【剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣】

Last-modified: 2023-06-17 (土) 04:34:03

概要

2003年9月19日に発売された「体感RPG」。「蘇りし」ではないので注意。
【スクウェア・エニックス】として発売された最初のDQ関連ゲームである。
テレビの上にセンサー付きの本体(紋章ユニット)を乗せて、付属の【ロトの剣】をコントローラとして握って振ることでプレイする。
センサー反応型のオリジナル製品で、パワーグローブではなく、後に発売されたWiiみたいなもの。
剣型コントローラーの刀身に反射材が用いられており、紋章ユニットから照射される赤外線を反射させることで動きを読み取る仕組みとなっている。
 
DQ10発売の頃の【市村龍太郎】の話によれば、本作はヴァーチャルリアリティの構想を当時の技術に当てはめて作成したものだという。
当初はアーケードゲームとする予定であったが、検討の末に玩具としての発売に変更されている(『ファミ通』2012年8月16日号)。
後に、コンセプトを同じくするゲームとしてWiiの【ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔】が出ている。
 
ストーリーは【ドラゴンクエスト】をベースに、多少のアレンジが加えられたもの。
ただし、DQ1の『リメイク作品』としては扱われないことが多い。
オリジナルキャラクターである【ももんじゃ】【モモたん】をガイドキャラとして進行する。
 
なお、【ドラゴンクエスト モンスターバトルロード】シリーズに登場するロトの血を引く者のデザインはこの作品が初出である。
本作の主人公については、【主人公(DQ1)】のページで取り扱うことにする。

システム

従来のドラクエとは全く違う体感ゲームというジャンルなので、当然ターン制ではない。
リアルタイムで出てきた敵を倒すシステムになっている。
ストーリーは1~8までのステージで分けられており、全体的なイメージはアクションゲームに近い。
 
【ちいさなメダル】を交換できる【メダル王の城】が登場し、メダル王の城ではアイテムや呪文のオーブなどを交換してもらえる。
 
【復活の呪文】も本編とはまったく別のシステムとして登場しており、入力すると本編とは違うイベントを遊べる。
いわば追加ステージ、あるいは隠しステージ用のパスワードといったところ。

操作

今作では一切のボタン入力が無いため、さまざまな工夫が随所に見られる。
基本的には「決定」や「はい」は縦方向、「いいえ」や「もどる」、「やめる」は横方向に剣を振ることによっておこなうことができる。これは、人間がうなずいたり首を横に振ったりする動作に準じている。
会話の際は、話したい相手に剣先を向けることによって話しかけることができる。
長文の際はメッセージウインドウの隅にある▽ボタンに剣先を向けて会話を進めることができる。
移動は目の前に敵がいないときのみ行える。剣先を画面に向けることによって前に歩き、分かれ道のときのみ、行きたい方向の矢印に剣先を向けて選択したのち、縦方向に斬りつけて方向を決定する。
 
基本「斬る」だけのゲームなので、斬る以外の操作に若干難があるのは致し方ない。
名前や復活の呪文は、横一列に並ぶ「ア~ン」や「カタカナの小文字」を選んでは斬ってを繰り返して入力するため結構な手間である。
もし入力感度が悪いと感じた場合は、本体の設置状況を確認したり、剣の調整をし直たりしておこう。

戦闘

ステージを進むとモンスターが様々な動きで出現し、それを斬って倒していくのが基本となる。
空振りせずに攻撃し続けているとヒット回数が記録され、10、15、20、25、30と五段階で剣パワーが上がっていき攻撃力が増す。
途中でヒット数が途切れてもパワー上昇がそこで止まるだけだが、敵の毒攻撃を受けるとパワーが下がる。
また、剣の腹を画面に向けるとバリアが発生して「防御」状態になる。
 
呪文は【オーブ】によって唱えるものとされており、画面に剣の腹を近づけるとオーブ選択画面に変わる。
そして剣先をオーブに向けることによってオーブが輝き、縦斬りで決定すると呪文が発動する。
オーブはイベントなどで入手できる。
 
ボス級の敵と戦う際には、敵の攻撃をガードする、敵に攻撃を当てることによって左上(本来レベルなどが表示される部分)にある必殺技ゲージがたまっていく。
最大限にまでチャージされると画面上に5つの球が表示される。
この球を斬りつけることによって通常攻撃よりも威力の高い【必殺技】を放つことができる。
この必殺技は練習場で練習できる、というより隠し必殺技はここで一度成功させないとボス戦で使えない。
 
自分にも敵にも【HP】が設定されており、各々の攻撃ダメージも細かく設定されている。
とはいえプレイヤーが目にするのはほとんどゲージ上だけ、敵モンスターに至ってはボス級の敵以外は現在HPを知る術がない。
一応つよさをみるや対戦のときに数値を見ることはできる。最大は300ポイント。
また、主人公にのみ最大10ポイントのMPも設定されている。
 
ステージ終了時に【経験値】がもらえ、それによって主人公の【レベル】が上がる。
当然HPや【MP】などのステータスも上昇するが、呪文は前述のとおりイベント入手のみ。
またクリアタイムやモンスターを倒した数、ヒット数等から評価をもらえる。
最高評価を取ればステージ選択画面に印が付くので、やりこみ要素の一つといえる。

ミニゲーム

100匹のスライム(赤いスライムを斬るとキングスライムが現れてタイムロスするので注意)を素早く斬る「スライム100」、一瞬だけ現れるメタルスライムを斬る【メタルでスライム】【ばくだんいわ】を相手に押し付け合う【ばくだんドッジ】といったミニゲームも存在する。
 

対戦かくとうじょう

2人対戦のゲームであり、あらかじめ「通常攻撃」「防御」「ギラ」といったコマンドを10個チョイスしてリールに収録し、ルーレットを止めて相手を攻撃するというルールである。
勝つと、負けたプレイヤーが使用していたリールからコマンドを1個もらう(もらうというよりもコピーであり、負けた側のコマンドが減ることはない)ことができる。
 
通常攻撃を10個集めると「しっぷう斬り」、防御を10個集めると【だいぼうぎょ】を習得する。
両者とも1個しか手に入らない上に、コピーはできない。

その他

発売当初はドラクエの中でも一風変わった遊び方から話題を呼んだが、DQ1ベースだけあって短いストーリー、薄型テレビが普及するに従って本体をテレビの上に乗せづらくなってしまう仕様など、様々な要因が重なって今日ではこのゲームが話題に上がることは少なくなってしまった。
ハードが特殊なためリメイクされる可能性も薄く、新たな年齢層がこのゲームを遊ぶことはほとんどないだろう。
このゲームを幼い時にやっていた人であれば、押し入れから引っ張り出して懐かしんでプレイするということぐらいはあるだろうが。
 
剣を振り回す時は、周囲のものに当たらないように広い場所を確保したいところ。
また、力加減を間違えて体に負担をかけないように気を付けよう。
筋肉痛を患わないためにも、【テレビCM】のように遊ぶ前には準備運動をしておくことを強くオススメする。
 
【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】によると本作で【鳥山明】が手がけたイラストは「【主人公】変身竜王【ゾーマ】」の3点のみでいずれもパッケージイラストであり、【ローラ姫】などのデザインは別人が担当したようだ。
 
ファミ通の漫画『ドキばぐ』にて【柴田亜美】が体験プレイをしたエピソードを描いている。飼い犬に剣を奪われてしまったようだ(3巻に収録)。また、これが災いして職業病を悪化させた模様。
【犬マユゲでいこう】の石塚祐子も本作をプレイした漫画を描いている。プレイした翌日には、筋肉痛を患ってしまった。

公式サイト

公式サイトはこちら