【第四章 モンバーバラの姉妹】

Last-modified: 2023-05-06 (土) 09:01:16

・DQ4の章
一章二章三章四章五章(―六章

DQ4

【ドラゴンクエストIV 導かれし者たち】を構成する【章】のうち、4番目の章である。
英語版でのタイトルはNES版ではThe Sisters of Monbaraba、DS版以降ではMeena and Maya and the Mahabala Mystery(ミネアとマーニャとモンバーバラの謎)。

これから はじまる おはなしは
ちちおやの かたきをさがい たびをする
うつくしい しまいの ものがたり。

演劇口調の解説から始まり、【バルザック】に殺された父【エドガン】の敵討ちの旅をしている、踊り子の【マーニャ】と占い師【ミネア】の姉妹の物語である。
 
パーティはマーニャとミネアの2人に加え、NPC扱いで加わるキャラとして【オーリン】が登場。オーリンは仲間に加えないと章をクリアできない。
他の章と違って姉妹揃ってのダブル主人公という、ドラクエシリーズを通しても類を見ない珍しい形となっており、そのためかオープニングで姉妹どちらにもイベントでの台詞がある(他の章の主人公にはイベントでの台詞がない)。
ちなみに開始時の【隊列】では何故か妹のミネアがデフォで先頭となっている。
一方で、FC版の第四章で【ぼうけんのしょをけす】時の確認画面にはマーニャの名前とレベルが表示され、全滅時もマーニャが自動蘇生されるほか、デスピサロ撃破直後のマスタードラゴンの御前メンバー4人(勇者・アリーナ・ライアン・マーニャ)にも含まれる(少なくとも他はすべて章の主人公である)であるなど、内部システム上はマーニャのほうが第四章の主人公的な扱いになっている。更に言えば、第5章で仲間になる順番にしても【ブライ】の例と同様に、ミネアのほうが一足先に加入する形になっている。
もっとも序盤のマーニャはかなりやる気ないステータスで、キャラ的にも少々不真面目な言動が目立つため、ステータス面でもキャラ的にもしっかり者のミネアが引っ張っていくスタイルがサマになっていたりもする。そうなると隊列もまるで「遊びたいのにミネアに許されず引きずられるマーニャ」という風に見える。
 
なお、「モンバーバラの姉妹」と言いつつ実は出身地は田舎の村【コーミズ】である。
【モンバーバラ】にはあくまで敵討ちの旅の途中に立ち寄り、一時的にそこで働いていただけに過ぎない。
この点は【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】で地元民から「コーミズ」の名を入れろと要求される、とネタにされている(4コマクラブ傑作集4巻P66)。
さらに言えば、バルザックの手がかりを知るオーリンは【コーミズ西の洞窟】におり、その手がかりもコーミズで手に入ってしまうため、モンバーバラまで旅をしていた意味と成果が(『モンバーバラには父の敵はいなかった』という事実を認識できた以外には)一切ない……。
そしてDS以降の英語版タイトルは「モンバーバラの謎」。
プレイしてみるとわかるが、謎に包まれているのは【キングレオ】【アッテムト】であり、モンバーバラには王宮に関連した事件に巻き込まれた人はいるものの、この町を起点とした謎は一切無い。
 
舞台は【キングレオ城】のある大陸全体。
フィールドのBGMは【ジプシーの旅】。またこの章では戦闘のBGMも他の章とは異なり【ジプシー・ダンス】が使用される。戦いの【フィールド】もまた2人にとっては舞台のようなものになっている。
初登場のモンスターが20種(ボス的除く)も出現する事もあって、新鮮な気分でプレイできる事だろう。
自由度は高く、最初から大陸内のすべての場所へ行ける。しかし大陸の南半分はまだ敵が弱い方だが、コーミズから北へ行くと急激に敵が強くなるので、オーリンがいないうちに行くのは危険である。
 
【進化の秘法】など、物語の核心に迫る台詞も多く登場する。終盤には【デスピサロ】の名も再び登場。
章のボスはバルザックだが、彼に勝利した後は【キングレオ】との戦闘があり、これはシリーズ初の勝てないイベント戦闘でもある。
最後は【定期船】で故郷の地を離れ、【エンドール】に到着したところで章が終了。その直後、第五章序盤で【勇者】が姉妹を迎えに来ることになるため、プレイヤーにとっては姉妹との束の間の別れとなる。
マーニャとミネアは勇者と違ってちゃんと専用の章があるうえ、第五章ですぐ仲間になるので、DQ4の登場人物のなかで一番出番が多い・・・かもしれない。
 
マーニャとミネアはそれぞれ【魔法使い】系、【僧侶】系のキャラであり、章開始時点では前衛タイプのキャラがいないため、タフガイのオーリンを仲間にするまでは直接攻撃面に加え、防御面で不安が残る。
オーリン加入後はおおむね第二章に似たパーティバランスとなる。
違いはミネアも早々に攻撃呪文を習得するためダメージ呪文の重ねがけで雑魚を一掃できる点と、オーリンには装備変更や命令ができない点。
 
また、FC版では1キャラごとの戦闘コマンド数の関係上、姉妹の内隊列の前にいる方は【ぼうぎょ】【にげる】に置き変わることで防御ができなくなってしまう点にも注意が必要である。
元の耐久が低いこともあり「防御すれば確実に耐えることができる」という場面に遭遇しやすいため、オーリン加入後であってもこの仕様は地味に効いてくる。
防具をちゃんと揃えることはもちろんの事、防御ができない方のHPは早め早めに回復しないと危険である。
 
開始直後は、【キリキリバッタ】【スライムベス】といったザコ中のザコに対しても、マーニャの【メラ】を惜しみなく使わないと苦しいが、マーニャの初期装備である【おどりこのふく】が守備力の割に高値で売れる上、スタート地点の【モンバーバラ】の劇場でお金が拾えるため、これで強力な装備を揃えるとかなり楽になる。
周辺の雑魚は攻撃力が低いため、まずは防具よりも武器を優先して打撃のダメージが全然通らないマーニャに【ブーメラン】【クロスボウ】)を買い与えるといいだろう。
マーニャは【ギラ】をはじめとした攻撃呪文の習得が早く、ミネアも回復呪文の他に【バギ】【ぎんのタロット】が使え、武器次第では打撃もそれなりにこなせるため、それぞれの特性を活かせるようになれば戦いは格段に楽になる。
ただし、オーリンに出会うまではギラやバギを習得するだけでも中々に骨の折れる作業が必要となるので、彼と出会うまではレベル上げをする場合でもしない場合でも、どちらにしても厳しい道のりとなる。
また終盤のダンジョン【アッテムト鉱山】はこれまでよりもかなり敵が強く、油断するとアッサリ全滅してしまう。
オーリンを仲間にしていても十分に攻略難度は高い。焦らず、十分に力をつけてから攻略しよう。
この急激な難度上昇の原因は、フィールドに出現するモンスターが今までの章の序盤や中盤、あるいはそれに毛が生えたようなものばかりなのに、アッテムト鉱山内ではいきなり五章の【ミントス】【ソレッタ】のある大陸のモンスターばかりになる事が原因。
開始直後の攻撃・防御両面における戦力の乏しさ及び、出現モンスターの急激な強化もあいまって、この章の難度はかなり高いと言える。
二章や三章と違って【メタルスライム】が出現しないため【レベル上げ】がしにくく「レベルを大量に上げてゴリ押す」という荒業もやりにくい。
マーニャが【ベギラマ】、ミネアが【ベホイミ】を習得すれば終盤もだいぶ楽に進められるのだが、必要経験値が普通にクリアするより5000ほども多く必要で、それをコツコツ地道に稼ぐにはそれなりに忍耐力が必要になる。
 
章のストーリー自体は短く、端的に言えばボス戦までに行うことはオーリンを見つけて【かやくつぼ】を拾うだけ。
必須ではないが必要性の高い【せいじゃくのたま】を含めても、2か所のダンジョン攻略だけでボス戦を迎えることに変わりは無い。
その分、ダンジョンが広かったり敵が手強かったりするほか、合計5個所もの城・町村が存在するため、戦闘や情報収集などでそれなりのボリュームになっている。

リメイク版

追加された【仲間会話】では第二章の【アリーナ】に続き、ダブル主人公の姉妹両方(さらにオーリンとパーティ全員)が話してくれる。
 
戦闘では「ぼうぎょ」コマンドの問題が解消されており、ピンチの際の対処が楽になっている。
モンバーバラで拾えるアイテムも増え、防具屋の商品に【ヘアバンド】が追加されているため、初期装備も整えやすくなった。
そしてコーミズでは【かわのたて】、アッテムトでは【うろこのたて】が拾え、ミネア用の盾の無料入手も可能となった。
ただし、リメイク版では規定レベル通りに呪文を覚えにくくなったため、なるべく規定レベルで習得したい場合はレベルが上がる直前にセーブをして運悪く習得しなかったらリセットすることも検討しよう。
またオーリンの能力が下げられており、彼に頼りきりでは攻略できなくなった。
 
なお、この章には五章になると絶滅するモンスターが複数存在するので、【モンスターずかん】をコンプしたい場合は注意。
リメイク版ではFC版では絶滅した一部のモンスターが五章の【古井戸の底】に出現するが、【合体スライム】【しびれだんびら】【とんがりあたま】の出現率はかなり低い(一方、【ミノーン】【ヘルビートル】は出現率も出現数も良い)ので注意が必要。
まさかの完全絶滅種は【つかいま】【いしにんぎょう】。DS・スマホ版でもこの2種の絶滅は引き継がれている。
 
なお、第四章でのキングレオ戦は強制全滅するしかない戦いであるが称号の面も考えてか全滅回数にはカウントされない。
全滅回数0を目指す時でも問題はないので安心しよう。