【経験値】

Last-modified: 2024-03-25 (月) 10:08:56

概要

戦闘などで得た(積んだ)「経験」を数値化したもので、DQシリーズに限らず【レベル】システムのあるゲームにはほぼ必ず存在する概念。
最早この単語そのもので意味が通じるため、とりあえず「を倒すと貰えるレベルアップに必要なポイント」というイメージを持っているプレイヤーも多い事だろう。
 
これが一定の値以上になると次のレベルになることができ、【さいだいHP】【ちから】などの各種ステータスが増加したり、新たな【呪文】【特技】などを使えるようになる場合もある。
レベルが上がるにつれ次のレベルになるのに必要な経験値も増加する事が多い。
 
なお、ファイナルファンタジーなど後発のRPGでは「次のレベルアップまでの必要経験値」はメニュー画面等ですぐに確認できるものも多いが、かつてドラゴンクエストにおいてはDQ8まで【王様】等に話しかけるか【教会】【おつげをきく】事でしか確認できないのが通例となっていた。
ドラクエというゲームを特徴づける大きな要素の一つとなっていたが、特にレベルアップ時のステータスアップがランダム成長な作品でいわゆる「吟味」をしようと思ったらレベルアップのタイミングが確認しづらく大変。
DQ9では【かみのおつげ】という特技で任意に必要経験値の確認ができるようになり、DQ10以降やリメイク版DQ8でようやくステータス画面に次のレベルまでの経験値が表示されるようになった。
 
ステータス画面などでは「経験」を意味する英単語 experience から主に「Ex」などと表示される。
 
モンスターの経験値は個別に設定されており、強いモンスターほど獲得出来る経験値も高くなる事が多いが、後述するように例外も認められる。
また、【メタル系】のスライムは強さはさほどではないものの、その倒し難さのためかどのシリーズでも経験値は高めに設定されていて、DQ3からは破格の値である。

出現時期と経験値の関係

DQシリーズでは、モンスターと出会える時期も経験値に加味されているらしく、強いモンスターでも出る時期が遅いと経験値が少ないケースが多い。その逆になっている作品もある(後述)。

 
逆に、DQ11では強いモンスターでも出る時期が早いと経験値が少なくなっている。同作は同じ地域に出現する敵の強さのバラつきが激しいのだが、強さに差があっても最大出現数が同じ位なら経験値にそれ程差がないケースが多い。
同作は【ボス級モンスター】並みに強い代わりに同時出現数の少ない敵が多く、流石にそれらの敵の経験値は他の敵の数倍になっているが、それでも強さを考えたら全く割に合わず、出現数が多くて弱い敵を狩った方が遥かに効率的になるよう調整されているものが多い。
DQ3の【スノードラゴン】でも類似の調整が見られる。
【レイアムランド】【バラモスの城】に出現し、バラモスの城に出現するモンスターの中では初登場時期が最も早いのだが、強さの割に経験値が異常に少なく(440/人数)、下位種のスカイドラゴン(800/人数)の半分近くしかない。
 
その他のケースとして、一部のモンスターズシリーズでは前に攻略する地域に出現するモンスター(出現時期の早い遅いは関係ない)ほど強さの割に経験値が少なくなっている。
DQMJ以降の作品ではストーリーを進めると既にクリアした地域に新たなモンスターが出現するようになるが、新たに追加されるモンスターは追加時期の割に強く、その割に経験値が少ない傾向がある(序盤の地域に追加されるモンスターほど経験値が少ない)。
極端に酷いのがDQMJ3Pの【プチアーノン】。水中ライド解禁後(【凍骨の氷原】を攻略している時期)に【静寂の草原】に出現するようになり、凍骨の氷原の敵が中級攻撃呪文・特技止まりだという時期に上級攻撃呪文の【ザバラーン】を使うのだが、【崩落都市】後半~【歓楽の霊道】前半(配合解禁前後の時期)に出現する1枠モンスターと同じ位の経験値しかない。

experience point

本来「経験値」という言葉は一般的なものではなく、この概念が導入されたダンジョンズ&ドラゴンズ等で用いられていた「experience point」を日本語訳したものである。
そのため、パソコンの辞書によっては経験値が辞書登録されておらず『経験』等と変換されたりする。
そしてこの概念が輸入された当初はexperience pointの日本語訳も一定ではなく、「経験ポイント」「経験点」「経験度」、あるいは単に「経験」等と呼ばれていた。
現在この言葉が「経験値」でほぼ統一されて、更に一般社会でも「経験が積み重なること」といった意味合いで使われるようになったのは、社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなったドラクエの影響が少なからずあると考えられる。
 
なお、ドラクエの文章を書いている【堀井雄二】自身もドラクエ以前の記事では「経験ポイント」等の単語を使っている。
それを「経験値」に変更したのは、恐らくドラクエのゲーム内におけるメッセージ表記の都合と思われる。
FC版ドラクエ1では戦闘中のメッセージが「数字に単位がつく」形で統一されている。

スライムに 1ポイントの
ダメージを あたえた!

けいけんち 1ポイントかくとく

1ゴールドを てにいれた!

なので、もしここで「経験ポイント」を採用していたら「けいけんポイント 1ポイント」と冗長になってしまう上に文字数が多くなり、1行で表示できなくなってしまう。
特に文字数の問題は、けいけんちのみ助詞も無ければ最後の「!」も無いあたりから察せられる。
つまり文字数を少なく、かつゲーム内で違和感の無い表記を考えた結果が「けいけんち」なのだと推測される。
 
余談だが、「経験値」自体の元々の意味も(あまり一般的ではないが)存在する。
それは「経験則」と同じような意味合いであり、「経験から導き出される値」を指す。
ドラクエで言うならば「今のレベルなら敵を倒すのに○○ターンかかるだろう」とプレイヤーが考えた時の『○○ターン』が、元々の意味での経験値と言える。

DQ1

最大値は65535。
移動中・戦闘中とも画面左上のステータスウィンドウの「E」という項目に表示され、いつでも簡単に確認できる。
 
次のレベルまでの必要経験値は王様から【復活の呪文】(リメイク版ではセーブ)と一緒に教えてもらえるほか、【おうじょのあい】でも知ることができる。ゲームを再開した際や全滅後にも聞くことになる。
 
リメイク版では後の作品同様「つよさ」で確認できる。
ガラケー版では99999、スマホ版以降では70000に最大値が変更された。

サテラビュー版

サテラビュー版BSDQ1ではシナリオ進行状況や主人公ステータスなどから算出したランキングポイントによるプレイヤー参加型イベントを実施していた。
特筆すべきはゲーム開始前の受信待機画面におけるその説明文。

ランキングポイントに関わるデータ一覧
   ・ 今日の目標のクリア
   ・ 「つよさ」の成長
   ・ ゴールド
   ・ 経験点
   ・ 幸せのメダル

よく見るとなぜか「経験点」となっている。なおゲーム本編での表記は従来通り経験値で変わりはない。チェック漏れだろうか。

DQ2

PC3人とも最大値は1000000。
一方でGBC版までは3人の【最大レベル】はそれぞれ異なっており(ローレ50、サマル45、ムーン35)、それぞれの最大レベルへの必要経験値は1000000で統一されているため、次のレベルまでの必要経験値・レベルアップのタイミングはかなり異なる事になる。
ガラケー版以降では3人の最大レベルは50に揃えられたが、レベル50以外は各レベルへの必要経験値は3人で異なるように設定されている。
次回作以降は基本的にキャラクター間の最大レベルは統一されるようになったが、レベル毎の必要経験値がキャラクター・職業間で異なるという基本仕様は踏襲されている。
 
移動中の簡易ステータスウィンドウからは消え、各キャラの【つよさ】画面の最下部で確認できるようになった。また、戦闘終了時に全員分の経験値が一覧表示される。略称表記は「EX」。
 
戦闘後に得られる経験値は生存者全員均等だが、今作では【経験値割り増しシステム】を採用しており、モンスターの同時出現数が多かった場合、その分経験値が割り増しされる(リメイク版では廃止)。
 
必要経験値は前作と同じく復活の呪文(セーブ)と一緒に教えてもらえる。

DQ3

FC版では表示上の最大値は9999999(999万9999)だが、バグ技の挙動から察する限り、内部的には1000万を超えている可能性がある。
実際にリメイク版では16777215(1677万7215)になっている。これは24ビットの限界値である。
また、最大レベルが経験値の最大値とは無関係に設定されるようになり、最大レベルに到達以降も経験値が上がり続けるようになった。
各職業・キャラクターの最大レベルに必要な経験値は【最大レベル】の項を参照。
【転職】を行うと経験値は0に戻される。
 
【経験値分配システム】が採用され、獲得した経験値は生存しているパーティメンバーで分配される。このため、例えば他シリーズでは経験値10050に設定されていることの多い【はぐれメタル】の経験値もその4倍の40200となっている。
戦闘以外で経験値を得られる【しあわせのくつ】も登場した。リメイク版は【すごろく】でも戦闘しないで経験値が増えることがある。
 
必要経験値は【冒険の書】に記録する前に教えてもらえる。

DQ4

パーティ人数の増えた本作以降とリメイク作品では戦闘後の一覧表示がなくなり、「つよさ」画面でのみ表示されるようになった。また本作以降、略称表記は「Ex」となっている。
NPCの経験値は表示されない。
 
経験値分配システムは無くなり、単純に倒したモンスター分の合計値が、スタンバイも含めた生存者全員に得られるようになった。ただし【馬車】の入れないダンジョン内では一部を除いてバトルメンバーのみ経験値を得られる。
また、戦闘以外では一章の終わりに【バトランド王】から【ライアン】に、五章で【マスタードラゴン】から【主人公(DQ4)】に経験値が与えられる。この時には自動的に「つよさ」ウィンドウが表示され、経験値を確認できる。
 
必要経験値を教える役割はセーブとともに国王などから【教会】に移され、【おつげをきく】で教えてもらう方式になった。

DQ5

初期経験値が0ではなく、一定の経験値を持った状態でパーティに加わるキャラが登場するようになった(【仲間モンスター】含む)。ただし主人公はこれまで通り0からスタートする。
最大値は1だけ増えて10000000(1千万)。
SFC版の青年時代前半の【フローラ】は経験値が入るキャラの中で唯一、9094でカンストしてそれ以上は増えなくなる。後半に再加入したときに他のキャラと同様に増えるようになる。
なお、上記の経験値が中途カンスト状態のフローラと、NPC扱いである【ベラ】については、教会でお告げを聞くと次のレベルまで11111111の経験値と言われる。バグ技を使って連れ出した【パパス】(NPC扱い)や、【仲間モンスター簡単レベルアップ】でレベルアップできる状態にした仲間モンスターも同様のメッセージになる。

DQ6

最大値は16777215。
転職システムが再登場したが、転職を行っても経験値には影響しない。
また、馬車の入れないダンジョン内でもスタンバイに経験値が入るようになった。ただし【ムドー】を討伐する際の【ムドーの島】から【ムドーの城】までは待機中の【バーバラ】に経験値が入らない。

DQ7

最大値は16777215だが、PS版ではオーバーフローの管理ができていないのか、経験値が最大値を超えると0に戻ってしまい、また加算されていく。以降はこの繰り返しなためカンストさせることはできない。
前作同様、転職を行っても経験値には影響しない。

DQ8

PS2版においては従来から変わった点は特に無い。
なお開発中は【テンション】によって追加経験値が貰える仕様があったがボツになっている。
 
移植版では必要経験値を「つよさ」で確認可能になったほか、教会訪問時に自動的に全員分の必要経験値が表示されるようになり、「おつげをきく」が削除された。

DQ9

1人のキャラでも【職業】ごとに経験値が別々に設定されるシステムになった。転職を行うと経験値も転職先の職業のものになるが、前の職の経験値は維持され、再転職したときにはその値からまた育てることになる。
レベル99になるとそこで経験値はカンストする。【転生】を行うと現在の職業の経験値は0に戻る。
 
経験値分配システムが再登場し、パーティ内のレベル差によって配分が異なるようになった。また、戦闘中にに死亡した場合も経験値を得られ、生存ターン数をその戦闘の全ターン数で割った数値に応じて配分される(1ターンも生存していなかった場合は得られない)。
 
必要経験値を移動中にいつでも聞ける特技【かみのおつげ】が登場した。

DQ10オフライン

【主人公】についてはオン版と同じく経験値が職業別になっている。最大レベルまでの必要量は仲間キャラよりも少なめ。
仲間キャラは職歴の概念が無いため、経験値は一つだけ。
いずれも現在の最大レベルでカンストする。数値は【最大レベル】を参照。

DQ10オンライン

DQ9と同じく職業ごとに経験値が別々に存在する。
詳しくはこちらを参照。

DQ11

PS4版ではDQ9同様にレベル99になると経験値がカンストする。一方3DS版では9999999まで上がる。
 
分配システムは無く、経験値はスタンバイメンバーも含めてパーティに加入している生存キャラ全員に均等に入る。
【ダーハルーネの町】【仮面武闘会】などのシナリオで短期間一時離脱しているキャラにも経験値は入るようになっている。ただしその場でレベルが上がることは無く、その次の勝利時にレベルアップする。
 
必要経験値は「つよさ」で確認可能。

DQ11S

各モードの移植元(3D→PS4版、2D→3DS版)の仕様に準拠。
2Dモードでレベル99にした後に得た経験値は3Dモードにするとリセットされ、レベル99に必要な数値まで戻される。2Dモード固定の【冒険の書の世界】では3Dモードでプレイしていても9999999まで上がるようになるが、【ロトゼタシア】に戻るとやはりレベル99になる値まで戻される。
また、前述のイベントで短期間一時離脱しているキャラに対しては、経験値が入らないようになった。
 
【ウマ】【モンスター乗り物】でモンスターシンボルに体当たりするなどで蹴散らした場合、戦闘するよりも少ない経験値を得られるようになった。この場合、その場ではレベルが上がらず、その次の戦闘勝利時にレベルアップする。

DQMJ3

【グレートライダーズカップ】やプロ版の【闘気の精霊】などで戦闘しないで経験値を増やせる。

不思議のダンジョンシリーズ

ローグライクゲームである本作にも経験値は存在し、モンスターを倒して得た経験値が一定数になるごとにレベルアップし、キャラクターの素のステータスが上昇する。経験値の限界値はトルネコ1が最大レベル37で999999まで、トルネコ2は最大レベル99で2760000まで、トルネコ3はトルネコ・ポポロ共に最大レベル99で9990000までとなる。
一度ダンジョンから出るとレベル1・経験値0に戻されてしまうというのが不思議のダンジョンシリーズのお約束だが、レベル継続性となったトルネコ3など例外もある。
 
不思議のダンジョンではいかにアイテムを稼いで活用するかの方が肝要ではあるが、特に難易度の高いダンジョンの序盤では、プレイヤーのレベルアップによる最大HPや攻撃力の上昇も無視できないものとなるため、ある程度意識的に経験値を稼ぐ必要も出てくる。

ヒーローズシリーズ

操作キャラクターのHP・MPゲージの下に小さな黄色のバーで表示され、これが一杯になるとレベルアップとなる。
戦闘不能になると、その期間中に他の味方が倒した経験値を得られない。経験値を得たいならば早めに蘇生させよう。

ダイの大冒険

単行本のオマケページにあるステータス表にも累計経験値の項目が存在する。
ただ、16巻巻末で4280704だった【ヒュンケル】の経験値が30巻ではなぜか1336853に激減しているというミスとしか思えない記述や、
9巻では杖持ちの【ポップ】がレベルで劣る素手の【レオナ】より攻撃力が低い(しかもちからはレオナの半分以下)など、首をかしげたくなる数値も。
15巻では【へろへろ】が「呑気にいついてトロトロ戦っていりゃあ金も経験も少しは増えるだろう」と言っているシーンがある。戦闘終了後にゴールドと経験値が手に入るというゲーム上のシステムを表現しているのだろうが、どうしてモンスターを倒すだけでお金までが手に入るのかが本編中ですら明らかにされていないのを、漫画内においては尚更どのような仕組みとなっているのだろうか。
 
また、【ダイ】に限っては闘いの遺伝子という形の表現もある。

アベル伝説

第一部では本編終了直後に毎回異なるキャラクターのステータス画面を表示する演出があり、累計経験値がEXとして掲載されている。
こちらもゲームの1/4~1/5程度しかない累計経験値、低すぎてレベルに見合わない一部ステータスなど、妙な数値が見受けられる。