【魂砕き】

Last-modified: 2022-10-29 (土) 09:27:40

DQ7

過去の【ダーマ神殿】シナリオにて起こるイベント。
山と海に囲まれ、魔物に支配された地上の牢獄、【ふきだまりの町】にて発生する。
 
偽の大神官【アントリア】の罠によって【呪文】【特技】を奪われた人々が、それらの力を取り返すためにすがる手段。
作中の描写によると、以下の手順で行えるようだ。

  1. 魂砕きに挑戦する意思を示す
  2. すると魔物から、人間の魂を抜きとって作りだした魔剣「魂の剣」を渡される
  3. 魂の剣を使い、他の人間5人を斬る

ここまで無事に成功すれば、力を取り返せるうえにこの地域から外に出してもらえると吹聴されている。
したがって、ふきだまりの町に送られた人間がこの地から逃れるためには、基本的にこの魂砕きに挑戦する他に方法がない。
 
しかし、半分本当であり半分はウソ。
魂砕きに成功しても、奪った力は返されるが、最終的には「しかばねとなって」「この地から放り出される」のみ。
自由が欲しい人々の心に付け込み、【決闘場】への挑戦権を与えられた末に、その勝者もアントリアに殺されるという仕組みだった。
つまり、力を奪われて希望を失った冒険者への悪魔のささやきにして、ここの人々を待ち構える最大の罠である。
町を支配していた【スイフー】はこれを禁止していたのだが、町に馴染めぬ新入りである【勇者を目指す戦士】が手を出してしまった。
 
作中の様子からは、勇者を目指す戦士だけでなく、決闘場で対戦する【ネペロ】【ガルシア】【トンプソン】【ナプト】【ドンホセ】、アントリアに瞬殺されていた武闘家を合わせると最低でも7人は魂砕きに成功していたことが伺える。
 
ちなみに魂を砕かれた者は昏睡状態に陥るか、魔物に操られ【山肌の集落】で監視員をするか、決闘場の雑用をやらされている。

地下牢獄で【フォズ】を救出した頃から「魂の剣」を出すことは出来なくなっており、【モンスター】の何らかの力、あるいは人々の心の中の絶望感が働いて出せていたようだ。
 
作中では勇者を目指す戦士が「魂砕き」に手を出してしまった。その瞬間を目撃していたオバサンによると、戦士は青白い煙のようなものを口から吐き出し、それが徐々に固まって一振りの剣になったという。
その後にも【ザジ】、そして【ネリス】も「魂の剣」を手にしている。

また、「魂の剣」を持っていると人を憎もうとする気持ちだけが溢れ、正気でいられなくなるという。
そして、普通の武器が刃こぼれするのと同じように魂の剣も磨耗するため、魂が磨耗することによる悲鳴の影響により精神的な悪影響を受けるのだという。
そのまま戦い続けると、最後には気が狂って悶え苦しみながら死ぬ。
実際に戦闘中のネリスが持っている魂の剣は、刃こぼれだらけでボロボロになってしまっているのが確認できる。けっこう危ない状況だったのだろうか。
 
なお、魂を砕かれ操られていた人間は、本人の魂で作られた剣で持ち主の身体を貫くと正気を取り戻す。
しかしこの手段で回復したのは、作中で描かれた範囲ではザジとネリスのみ。
他の操られていた人間はフォズを救出したあたりから多くが行方を暗ませており、魔物たちによって始末されてしまったのではないかと推察されている。
ネペロたち決闘場の出場者も主人公たちに敗れた後どうなったのか描かれていないが、ネリスが敗北後に始末されそうになっていたあたりはそういうことなのだろう。
そして昏睡状態に陥っていた者たちの中には、ダーマ神殿が平和になっても意識不明のままの者もいる。
 
結局、魂砕きに関わった者は加害者も被害者もその大半が破滅に陥る結果となってしまった。
スイフーは魂砕きの実行者は殺してでも止めようとしていたが、それは正しい判断だったのだ。
 
2001年用のDQ7のカレンダーの5,6月のイラストには、ネリスと思われるキャラクターが剣を肩に担いだ姿で描かれているが、PS版の戦闘画面で丁度ボロボロだった部分が見えないので、これが「魂の剣」なのかは不明である……。
 
3DS版の「魂の剣」は、刃の部分がモヤの掛かったビームサーベル状になっていて、とても刃こぼれしそうには見えない材質である。
やや強引だが【生命の剣】のようにも見える。

余談

この魂砕きに大きく関わった「魂の剣(たましいのけん)」が名前を借り、「魂の剣(たましいのつるぎ)」と微妙にふりがなも変えて、勇者ヨシヒコと魔王の城の3話に登場する。
何者をも倒す剣であり、人間の魂を岩鉄齋という刀職人によって抜いてもらい、それを剣に込めることで作られる。
これだけ聞くと上記同様物騒な設定に思えるものの、魂とは普段からの性格のことであり、そしてその魂を抜かれた際に現れる仲間達の本性が実にコミカル。
その上、本性が気に入らなければ岩鉄齋によって簡単に戻してもらうことができる。
「普段の生意気な性格より本性の方が可愛い」「逆に男達の本性がどうしようもない」といった理由で最終的にはムラサキの魂で剣を作るものの、西の化け物を倒した途端にムラサキの魂は元に戻り、剣は朽ち果ててしまった。