【パノン】

Last-modified: 2023-12-15 (金) 12:22:37

概要

DQ4、DQ6、DQ9、DQ10に登場する人物。
いずれも別人だが、職業は共通して【旅芸人】
英語版での名前は、NES版DW4ではPanon、それ以外では共通のTom Foolery(tomfooleryには「道化」という意味がある)。リメイク版DQ4でのパーティメンバーとしての名前はTom。

DQ4

戦闘に参加するNPC:DQ4
【ホイミン】【スコット】【ロレンス】【オーリン】【ホフマン】―【パノン】―【ルーシア】【ドラン】

戦闘に加わるNPCの一人。FC版のステータスウィンドウ上での表記は「ハ゜ノン」。
【マーニャ】去りし後の【モンバーバラ】劇場の人気者。
FC版公式ガイドブックでのイラストは芸人というよりどう見てもただのピエロだが、ゲーム内のドット絵では(芸人らしいグラフィックが無かったためか)弁髪の武闘家の外見になっている。先んじて集英社から刊行されていたファミコン奥義大全書では、当初ピエロ設定がなかったのか、とぼけた感じの朗らかなおじさんのようなイラストだった。
 
【スタンシアラ王】を笑わせる事に一度挑戦するか、【スタンシアラ】城2階の玉座へ行くための階段の右にいる行商人っぽい男性に話しかけた後、モンバーバラにいるパノンに話しかけると仲間になる。
熟知していれば船が手に入った時点ですぐ仲間にすることができ、【ホフマン】と共に【パデキアの洞窟】へ同行させることも可能。
 
スタンシアラ王を笑わせて【てんくうのかぶと】を得るために、【勇者】と同行。
彼を先頭にして王に話しかけると、パノンと王の対面となる。
名芸人として知られる彼がどんなに面白いことを言うのだろうと、スタンシアラ王もメンバーもプレイヤーも期待していたが、そのとき彼の口から出たのは意外にも真摯な説得の言葉であった。
「自分には王様を笑わせられないが、この者(勇者)たちなら世界を救い人々に本当の笑顔を取り戻してくれる。 だから彼らに天空のかぶとを譲ってあげてほしい」

その言葉に感銘を受けた王様は、勇者たちにかぶとを譲ってくれる。
本作の名シーンの一つである。
兜入手後はすぐにパーティから離脱する。
普通に進めていたら一緒に戦闘する機会は皆無か、あっても回数はわずかだろう。
FC版では離脱後どこへ行ったのか一切不明であり、二度と会うことができない。
 
あまり意味はないが、てんくうのかぶと無しでも【エスターク】は倒せる=【ルーシア】を仲間にすることが可能なので、その状態で仲間にすると、導かれし者8人+パノン+ルーシアで今作最大の10人パーティーが組める。
もちろんパノンがいる状態でルーシアを迎えに行くという逆パターンでも可。
10人パーティーにする唯一の方法である。
 
しかし、彼をさっさとスタンシアラに送り込んで別れてしまうのは非常にもったいない。
詳しい理由は後述。

能力

 FC版PS版DS版
ちから28
すばやさ38
たいりょく-38-
みのまもり--19
かしこさ-55
うんのよさ-88
攻撃力88
守備力53
最大HP85
最大MP24

 

さっさとスタンシアラに行かずにしばらく連れ回した方がお得というのは、彼は相手のラリホー耐性を無視して眠らせるチート武器【まどろみのけん】を装備しているから。
勇者と【ライアン】にも装備させて3人がかりで眠らせにかかれば、あらゆるボスは眠っている間に袋叩き。
また【みかわしのふく】のおかげで高い回避率を持っている他、時々【ふしぎなおどり】を踊ることがある。呪文を多用するモンスター相手には有効なこともないではないが、その効力は3~7なので【ふしぎなおどり2】と同じ。
 
なお、彼の行動パターンには通常攻撃と【ねむりこうげき】の両方が設定されており、眠り攻撃の方にだけ敵を眠らせる効果がある…と思わせておいて、通常攻撃でもまどろみのけんの効果が発動して結局眠らせることができる。なんのための眠り攻撃なのか…。
本作で戦闘に参加するNPCは通常攻撃時にPCと同じく会心の一撃が発動するように設定されているが、眠り攻撃の方では会心の一撃が発動しても「かいしんのいちげき!」が表示されない。にも関わらず、ダメージは会心の一撃相当というややこしい状況が成立する。通常攻撃を選択した場合は普通に会心の一撃になる。
【8逃げ技】【パルプンテ】の効果で強引に会心の一撃が発動するようにすると分かりやすいが、平時でもときどき「かいしんのいちげき!」という表示の無い会心の一撃相当の与ダメージが発生する。
 
【キングレオ】から【エスターク】までのボスとは戦わせることができるので、キングレオが倒せない場合は彼の投入を検討してみるとよいだろう。
ただし、エスタークとは戦わせないほうがいい。理由は簡単、【あやしいひかり】のせいで全体攻撃が来るからだ。
余談であるが、後述のPS版以降では彼をエスターク神殿に連れていくと「なんで私がこんな所に…」と愚痴りだす。
 
バグ技を使えば最後までパーティに残せないこともないが、さすがにデスピサロ相手にはダメージが全く通らず、ミスの可能性がある分だけ追加効果には大して期待できない。さらにラリホーや踊りなどの実質無駄行動も少なくない。
それでも1ダメージ通ればそこそこの確率で眠らせることができるので、いざという時にパーティの危機を救ってくれることもあるのだから、最後まで侮れない奴である。
なお最大HPはホフマンよりも低く、もしラスボス戦で使うのであればその紙耐久の対策が課題となる。
例えば素早いキャラと入れ替えながら使えば、パノンが馬車から出るときには後攻でも、馬車に戻るときは先攻となるので、ほとんど攻撃を受けずに追加効果を狙うことができる。

PS版

専用のグラフィックが用意され、赤い服を着た普通の男性の見かけになった。
公式イラストは金髪に口ひげを生やしたナイスなおじさまである。
 
また、【仲間会話】の恩恵を非常に大きく受けたキャラでもあり、彼を様々な街に連れて行くとその街や城の名前を織り込んだダジャレを披露してくれる。
気がつくと彼を連れ出した理由を忘れて世界中を連れ回していた人も多いハズ。
大抵は持ちネタの「おはなしっ!」とは比較にならない程低レベルで、彼自身が「今のはナシ」とダメ出しするくらい悲惨な物もかなり存在する。
ちなみに現実の芸人たちも実際にウケが取れるギャグを生み出すために数々の没ネタを量産する場合がほとんどなので、これもその過程として生温かく見守ろう。
本人曰く「歌もイケる」らしく、歌詞がダジャレになっている歌を披露することも。
 
それよりも、【ゴットサイド】【世界樹】にまでギャグが用意されたことに驚きである。
つまり、入場に天空の兜がどうしても必要になる【天空への塔】までに訪れるほぼ全ての町施設に彼との会話が用意されているのだ。
あろうことか【アッテムト】にまでもギャグが用意されている。さすがに本人も「そんな事言っていられる状況じゃない」とすぐに反省した。
ちなみに用意されていないのは【フレノール】【キングレオ】 【ロザリーヒル】【山奥の村】である。
フレノール以外はストーリー的にも茶化しづらい場所ではあるが、魔物に占拠された【サントハイム】では用意されているなど、基準はわかりづらい。製作陣が何も思い付かなかったのだろうか。
 
また地名ネタだけでなく、フィールド上の会話ではストーリー進行に応じて仲間の名前やイベントアイテムをネタにすることもある。
中には「パノンをライアンより先に仲間にした場合のみ見られる」というレアなネタも存在する。
仲間会話システムが追加され、よりキャラクター性を楽しめるようになった本作ではストーリー進行による戦闘力の物足りなさをそっちのけに会話のためだけに連れ回すだけの価値は多いにあるといえよう。
 
彼を仲間にすると【ブライ】が「サントハイム王女一行に芸人などという身分の低い者が加わるなど」と愚痴り出すが、(広い意味では)同じく芸人という括りに入る踊り子・定職も住居も持たない孤児が既にいる時点で身分云々は今更である。
とはいえブライも結局「面白いからまぁいいか」で済ませているので、身分に言及したのは王族に仕える家臣としての建前に過ぎないのだろう。
 
なお、リメイクに伴いまどろみの剣は耐性無視効果が消滅して大幅に弱体化したが、彼の攻撃だけは耐性無視が存続している。
これは彼がデータ内でモンスターとして扱われており、無属性の【ねむりこうげき】を使うことでまどろみの剣の効果を再現しているという仕様によるものである。
なので、パノンのみ相変わらずあらゆるボスを眠らせるという謎の活躍を見せる。
それこそやり込みプレイヤーならレベル10台前半で強化されたキングレオすら葬り去ることが可能である。だが、当然ながらレベルアップの音が大量に鳴り響いてむしろテンポが悪化するというデメリットがある。
 
PS版のみ、【マスタードラゴン】との謁見後に【移民】として再登場する可能性がある。
専用グラフィックとなっているため、カテゴリ名はそのまま「パノン」。
なお彼はなぜか特殊種族扱いなので、【ミステリータワー】を作りたい場合は利用できる。
このため実は人間じゃないのでは?という疑惑が……。
もし彼が本当に人間以外の種族の場合、後述するDQ6版パノンも同名というだけではない同一人物という可能性も生まれてしまうが、真相は定かではない。

DS版以降

とうとう、眠り攻撃がまどろみの剣と同じになり、耐性無視能力がなくなってしまった。
こうなると【ラリホー】とふしぎなおどりを踊るだけの攻撃力の低いオッサンであり、単なるダジャレ要員と化している。
 
それでも仲間会話における活躍は健在なので、PS版を未経験なら連れまわしてみるのも一興か。

DQ6

かつて下の世界の【クリアベール】を訪れた旅芸人。
病床の【ジョン】少年に【運命の壁】の頂上で手に入る「勇気のかけら」をプレゼントする約束だったが、果たされることなくジョンは亡くなってしまった。
 
ちなみにパノン本人と思しき人物は記憶を失った状態で海底のとあるほこらにいる。
海の底を漂っていたところをこのほこらのシスターに助けられたらしく、一緒にいる子供からもこのおじさんはとても面白いと絶賛されており、芸人パノンであることが示唆される。
リメイク版ではこのほこらの名前が【パノンのほこら】になり、彼がパノンであることがほぼ確定した。
なんでこんな海底のほこらに生活している人間がいるのか、どうやって生活しているのか、クリアベールから陸路ですぐ北東にある運命の壁を目指したはずのパノンが全く関係のない海域の海底を漂っていた理由はなんだったのか、謎は尽きない。よほどの方向音痴だったのだろうか。

リメイク版

【デスコッド】で「ちかいみらいの夢」を選ぶとDQ4のパノンが宿屋に現れる。
【スコット】を雇ったものの、来るまでに5日かかったとかで着いた途端に帰ってしまったらしい。

DQ9

【ダーマ神殿】の地下で幽霊として登場。
【旅芸人】の職業クエストである【芸人パノンの大特訓!】【一流芸人への道】の依頼主である。

DQ10オンライン

【プクリポ】の名優。
プレイヤーキャラクターの種族にプクリポを選ぶと、あこがれの存在として名前だけ出ていたが、Ver.4.4ストーリーで重要な役どころで登場する。
詳しくはこちらを参照。

知られざる伝説

【知られざる伝説】では、DQ4のパノンを語り手としてパノンの来歴が語られる。
DQ4の時代から百数十年前、【ゴットサイド】にひとりの生真面目な神官がいた。
やがてエスターク以上の大魔王が現れるとの予言に基づき、古代王朝アンヴロビアの遺跡を発掘してその遺産を人類のために役立てようとしていたが、遺跡の宝物蔵から発見されたのは大量のお笑い小咄を記録した石版だった。
唖然とする神官だったが、そこに残された古代の賢者ネブラスの
「苦しい時代にこそ笑いが必要だ。皆が笑顔で暮らせる世界こそ本当の幸せなのだ」
という言葉を見て大いに感銘を受けた神官は自ら芸人に転職し、人々に笑いを伝える道へ進む。
その神官こそ“初代”パノンであった。
以来、古代の賢者と初代パノンの志を受け継いだ者たちが、代々「パノン」を名乗り、世界に笑いを振りまいているのである。
 
……後に、DQ4よりずっと昔のはずのDQ6や別世界のDQ9にもパノンが登場し、この外伝とは大きく矛盾する形になってしまったが、辛い時代、苦しんでいる人たちにこそ笑いを届けたいという“初代”の志は、間違いなく続編のパノンたちにも受け継がれている。
また直接関連があるわけではないものの、「人々に笑顔を届ける旅芸人」というその立ち位置は、DQ11の【シルビア】にも受け継がれている。

ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ

7巻で「パノン名言集」という書籍の存在が示唆される。
主人公であるソウラが幼少の頃から読んでいた本で内容はお笑い・コントと思われる。

小説版DQ

久美沙織作「小説ドラゴンクエストIV」ではマーニャが名前と持ちネタの「おはなしっ!」を紹介したにとどまり、スタンシアラ王を笑わせるのは彼ではなく主人公ユーリルをはじめとする導かれし者たち全員の役割となっている。
ちなみに上記の持ちネタの作中での評価はかなり高い。
マーニャがやったせいかもしれない。
 
小説版DQ6ではゲームや小説版DQ4と打って変わって重要なポジションで登場。
クリアベールで当時3歳だったジョンと出会ったのはゲーム通りだが、それよりも更に昔、【ミレーユ】が幼かった頃に【ガンディーノ】を訪れ、ショーを行っていた。
ミレーユとシェリスタに弟子入りを頼まれたが、
「芸は人間を好きじゃなければできない。自分に一番身近な人間である家族をないがしろにする人には向いていない」
と二人を叱り諭して旅立った。
それから数年が経ってミレーユが14歳の時、パノンの芸を独占しようとした当時の王妃によって無理やりガンディーノに連れてこられるが、命令に背き続けたことで投獄され、牢屋でミレーユと再会する。
生きる気力を失ったミレーユを励まし、彼女が脱獄する手助けをしてくれた。
ミレーユが脱獄した後もパノンは手品や歌などで他の囚人達を励まし続け、前王の最後の誕生日に大勢の前で箱抜けショーを披露してそのまま姿を消したという。
牢屋でミレーユと再会した時は既に40歳近い年齢、渋い声をしていて、すごくハンサムと言うわけではないが姿の良い男性とのこと。
箱抜けショーのあと行方がわからなかったが、狭間の世界に連れてこられていた。
【牢獄の町】にいたのだが、そこの生活環境が酷いせいか、カカシのように痩せ細り片足も少々不自由になってしまっている。
しかしパノンは優しさと希望を失うことはなく、子供たちに様々な話を聞かせていたという。
反乱計画の第一段階が成功したあと、ミレーユとつかの間の再会を果たした。

ライブスペクタクルツアー

容姿はリメイク版4に準拠、その為ギャグのネタも会場毎に変えていた。田中精が演じた。