【ボンモール】

Last-modified: 2024-03-15 (金) 19:28:45

DQ4

【エンドール】の北方に位置する国。
FC版の【公式ガイドブック】での英語表記はBonmaur。英語版での地名はNES版ではBonmalmo、DS版以降ではBallymoral。
統治者は【ボンモール王】
 
三章で初めて登場する。
さらに北には三章のスタート地点である【レイクナバ】がある。
城と城下町からなるが、町の規模は小さめ。
田舎城ではあるが、第一章~第四章の間で訪れる施設では最も宿泊費が高い(1人10G)。というか第五章でも終盤の【ゴットサイド】などと並んで最高値である。
この時期のトルネコなら大抵は8Gの【やくそう】1個で全快できるので、そっちの方が安い。
メタ的には金稼ぎがやりやすい第三章かつ1人旅の時期ゆえのバランス調整だろうが、【レイクナバ】の宿屋も第五章でしか利用できないわりに同額なので、宿屋の物価が高い地方なのかもしれない。
 
ちなみに第三章にこの地方を放浪している【旅の商人】の宿屋も同額であるが、こちらはフィールド上で完全回復できるという唯一無二のメリットがあるので、その付加価値分と見るべきだろう。
むしろ普通の宿屋なのに旅の宿屋と同額のレイクナバとボンモールがおかしい。
 
ちなみに二章ではエンドールから目一杯北に行ってもこの城を見ることはできない。

三章

まず、地下牢にはレイクナバからやってきた【トムの息子】が捕まっており、【キメラのつばさ】を渡して脱獄させることになる。
この牢屋では兵士に見つかると追い出されてしまうので、窪みなどを上手く利用しよう。
ちなみにFC版では城の入口近くの右手の店が道具屋だが、リメイク版では防具屋と配置が逆転しているため、キメラのつばさを買いに行くのがちょっと遠くなって煩わしい。
防具屋は営業していないので、ただ単に不便になっただけである。
 
また、野心家な国王はエンドールと戦争して領土拡大しようとしている。
実は「勇者(人間)VS魔王(モンスター)の戦い」という構図が完全に定着しているDQにあって、国家単位の戦争で人間が人間を侵略しようとした最初の例である。
だがこの国の王子【リック】は密かにエンドールの王女【モニカ】と恋仲であり、トルネコが彼の恋文をモニカに届けることで二人の関係とボンモール王の野望をエンドール王が知り、二人を結婚させることで和平の方向へ進む。
王様は「二人が結婚するならリックが次の王になり、わざわざ戦争しなくてもエンドールが手に入る」ということで戦争の考えを変え、戦争は回避された。
 
しかし、自分の代ではなく政略結婚によって次の代でエンドールを手に入れることで満足できるのであれば、最初からそっちを狙っておけば良かったんじゃ……と思わなくもない。
実際に政略結婚には「相手国家の王位継承権を得る」目的で行われた例も現実世界に多数ある上、肝心のエンドール王家は男子がおらず、第二章の時点で結婚相手に関して闘技大会まで開いているため、エンドールがモニカ王女の結婚相手を探していること自体はボンモールにも知られているはず。
王子たちの恋愛を知らなかったボンモール王は政略結婚ができるとは思っていなかったのかもしれないが、打診くらいはしてみても良かったのではないか、とも思える。
 
三章の時点では防具が不足しており、先述のとおり防具屋は営業していない。そのため城内では防具を高く買い取ってくれる老人(リメイク版では【村長】のグラフィック)がいる(後述)。
防具は不足しているのに、なぜか武器はやたらと充実しており、第三章では唯一の(本物の)【はがねのつるぎ】を買える武器屋である。
自分の店を持った後は、今度はここの武器屋で売っている鋼鉄の剣をエンドールに仕入れるために立ち寄ることになる。
ちなみに、どういうわけかここの武器屋は夜も営業している。トルネコとリック王子は夜に武器屋の裏で密会の約束をするイベントがあるのだが、ここの武器屋や防具屋、道具屋にはシンボルとなる看板が存在せず、夜に営業していなかったらどのカウンターが武器屋なのか判別できないゆえの配慮だと思われる。この武器屋が24時間営業だという設定で筋を通すためなのか、第五章でも律儀に深夜営業している。
 
防具をかき集めている理由はエンドールとの戦争準備だと思われがちだが、ゲーム中では「モンスターが増えて防具の需要が増えた」という説明で一貫している。
実際戦争計画が無くなった後もこの買い取りイベントが続いているところを見るとまんざら嘘でもない模様。
あるいはトルネコにいわゆる「死の商人」のイメージを付けさせない配慮だろうか?
一方で公式ガイドブックでは「エンドールとの戦準備で」としっかり明記されてしまっているが。
まぁエンドールはエンドールで肝心な王がノンキな性格で政策に全く計画性がなく場当たり的に加えて、兵士の武器も【どうのつるぎ】という体たらくなので、どっちもどっち。
おまけにエンドールはすっかり平和に浸りきっており人間の国家から攻められることになど危惧している者はおらず、ボンモール側は戦いを仕掛けようとしていることもあり兵士達の戦意では圧倒的に勝っていそうなので不意を付いて一気に攻め込んで占領するぐらいは充分可能だろう。
 
ちなみにリメイク版でここに【スコット】を連れてくると、彼はトルネコからエンドール侵略計画の話を教えられるのだが「寝ぼけるな! こんな ちっぽけな国が!」とかなり辛辣に言い捨てる。
リメイク版のスコットはエンドール出身ということになっている(「我がエンドール」と呼ぶ)ので身内贔屓も含まれるかも知れないが、どうやらエンドールと比べて国力はかなり劣っているようだ。

老人の防具買取

リメイク版で追加された【ステテコパンツ】でさえ高値で買ってくれる。防具であればなんでもいいのかと思いきや、FC版のカジノで入手できる【はぐれメタルのたて】のみ不可。まあ元々重要アイテム扱いで売却不可なので仕方ないか。
買取価格は話しかけるたびに元の販売定価の84.4%(54/64)~125%(80/64)の範囲で27段階で変動し、さらに約4%ほどの確率で1.5~2倍(96/64~128/64の33段階)のボーナス提示(【トルネコの店】と同じ価格帯)が出ることがある。
ボーナス提示されるのはかなり稀だが、基本的に通常の買取価格(75%)以上なのは確実で、しかも6割強の確率で購入定価を上回るので、第三章では防具はここで売るのがセオリー。
特に、北の村でキツネにもらった【はがねのよろい】を売るなら必ずここで売却しよう。
ボーナス提示されるまで粘れば、一気に【はじゃのつるぎ】の購入資金を捻出することができる。
なお、PS版では提示価格の範囲が75~125%になっており、1.5~2倍ボーナス提示の確率は1/16(約6%)という報告がある。
DS版では提示価格の範囲が85~125%とFC版の水準に戻り、変動の刻み幅は百分率の1%刻みでFC版よりも少し細かくなった。1.5~2倍ボーナス提示の確率は正確には未調査だが概ね10%ほどと言われている。
 
また、他の町で防具を買ってボンモールに卸すことで利鞘を得ることもできるが、さすがにこれだけで大金を稼ぐのはかなりの手間。
自分の店の開店資金を稼ぐなら、【ぎんのめがみぞう】を売った資金を元手に、残りの金額をここで稼ぎ切るのが効率的。
…アイテムコンプを目指すのなら、【てつのまえかけ】を両手いっぱいに抱えたトルネコがエンドール~ボンモール間を飛び交うことになるが。
DS版以降は3章でも【ふくろ】が使えるようになったお陰で一度に大量輸送が可能になったため、手間は多少緩和された。
ただし、通常の売却と違って1個1個値段交渉が必要なのは同じ。数千ゴールドの資金から始めたら一度に買える数も知れているし、資金がある程度貯まってからの往復回数が多少減るという程度で、アイテムコンプや低レベルクリアに拘らないなら女神像を売った方が早いのは変わらない。
ちなみにこの防具の転売だけで稼ぐつもりなら、いちいちボーナス提示が出されるまで粘るよりも、1~2割程度の儲けでもバシバシ売ってしまった方が結果的に単位時間あたりの利益は大きくなる。商売には即断即決も大事なのだ。

五章

三章と違って防具屋も営業している。これからはエンドールからいくらでも防具を輸入できるとのこと。ゆえにもう防具を高額で買い取ってはくれない。
エンドールでは手に入らない【けがわのコート】も買えたりするが橋の開通で別の仕入れルートでもできたのだろうか。あるいはキツネの毛皮だったりして…。
 
【ルーラ】に登録されるもののイベントは無く、立ち寄る必要は特に無い。
しかし、【女神像の洞窟】の宝を残しておかなかった場合、序盤で鋼鉄の剣を入手できるのはここだけ。
この後は【裏切りの洞窟】から砂漠を越えて【アネイル】まで街がなく歩き詰めになるので、この長丁場で使う武器はできるだけ良い物を手に入れておきたい。
同じく、あまりないだろうが第四章でマーニャに毛皮のコートを買い与えそびれたプレイヤーは、ここで買い与えるとよい。
 
細かいことだが、FC版では【ブランカ】【コナンベリー】までの間の城・町のうち1つに故意に立ち寄らずにスルーしてルーラの登録を1つ減らす事によって、セーブ&ロード拠点として便利な【ソレッタ】をリストの2頁目の一番目、つまりリストを開いてワンアクションカーソルを合わせられる位置に置くことができる。
そうする場合のスルー対象は、必須イベントの無いボンモールか【アネイル】のどちらかになるが、ボンモールがスルー対象とされることが多いようだ。
どちらをスルーするにしても一長一短だが、ボンモールに寄る理由=はがねのつるぎは女神像の洞窟で手に入れることもできるので、第3章でしっかりアイテムを残してあればボンモールに寄らないデメリットは実質的に無い。
 
なお船入手後にルーラで来ると目の前の岸に船が来るが、川を下ってもエンドールの橋があるので外海に出ることはできない。
 
【エンディング】では気球がフィールドマップを1周以上するので多くの場所が登場するのだが、航路の都合なのか、なぜかボンモール城だけは2回通過する。
 
PS版以降ではちいさなメダルが拾えるようになったので、それだけでも来る価値ができた。
また、地下牢の一室が移民出現ポイントになっているため、何度か立ち寄ることになる。
北にあるレイクナバ、および【キツネヶ原】はルーラに登録されないので、そのためにも寄っておくといい。

その他

ここの牢屋は明らかに室内・地下であるにも関わらず、キメラのつばさ・ルーラが問題なく使える。
FC版は室内でも基本使えるしトムの息子の脱獄イベントの関係上、歩いて出て行くわけにもいかないのでそこは仕方ない。
しかし、リメイク版では全般的に室内では使用できなくなったにもかかわらずこのイベントは特に変更はされず、キメラのつばさでトムの息子は脱獄する。
 
そのつじつまを合わせるためか、ここではリメイク版でもプレイヤーもルーラが使える。
牢屋の欠陥に気づき、五章ではルーラ不可になったりとかもない。天井に穴でも開いているのだろうか。
たとえ罪人でも雨ざらしにするのはどうかと思うし、そんな牢屋では魔法使いはおろか、下手をすると身軽なだけでも逃げられてしまうかもしれない。
とは言え、ドラクエシリーズの牢獄としては非常に珍しく囚人への面会は禁止で見回りの兵士を置いていることから、外部の人間が入り込んでキメラのつばさを手渡すケースを想定しているとも考えられる。
肝心の見回りが雑なので、上述の手法を普通に実行できてしまうわけだが。
おあつらえ向きに、トムの息子が入った牢獄の前には見張り兵の死角になるくぼみもある。
ついでに言うと、脱獄が起きてもすぐには気付かなかったのか、特に騒ぎにもなっていない。
後にキツネの幻影を解いた頃になると、ようやく城下町の住人が言及するようになるのだが、「こそどろ」だから誰も気にしていないそうである。
なお、トムの息子の他にはもう一人囚人がおり、他の部屋の男(トムの息子)の姿が見えなくなったことには当初から気付いているが、他人事なのか騒ぎ立てる様子もない。自分のいる部屋から見えないというだけなので、脱獄したとまでは思っていないのだろう。
彼は第五章になってもまだいる。
この囚人リメイク版では、自称天下の大ドロボウで昔の【バコタ】の相棒という設定がついた。
また、見回りの兵士は第五章では強制退去はしてこなくなる(立ち去れとは言うが)。