【ユリシス】

Last-modified: 2023-01-11 (水) 11:21:14

DQ9

砂漠の王国【グビアナ】の現女王。公式グラフィックではかなりの美人。
英語版での名前はVoluptua。「なまめかしい」や「快楽主義者」などの意味をもつvoluptuousからだろう。
 
先代国王の【ガレイウス】は砂漠に用水路を引いた偉大な人物であったらしいが、その娘である彼女は大変な暗君で、せっかく引いた水路の水を自分の浴場に引き、砂漠では貴重な水を文字通り湯水の如く使っていた。
やりたい放題ばかりしているため先代の蓄えを今代で使い切ってしまうのではないかと懸念され、主人公の天使様を思い切り愚弄、ささいな理由で優秀な料理人やその他の家臣をクビにしたりもしていたようでなかなかに暴君。日頃の行いは大切ということを、われわれプレイヤーに教えてくれる反面教師である。
【女神の果実】の力で【ギガントヒルズ】化した【アノン】に連れ去られたとき、城内では誰も心配しないどころか、あんな奴居なくなってしまえば良いよ、という趣旨の発言すらあちこちで聞かれ、果ては「いなくなったのなら【ジーラ】お姉さまがやめさせられなくてすむ」と喜ぶやつがいたり、護衛の兵士ですら積極的に彼女を助けようとしなかったりする始末である。
ここまで味方がいない状態でやりたい放題していた図太さもすごいが、臣下も臣下で表面上の機嫌を取って陰口を言うのみで、諌めたり最終手段としてクーデターを起こさないというのも問題があるだろう。
しょうがないので、主人公達が骨を折ることになる。なんかもう自業自得だろと見捨ててやりたくもなるが、心優しい主人公はそんなこいつにも救いの手を差しのべるナイスガイ(ナイスガール)なのだ。
 
ただこうした性格の歪みは先王のガレイウスに原因があるようで、彼は国政に精を出す名君であった一方で家庭は省みなかったらしく、親の愛情に飢えた結果がこれらしい。
【グビアナ地下水道】にいる父親の亡霊はそれを悔いて成仏できずにいる。王としての名声欲しさに治水工事に精を出したものの、そのせいで娘に構ってやれなかったとか。間違いなく善行ではあるが、名声を得たかったからとはなんとも。
昔から仕えている一部の家臣なんかはこの辺りの事情を知ってはいたのだが……。
ペットのアノンだけは唯一の友達で、他の何よりもこの珍妙なトカゲに愛情を注いでいる。そればかりかアノン相手に寂しいと泣きながら訴えていたこともあるらしく、これを密かに知ったジーラは心を痛めている。
前作の【ハワード】を彷彿とさせるが、使用人をクビにはしてもイビり倒すようなマネはしていない。
 
とりあえず主人公が頑張ったお陰でアノンの一件も解決、さらにコイツも見事改心し、またジーラの言葉で「自分は一人じゃない」と自信を持ったことで、浴場を一般開放したりアノンを使ったりでグビアナ王国を観光地として発展させるために頑張ることになる。
こうした成長を見せる頃には、地下水道に居た先代国王の霊も娘の成長を喜び成仏している。
 
本作では位が高いだけのダメ人間は他に【ナムジン】がいるがあちらはこちらと違いダメ人間なのは演技。その事から彼女こそが【ヘンリー】あたりの系譜と言ってもいいだろう。