【工事中の神殿】

Last-modified: 2022-07-12 (火) 01:06:08

DQ5

文字どおり建設途中の段階の【光の教団】【大神殿】
青年時代前半はこの場所から始まる。
 
【主人公】【ヘンリー】同様に各地からさらわれてきた奴隷たちが、20年以上の歳月を掛けて大神殿建設のために強制労働をさせられている。
主人公もまた岩を所定の位置まで運ぶ作業を強いられている。
普通に考えれば、雲より高い場所でこんな過酷な労働をすれば、1日たりとも持たないだろう。
なお、主人公たちが奴隷にされた期間は10年ほどだが、さらに古参の奴隷からは20年以上工事に携わっているという話が聞ける。
 
20年以上にわたって工事している割には、ほとんど完成しておらず、かろうじて神殿1階の広間の部分が床と柱まで完成、壁の制作に取り掛かったところ。
地下1階以降はまだ壁面を掘って奥へと続くスペースを確保しているような状態である。他のスペースには奴隷たちの部屋と朽ち果てた墓場、そして牢屋が存在する。
奴隷たちの部屋は地面にムシロを敷いただけの粗末な寝床に、トイレ用の壺、そして沐浴用なのか飲用なのかはわからないが、水場が2つ見られる。用途が別なのだろうか。
なお、この時期には神殿の中央に「御神体」が置かれる予定であることや、地下に続く中央の階段が潰されるかもしれないという話など、後の展開の伏線になる話が聞ける。
なお、主人公たち奴隷が寝床にしている部屋には主人公に親身にアドバイスしてくれる大男が1人いるのだが、仕事現場の方で同じグラフィックの男は奴隷たちをこきつかう役割になっており、他は上記の牢屋で常時壁に縛り付けられている男だけなので、どこで仕事をしている男なのか謎である。奴隷を指導する奴隷なのだろうか。
 
直前のバトルが【ゲマ】戦という負けバトルなので、その戦闘で気絶⇒HP1で蘇生しているため、この場所からスタートした際には主人公の残りHPが1になっているが、長い間働かされて疲れ果てているようにも見える。
当然一晩寝ると元に戻るし、鍛えまくってゲマを倒した場合は当然そのHPを引き継ぐ。
また、一時的に所持Gも0になっているが、SFC版ではもともとの所持金がゲマ戦およびパパス対ジャミ・ゴンズ戦での負けバトルで既に1/4にされている。リメイク版では減っていない。
 
当然脱出を図る奴隷も多くいたらしく、主人公もまた10年の奴隷生活の間に何度もヘンリーに逃げ出す相談をしていた様子だが、場所が場所な上に見張りの男が随所に配置されており、逃げ出すことは叶わなかったらしい。
また、逃亡計画に誘ったのはヘンリーだけではないらしく、共に逃げるのに失敗してムチを打たれたことに不平を言う女性の奴隷もいる。
作業場にてミスを犯してムチで叩かれている【マリア】の助けに入ると、SFC版では主人公1人で、リメイク版ではヘンリーと一緒に【ムチおとこ】との戦闘になる。
この戦闘では勝っても負けても同じように話が進む。こちらは丸腰なのでSFC版では無理に勝とうと思わなくてもよいが、リメイク版では勝てばヘンリーにも経験値が入るので勝っておきたいところ。
ちなみにこのとき、階段付近の奴隷は足を止めて様子を伺っているのだが、それ以外の奴隷やムチおとこ、水汲み女などは何事もないかのように仕事を続けている。ミスの処罰も日常茶飯事で気にしていない者も多いのだろう。
ムチおとことの戦闘後は駆けつけた衛兵に取り押さえられ、牢屋に入れられることになるのだが、その後マリアの兄である【ヨシュア】の手引きによってマリアと3人で脱出を図ることとなる。
脱出の方法は、奴隷の死体を海に流し捨てるための排水路 (ヨシュアは「水牢」と呼んでいる) から、ヨシュアが用意してくれた【樽】に入って排出される、というもの。
「たぶん生きて出られるだろう」と彼にとっても博打気味な提案であったが、この提案のおかげで主人公たちはなんとか生きて外界へ脱出することができた。
 
脱出の際、リメイク版では大迫力のムービーが追加されたのだが、排水口の出口は山頂から滝の様に放水されており、一気に海面まで落下する、という突っ込みどころ満載の描写となっている。
現実的に考えれば、あんな高い所から落とされれば、着水時の衝撃で普通は死ぬ
多少急斜面でも良いから、川を流れ落ちるような描写にできなかったものか。
まあ【塔】から普通に飛び降りたり、それどころか天空から馬車ごと飛び降りてもなんとも無かったりするので、ドラクエの世界では落下死については気にしてはいけないのかもしれない。
なお、ドラクエをはじめとするJRPGに多くの影響を与えたトールキン作品の1つ「ホビットの冒険」の中で、囚われの身の主人公一行が空の酒樽に入って廃棄用の隠し水路から脱出するくだりがあり、描写の類似点からこれが元ネタの可能性もある。
 
青年時代後半には神殿は完成しており、再び足を踏み入れることになる。
また、余談だが「20年以上の歳月を掛けて上記のような段階までしか工事が進んでいなかったのに、8年後には地下の迷宮部分まで完全にできあがっているのは、相当能率の悪い工事が行われていた」などよくツッコまれることがある。
しかし、とても人が登れるような高さではないセントベレス山の頂上に建物を作るのだから、基礎工事にかかる手間は計り知れないのだろう。
というより、そもそも8年というのはあくまでも「主人公が石化されていた期間」であり、神殿から逃亡したときから大神殿到達の実際の経過時間はもっと長い。
具体例をあげると、デモンズタワーでの石化から10年であることは明記されており、結婚から妻の妊娠・出産の期間の時間の経過速度を考えれば、ラインハットの大陸出奔から結婚までの道程もおそらくは最低1~2年程度は要していてもおかしくはない。
ちなみに、結婚した時点でポートセルミの商人が「セントベレス山にすごい神殿が建っている」と噂話をしており、少なくともこの時点で外観ぐらいは完成している可能性が高い。
 
なお、「ストーリーのイベント時にのみ登場するマップである」、あるいは「奴隷になる」というこの部分の展開のことがシナリオチャート上でも詳細は書かれていないためか、公式ガイド上で地名やマップの詳細等はほとんど見られない。
「工事中の神殿」という名称は、DS版の公式ガイドブックのムチおとこの「出現する地域」に初めて掲載された。
なお、PS2版DQ5のデバッグモードの「デバッグルーラ一覧」には「だいしんでん(こうじちゅう)」と明記されている。
 
なお、PS2版まではここでも物を捨てるなどのアクションもできるが、DS版では「奴隷には勝手な行動は許されない」とメッセージが表示されて無効化されるようになった。
いずれにせよ持っているのは【ドレイのふく】一丁だけなのでさほど意味はない。ドレイのふくにデメリット自体はない上、この時期の主人公は身の守りが貧弱なので、捨てても損をするだけである。

その過去

DS版では、かつてセントベレス山には何かの神を祀った神殿が存在し、それを光の教団が破壊して現在ここで神殿を建てているという奴隷の老人の発言が追加された。
神殿の基礎部分はかつての神殿のそれを再利用しているのだろうか。
 
DQ4とDQ5の世界地図を、【天空への塔】を基準として比べてみると、最有力なのはDQ4の【ゴットサイド】の遺構。
しかし、そびえたつ大山脈の説明がつかない。世界中の地形がDQ4⇒DQ5で変わりに変わったので、何らかの原因で山脈として隆起したなどの可能性は考えられるが、真相は謎のままである……。
 
天空物語では、ストロスの国を巨大な神殿に作り変えるための人狩りが行われているが、これがのちの大神殿なのか作中では明らかにされていない。

ユアストーリー

ゲマの手下の魔物たちが奴隷を監視しており、役に立たない奴隷は容赦なく地上に蹴落とされる。
マリアやヨシュアが登場しないこの映画では、リュカ(主人公)とヘンリーが奴隷仲間の言葉をヒントに脱走を企てる。
脱出の方法は原作同様に死体流しの樽に入るというものだが、魔物たちに不審に思われて捕まるのを避ける目的で、2人とも臭さをこらえて顔に糞を塗って死体のフリをするという手段に出る。
 
脱出には成功するが、麓の町でも魔物が脱走者を監視しており、逃走中に樽は木端微塵に壊れるも【プサン】に救われる。