【ホムラの里】

Last-modified: 2023-02-01 (水) 18:35:40

DQ11

【ホムスビ山地】の一角、【ヒノノギ火山】の麓にある和風の里。
 
火山の恵みで里じゅう至るところから湯気が噴き出ており、製鉄や鍛冶が盛ん。
蒸し風呂屋が営業を始めたばかりで、入ることができる。
酒場の銘酒はヒノノギのしずく。
鳥居をくぐり参道を登っていくとヤヤクの社があり、里を治める巫女【ヤヤク】が鎮座している。
ヤヤクとその息子【ハリマ】【人食い火竜】を倒した話が伝えられている。
 
BGMは【ジパング(曲名)】
名前やBGMどおり若干日本テイストが強く、オミオツケ(御御御付、いわゆる味噌汁)なる料理があったり、時期によっては外国の言葉の「カリスマ」をフスマやトコノマ(床の間)と言い間違える人がいたり。
なお、「ほむら」とは「炎」を意味する日本の古語・雅語。テリワン3Dでは【ほむらの扉】が存在し、NHK大河ドラマで『炎(ほむら)立つ』もあった。
町の設定やストーリーがDQ7の町【エンゴウ】とも重なるので、そこでのイベント【ほむら祭り】からの引用でもあるのだろう。
 
英語版では地名がHotto(ほっと)で、ここの住人は英語を俳句調にしたセリフ(厳密には日本の俳句ではなく、それをアレンジしたもの。リズムが無く、調音等を無視して英語の5音節、7音節、5音節をくっつけた、近年では日本をほとんど知らない人もよく作る新しい詩)になっている。
 
【主人公(DQ11)】たちがデルカダールの追っ手から逃れ、【旅立ちのほこら】からワープした【荒野のほこら】の西にある。
【ベロニカ】と初めて会う場所であり、彼女の頼みで妹の【セーニャ】と、【ルコ】の父親である【ルパス】を探しに行くことになる。
里の入り口近くに神父が野外で【教会】業務を行っているため、【キャンプ】にルーラできない3DS版では急ぎのセーブポイントとして活用されることも。

蒸し風呂屋

蒸し風呂に入るための服に着替えて入ることになる。
当然、男湯と女湯に分かれている。もちろん女湯には番台の女将さんに咎められて入れない。
3DS版の2Dモードのみ、入口ののれんに【アストルティア文字】で「おとこ」「おんな」と書かれている。
着替えるのは主人公とカミュのみ。
 
蒸し風呂を抜けた奥には、本作1人目の【ぱふぱふ】娘がおり、20Gで至福のときへと誘ってくれる。もっとも黒画面にテキストだけなので、プレイヤー自身の妄想力も問われるところであろう。ちなみに通は昼と夜、違うBGMで2度楽しむものだ。
さらには、裏手から女湯に入ることもできる。とは言え女性の入浴客も同じように服を着ているわけだが……。そして女湯入口から堂々と出てくると、当然ながら女将さんには叱られるが、【称号】【飽くなき探求者】が獲得できる。
本作の蒸し風呂、男のロマンが詰まっている。
ところで男女どちらの浴室でも【せいすい】が入手できるが、まったく意味がわからない。
 
3DS版のみ、蒸し風呂に入るための服に着替えたまま、蒸し風呂に行かず町を出ると、【カミュ】だけがその服装で冒険を進めることができる。と言っても、このままではストーリーが進まないので、結局は蒸し風呂に入りに行くしかないのだが……。
このネタ、本来は開発中に発見された不具合だったが、面白いので仕様にしたとのこと。
 
なお、日本でお風呂が今のような浴槽につかるスタイルになるのは江戸中期からで、それ以前は温泉地でも本作のような蒸し風呂が基本だった。
というより里の人曰く、里に流れている温泉はかなり熱くて火傷するから絶対に入ってはいけないと注意されるほどなので、そもそも温度的に湯につかることができないのだろう。さすがにこの時代に湯の温度を適切に調整し続けるシステムは開発されていないようだ。
また、女湯ネタとCERO Aとの兼ね合いなども考慮されたかもしれない。パーティーに女性が加わる前のイベントであることも周到さが感じられよう。

世界に異変が起きた後

シナリオ上は【勇者のつるぎ】を作る為に再び訪れることになる。⇒【伝説の鍛冶場】
なお訪れること自体は【ロウ】【シルビア】を仲間にした直後から可能であり、もちろん後述のイベントも起きて攻略することも可能。
ただしイベントの難易度はシナリオ進行に合わせてあるため、その時点での攻略には相当のレベル上げが必要になる。
 
里には異変による直接の被害は見受けられない。
だがここにも【魔王ウルノーガ】の影響は及んでおり、野菜などが採れなくなった影響で、以前から呪いによって人食い火竜と化していたハリマが人の血肉を欲するようになっていた。
このため母であるヤヤクは心を鬼にして、里の住人を火竜の生贄にするほど追い詰められてしまっていた。
作物が採れないからなのか、旅人に対しても懐疑的になっており、「よそ者は嫌い」と吐き捨てる者もいる様子(それでも、火竜を追い払った後はきちんとお礼を言ってくれる)。
 
里の人や勇者達には火竜に関する事実は伏せられ、勇者達は生贄の儀式を邪魔する【ヒノノギ火山】にいる化物退治を、ヤヤクから引き受けることになる。
しかしその化物の正体は、儀式の生贄に指名された母親を守るために儀式を妨害していた幼い兄妹、【テバ】【サキ】
テバと主人公一行は火竜がヒノノギ火山にいることを発見。真相を確かめるべくヤヤクに問いつめるが、そのとき人食い火竜が里を襲いかかり、ヤヤクは息子である人食い火竜をかばって犠牲となる。
火竜をいったん追い払った後、ヤヤクが遺した手記から真相を知った勇者たちは、テバとともにホムラの里を救うため人食い火竜との戦いに挑む。
火竜を倒すと、ヤヤクの社で、鍛冶場に入るための【禁足地へのカギ】を入手できる。
 
過ぎ去りし時を求める前の時点で最強の装備品は、上記の人食い火竜を倒した後、この里の店で販売されるようになる。
火竜を倒せる自信があれば、行けるようになったら早々に行くのも良いだろう。
西側(ヤヤクの社に向かう方)の道具屋では鉱石類や素材が追加されているため、鍛冶に使うなら覚えておくと便利。

過ぎ去りし時を求めた後

ハリマが火竜になってからあまり時間が経っていないからなのか、クリア前とは違って、ヤヤク自身から人食い火竜が息子であることが伝えられ、【ラーのしずく】を取ってくるように頼まれる。
ハリマを元に戻した後、【禁足地へのカギ】【名刀斬鉄丸】が入手できる。
こちらの時間軸では里の人達は、よそ者に懐疑的になってはおらず、ハリマを元に戻す前でも後でも、普通に話をしてくれる。
 
西側の道具屋の前にいる男に【オリハルコン】を22500Gで売却すると、道具屋で【王者の剣】が販売されるようになる(1個につき1本のみ)。
一方、鉱石類や素材が販売されなくなってしまっているので、【デルカダール城下町】の方に行こう。
 

元ネタ

BGMや里のテイストから一見してわかる通り、DQ3の【ジパング】が元ネタである。
ジパングが弥生~室町時代頃にかけての日本風だったのに対し、こちらは現代の和洋折衷の要素が入り都心部から離れた日本の観光地のような雰囲気になっている。
ヤヤク関連イベントも同じくDQ3の【ヒミコ】を踏まえているのだろうが、オールドファンの予想を裏切る少し捻った展開と言える。
魔物を退治した人間が魔物化する流れはDQ6の【アモス】の要素も含んでいる。
 
また、同イベントがDQ8における【レオパルド】【チェルス】殺害イベントを意識して書かれたものである可能性も一部で指摘されている。
人食い火竜と【魔犬レオパルド】に空飛ぶ犬というデザイン上の共通点があるのにも何かしらの意図を感じられよう。もっとも人食い火竜はその名の通りの竜扱いであるが。
 
鍛冶と蒸し風呂は、DQ3【ジパングの刀鍛冶】と、彼が逃げ延びた先【マイラ】が元ネタ。当然【おうじゃのけん】のネタも最終盤に仕込まれている。
そのマイラの温泉はDQ1リメイクにおいてパワーアップしたぱふぱふ娘がいた場所でもあり、本作ではそのぱふぱふまでもが再現されている。
過去作を意識したファンサービスが非常に豊富な本作であるが、ホムラの里はその特色をひときわ強く反映した拠点であると言えるのではないだろうか。
 
なお和風になった理由だが、公式設定資料集によれば、初期案では温泉のあるローマ風の街並みを想定して名前も異なっていたのだが、新天地へ来たことを印象付けるため変更されたとのこと。