【ヘンリー誘拐イベント】

Last-modified: 2023-06-15 (木) 19:30:15

DQ5

幼年時代

二人組みの悪党が【ヘンリー】を殴って誘拐するところから始まる、幼年時代最大の山場イベント。
ヘンリーから隣の部屋にある「子分のしるし」を持ってこいと言われ、探しても見つからずに戻ってみるとヘンリーが見つからない、【パパス】を連れて戻るとなぜかいる、といういたずらの延長で発生する。
王子の部屋にある隠し階段を見つけ出し、階下に下りると

ヘンリー「なんだ もう 階段を
 見つけてしまったのか……。
 ふん! つまらないやつだな。
ヘンリー「しかし 子分のしるしは
 見つからなかっただろう。
 子分には してやれないな。
ヘンリー「ん?

という台詞の後に、突如曲が変わって悪党が乱入してくるという流れ。
ちなみに事前に中庭かバルコニーに出ると、この連中が扉の裏手にボートを用意してスタンバイしているのが確認できる(システム上、話しかけることはできないが、「ここは ラインハットの国よ。」という町娘と同じ台詞が設定されている)。
この後一連の事件をパパスに知らせると、古代の遺跡まで助けにいく展開(【主人公】はパパスとはぐれる)になり、そこで衝撃の結末を迎えて幼年時代が終了する。
 
ちなみに、このときの悪党の台詞で

*「わるいが いっしょに
 来てもらうぜっ! バス!

と、鍵括弧の中に擬音の「バス!」まで入って表示されてしまっている。まるで口でバスと言っているかのようだ。
あまりに不自然だったためか、リメイク版では、悪党の台詞は「わるいが いっしょに来てもらうぜ。 そらよっ!」に変更されている。
 
ちなみに、誘拐犯たちはヘンリーが隠し階段で下の階に来たところをタイミングよく侵入してきていることから、あらかじめ、ヘンリーの行動(いたずら)を把握したうえで待ち伏せていたと考えられる。
ヘンリーが他の誰かにも同様のいたずらをしかけた過去があり、それを【ラインハット王妃】が把握していたのだろう。
主人公同様、自分が子分扱いしていた【デール】相手にも、同じいたずらをした可能性が高い。
なお、さらに言えばこの悪党たちが出入りする扉は常時施錠されており、部外者が開けて通れる扉ではない。
内部の、しかもかなり責任のある立場の人間が手引した犯行であることが推測できるようになっている。
 
ちなみに王妃からの依頼は「ヘンリーを始末してくれ」だけで、具体的にどうしろと指示を受けたわけではない。のちに【古代の遺跡】で酒盛りをやっている人さらいの1人が、酔っぱらいながらも「王妃に王子を始末するよう頼まれたが、『殺せ』とは言われていない」と明言している。
だが、彼らは【光の教団】と繋がりを持っていた。そこで知恵を働かせ、拐った王子を教団に奴隷として売れば、王妃と教団から別々に報酬をもらえると考え、この発想へ至ったわけである。また、彼らは常習的に子供を【工事中の神殿】へ売り飛ばしていた。
つまり、単に教団へ売り飛ばすならまだしも、「大神殿の建設現場という具体的な場所」まで知っている。すなわち、光の教団の裏の顔、それも割と重要な機密事項を知っているに等しい。
 
だが、ただの賊がこんなことを知って無事で済むはずがなかった。
案の定、この誘拐犯一味はどうやらこの後に一人を除いて口封じされたようで、青年時代の古代の遺跡にはこいつらと思しき無惨な屍が晒されている。
唯一の生き残り(後述)の寝言からすると、どうやら王妃が直接殺しにきたようだが……彼女は後に偽物に擦り代わられて投獄されているように、荒事に慣れている男どもを正面から殺せるような強者ではない。
恐らく、この時点ですでに偽物と入れ替わっていたのだろう。

青年時代前半

先述の、ただ一人生き残った誘拐犯が、別件(カジノでのイカサマ)で逮捕されて【オラクルベリー】【牢屋】に収監されている。
だが、こいつは「昔、子供をさらっては売り飛ばしていた頃はよかった」としゃあしゃあと発言し、反省の色は一切見せない。これにはヘンリーも「あんなヤツ一生牢屋に入っていればいいんだ!」と怒りをあらわにしている。

青年時代後半

青年時代後半の【ラインハット】【男の子】【女の子】を連れてくると、このイベントを彷彿とさせるイベントが用意されている。
このときは、子供たちが【コリンズ】の部屋で同様のいたずらに遭い、主人公は幼年時代のパパスと同じ場所で待たされる。
子供たちに助けを求められて隠し階段を降りると、なんと幼年時代と全く同じ展開が起きる!
……と思わせて、乱入してくるのは誘拐犯ではなく【大臣】で、コリンズはヘンリーの部屋に連れ戻されるというオチ。
父親のヘンリーのときと違い、コリンズにはお目付け役があてがわれている様子も伺える。
BGMが一瞬途絶え、フェードインでBGMが再び【王宮のトランペット】に戻るのが絶妙。
しかしヘンリーのときとは異なり、大臣は扉の外で待機していたわけではなく、屋上の通路をウロウロしていたはずである。大臣、いつの間に!。気配を察して屋上から飛び降りてきたのだろうか。だとしたらこの男、只者ではない。
しかもこの直後にはすでにコリンズを部屋に連れ戻し終えて再びもといた通路に戻っている。足が速すぎる…。
このイベント後にヘンリーの部屋にいるコリンズに話しかけると、【かぜのぼうし】が貰える。
余談だが、ヘンリーのときは主人公がパパスを連れてくると元の席に戻って素知らぬ顔をしてくるのに対し、コリンズは主人公の子供たちが主人公を呼びにきても隠れたままで、父親に比べてイタズラの詰めが甘い。
なお、後述のバグ技を使って子どもたちと合流後に主人公を死なせても隠し階段を見つけることができ、男の子から「お父さんすごい」と感心される。逆に、子供二人が死んでいても、同じ台詞を女の子が吐く。
また、幼年時代のイベントではパパスは何も言わずともこの隠し扉を知っていることから、ラインハットとグランバニアの王族の間で世代を超えて同じイタズラが行われていた可能性がある。パパスの場合は事前に聞いていただけかもしれないが…。
 
しかし、主人公が強くなったとは言え、幼年時代のトラウマがあるプレイヤーにとっては心臓に悪いイベントである。幼年時代と違って、扉の裏手に誰もいないので、かつての悲劇再来ではない伏線は密かに張られている(ただし、城の反対側に別の悪党ならいる)。
なお、リメイク版ではイベント直後に【仲間会話】で女の子と話すと、プレイヤー同様、主人公は汗びっしょりになっており、相当動揺したことがわかる。
 
オラクルベリーで服役中の誘拐犯については、【さいごのかぎ】を入手後にこいつのいる牢屋を開けてやることができる……が、そこで話しかけると躊躇なく脱走を図る。下衆っぷりここに極まれり。これはさすがに胸糞が悪い。
一応、脱獄のお礼はしてくれるが、こいつはヘンリーのみならず、主人公にとってもパパスを失うきっかけを作った怨敵であり、仮に100枚貰ったところで到底対価としては釣り合わない。
むしろ、お礼なんか要らないから、今すぐこの場でぶった斬らせて欲しい、と憤ったプレイヤーもいたかも知れない。
 
しかし、ヘンリーが後に妻となる人物と出会ったのは【工事中の神殿】。そして、ヘンリー(と主人公)がそこへ連行されるきっかけを作ったのは……。彼にとっては余りにも皮肉な運命である。
 
なお、彼に話しかけない限り脱獄はせず、小さなメダルが手に入る場所さえ知っていれば、調べれば入手できる。
こいつの所業を許せないというプレイヤーは、アイテムだけもらってそのまま永久に服役させておこう。
一度脱獄させてしまうと、もう戻ってこない。取り返しのつかない要素なので気をつけよう。

イベントに絡むハマり

SFC版では、このイベントに絡んで以下の条件でハマるバグがある。

  1. 【猛毒】を利用して主人公の【HP】を0にしておく
  2. 子供たち以外のいずれかの仲間が【ラインハットのカギ】を所持している
  3. ラインハット以外の【教会】でセーブした状態

上記を満たした状態で、子供たちがコリンズに連れられて【パーティ】から離脱している間に、宝物庫の【バリアー】に侵入すると、全滅扱いになって子供たちを置いたまま最後にセーブした教会に強制移動になる。
この状態になると、ラインハット城の入口の【兵士】がブロックして城に二度と入れないので、子供たちが離脱したままになる。
この状態は、【ルイーダの酒場】と異なり、すべての所持アイテムを持ったままなので、ストーリー進行に必須となる重要アイテムを持たせていた場合、【ハマり】が起こる。
また、【妖精の村】をルーラ登録する前だと、持たせた【アイテム】に関係なくハマる。
妖精の村をすでにルーラ登録しており、かつ重要アイテムを持たせていない場合はそのままストーリーを進行させることが可能で、【大神殿】をクリアすれば子供たちは【ルイーダの酒場】に再登録されるため、パーティに復帰できる。
ただし、持たせていたアイテムのうち、装備している【武器】【防具】以外のアイテムは消滅するうえに、子供たちを連れてラインハットに行っても「城内にまだいる」と言われて入れないままである。
また、大神殿をすでにクリアしていた場合は【エンディング】まで子供たちが離脱したままとなる。
なお、主人公だけ先に死んでからヘンリーに会いにいってもヘンリーは主人公が生きているときと同じ対応を見せる。子供たちがコリンズと出ていったあと、残された主人公は棺桶のまま移動や会話をするというシュールな現象が起きる。アイテムは使用できないが、なぜか呪文は唱えられるし、装備の変更も可能。階段を下ると動けなくなり、馬車中のメンバーに蘇生してもらうことも【ザオラル】で自力蘇生することもできなければハマる。上って屋上に出ると仲間が教会で蘇生してくれるが、馬車に誰もおらず、自力蘇生もできないと、やはりハマる。
また、全員のHPを0にし、子供たちと合流後に全滅してから再度ラインハットを訪れると、門番の兵士はお通りくださいとは言うものの、その場を動こうとはしないので城内に入れない。おい、どけよ。
 
このバグは狙ってやらない限り、偶発的に発生することはないのが救い。