【制限行動】

Last-modified: 2024-04-10 (水) 19:38:49

概要

DQ5以降で使用されているシステム。リメイク版DQ3、4などにも逆輸入されている。
これに設定された行動は同じ【グループ】内では同じターンに2度以上使うことができない。
おそらく、DQ2~DQ4で見られた「個々ではさほどきつくはない【ひのいき】【ベギラマ】【痛恨の一撃】などを偶然敵全員が選択したせいで1ターンで【全滅】の危機になる。」というような問題を解決するため、ランダム性をある程度維持しつつバランス調整を行えるようにした処置。
DQ10~11、モンスターズシリーズは従来作とかなり仕様が異なるので別途後述する。

全般解説

制限行動は、行動枠(Ac)に設定されている。行動内容ではなく行動枠、これが重要である。
例えば、DQ5の【メタルスライム】のAc4は制限行動に指定されており、中身は【メラ】
通常は以下のテーブルからランダムで選ばれるが、同一グループでいずれか1匹がメラを選択すると、そのターン中は他のメタルスライムがメラを選択することはない。
既に使えないAcが抽選で選ばれた場合は、ランダム行動であれば再度抽選し直す。

Ac1Ac2Ac3Ac4Ac5Ac6
逃げる攻撃逃げるメラ逃げる攻撃

このため、メタルスライム8匹のグループが出現したとしても、同一ターン内でメラを使うのは1匹だけである。
メタルスライムの場合、行動パターンの選択が1つ減ることで逃げる確率が上がってしまう側面もある。
 
また、同じモンスターでも、グループが違えば制限は受けない。
メタルスライムのグループが2つ出現した場合、片方のグループのメタルスライムがメラを唱えても、もう片方のグループには影響しないため、そちらのグループでもメラを1グループ1回まで使える。
 
複数の行動枠(Ac)に制限がかけられることもある。
DQ5の【ブラウニー】は、Ac2・Ac5・Ac6が制限行動になっており、中身は痛恨の一撃。
したがって、1グループ3回まで痛恨の一撃を選択できる。

Ac1Ac2Ac3Ac4Ac5Ac6
攻撃痛恨の一撃攻撃力溜め痛恨の一撃痛恨の一撃

1体目は3/6の確率で選択できるが、これが選択されると2体目は2/5の確率で、同じく3体目は1/4の確率でしか選択できなくなる。
このことから、制限行動が選択されればされるほど、後に行動する個体は制限行動が選択されにくくなってくる。
シリーズ全体では、このパターンで設定されているモンスターが最も多い。
しっかり確認しないと分かりづらいので、内部データを覗きでもしない限りは知らない人が多いだろう。
 
同じ行動が、制限行動のAcと普通のAcの両方に入ってるという変わった例もある。
例えば【ホースデビル】は、ランダム行動(偏向型)で下記のテーブルになっている。
【メラミ】はAc1とAc4にセットされているが、Ac1だけが制限行動になっている。

Ac1Ac2Ac3Ac4Ac5Ac6
メラミ攻撃攻撃メラミ攻撃攻撃

つまり、メラミは1グループで何体でも唱えることができるものの、集団で唱えてくる確率は低く調整されている。
 
複数回行動するモンスターの場合は、単体で制限の条件を満たす可能性がある。
例えば、リメイク版DQ3の【ゾーマ】(完全2回行動)は【マヒャド】を1ターンに1回しか使わない。
理論としては上記のメタルスライムの例と同じで、マヒャドが制限行動に設定されている上で行動選択肢に1つしかないことが原因である。
この場合は、恐らくマヒャドがラスボスの攻撃としては弱いという理由で制限を設定したのだろう。
一方で、1ターンに【いてつくはどう】を2連発するという無意味な行為を行うのは、凍てつく波動が行動選択肢に2つあるのが原因である。

Ac1Ac2Ac3Ac4Ac5Ac6Ac7Ac8
マヒャドこごえるふぶき攻撃攻撃攻撃いてつくはどうこごえるふぶきいてつくはどう

 
完全ローテーションのモンスターに制限行動が含まれているパターンもある。
この場合は、制限行動に引っかかって選択できなければ、それを飛ばして次の行動枠が選択される。
例えばDQ6の【ガーディアン】3匹が1グループで出現したとしよう。

Ac1Ac2Ac3Ac4Ac5Ac6
通常攻撃ドラゴン斬り通常攻撃仲間を呼ぶドラゴン斬り痛恨の一撃

通常攻撃以外はすべて制限行動に設定されている。1ターン目は制限行動ではないので全員通常攻撃をする。
だが、2番目の【ドラゴンぎり】は制限行動のため、最初に行動した奴以外はこれを使えず、次の3番目の通常攻撃を使うという、変則的なローテーションになる。
 
上述の通り、基本的に集団で出るモンスターは強力な行動がこれで制限されていることが多いが、稀にそうでないこともある。
特にやり込み要素である隠しダンジョンの敵などは強力な特技でも制限されていないことが多い。
DQ6の【デススタッフ】がいい例で、同じターンでも強力な全体攻撃を完全に無制限で何度も使ってくる。
イルルカの錬金カギやDQMJ3のディスクの世界に出現するモンスターに至っては、制限がストーリー中の敵よりもかなり緩くなっており、レベル1桁台のモンスターですら強力な特技を連発してくることがあるのに加えて【判断力】も最高に設定されており、更には【集中攻撃】まで行う。
強力な行動が制限されていない特殊なケースとして、DQMJ3の【オクトリーチ】がいる。
そのままではあまり強くない全体攻撃を使うが、テンションが2段階上がった状態で出現することがあり、テンションが上がっている個体が複数いる状態で運悪く全体攻撃を連発されるととんでもないダメージを食らってしまう。
にも関わらず行動制限が元の威力を基準に調整されており、同じターンに3回まで使えるという申し訳程度の制限しか掛かっていない。
 
逆に制限行動のせいで強くなっている例として、DQ11Sの【サバクくじら】がいる。
DQ11Sでは無印版で強過ぎた雑魚の多くに弱体調整が入っており、最大同時出現数が減らされる、制限行動が設定される等している。
サバクくじらも調整の対象になっており、全ての特技が制限行動に設定されたのだが、こいつの場合は特技よりも通常攻撃の方が危険度が高いので却って強化されてしまっている。
 
なお、これや判断力によりどの行動も選べなくなってしまうと通常攻撃を行ってくる。
これにより、通常攻撃を本来行わない敵が通常攻撃してくる所を見られることがある。
特殊な例として、DQMJ3Pの【スノーモン】は通常攻撃を含む全ての行動が制限行動に指定されている。
スノーモンの行動は通常攻撃(必ず痛恨の一撃になる)と【こごえる吹雪】の2つだが、どちらも同一ターン内に2回までしか使えないようになっている。
 
ちなみに、単体グループでしか出現せず、1ターン1回行動しかしないモンスターの中にも内部データで制限行動が設定されている場合があり、これは全くの死に設定になっている。
例えばDQ5の【ようがんげんじん】(固定戦闘の中ボス)は、【燃えさかる火炎】【ようすをみる】が制限行動になっており、それぞれ1ターンに2回と1回ずつしか選択できないはずだが、SFC版では単体3グループで出現するため、この設定が生かされていない。
一方で、リメイク版では3体1グループで出現するため、制限行動が機能するようになった。
【ブオーン】のように、SFC版なら1回行動で制限行動がなかったものが、1~2回行動に変更されたにもかかわらず制限行動の設定がなしのままというモンスターもいる。このブオーンの場合、判断力まで低いため、本当に何をしでかすのか読めないのでかなり危険。
 
グループローテーションのモンスターに制限行動が設定されている場合があり、これも基本的に死に設定。
例えばDQ5の【おおきづち】

Ac1Ac2Ac3Ac4Ac5Ac6
ミスミス痛恨の一撃ミスミス痛恨の一撃

すべての行動が制限行動になっており、制限行動の指定が完全に無駄である。
行動枠が6個であるため、1グループ6体までならば、制限行動であろうがなかろうが、それぞれ別の行動枠しか選択しないからである。
一応、7匹以上の大人数でグループを組む可能性がある場合は、グループローテーションにおいても制限行動が機能する。
 
なお、この仕様を逆に利用した裏技がDQ8で登場した。→【バックル痛恨必中技】

DQ10

システムが異なるためターンでなく時間制だが、それ以外は概ね同様。
怒りや激怒で制限間隔が緩むこともあるのが特徴。
詳しくはこちら

DQ11

通常の呪文・特技だけでなく【れんけい技】の中にも制限行動に指定されているものがある。
加えて、「グループが違っても同じモンスターなら制限を受ける」というキャラバンハートと同様の仕様に変更された。
また、3DS版では種族が違っても同一の制限行動のグループに組み込まれる組み合わせが存在する。
例えば【名もなき地】【ドラゴン】【ドラゴスライム】が同時に出現した場合、【かえんのいき】は全員で2回までしか吐けなくなっている。
この他、【転生大王】が呼び出す【オコボルト】【マーマン】【ブチュチュンパ】の3体にも、このシステムに類似した行動制限が掛かっている。
更に特殊なケースとして、【マキマキ】【ときのすな】は1戦闘につき全員で1回までしか使えないという制限が掛かっている。

DQMシリーズ

ストーリー中に出現するモンスターの多くに於いて、同じ特技を同一ターン内に何体まで使えるかが決められている。
キャラバンハートでは敵にグループが存在するが、本編とは異なり、グループが違っても同じモンスターなら制限を受ける。
また、種族が違っても同一の制限行動のグループに組み込まれる組み合わせも存在する(無印版DQMJ3の【フレイム】【ひくいどり】【はげしい炎】など)。
DQMSLには存在しないが、その代わりに行動パターンがローテーションの敵が本編より多くなっている。