛騎団」と呼んでいる。作者側のミスだろうか……
この点は新アニメでも修正されていない。

勇者アバンと獄炎の魔王

ジャンプビクトリーカーニバル2023 公式ガイドブック(コミックス9巻収録)に登場。
フェンブレン以外の4人は4コマ目で色々と感想を述べていたが、フェンブレンは扉絵にしか描かれておらず。

何故勇者アバンに出てない彼等が描かれたのかは不明だが、ハドラーの部下故に芝田が描きたかった為だろう。