【低レベルクリア】

Last-modified: 2024-02-04 (日) 02:06:53

概要

「低レベルプレイ」とも言われる。レベル上げを極力または全く行わずにクリアを目指すやり込み。【縛りプレイ】の一種。
文字通り低レベルで攻略すれば何でも低レベルクリアと言えてしまうが、じゃあどのくらいから低レベルだと言えるのか?
これについては公式からある程度の基準が出ており、DQ4やDQ8では低レベルクリア関係の【称号】が存在する。
例えばDQ8では平均レベル40未満でクリアすれば低レベルクリアの最高位称号が貰え、DQ4では平均レベル36未満クリアで低レベルクリアの最高位称号が貰える。
一方で、Lv43くらいでクリアすると称号名から低レベルクリアを称える意味合いが消えて、DQ4ではLv46、DQ8ではLv48になると逆に「準備万全で【ラスボス】を倒した」的な意味合いの称号になる。
これらのことから、DQ4や8と同程度のレベルバランスであるDQ3~DQ8において、公式的な基準で言えば、標準的なクリアレベルは45くらいだと言えるだろう。
Lv41くらいでラスボスを倒せればやや低レベルクリア、Lv40未満なら明確な低レベルクリア、Lv36未満なら低レベルプレイの腕前はかなりのものだと言える。
 
このようにLv30台でクリアするだけでも相当なものだと言えるのだが、更に極端にして「理論上の最低に近いレベルで挑む」場合は「極限低レベルクリア(極限低レベルプレイ)」と呼ばれる。
この極限低レベルプレイは、数ある縛りプレイの中でも動画サイトなどでRTAと人気を二分するほど有名。
インターネットが普及する以前でも、一部ゲーム雑誌の特集で取り上げられることはあったが、ネットの普及に伴い、動画サイトが登場したことで、やり込みに縁のない一般のプレイヤーも動画を見て楽しめるようになったことが理由だろう。
それに伴って競技性が増し、何人もの猛者たちが競争して記録を打ち立て続けている。
 
ネット上での低レベルプレイでは競技性のため種やすごろくなどのドーピングを制限している事が多い。また、DQ3やDQ9の、実レベルを下げるタイプの転職にも同じ理由で制限がかかりやすい。
バグについても、極端だったり異常な状況を引き起こす物は制限されたりする。
しかし、最終レベルに影響を与えるバグもあり、そういったバグを利用する場合は注釈が付くなど通常のものとは記録が分けられる。
 
DQ7の【モンスターずかん】などに記録される「初めて倒したレベル」も、極限低レベルクリアと非常に相性が悪い。
モンスターを倒す以上、低レベルを維持したいのにどうしても経験値が入ってしまうという矛盾する関係にあるからだ。
モンスターからの【ドロップアイテム】入手も厳しいものがある。
宝箱ドロップを狙ってモンスターを倒せば当然経験値が入り、盗賊職などで盗むとしても確率を上げるためのレベル・熟練度上げに制限が掛けられるなど、どうしても少しは育成を強制されてしまう。
 
一方で【カジノ】などによる金策や装備強化は通常プレイより少しひねったベクトルで重要になってくる。
低レベルである以上【全滅】する回数や確率は跳ね上がり、所持金半分没収の頻度も高まる。
しかし持ち物は基本的に全滅時のままであるため、換金率の高い装備品などをすぐに売らずにゴールドが必要な時に売るといったテクニックが有効。DQ7の過去ダーマ編での【ラッキーパネル】がいい例。
カジノでなくとも都合の悪い状況になったならばリセットして前回セーブした時点からやり直し、なんてことはよくあるので、こまめなセーブも重要。【中断】からの再開時にデータが消えない場合は巻き戻しがほぼ最小限に抑えられるので有効に使いたい。
 
基本的に目的は「低レベルでのクリア」であるため、「最速クリア」などと両立して挑戦されることはごく稀。
逆に言えばプレイ時間は不問であることがほとんどなので、後述のDQ6の【デビット】狩りによる熟練度稼ぎや1ゴールド単位での【錬金術】など、通常のプレイでは途方もない時間がかかる手段が用いられることもある。
 
総じて、低レベルの中での育成をどこまで許容するかとトライアンドエラーに負けないリアル【くじけぬこころ】などによってハードルの高さが大きく変わる、シンプルながらも奥が深い縛りプレイと言える。
 
以下、極限低レベルクリアについて2つの種類を挙げる。

全ストーリーを通して行う「極限低レベルクリア」

これが一般的に言う「極限低レベルクリア」であり、全てのシナリオを通してプレイしラスボスを倒す。
ラスボス時点でのパーティのレベルを低くすることが目的のため、道中の各ボス戦では必ずしも極限低レベルになるわけではない。
 
プレイ方式には、パーティーのレベルの平均値を下げる「平均型」と、経験値を分配してレベルの最大値を下げる「分配型」の2つが存在する。
平均型は、基本的に経験値を1人に集中させるため、1人はそれなりに強くなるが他のキャラは弱くなってしまう。
分配型は、全員がそれなりに強くなるが、平均型と比べてパーティの核となるキャラを欠きやすいなど、様々な違いがある。

DQ1

全ての作品で、ベホイミを覚えない限りは竜王の苛烈な攻撃に耐えることは出来ないと結論付けられている。
(一応FC版では竜王のラリホー耐性が完全でないことと、眠り状態の覚醒確率が何ターンたっても100%にならないので理論上は「運よく1ターン目でラリホー命中→運よく以後ずっと竜王が目覚めない」ならラリホーを覚えるレベル7で倒せるはずだが、不可能といっていい確率である。その辺りの非現実的な確率を突破出来る【TAS】なら実現可能)
よって、極限低レベルはベホイミを覚えるレベル17なのだが、FC版のみステータスの関係や会心の一撃が出ない仕様から一つ上のレベル18以上でのクリアしか達成されていない。

DQ2

特にFC版では【シドー】の(こちらと比べ)高水準なステータスとベホマ、そして意外と気が付きにくいのだが会心の一撃を封じられているので対抗するにはどうしてもある程度のレベルが必要。
性能が低いとはいえ、ムーンがレベル10で覚えるルカナン無しではまともにダメージが蓄積しない。
 
一転して、リメイク版では、シドーのベホマがなくなったことで、マヌーサやラリホー、スクルトを駆使して粘り、チマチマダメージを与えていく戦い方ができるようになり、大幅に必要レベルが下がった。
また、【マヌーサザラキ】【サマルカンスト技】のような凶悪な技を使わずにクリアが達成されている。

DQ4

FC版では、シナリオを正常に進める攻略としては、
勇者Lv14、ライアンLv11、アリーナLv14、クリフトLv14、ブライLv1、トルネコLv1、マーニャLv1、ミネアLv14
という最高レベル14、平均レベル8.75でのクリアが達成されている(【8逃げ技】を使用、【透明気球】は不使用)。
裏技を全面的に使ったものでは、勇者Lv7、トルネコLv1、ミネアLv1という合計レベル9の攻略が存在する。
マーニャは途中で消滅させ、あとの4人は加入イベントを飛ばしてクリアしている。

PS版では、平均レベルがもっとも低くなるようにボスなどの経験値を割り振ると、
勇者21、ライアン15、アリーナ4、クリフト1、ブライ1、トルネコ1、マーニャ1、ミネア6になる。
平均レベルは6.25。
アストロンを使う為に勇者のレベルをそこから1上げてクリアした記録があるが、【馬車殴り】のテクニックが発見される前だったので、それを取り入れればさらに記録は伸びることが予想される。

4章5章共に、自動回復を持つバルザックがなかなかの壁となる。
経験値を抑制するために生存者を1人にすることと、自動回復を上回るダメージを与えることを両立するのがかなり難しいのだ。
そのため、もろはのつるぎを装備したライアンがバルザックを倒しつつ反射ダメージで自滅するという衝撃的な戦術が取られた。

DS版では、【マスタードラゴンの経験値バグ】により、経験値をライアンに集めることで、
勇者9、ライアン26、アリーナ4、クリフト1、ブライ1、トルネコ1、マーニャ1、ミネア6の、平均レベル6.125でのクリアが可能になった。
他のバグが発見されない限りこれが理論上の極限低レベル。
 

DQ5

全ての機種で、以下の流れが可能。
弱いモンスターを仲間にする⇒そのモンスターに経験値を請け負わせる⇒そのモンスターと別れる
 
よって、主人公、嫁、息子、娘、サンチョの、酒場に最初から登録されているメンバーのレベルを初期状態に保ったままクリアすることができる。
ただし、このメンバーだけでミルドラースを倒すのは難しいため、助っ人が必要になる。
SFCでは上の状態で、レベル1のピエール、クックル、ニトロの3匹だけでミルドラースを倒している。
しかしリメイク版ではボスの手数が増え、上記の流れを行うことが困難になった。
主人公のレベルが必ず7になり、強豪モンスターを勧誘することが出来ないのが難易度上昇の一因になっている。

DQ6

SFC版では、DQ5と同様の手法で経験値の回避が可能。
SFC、DS版共に【デュラン】が厄介。
彼は戦闘前にこちらを回復してくれるのだが、その時に馬車内の死者も生き返るため、馬車にいるキャラに経験値が入ってしまう。
よって、PTから外せない主人公(Lv3)とバーバラ(Lv2)はスタメン入りが確定し、彼らを【におうだち】で保護しながら戦うことを強いられるのだ。
 
DS版ではシステムの変更で経験値の回避が出来なくなり、ハッサンやテリーに経験値を集めることになる。
ミレーユに経験値を集めた方が平均レベルは下がるが、ハッサンに経験値を集めないとデュラン戦の難易度が異次元になるため妥協せざるを得ない。
どちらの作品でも【デビット】狩りによる熟練度稼ぎを厭わなければ、レベルが低くともデスタムーア撃破は難しくない。
逆に、最初のボスであるとうのへいたい戦の難易度が恐ろしく高く(特にちからため打撃の威力が上がっているDS版)、
それが挑戦者を減らす要因になっている。
難易度が序盤は厳しいが、終盤になるほど優しくなるという典型例である。

DQ7

PS版では主人公1、マリベル1、ガボ9、メルビン20または19、アイラ21または22の、平均10.4レベルでのクリアが極限低レベルであり、複数のクリア者がいる。
離脱する【キーファ】に途中まで経験値を請け負わせることでレベルを低く保つことが出来る。
その弊害として、イノップ&ゴンズに低レベルのキャラだけで挑まねばならず、そこが大変厳しい。
また、その後の闘技場6連戦も事故が多発するうえやり直しに時間がかかり、ダーマ編は相変わらずの難所である。
全体を通して、通常プレイで強いボスが強く、弱いボスは弱いままの傾向にある。
また、【ラッキーパネル】で大量にアイテムを入手しなければならないのもしんどいところ。
 
PS版、3DS版共にメガンテを利用することで経験値を得ず熟練度を稼げるので、その点はDQ6より易しい。
 
3DS版ではラッキーパネルの易化、一部NPCの強化などでPS版と比べ優しくなった部分もある。
ただし、砂漠地方の【ピグモンエビル】の経験値を回避できなくなったため、その分ガボの最終レベルが上がる。

ボスごとに行う「低レベルボス撃破」

こちらは「低レベルボス撃破」と呼ばれることが多い。
低レベルでボスに挑戦して勝利したらリセットし、その後別のキャラで再挑戦。経験値を請け負わせてストーリーを進めていき、これを繰り返してボス戦時点でのレベルのみ測定するというもの。
「後半になるほどそれまでのボス戦での経験値が蓄積され、どうしてもレベルが上がってしまう」という、「低レベルクリアなのに低レベルにならない」という欠点を回避した方法。
できる限り低レベル・少人数を目指して行うが、Lv1×1人ではどうしても不可能なボスでは人数を増やしてでもレベルを抑えるか、レベルを上げてでも少人数で倒すかに分かれる。
プレイ条件次第では、ラスボスを高レベルのキャラで倒した後、クリア後に手に入るアイテムを持って低レベルのキャラでラスボスに挑むといったことも行われる。

DQ4(リメイク版)

殆どのボスが初期レベルのキャラ1人で撃破されている。
また、ボスの撃破レベルを引き下げるため、賢さの種を投与することで呪文を早いタイミングで覚えるなどのテクニックが存在する。

DQ5

パーティ編成の自由度が低く、主人公が気絶するとそこで終わりになる幼年時代が難しい。
青年時代以降は、レベルが低くても耐性豊富なモンスターが登場するので彼らに任せればよい。
ピエールは相変わらず強く、レベル1のスライムナイト1~2匹に多くのボスが撃破されている。
他にはイエティやパペットマンなどが使われている。
ガップリンやコロヒーローなど、普通プレイでも採用されない変わり種が使われるケースもあり、プレイの幅は広いと言える。

DQ6

SFC版では、ムドー戦以降は仲間モンスターと転職によってそれなりに強い低レベルキャラを用意できるため、レベル1のキャラのみでボスを倒すことも十分に可能である。
しかし、DS版では従来の仲間モンスター制の廃止により低レベルキャラの用意が難しくなったことや、デビット狩りができるのが終盤すぎるため、困難である。
また、【凍れる時の秘法】や神秘の鎧&アストロンのコンボが使えなくなっており、敵の攻撃に耐えることも難しくなっている。

DQ7

ダーマ以前のボスは通常プレイでも強敵となるものが多く、レベルを少し上げたり、複数人で挑む必要に迫られやすい。
しかし、ダーマ編以降は、ラッキーパネルと転職システムのおかげで全てのボスがレベル1のキャラ単騎で撃破されている。
 
3DS版では種や木の実のステータス上昇値が高くPS版よりも強いキャラが作れるが、多くの防具のバギ耐性削除や、しんぴのよろい+アストロンのコンボが封じられており、PS版の攻略法が通用しないボスが多い。
また、みなごろしで自爆しなくなったセトや、痛恨の頻度が増したバリクナジャなど、仕様や行動パターンの変更によって大幅に強化されたものもいる。