【パーティアタック】

Last-modified: 2024-02-12 (月) 14:20:09

概要

【戦闘】中のシステム。自分の【パーティ】メンバーに対して攻撃行動などを行うこと。
簡単に言えば仲間同士の潰し合い、要するに「同士討ち」である。
一見無意味に思えるが、これでもちゃんと有効活用できる場面があるからこそ搭載されている。

DQ3

戦闘中、コマンド対象選択時において敵の上にある「→」印を選択(リメイク版では左右のキーを押す)することによって、味方もしくは自分にコマンドを実行することができるというシステム。
また同様のシステムによって、回復系の【呪文】【アイテム】の使用など、本来味方のみが対象となる行動を敵にも適用することができる。
 
対象を切り替えられるのは単体または【グループ】を対象とした行動のみ。
さらに敵グループが対象であっても、味方に対しては1人にしか効果を及ぼさない。
全体効果や使用者自身のみを対象としたものは対象の選択ができないので切替も不可能である。
 
仲間の【眠り】状態は、味方からの直接攻撃を受けると高確率で解除される。
ダメージ覚悟の諸刃の剣とも言える行動だが、本作では眠った仲間への攻撃は特殊攻撃扱いになり、

○○○○は なかまを こうげきした!

という専用メッセージが出てダメージが大きく軽減される。
攻撃する直前に目覚めてしまっても、ちゃんと特殊攻撃扱いになるので安心。
もちろん、わずかなダメージであってもHPを削り切れば普通に死ぬので注意は必要だが。
また、【マヌーサ】状態だろうがこれは必中である。【バイキルト】も効果を発揮しない。
ただし対象が混乱を併発していた場合、そのターン内であっても、レベル欄が「ねる」から「らん」に変わった後であれば通常通りのダメージを受ける。
逆に、混乱した仲間から眠った仲間が物理攻撃でダメージを受けた場合でも、通常通りのダメージになる。
いずれの場合も、通常通りのダメージを受けると目を覚ましたか否かのメッセージが出ないので、目を覚ます処理は行われない模様。
 
【混乱】もパーティアタックで治るが、通常通り大きなダメージを受ける上に眠りと違って解除率は低い。
【防御攻撃】のバグのおかげで、混乱していても【ぼうぎょ】コマンドのダメージ半減効果は得られるので、混乱したキャラに防御させた上で殴ると比較的安全。
リメイク版では眠りと同じ専用メッセージが出て、ダメージが小さくなる(逆に混乱中の防御は無効)。
ちなみに、【どくばり】はパーティアタックでは確定1ダメージではない通常攻撃になり、急所効果も発動しない。(FC版・リメイク共通)
 
FC版の【公式ガイドブック】では混乱した仲間に【ラリホー】をかけて沈静化させたり、味方に【マホトラ】をかけて【MP】を分けてもらうなどのテクニックが紹介されている。
また、このパーティアタックを利用して味方が陥った厄介な状態変化に対処するというテクニックは「荒療治」とも呼ばれることがある。
「厄介な状態変化に陥った味方を、一旦殺してから【ザオリク】で蘇生する」などというテクニックは、その最たるものである。
 
また、味方に【ボミオス】を使い、あえて確実に後手をとり、回復を安定させるという使い道もある。
一見【ピオリム】【すばやさ】を上げて確実に先手をとった方が良いと思われるが、リメイク版では行動順にランダム要素が強くなり、素早さの上限が255しかないため、ピオリムで素早さを上げるより有効な場面もある。
特に【いてつくはどう】を使わず全体攻撃を多用する【バラモス】彼の弟なんかには有効な作戦の一つ。
また、GBC版に限り凍てつく波動で味方にかけたボミオスが残るようになったため、波動を使うゾーマやしんりゅうとの戦いでも有効になった。
 
逆の用法として、本来味方に向けられる回復や補助呪文を敵にかけることもできる。
一見用途に困ると思われる機能だが、【ゾーマ】にホイミ系や【やくそう】を使うとダメージを与えることができる特別な仕様がある。
FC・GBC版では消費MPに対して与えるダメージが高く、なかなか燃費が良いため結構使える。
 
非常にマニアックな戦術としては、SFC版限定で「バイキルト状態の敵は痛恨の一撃が出ない」ことを利用し、【ボストロール】等にバイキルトを掛けた後、自分達に【スクルト】を掛けまくることで、【痛恨の一撃】による事故を回避するテクニックも存在する。
しかし、【ザオリク】などで復活した敵の【経験値】は得られないため、経験値稼ぎのためにザオリクを敵に使って永久パターンを繰り返すという手は使えない。
 
味方同士で戦って最強【職業】を決める、というのもなかなか熱い楽しみ方である。
ここでまず最初に優勝候補に思い浮かぶのは【ザキ】を使える【僧侶】だろう。
味方への【バシルーラ】(勇者を除く。リメイク版では無効。)や【ザキ系】は100%有効で、ザキ系は先程の荒療治の際にも、最も手早く味方を殺したいときに有効な呪文。
回復呪文も使えるため長期戦にも耐え得る。
これの対抗馬筆頭は【魔法使い】だ。【マホカンタ】を唱えられれば自分がやられてしまう。
しかも大抵素早さは魔法使いの方が高いので先に使われてしまうことが多い。
さらに【スカラ】【守備力】を固められた上【マホトラ】でMPを吸い上げられたらもはや為す術はない。
一見一番強そうな【勇者】にも分が悪い。必殺の【ギガデイン】が味方には打てず、【マホトーン】を先に使われると作戦は通じなくなる。
所持道具に制限を設けない場合、【ようせいのふえ】【いかずちのつえ】を持った【武闘家】あたりが最強候補だろう。
眠ったところを普通に殴っても弱ダメージで起こしてしまうだけだが、【道具】のダメージでは起きることがないからである。
 
【みちくさ冒険ガイド】でもSFC版での最強職業決定戦が行われ、「【賢者】以外では魔法使いが優勝」という結果が出てているが、「ゾーマ打倒前に入手できるアイテムしか装備しない」と決めつつ【まじゅうのツメ】を装備したり、「装備可能なアイテムだけは使用してよい」と決めつつ全く使用しなかったりと、ルール関係からして疑問符の付くものになっている。
 
通常攻略外の利用として、【タイムアタック】において味方を間引くことで経験値を偏らせたり、【デスルーラ】に利用したりもする。
そして、味方へのバシルーラを利用した裏技が複数存在する。

スマホ版以降

パーティアタックそのものが削除され、上記にあるような行為は一切できなくなった。
にも関わらず、【ギアガの大穴】の混乱にパーティアタックで対処する旨のアドバイスをくれる【兵士】は、セリフも変更されずそのままいるため紛らわしいことになっている。
また、このせいでマイナー呪文のボミオスの使い道がさらに減ってしまった。
眠りや混乱の解除の方法が減ってしまう結果にもなっている。
 
3DS版では台詞が修正され、パーティアタックのヒントとなりえる部分はカットされた。

DQ4(FC版)

DQ4でも引き続き搭載。ただしリメイク版では削除された。
 
第四章まではマニュアル戦闘なので自由に使える。
一方、第五章では仲間が全て【AI】のみで行動するため、パーティアタックを使えるのは勇者のみ。
眠っている味方に打撃攻撃するとダメージがほとんど通らない仕様は前作と同じだが、専用メッセージはなくなり、これで起きることもないのでやる意味がない。
また前作と違って攻撃する前に目覚めてしまうと普通にダメージが通る。(前作の仕様が中途半端に残った形)
ついでに言えば今作では眠り・麻痺時は被ダメージが半減するという謎仕様もある。
眠ってしまった仲間に対しては、打撃のみならず呪文でもなかなかHPが削れなくなってしまうのである。
何らかの理由で仲間を死亡状態にさせたい場合は、眠りの特技を持つモンスターとのエンカウントは避けたほうが良い。
 
【メタルキング】を麻痺させて【はぐれメタルヘルム】を盗む際には、【トルネコ】の打撃で相手が死なないよう、【勇者】【ベホイミ】で回復してやると良い。
また本作の【しゅくふくのつえ】は、なぜか敵に使うのがデフォルトになっているので、勇者に持たせた場合はパーティアタックを利用する必要がある。(AIは普通に使ってくれる。)
その他、本来味方にかけるべき呪文を敵にかけるという使い方もできる。
その最大の活用法がボスに【マホステ】をかけるというもの。
何しろ本作にはボスには絶対に通用しない【ザキ系】を狂ったようにかける神官さんがいるのだ。
これで奴の無駄行動を封印し、本分である回復・補助に専念させることができる。
無論そのボスに対しては【てんくうのつるぎ】を使用しない限り、以後一切呪文は通用しなくなる。
それでもメリットの方が圧倒的に上であろう。

DQ5~DQ9

DQ5でパーティアタックは一旦廃止された。DQ3(スマホ版以降)・DQ4(リメイク版)でも前述した通り廃止されている。
眠った人間を叩き起こす等の行動は理に適っているし、使いどころも用意されていたが、廃止された理由をいくつか推測すると、初心者への配慮としてのシステムの簡素化や、暴力表現への配慮などが考えられる。(特にDQ5は主人公の嫁や子供もパーティに加わるので、そのことも大きな理由だと思われる)
また、DQの呪文や【特技】は敵と味方で仕様が異なっていたり、【ベホマ】がダメージになるなど本来の機能と違う仕組みでパーティアタックの利点を表現していたことなど、元々標準化に不向きだった要素も見られる。
 
戦術を広げる新システムとして大きく取り上げられた導入時と違い、廃止はほとんど注目されなかったため知らない人も多く、『ジャンプ放送局』では【仲間モンスター】をパーティアタックで調教ごっこなど実際には不可能なネタが実話風に投稿、掲載された。
 
シリーズが進むにつれてパーティアタック同様「味方を叩く」をコンセプトとした【みねうち】【ツッコミ】といった特技が登場したこと、死ぬことに意味がある【装飾品】【メガンテのうでわ】などが登場するようになったこと、作品によってはこちら側が絶対に負けないようになっているイベント戦闘(DQ7の【マチルダ】やDQ11の【ハンフリー】)があること、また映像表現との兼ね合いからもいつでも自分や味方を攻撃できることの不都合は大きくなっているとも言える。
 
少し遅れてパーティアタックを導入した『ファイナルファンタジー』シリーズでは、その後もパーティアタック前提の戦術的なシステムを展開させており、分かり易さを重視したDQシリーズとの対比の一つとなっている。

DQ10オフライン・オンライン

【魅了】の状態の仲間に対してパーティアタックができ、一定確率で魅了を解除できる。
魅了された仲間は敵同様に扱われるので、範囲攻撃をすると敵もろとも巻き込んでしまう。

DQ11

魅了状態に加え、混乱状態の仲間に対してもパーティアタックができる。逆に、それ以外の状況ではパーティアタックできない。
パーティアタック可能な状況になると、ターゲット選択ウィンドウで敵モンスターと一緒に該当する味方の名前が表示される。
3DS版等でパーティアタックを指示したキャラに行動順が回ってくる前に対象キャラの混乱・魅了が回復した場合、【オートターゲット】が発動して敵に通常攻撃を行う。
DQ10同様、魅了された仲間がいるときに全体攻撃を使うと巻き込んでしまう。
【ギガブレイク】【イオグランデ】などで巻き添えになるとかなり手痛いことになる。
特にAI戦闘時は注意が必要。

不思議のダンジョンシリーズ

仲間が存在するトルネコ3以降では、通常仲間への直接攻撃はできない(攻撃コマンド=会話になる)が、ものを投げたり【杖】を振ったりする等の間接攻撃ならパーティアタックのようにダメージを与えられる。
そもそも仲間を回復する手段も「薬草(少年ヤンガスでは【パン】も)を投げて当てる」という、ある種のパーティアタックである。
そして本編同様、かなしばり状態等の攻撃すると解除される【状態異常】を回復するため、あるいは混乱した仲間を一時的に黙らせるために使うこともあるだろう。
もちろん、いらない仲間を処分する際にも……。
ただし、トルネコ3にて【ポポロ】が健常な場合は仲間画面から「冒険から外す」を選べば、アイテムやターン無消費で何匹でも解雇することができる。
ポポロがアイテムを使って仲間を処分をするときが来るのは、ポポロが混乱や【まどわし】などの状態異常のときだけだろう。
もちろん【トルネコ】【イネス】【ロサ】がいらないからといって抹殺すると即ゲームオーバーになるので注意。

テリワン3D

これとほぼ同じことができる【冥界バグ】という裏技があったが後に配信された更新データで修正された。

ロトの紋章

カーメン城の跡地でのバラモスゾンビ戦にて、敵のメダパニを食らって混乱したタルキンとヤオを鎮めるため、ボルゴイがタルキンに手にしていた杖の一撃で当身を食らわせ、ティーエがぬいばりの剣をヤオのうなじに軽く突き立ててパーティアタックを行った。
味方の混乱をあえての攻撃で解消するというもっともよくあるシチュエーションを再現した一幕となっている。

ダイの大冒険

怒りに我を忘れた【ダイ】を気絶させるために【マァム】が殴ったり、【ザムザ】の放った皮膜粘液を拳にうけてしまい技が出せなくなったマァムに【ポップ】【メラ】を放って炎で粘液を溶かすように【ゴーストくん】が指示したり、【バラン】【竜魔人】の姿を見せぬようダイに【ラリホーマ】をかけたり、【クロコダイン】【ヒートブレス】で体にまとわりついた氷を溶かしたりするなど、仲間に攻撃や呪文を使う場面が多数存在する。
【閃華裂光拳】も、その原理としては敵に(過剰な)回復呪文をかけるような技である。

アベル伝説

【げんじゅつし】【メダパニ】で混乱した【モコモコ】【ヤナック】がラリホーをかけて沈静化するシーンが存在する。