【ピピン】

Last-modified: 2023-06-12 (月) 10:59:55

概要

男のキャラクターの人名。DQシリーズでは次の人物が存在する。

  1. DQ4に登場するNPC
  2. DQ5に登場する【プレイヤーキャラクター】。リメイク版DQ6にもゲスト出演している
  3. マンガ『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』の登場人物

 
フランク王国の代々の当主の名前として知られる。
海外でもあまり一般的な名前ではないが、ファンタジー作品にはしばしばこの名前の人物が登場する。

DQ4

【アッテムト】で働いていた男性の息子で、【ルナ】という姉がいる。
英語版での名前はNES版ではPipin、DS版以降ではJack。
 
父親と会うことを楽しみにして【ハバリア】までやってきたが、残念ながら会うことはかなわなかった。
【ミネア】【マーニャ】がハバリアを出港する際に同じ船に乗っており、父親に会わずに帰ることに憤っていた。
だが、その父親は既に…
 
PS版では、後に【移民】の1人として登場。
移民カテゴリは【男子供】。として登場する。姉とはぐれてしまったらしい。
ルナを移民に加えると再会できるが、こちらでは特にドラマがあるわけではない。
カテゴリは「男子供」なので、利用価値はあまりない。

DQ5

パーティメンバー:DQ5
【主人公】【ビアンカ】【ゲレゲレ】【フローラ】【男の子】【女の子】【ヘンリー】【サンチョ】―【ピピン】(―【デボラ】

前作ではただの一般人だったのが、今作ではパーティメンバーにまで出世した。
【グランバニア兵士】。青年期後半から仲間に加えることができる。
英語版での名前はTuppence。
 
青年時代前半で兵士になると言っていた宿屋の息子が成長した姿で「平和は待っていても来ない、自分たちで築いていくものなんだ」と張り切っているが、それ以上彼についてストーリーがあるわけでなく、ある意味おまけのような仲間。
青年時代後半でピピン本人に話しかけることが加入条件。2周目以降のプレイではこれを忘れてて「ピピンが酒場にいない!」と慌てるプレイヤーもいる模様。
なお上記のセリフはピピンが母親である宿屋の女将に対して語ったもので、彼女からの伝聞で聞くことができる。
 
ちなみに、おまけキャラということもあって仲間になる人間キャラの中で唯一エンディングで登場しない。そんな、ひどい…
というか、最後は彼のホームであるグランバニアが舞台なのに、どこにも姿が確認できない。【キラーパンサー】や部外者の【プサン】、NPCの【ドリス】【ルイーダ】ですら台詞があるのにである。
これについては、ピピンは一応「条件を満たさないと仲間にできない任意加入キャラ」であるためとも考えられる(次作での任意加入キャラも同様にオリジナル版ではエンディング未登場だった)……のだが、キラーパンサーも青年時代は同じく任意加入であるため、なぜ扱いに差があるのか謎。
 
さすがにヒドイということになったのか、リメイク版では兵士の1人がピピンに差し替わっている。というより台詞はそのままに名前欄が「*」から「ピピン」に変わっただけ。
もしかしたら、元々この兵士がピピンだったということだろうか。だとしたらパーティメンバーなのに無名の兵士扱いだったということになるが。
なお、彼を一度も仲間に入れていない状態でグランバニアの宿屋にいる彼に話しかけた場合も名前欄は「*」になっている。
一度も仲間に入れてなくても大神殿をクリアすると何故か一緒に旅をしたことになり、王である主人公の強さを絶賛する。これはサンチョも同様。
 
前作と同名キャラを再登板させて「宿屋の息子」設定にするなら、【ププル】【ホフマン】など、もっとふさわしい名前がいたはずだが、なぜピピンだったのかは謎。
【サンディ】のケースと違って、この2作は発売間隔が2年しかなく、制作会社も同じ【チュンソフト】であるため、偶然被っただけという線は考えにくい。
一度プレイヤーキャラに格上げされたためか、以降の作品で同名別キャラが登場することはなくなった。
 
ダメージ系への耐性が無い人間キャラより仲間モンスターの方が有用なバランスである本作においては、装備が充実しているとはいえ、専用の武具があるわけでもなく、呪文・特技なし、ステータスも平凡な彼はお世辞にも使えるキャラとは言えない。
日々ルイーダの店で酒を飲むのが仕事のようなキャラだった。
ルイーダの店で待機させるとグランバニア城1Fの自宅(宿屋)に戻るので、ある意味「自宅警備員」の姿を彷彿とさせる。
初期装備は【はがねのつるぎ】に鉄製の防具一式と、兵士にしてはいいものを揃えている。グランバニア国軍の支給品だろうか。それならサンチョ用にてつのむねあても用意してほしかったものである。
しかし彼が加入する時点ではすでにかなり時期遅れの装備。
しかも、彼とほぼ同時期に勧誘できる【ゴーレム】はこれらをすべて装備できる上、能力は二回り以上強い。
仲間になったゴーレムのとりあえずの装備として彼のものを引っぺがすプレイヤーも多い。
 
一応、通常攻撃に比重がかなり置かれている本作では、武器の持ちかえで【ふぶきのつるぎ】【はやぶさのけん】【デーモンスピア】などを使い分けていく意義は大きいので、装備できる武器が独特で豊富な彼を使う場合はできるだけ揃えてあげるといい。【みなごろしのけん】まで装備できたりする。
ちなみに「重装備のできる戦士タイプキャラ」としては素早さがそこそこ高いという長所があるので、戦闘に参加させるならこれを活かしたいところ。
 
なお、シリーズ恒例の『魔王とは直接的な因縁のない』パーティメンバーでもある。

容姿

ゲーム内のグラフィックは一般NPCの兵士と同じもの。
公式ガイドブックでは、なんともビビッドな紫の髪で、アゴが異常に発達した非常に特徴的な容姿(ついでに言うと青年兵士というにはやや老け気味)をしている。

ステータス

Lv素早さ身の守り賢さ運のよさ最大HP最大MP経験値
初期140352920158000
途中208250354030202035638
40143774061393060620585
最大9925521011015013551007545956

耐性

無効(なし)
強耐性ザキ・麻痺、ラリホー、マヌーサ、マホトーン、メダパニ、毒、休み
弱耐性(なし)
無耐性メラ、ギラ・炎、イオ、ヒャド・吹雪、バギ、デイン、マホトラ、ルカニ、メガンテ・体当たり

リメイク版での覚醒

【オーリン】などと同じく、リメイクで猛烈に容姿が変化したキャラのひとりである。
PS2版では、ゲーム内グラフィックは一般兵士のものと同じものだが、公式ガイドブックで【村上ゆみ子】によって描かれたイラストは、SFC版から大きく変わった。
丸顔の至って平凡な顔になり、髪色もありふれた色に変わり、本当に「一般兵」然とした姿になってしまった。会話システムで強烈な個性を得た代償だろうか。因みにいずれも、後ろで髪を束ねている。
DS版以降はゲーム内でも村上ゆみ子イラストに基づいた専用グラフィックになった。
 
変わったのは容姿だけではない。
仲間会話システムの採用によって彼の評価は一変。ピピンの本性がこれまでのイメージであった「正義感に燃える純朴な田舎兵士」とはあまりにもかけ離れていて凄まじかったのである。
まず、仲間に入れた際の第一声が「この旅でついでにお嫁さん探しもしちゃおうかな~。」
「小さい頃から兵士になるのが夢」「呼んでいただけて光栄」という兵士らしい実直な印象は即座にしてブッ壊れる。
一応元々グランバニアには女性や子供が少ないため、そのためにも外部からかわいい嫁さんをもらって子供をたくさん...という考えがあるようだが。
 
ということで、町中でのピピンの会話は基本的に美人探しからスタートするが、そのストライクゾーンがやたら広い。
子供はさすがに対象外だが、町娘から人妻(具体例は主君の友人)、見た目さえ若ければ【エルヘブン】の長老達もイケるクチ。
また美人を探すだけでなく「美人のニオイ」というものを感じることができるようで、【サラボナ】では主君に対して「やっぱり女性はボン! キュッ! ボーン!ですよね!」と同意を求めてくる。
【カジノ船】に連れていけばバニーガールとダンサーに大興奮し、【修道院】ではシスターに現を抜かす。
【アイシス】の寝室を見てよからぬ妄言を放ち、女の子が多い【妖精の村】では「ぽっ……。」となり、【妖精の城】では【妖精の女王】を独身と睨んで射程圏内におさめつつ、早くも妖精族と自分との間に子供を設けるところまで妄想している等、身分や種族すらも関係ない。
 
また、しれっと王座を狙っているかのようなセリフをのたまったり「はやくみんなからピピン様と称えられたい!」「ぼくもいつか国を作るぞ~!」とやたらビッグな野心を抱き、旅でキャリアを積んで出世することを目標にしている。
これならまだ許せる範囲だが、【聖なる湖】では「今がチャンスだ。この霧に乗じて国王の座を…」とまさかの簒奪を企てる始末。
さらには【封印の洞窟】で主人公にもしものことが起きた際には「残されたお子様と奥様はぼくが引き受けます」と、主の家庭を奪う気マンマンである。不敬罪どころか反乱分子としてひっ捕らえられても文句は言えまい。
…等々、欲望とエロ心に燃え、口を開けば出世と女のことばかりという恐ろしいまでに欲望に忠実。
 
これだけでも色々とアウトなのだが、キラーパンサーを仲間にしていない場合の【魔物のすみか】では「けっこう強そうな魔物ですね、ボク実家に帰っていいですか?」と、いきなり職務を投げだそうとする。
他にもサラボナで雲を突き抜けるほどの魔物の話を聞いてグランバニアでお留守番しようとするわ、【ボブルの塔】では死地で主君を先頭に立たせようとするわ、魔界では「お供を間違えていませんか?本当にボクでいいんですか?」と寒さでブルブル震えながら聞いてくる。
このように、いざお望みの大舞台に立たせると途端に萎縮する、恐ろしく小市民かつ俗な男であった。
 
その言動のあまりの面白さに、ストーリーそっちのけで彼に話しかけまくるプレイヤーが多発。
一方、ネタとしてもKYと言われても仕方ない失言も少なくなく、その度合いを語るなら主人公の地雷を的確に踏み抜き、殺意まで抱かせた唯一の人間と説明すれば十分であろう。
 
ただし、彼の発言を隅々まで聞くと主人公の故郷でもあり滅ぼされた【サンタローズ】を訪れた際など茶化す場合ではないシリアスな場面ではちゃんと慎んだ発言をしていることがわかる。…まぁこの町でまでおちゃらけられたら流石にプレイヤーとしてもカチンと来るだろう。
また、兵士だけあって防衛に対する意識はかなり高く、【ラインハット】城について「兵士の配置が甘い。城の硬さにタカをくくっててるのか?」と低評価を下す一方で、逆に夜中に堀から跳ね橋を上げていることに「ああすれば守りは完璧になる。勉強になる」と感心し、【天空城】については「守りづらそうな城」と評し、【大神殿】に至ってはあっさり忍び込めたことに「見張りがいたのに情けない」と呆れている。
さらに主人公への侮辱は断じてNGらしく、キラーパンサーを仲間にしていない場合の【カボチ】村のイベントでは「(主人公)王に対して何たる侮辱、叩き切ってやりたい」とマジギレする。先ほどまで職務放棄して実家に帰ろうとしたとは思えない豹変っぷりである。
このように「正義感に燃える田舎兵士」としての一面も実はちゃんと残っており、忠誠心や愛国心も確かなものがある。
 
そして、【ミルドラース】戦の直前まで連れてきて話しかけると
「道中での自分とのおしゃべりは楽しんでもらえたか」
と質問してきており、肯定すると
「ありがたき幸せ、もう思い残すことはありませんよ」
とまで言ってくる。
あの発言の数々は苦しい旅を少しでも明るくしようとして敢えて道化を演じていた部分もあったらしい(実際、魔界までくると「冗談を言う余裕もない」とボヤいていたりする)。
否定すると「自分を捨てて頑張ったのに」と嘆くが、これがどこまで本気なのかは微妙である。
 
ある意味リメイクで最も報われた男かもしれない。リメイク版DQ6の【アモス】に近い存在。
またリメイク版で追加された父親の名は【パピン】。安直な。
なお、兵士を目指した動機についての台詞は変わっていないのだが、仲間会話で息子に話しかけると、「普段のピピンからは想像もできない」とのこと。旅立つ前から、既に彼の本性(?)は息子たちには知られているらしい。
ちなみに城勤めの頃から【ルイーダ】【ドリス】に対してよからぬ感情を抱いていた模様。
 
ステータス面では特に強化や調整はされておらず、戦闘での微妙な使えなさはそのまま。
だが、青年時代後半にレベル1で加入し、レベル1にしては初期ステータスが高めなこと、豊富な装備品ですぐに強さの底上げが可能なことから、敵の強さがレベルに依存する【すごろく場】では結構な活躍が可能。
レベル1のまま酒場で塩漬けにしておき、すごろくに挑むときだけ重装備で固めて、【ちからのたて】などの回復アイテムを持たせて送り込めば、出現する弱い敵からほとんどダメージを受けずに済む。
この役割に専念させる場合はレベルを上げない方が望ましいので、経験値を得ないように逃げてしまった方がいい。もちろんメタル系を倒すなどもってのほか。
 
【デボラ】のいるDS版以降ではしばしば彼女にイジられる。観ていて面白いので、興味のある人は二人をパーティに入れてこまめに会話してみよう。

小説版

青年期前半から宿屋の少年として登場している。
仲間モンスター達とは仲が良く、ジャミの手下によるグランバニア襲撃の際には偶然ながらいち早くその動きに気付き、主人公にその危機を伝えた。
青年期後半では剣隊の小隊長になっており、兵士達と共にエルヘブンの旅路まで同行したが、一般人を巻き込みたくないという主人公の意向により船に残された。
その後、光の教団の神殿から脱出した人々を船で各地に送り届けたようだ。

天空物語

新米兵士として登場。テン達が【デモンズタワー】から帰還した数日後、警備兵に任命された。
幼少の頃からお城の兵士になることが夢で、ケガを【主人公(DQ5)】に治してもらったことがあった。
次期国王とは知らずタメ口を聞いてしまったと慌てるが、「彼のような人の側で働けるならなんて幸せだろう」と、改めて兵士になることを決意した。その後無事試験に合格。
ちなみにドリスに憧れているようで、さりげなくアプローチしているが、ほとんど伝わっていない。

知られざる伝説

ピピンの成長秘話が語られている。
「兵士になりたい」と思ったピピンは、そう思った日以来実家の宿屋の手伝いを進んで行ったり(本人は修行のつもりだったらしい)、母親に内緒で密かに身体を鍛えていた。
母親はやがて音を上げて諦めるだろうと思っていたが、思い込んだら何とやら、で基礎的な体力を養っていた。
そして、マーサに懐いていたスライムとの出会いがより兵士としての力を高めていくきっかけになる。
古びた鎧に潜り込んでピピンの剣術の相手になったり、モンスターの特徴を学ばせたりとピピンの師匠として鍛えたことにより、ピピンもグランバニアの兵士になる力を身に付けられたのであった。
 
ちなみにこの師匠スライム、身体の形を人型に変えて人間用の全身鎧を動かすという荒業をやってのけている。
挿絵に描かれたこのときの姿はどう見ても【さまようよろい】
恐らくゲーム本編でスライム系の仲間モンスターが鎧や剣をどうやって装備しているのかという疑問点についての回答なのだろうと思われるが、鎧の中でスライムがどうなっているのかを想像すると中々にグロい。

DQ6(リメイク版)

【デスコッド】で「遠い未来」を選択すると、他のDQ5の面々と共に登場する。
村の入り口で門番をしている。

ロトの紋章

劇場版アニメに登場する。
キラの子分の一人で、アルスとキラが肝試しをする際の審判を務めた。