【国王】

Last-modified: 2024-04-20 (土) 08:08:49

概要

王国における最高権力者。妻は【王妃】、息子は【王子】、娘は【王女】と呼ばれる。
ドラクエには女性の国王である【女王】も数多く登場するが、ここでは男女共通の仕様以外は男王についてのみ記す(女王については該当記事参照)。
共和制に移行した「国」はDQ10オンラインの【エテーネ王国】(ストーリー進行後)、キャラバンハートの【デルコンダル】(DQ2の時代は君主制)があるものの、現状それ以外は全て君主制国家である。
  
戦場や別荘、離宮など王宮以外に滞在していることはほぼ無く、本人は【城】【玉座】にふんぞり返っていて、【大臣】が側にいることがほとんどである。
DQ4までは汎用グラフィックが髭面であることもあって年齢は壮年~老年であったが、DQ5からは若い王も登場している。
 
呼びかけられる際は基本的に「王様」と地位そのもので呼ばれる。これは日本語のルールでは本来は誤りであり「陛下」(階段の下という意味。転じて、君主への上奏に際し、階段の下に控えている取次を通すことを意味する。仕える者に直接呼びかけるのを忌むことで敬意を示す)と呼ぶのが正しいのだが、そのようなケースはほとんど存在しない。
また存命している王のうち、側室や寵姫のようなものが居る王は今のところ登場せず、妻帯している場合登場するのは基本的に王妃のみである。
 
ゲーム中の王は基本的に国民や旅人に大してはアポ無しフリーパスで面会してくれるのだが、ほとんどの王宮は夜になると城門が閉められるので、夜にも会うことができる王はシリーズ中でもとても少ない。
面会の際、特にボディチェックを受けたり武器を預けたりする必要はないのだが、2Dの作品ではフィールドグラフィックが「抜き身の剣を振り回している」という余りに危険極まりない姿であることもあり、一国の最高権力者たる者としては無防備すぎるのではないだろうかと思うかもしれない…が、DQ3のサマンオサ兵などを見る限りでは、兵士たちにかかると主人公たちでも抵抗できずに囚われてしまう模様。
あるいは「人間相手には暴力をふるいたくない」、「無駄な騒ぎを起こしたくない」と主人公たちが自粛しているのかもしれない。抜き身の剣をブンブン振り回しているくせに。
 
リメイク版のDQ4では移民の一員として多くの王が登場するのだが、この王らが治めている国がどこかに存在しているのか、もう存在しないのか、そもそも本当に王族なのは不明である。

ゲーム中での役割

DQ1、2、3からなる【ロトシリーズ】ではまず一番最初に王から旅の目的を説明され、支給品をもらうところから物語が始まることとなる。またこの三作では【復活の呪文】を主人公たちに教えたり【冒険の書】へ記録したりするのは基本的に国王の仕事である。
また、どういう特殊スキルなのか人の顔を見ただけで次のレベルまでの【経験値】を言い当てる能力も持っている。
 
DQ4以降の作品では主に【教会】でセーブする方式に変更されたので、王と会う重要性は下がった。これは公式な見解によると利便性の他に「セーブ役としての対応」を国王に担わせると「国王としての対応」をさせ辛いためであるらしい。
 
システムとしてのセーブ役ではなくなって以降も、シナリオ上は王や側仕えの者等から主人公一行に重要な依頼がもたらされる事は依然として多く、ゲームをエンディングまで進める上で全く会わずに済ませられる王はシリーズを通しても少ない。

DQ1

【ラダトーム】【ラルス16世】のみが該当。ゲームを始めるとき、普通に復活の呪文を聞く(リメイク版では冒険の書への記録。次作も同様)ときと再開するとき、および死んでしまった後など終始頻繁にお世話になる王である。
グラフィックも固有であるが、見方によっては鼻の大きい巨大な顔のようにも見える。【完全攻略本】のラダトームのページでもイラストでそのように描かれており、書籍スタッフもそう見做していたようだ。
 
ガラケー版以降ではSFC版【公式ガイドブック】でのイラストに準じたグラフィックになっている。

DQ2

以下6名が該当。

 
本作からは各キャラに前後左右4方向のグラフィックパターンが用意されたが、実は王は正面向きの1パターンしか作られていない。
そのため他のNPC勢と違って横や上から話しかけても正面を向いたままでこちらを向いてくれることがない。
正面しかパターンのないNPCシンボルは他にも【竜王のひ孫】【ハーゴン】がいるが、これらはそもそも正面からしか話しかけられないので「正面パターンしかない」という事実にゲーム中気付くことはないだろう。
 
今作の各王には復活の呪文を教える以外に、【サマルトリアの王子】の行方を教えたり、主人公たちの強さを見定めたうえで【つきのもんしょう】を授けたりといった重要な役割もある。
なおムーンブルク王は故人であり、作中では魂として登場し、復活の呪文を教えたりする役割も無い。またラダトーム王も本来の役割をサボって神父に押し付けている形になっている。
つまり上記のうち復活の呪文を教えてくれる王はローレシア王、サマルトリア王、デルコンダル王の3人のみであり、なおかつこの3人はゲーム進行上でも会うことが必須である。
 
エンディングでは主人公が父から王位を譲り受けて物語が終わる。
 
ガラケー版以降では【いのちのもんしょう】の関係でラダトーム王も会話必須となった。

DQ3

以下6名が該当。

 
外見は前作の色違いに近いが、足の動きが追加されている。また、他のキャラ同様4方向のグラフィックパターンが作られた。
 
ポルトガ王はセーブの役割を持たず、【おうのてがみ】を渡して【くろこしょう】を取ってくるよう勇者たちに依頼し、それを果たした勇者たちに【船】を与える役割のみである。
また、当初のサマンオサ王は【ボストロール】の化けた偽物であり、本物の王は地下牢に幽閉されている。このためサマンオサでセーブができるのは本物の王を救出した後になる。
会うことが必須なのはアリアハン王、ポルトガ王、ラルス王の3人。サマンオサでは偽王を倒すのは必須であるが本物と話すことは必須ではない。
 
上記のほか、ロマリアのイベントでは勇者が一時的に王にさせられることがある。この状態では【はなす】以外の各コマンドを実行すると普段とは異なる特別なメッセージが表示される。

リメイク版

隠しダンジョンにある【ゼニスの城】【ゼニス】が新たに加わった。ただしセーブの役割は持たない。
GBC版では王の表情は四角で表示されていて、目鼻口がわからない。
 
SFC、GBC版ではロマリアで勇者が王にされている時には専用のグラフィックが使われる(ガラケー版以降では通常の髭の王のグラフィック)。SFC版ではさらに偽サマンオサ王にも通常のものと比べ悪人面の専用グラフィックが使われている。

DQ4

以下の9名が該当。

 
グラフィックが前作のものから変更された。
今作よりセーブの役割は【教会】に移され、王(および女王)はストーリー上での役割を持つようになった。上記のうち、ブランカ王とメダル王以外は会うことが必須になっている。
メダル王はDQ4~DQ7まで【ちいさなメダル】の収集役となる。
 
上記のほか、ボンモールの【リック】王子が結婚後にエンドール国王になることがストーリー上の重要事項として存在するが、結婚式の段階ではまだ王子と呼ばれているので、いつ襲位するのかは不明である。

PS版

ボスとして登場する【キングレオ】が、キングレオ城の王が魔物化したものであったという設定が追加された。
 
【移民】としても登場する。移民カテゴリの一つで、表記は「王さま」。特殊形態の【キングキャッスル】を作るのに必要となる。
【ツァール】【ナハトム】【ミノス】【メサムチョ】(夜限定)・【キンク】【トゥムー】【ポルトー】【ムアコック】の8人がいるが、このうち【マスタードラゴン】謁見前に出る可能性があるのは前半の4名のみ。
早期にキングキャッスルを作るには「王さま+姫で7人以上」の条件しか選択肢がなく、どちらも4名ずつしか出ないのでうっかり1人でも逃せば絶望的に作るのが難しくなる。
マスタードラゴン謁見後は割とサクサク集まるので「王さま5人以上」の条件達成はさほど難しくなくなる。

DS版以降

PS版の各移民は姿を消したが、固定移民の一人として「王さま」が居り、最終段階にするためにスカウトする必要のあるキャラ。
第4段階の【移民の町】【ロッコ】から情報を得ると【ハバリア】の酒場に現れる。10年間ずっと王になりたがっており、王になれる場所を探し求めている。
移住後は城2階の玉座がたくさんある部屋に住み着き、玉座に座れることを喜んでいる。
しかし移民の城(マーリブ王国)の本当の王は【レオン】であり、この移民はあくまで王の格好をした男にすぎない。
スマホ版では最終段階の解禁条件を満たせば、情報を聞いていなくてもハバリアで会える。

DQ5

以下の7名が該当。

 
今作からは従来の髭を生やした王のほかに、若い王のグラフィックも使われるようになった。
 
時代の流れがある本作では、時期によって国王の座が交代することもある。メダル王以外はストーリーに関わるので必ず会うことになる。
さらに今作では主人公自身が【グランバニア王】に即位する。DQ2ではエンディング、DQ3ではお遊びだったが、今作は即位した主人公がその後そのまま冒険を続けることになる。

DQ6

以下の9名が該当。

 
【夢の世界】【現実の世界】の2層構造である今作だが、人間の王のほとんどは現実の世界のみに存在する。
レイドック王のみ夢・現実の両方に居り、物語上でも重要な位置付けとなっている。
ガンディーノ王、ポセイドン王、グレイス王は会うことが必須ではない(メダル王はイベントで強制的に会う)。
 
また、今作では【スロット】の柄にも王の絵がある。

DQ7

以下9名が該当。

 
メダル王とラグラーズ王以外は過去・現代とも必ず会うことになる。
キーファの父であるバーンズは【鳥山明】による公式イラストまで用意され、旅に参加しないNPCとしての歴代国王の中ではかなり優遇されている。
また【クリスタルパレス】のイベントでは各地の王が集合している光景が見られる。

漫画版

ゲームに沿った国王はバーンズ・グランのみ登場している。
また、オリジナル展開として【キーファ】の転生編で、ムーンブルク王国の前身であるブルク国の【ブルク王】【ゴドム王国】【ゴドム王】が登場している。

DQ8

以下5名が該当。

 
王国の数が減少したことから必然的に国王の数も減ったが、メダル王以外はストーリーに関わる。しかも今作は主人公の仕えるトロデーン王国のトロデ王と終始共に旅をし、【錬金釜】【戦歴】といったシステム面でも活躍する。
また、グラフィックがフル3Dになった本作からは、各地の王に独自のグラフィックが使用されるようになった。
年老いた王はトロデとメダル王のみであり、他は若い王である。

DQ9

王国の数がさらに減り、メインストーリー上で城に君臨する王は【セントシュタイン城】【セントシュタイン国王】のみで、女王を含めても【グビアナ城】【ユリシス】との計2名しかいない。
【クエスト】関連で登場する王としては【ストーリークエスト】【ガンベクセン】、通常クエストの【モーダメ王】がいる。前者はメインストーリー上でも幽霊として姿を確認できる。
なお、ちいさなメダルの収集役が王族ではなくなったため、メダル王は今作以降登場していない。

DQ10オフライン

『目覚めし五つの種族』のストーリーでは以下5名が登場する。

 
クエストでは【パルカラス亡霊王】が登場。【フォステイル】が娘婿となりメギストリス王国の初代国王となっていたことが判明。

Ver.2

【レンダーシア】では以下3名が登場する。いずれも人間。

DQ10オンライン

アップデートによってさまざまな国王が登場している。

DQ11

作中には以下の4名が登場する。

 
プロローグやユグノア城の回想場面では、生まれたばかりの主人公(勇者)を囲んで、上記の4人の国王が一堂に会する【四大国会議】が行われているのが見られる。
 
DQ11Sの追加ストーリー【ロウと幸せの王国】では、本来は元国王である【ロウ】が一時的に現役国王の立場となる。
 
【冒険の書の世界】では【ラルス16世】【サマルトリア王】、DQ3の各地の王と【ネクロゴンド】王が登場する(【イシス女王】は登場しない)。

外伝作品

作品ごとに該当するのは以下。

ダイの大冒険

名前のある男性の国王は、【ロモス王国】【シナナ】【テラン王国】【フォルケン】【ベンガーナ王国】【クルテマッカVII世】の3名。
また、名称不詳の【アルキード】の国王がいた他、国家を統べている訳ではないが魔王軍の【オリハルコン】軍団を統率する王(キング)・【マキシマム】がいる。

アベル伝説

【アリアハン】ヨーゼ15世と、【ドランの都】【ピエール3世】が登場する。

ロトの紋章

名前のある王としては、【カーメン王国】【カーメン4世】【ローラン王国】【ローラン4世】、アリアハンの【ノバァク13世】が挙げられる。また、名称不詳の王としては【ノアニール】の田舎城の王、外伝「イシス恋の遁走曲」に登場したイシス王が存在する。
続編「紋章を継ぐ者達へ」では【ムスタファ】がイシスの王として在位している。

スライム冒険記

【魔龍】に命を奪われた【キングノイル王】?が登場。

スライムもりもり

地上界の王として【キングノイル城】のキングノイル六世が登場。また、魔王マゴは魔界を治める王だといえる。

元国王

前国王およびかつて王位についていた人物のうち、存命の人物。世を去った国王は『第○代の国王』や『先代の国王』みたいな感じで扱われるようになるため、元国王とは呼ばれない。
 
初出はDQ2の【ローレシア王】である。エンディング直前で王位を主人公に譲り、ほんの数秒だけだが劇中で元国王としてふるまう(DQ1のラルス16世は、エンディングで禅譲しようとしたが未遂に終わっている)。
最初の登場時にすでに王位を退いている人物としては、DQ3の【ロマリア】王の父が初出……と言いたいが、ロマリアはどこもかしこも元国王で溢れかえっている……(もちろんただのお遊びで、正式なものではないが)。DQ9の【モーダメ王】は存命ながら国が無いという珍しい元国王である。
DQ5のパパスやオジロンは時代の流れやシナリオ上で国王の座を譲り渡して元国王となる。
 
その他には、小説版DQ4に【ピサロ】の父親としてニュイイというオリジナルキャラクターが存在する。
【アイテム物語】【おうごんのつめ】のエピソードには、【イシス】の建国者ファラ王が登場している。
 

 
DQ10では在位中に消息不明となった先王ゾルトグリン】がいる。

その他の君主号

王の他にも君主号は多々あれど、意外なことにDQシリーズでは王以外はほとんど登場しない。というより王国以外の国家形態を明示しているのはDQ9の【ガナン帝国】(DQ9)、【ガテリア皇国】【ウルベア地下帝国】(DQ10)くらいである。
 
現時点では皇帝はガナン皇帝である【暗黒皇帝ガナサダイ】しか見当たらない。ウルベア皇帝は【ウルタ皇女】が次期皇帝を名乗ったところまでにとどまる。モンスターでは【カイザードラゴン】【スライムエンペラー】【邪眼皇帝アウルート】【竜皇帝バルグディス】など皇帝の称号を持つものは登場してるが。
ガナンも元々は王制で、ガナサダイの代で皇帝を名乗るようになったことが劇中で判明している。DQ世界での皇帝と王の違いはいまひとつハッキリしない。
 
また、DQ8の【法皇】についても一種の君主といえる。モデルであると思われるローマ教皇(ローマ法王とも)は、「われらがもっとも聖なる君主」や「使徒的君主」などの称号を保持しているし、ヴァチカン市国についても君主国という扱いを受けているためである。
 
DQ10の【魔界】には複数の国があり、それぞれの国の王が【魔王】である。
 
なお、現実のヨーロッパでみられる、公国や侯国の君主としての公爵や侯爵は、シリーズ中今まで一度も登場したことがない。
DQ5の【ルドマン】が居を構えている【サラボナ】や、DQ8の【リーザス村】【ポルトリンク】のように、領主と思しき者が統治する町もあるのだが、上述の理由から国家という形は取られていない。
DQ10では爵位(大公)を持つキャラクターとして【オジャロス】(王太后の弟)が登場したが、ゼクレス魔導国内に領地を持つも独立した君主ではない。
 
一方、英語で「男爵」の意味のある名前を冠したキャラやモンスターに【バロン(スカウトモンスター)】【バロンジャッカル】【レッドバロン】が、そのまま「伯爵」の名を冠した【こうもりはくしゃく】というモンスターが居るには居る。
また、【バロンのつのぶえ】というアイテムも存在していることから、少なくとも魔物社会や昔の人間社会に爵位の概念が存在していた可能性も否定できない。
DQ10には、英語で「公爵」を意味するdukeの名を冠した【デュークアックス】という武器が登場している。