【レクイエム】

Last-modified: 2024-03-25 (月) 08:57:47

概要

初・DQの全滅曲。DQ2とリメイク版のDQ1で使用されている。
前作DQ1では力尽きた際に短いMEが流れるだけだったが、今作ではキチンとした曲が用意された。
 
「レクイエム」とはラテン語で「安息を」の意味であり、キリスト教・カトリック教会における死者を弔う儀式(ミサ)で用いられる聖歌を指す。
翻訳すると【鎮魂歌】(鎮魂曲)とされることが多く、DQ3の楽曲と紛らわしいが、実際にはレクイエムという言葉に鎮魂の意味は必ずしも含まれていない。
クラシック音楽の世界などにおいては昨今は鎮魂という言葉は用いず、そのまま「レクイエム」或いは「死者のためのミサ曲」等の翻訳が当てられることが多い。
 
【すぎやまこういち】の死去の後、【東京都交響楽団】が2021年10月20・21日の定期演奏会冒頭にて追悼演奏としてこの楽曲を演奏し、YouTubeにも公開された。
指揮は都響の音楽監督である大野和士。楽譜を置かず暗譜で、時にはうなり声もあげて指揮をし、迫真の熱演ですぎやまへの追悼の祈りを捧げた。
 
構成=A:8小節、B:8小節、Ending:10小節
調=ニ短調(Dm)
BPM=64(SFC版)
拍子=4/4
 
最初から最後まで、途切れること無く暗く沈んだメロディーが特徴的。DQ4の【エレジー】以上に憂鬱な気分にさせる曲である。
しかし、その悲しさの中に、どこか荘厳さも感じさせる曲である。
【すぎやまこういち】は、「冷徹な厳しさ」「ある種死に直面した神々しさ」を意識してこの手の全滅曲を作っていると語っている。
この曲から、どこか威厳を感じられるのも、そのせいなのだろう。
 
Aで静かに、暗く悲しい曲が始まる。
Bで全ての弦楽器が演奏され、一気に曲が盛り上がり、同時に泣き崩れたような曲調になる。
Endingは再び静かになり、メロディはAと7小節目まで同じだが、3小節目から低音弦が入り、8小節目からメロディにも違いが出る。
最後はどこか祈りを捧げるような静けさの中で、曲を終える。
 
SFC版でも、Endingまでしっかり聴くことができる。
なお、オーケストラ版では、全滅曲~祠の曲はメドレーになっていることが多いのだが、本作ではめでたく祠の楽曲(【聖なるほこら(曲名)】)がオーケストラ版に収録された後も、メドレーになっていない(トラックは連続しているが)。
 
レクイエムという言葉そのものが世に広く浸透しているため、様々な媒体で自由に「レクイエム」の名を冠した楽曲が作られているが、古典的クラシック音楽を愛するすぎやまらしく、クラシックにおけるミサ曲としてのレクイエムのイメージを強く引き継いでいると言える。
クラシック音楽で有名なレクイエムと言えば、ヴェルディとモーツァルトのものがある。ただしCMや映画などで多用され広く知名度を持つのはどちらも「怒りの日」という激しく恐ろしいイメージを持った部分である。本曲とイメージが近いのはモーツァルトのレクイエムの「涙の日」などだろうか。

DQ1(リメイク版)

【ドムドーラ】において、FC版の【洞窟】に代わって使用される。
 
SFC版では、通常は【あなたは しにました】というメッセージと共に【死】のみが流れるのだが、【ギラ】【ベギラマ】、炎などで死んだ場合のみ「○○○○は ぜんめつした!」と表示され、『死』が流れずにこの曲が流れる。DQ2とシステムを共用しているためだろうか。
GB版以降のリメイク版では、戦闘敗北時のBGMで『死』に続いて必ず流れる。

DQ2

FC・MSX・MSX2版ではAの部分しか流れない。
全滅するとこの曲が流れるのだが、難易度の高いDQ2のこと、幾度となく聞かされたプレイヤーは多いことだろう。
あまりにも聞かされる回数が多いので、この曲の冒頭部を覚えてしまったプレイヤーも多いのではないだろうか。
あまり長々と聴いていたい曲でもないし、全滅しすぎて聞き飽きてしまい、大抵のプレイヤーは全滅のメッセージが出たら、速攻でAボタンを押してサッサと【王城】等に切り替えたことだろう。
FC版ではエレジーと違って町や城のBGMや、イベントで流れたりはしないのが救い。
 
ただ【ムーンペタ】【復活の呪文】を聞いた後に【ベビル】戦や【ルプガナ】【グレムリン】戦、また城で復活の呪文を聞いた後に【デルコンダル】での【キラータイガー】戦やバグによる【シドー】戦で全滅すると、復活した先でその町や城の外に出るまで流れ続けるという迷惑なバグがある。

NES版・リメイク版

NES版とリメイク版の【プロローグ】では、【ムーンブルク王】が殺された後、【ムーンブルクの兵士】【ローレシア】の城に辿り着くまで流れ続ける。
 
さらにリメイク版では【ムーンブルク城】でもこの曲が流れるようになっており、故郷の城を滅ぼされた王女の心境と合わせ更に悲しい気持ちにさせてくれる。
しかも追加された後半部分がまたいい感じに状況を引き立たせる。
シドーを倒した後でこの城に寄ると、王女の父であるムーンブルク王と話ができるが、悲しいメロディーをバックに王様が「元気でな…」と言い残して去っていくシーンは、DQ2の中でも屈指の涙もの。

DQ10オンライン

Ver.4より使用。廃墟などで流れる。
詳しくはこちらを参照。

ビルダーズ1

【メルキド】の城塞、希望のはたを立てる前の【ラダトーム城】【やみのせんし】戦後のイベントで流れる。
どれもイベントが終わると聴けなくなってしまう。

ビルダーズ2

【マギール】死亡イベントや【ムーンペタ】での兵士埋葬イベントなど悲愴なシーンで流れるほか、【ムーンブルク島】ローレシア城でも聴ける。ローレシア城ではいつでも聴けるのでビルダーズシリーズではようやくずっと聴ける場所が出来た。

ダイの大冒険アニメ版(1991)

【ヒュンケル】の養父【バルトス】の死のシーンで流れる。ヒュンケルの父を亡くした悲しみが伝わってくる。

ダイの大冒険アニメ版(2020)

本作は【林ゆうき】の新曲のみが使われており、本家DQシリーズのものとは別の曲である。
オリジナルサントラVol.1のディスク1に収録。