【ボブルの塔】

Last-modified: 2022-06-10 (金) 12:13:03

DQ5

【マスタードラゴン】が自らの力を封印したという【塔】。塔の名前は【天空城】の老人から教えてもらえる。
DQ5世界のほぼ南西の端にあり、【テルパドール】の西、岩山に囲まれた島のほぼ中央に位置する。
船では上陸できず、【天空城】復活後に行くことができる。
名前の由来はバベルの塔だろうか。なお、【バベルボブル】との関連性は不明。
また、英語のbobbleには失敗という意味があり、プレイヤー視点からみれば、マスタードラゴンがへまをした(気まぐれで人間になったことで天空城が堕ちた)という意味合いも含まれているかもしれない。
一方、北米版ではTalon Tower(かぎづめの塔)という別の名前になっている。
 
地上7階と地下3階の全9階層に分かれているダンジョンで、地上階には複数のフロアを貫いてドラゴンの巨像がそびえ立っている。
最初に訪れたときには正面の扉は閉ざされており、屋上から【フックつきロープ】を使って進入する。
1階まで下りれば扉の内側にあるレバーを動かすことで正面の扉から自由に出入りできるようになるので、一旦回復・セーブしに戻るのがお勧め。
最初は正面から進入できず、屋上から入り込み、その屋上は1度入るとそこから出ることはできず、正門を建物内から開いてのちの攻略の近道とする…という一連の流れは、【レヌール城】とかなりの共通点がある。
 
敵が結構強く、地上4階~7階の上層エリアには【ザラキ】を使う【ホークブリザード】や、【ラリホーマ】を使う【へびておとこ】、集団で吹雪を吐く【ドラゴンゾンビ】、やたらと素早く強化攻撃や【バギクロス】を繰り出す【ゴールデンゴーレム】などの難敵がそろっている。特にラリホーマとザラキが脅威で、馬車がないダンジョンなのでふとしたきっかけで全滅もありうる。
地上1~3階では集団で炎を吐く【ブラックドラゴン】や補助呪文でこいつらを強化&こちらを弱体化する上に自らも高い守備力を持つ【オーガヘッド】などが出るが、相対的に対策が容易なのでここまで来れば案外何とかなる。ここから下の層には【ベギラマ】を連発する【シルバーデビル】が出始める代わりに吹雪を吐く敵はいなくなるので、【女の子】を連れている場合は【プリンセスローブ】から呪文耐性のある【みずのはごろも】に切り替えるとより安全。
地下階ではさらにガラッと出現モンスターが代わり、硬い上に他の敵を蘇生させる【メガザルロック】に、場違いな強さを誇る【メタルドラゴン】がかなり厄介。
イーター族で悪名高い【封印の洞窟】は、当該項目を参照すればわかるように、ストーリー上に関わらないため、先に【魔界】まで足を延ばして有用なアイテムや装備品で強化してから戻ってくる手が使えるが、ここや【大神殿】はそういう手が使えない割に敵が強いので、プレイスタイルによっては最難関ダンジョンとなり得る。
1階の入口は内側からレバーで鍵を開けられるようになっているので、ここまで来たら1度出直して戦力を整えてから再探索するのが妥当だろう。
 
地下階では、仇敵である【ゴンズ】【ゲマ】と対決するが、どちらを先に倒すかはプレイヤーの自由。
ゲマは【やけつくいき】で全体マヒを狙ってくるので、馬車も持ち込めない以上、マヒしやすいメンバー(特に耐性のないモンスター)3名で挑むのは無謀。
ザキ系が効かない・あるいは最低でも効きにくい仲間を用意しよう。
特にお勧めは【男の子】で、それなりに高い攻撃力に加えて、回復・マヒ治療の両方の呪文を使いこなし、【フバーハ】も使えるのでゲマ戦では優秀な人材として活躍できる。【スライムナイト】もマヒ(ザキ系)弱耐性だが、今作では敵の焼けつく息は弱耐性でもそこそこ効きにくいので戦力投入は可能。
身内など人間キャラを大神殿に連れて行く場合には、修行の意味も含めてまずここに連れて行く手もある。
ただし、いくらなんでも無耐性だけは避けよう。運の良さにもよるが8~9割命中するので、【スライム】【ホイミスライム】など無耐性のメンバー3名のパーティーでは、焼け付く息を吐かれるとほぼ確実に全滅。連れて行くのは自殺行為に近い。
完全耐性がある仲間なら、道中でのホークブリザードによるザラキもシャットアウトできる。言い換えれば、ホークブリザードのザラキに苦戦するようならば、ゲマ戦の勝率は薄いとも言える。怖い【クリフト鳥】だが、ザキ耐性の重要性を予習させてくれる意味では有意義な存在。
ゲマとゴンズの両者を倒して【りゅうのひだりめ】【りゅうのみぎめ】を入手し、ドラゴンの巨像にそれらをはめ込むと像の内部に入れるようになる。
内部ではマスタードラゴンの力が封じられた宝玉【ドラゴンオーブ】と、【メタルキングのけん】を除くと主人公最強の単体攻撃武器である【ドラゴンのつえ】が手に入る。
 
また、塔の上層部にはおそらくゲマとゴンズに襲撃され、瀕死状態のシスターと思われる人物がいるが、話しかけると息を引き取り姿が消える。
このシスターがどういう存在でなぜ、この塔にいたのかの詳細は不明である。
「はあはあ……。2匹の とてつもない魔物が 竜の目を……。」と言っているので竜の目を守っていたのだろうか。
 
BGMは地上階では【死の塔】、地下階では【洞窟に魔物の影が】と異なる曲が流れる。
 
ボス戦もあり、かなり労力も使うので本来は用を済ませたらさっさと退散したいダンジョンではあるが、地上階ではゴールデンゴーレムがかなりの頻度で出てくるので、金欠プレイヤーの格好の狩り場となっている。
ただし、魔界到達後なら経験値+仲間勧誘がてらジャハンナ周辺の方が効率がよい場合も。
地下階では【アンクルホーン】【シュプリンガー】等の仲間になるモンスターも出てくるので、攻略後でも来ることはあるだろう。
天空城を島の西側の砂漠に放置しておけば、いつでもすぐに訪問できるのも利点。
 
塔の中の敵は非常に強い一方で、なぜか塔の周りの敵は物語序盤のザコばかり。エリアレベルも低く、特に塔周辺はたったの7。
西部(天空城が着陸できる砂漠の東端のラインまで)・中央部・東部(東の山地の横2マス分だけ)でエンカウントテーブルが異なり、順に青年時代前半の【オラクルベリー】周辺・幼年時代の【アルカパ】周辺・幼年時代の【ラインハット】周辺西側の敵が出現する。
ここまでダンジョン内と周辺で出現モンスターが極端に違う例は珍しいが、前作の【世界樹】もこれに該当する。
青年時代以降は会えなくなっていたモンスターとして【おおねずみ】【いっかくうさぎ】【おおきづち】【グリーンワーム】【おばけねずみ】【スカンカー】といった懐かしい顔が登場する。実は【ベビーニュート】も青年時代後半ではここにしか出ない。
 
ちなみにこの塔は位置を示す情報が非常にわかりにくい。
浮上した天空城内にいる老人が「北東の島」というのだが、最初に言ったようにこの塔がある島は世界地図上では南西の果てにあるのだ。
完全に真逆である。
ではこの老人の発言は誤りになるのかというとそうでもなく、これは天空城が沈んでいた(浮上した)地点から見て北東という意味なのだ。
 
ただし、やはりいくつかの問題がある。
まず第1に、初期位置から北東に島は無い。
天空城の浮上位置はトロッコ洞窟の上にあり、地図上ではほぼ東の果てにあたる。
ここから北東に向かってもただただ大海が広がるばかり。
第2に、浮上した天空城は乗り物であり、その位置や行き先はプレイヤーの任意で変わってしまう。
しかしこの老人は天空城の現在位置に関係なく、一貫して「北東」としか言わない。
仮に浮上後、場内の探索より前に城を移動させていた場合、北東の示す先が全く変わってしまう。
 
確かにDQの世界では、東の果ては西につながり、北の果ては南につながるため、北東に進み続ければ世界を一周して南西の島に行き当たる。地図の果てが世界の果てではないのだから、現実の地図にも構図がいくつもあるのと同じように、相対的に考えれば別におかしいことではない。
北東方面に進めば、途中に余計な島などがなく、距離的にも近い。が、このループを「当たり前のものとして念頭に入れる」必要がある。おそらく、南西方面にはいくつもの大陸や拠点があることから、混乱をさけようとスタッフなりに考えたのかもしれない。つまりどちらの方向へ案内するにしても、多少の混乱はありうる。地理的に案内しにくく、厄介である。
一応、シンプルに「南西」と言うべきところを「北東」と誤植した、あるいは天空城やボブルの塔の位置が初期の構想から変わってしまったのに、台詞の方を変更し忘れたという単純なミスである可能性もゼロではない。後述の通りリメイク版では台詞が修正されている。
 
総じて、ただゲーム内でプレイヤーを導く重要なヒントとして「無条件に北東としかいわない」のは、場合によっては混乱を招くと言える。
これが【おうじょのあい】【ふなのりのほね】のようにプレイヤーの位置から座標を示してくれるものだったら何の問題もなかったのだが…。
とはいえ、DQシリーズでは新たな移動手段を確保すると、すぐさまその脚で運べる地域や施設を行脚するのが恒例であり、特に老人のヒントを聞かずともこの塔に辿り着けるのが幸いと言えそうだ。

ゲマたちの不可解な行動

主人公たちが到着する少し前に、ゲマが部下を引き連れてボブルの塔を襲撃し竜の目を奪っている。
が、天井を突き破る高性能ルーラを持つにもかかわらず持ち逃げせず、ゴールドオーブのように壊そうともしなかった。
なぜこのような行動を取ったのか?
ボブルの塔のシスターは、「2匹はまだ塔のどこかに潜んでいる」と言っており、ゲマたちはなぜか塔の出口とは関係ない地下に身を潜めていたことから、「竜の目に何らかの封印が施されており、魔物、もしくは邪な存在が塔の外に持ち出せないようになっていた」という推測ができる(その封印が、どうやって「邪な存在」を見分けていたのかは不明であるが)。
持ち出せる物なら、奪われた後の動向を知らないであろうシスターが「まだ塔のどこかに潜んでいる」なんて言わないはずである。
また、ゲマもゴンズもご丁寧に宝箱に入れっぱなしで持ち歩いていた点から、魔物が直接触れられず、破壊もできなかった可能性もある。
竜の目を奪った後は2つが同時に揃わないように片方を部下のゴンズに預け、別々に隠す等の措置を行っている最中だったのかもしれない。ゴンズの雑な宝箱の置き方を見ても、それが伺える。

さらに、シスターのセリフから、「竜の目が奪われたのは主人公たちがボブルの塔に辿り着く直前」であることもわかる。
時間さえあれば光の教団の信者等、純真な心を持った「人間」を使って持ち出すなどの作戦がとれたかもしれない。
なお、ゲマが塔の内部に封印されたドラゴンオーブの存在とその秘密に気づいていたかどうかは、作中の描写からははっきりしないが、少なくとも人間たちにとって重要な何かが塔の内部に封印されていると知ったために襲撃したことは確かだろう。

リメイク版

地上階の構造がSFC版と異なる。
SFC版では裏に回って階段の昇り降りを繰り返すが、リメイク版では階段が螺旋状に近い構造になっている(PS2版では円形、DS版以降は長方形)。
これにより地上階のエンカウントテーブルが統一され、上層階に配備されていた封印の洞窟周辺の面子が出なくなったため地上階の難易度は大幅に下がっている。一応、ブラックドラゴンの火炎の息の火力が上がっているが、耐性防具で容易に対策可能なのでまともなレベルで臨めば死人が出る危険性はほぼない。
ついでに言うとボスのゲマも焼けつく息を吐かなくなっているのでSFC版と違ってパーティーメンバーのザキ耐性はまったく気にする必要がない。
一方で、地下界の雑魚敵は全く変わっていないので、いかにメタルドラゴン3体に会わずにやりすごせるかはSFC版以上に重要。
まるでFC版【ロンダルキアへの洞窟】【ドラゴン】3~4体組みたいだが、【個人逃げ】連発や【スクルト】でガチガチに固めるなどの対処があるだけだいぶマシだが。
また、BGMは死の塔に統一された。
ちなみに内部のどの階層で【フローミ】を唱えても、「ボブルの塔の7階」とメッセージが出るバグ(?)がある。
ゲマは倒してもここでは力尽きず、【エビルマウンテン】で改めて決着をつけることになる。
 
ちなみに先述の老人の話は「テルパドールの西」となっている。
SFC版ではあまりにもわかりにくいため、良心的な変更である。
「テルパドールはいつからあるのか」という小さな疑問点はあるが、素直に天空城が墜落する前からあったと解釈すれば何の問題もない。ゲーム内で確認できる客観的事実からそれを否定するような材料は特にないのであえて疑う必要性もないだろう。