【凍れる時間の秘法】

Last-modified: 2024-02-15 (木) 20:18:55

DQ10

Ver.4.0のラスボスが【凍れる時獄の秘法】を使用。
出現する陣の上に乗ると約15秒動けなくなってしまう。

DQMSL

新生【ミストバーン】の特性として採用。
3ターンの間、被ダメージを軽減する。
【いてつくはどう】で解除する事はできない。(上位互換系なら可)

ダイの大冒険

特殊な魔法(秘術)の一種で、『こおれるときのひほう』と読む。
新アニメ89話のサブタイトルでもある。

皆既日食の時にのみ使用可能とされる秘術で、「対象としたものの時間の流れを凍結させる」という効果がある。
皆既日食は数百年おきに起きるらしいので、軽く百年単位の長きに渡って効果を発揮する術のようだ。
この秘法によって時間が止まった物体は、術をかけた状態のまま、あらゆる変化が生じなくなる。つまり物理的な力だろうが魔力だろうが何の影響も受けず、生物に使えば完全な不老不死かつ【無敵】の状態を作り出す。
 
ただし生物だと思考や生命活動も停止するため一切動けなくなり、術者自ら秘法を解くか次の皆既日食が起こる時までそれが続く。
このため、凍れる時間の秘法は完璧なタイムカプセルのような保存手段になると同時に、【ゴールドアストロン】のような事実上の拘束封印術としても機能する。
作中では唯一の例外として、【メドローア】の物体消滅効果だけが時間凍結状態の物を損壊させられる。
他に効く可能性があるとすれば、マァムに取り憑いたミストだけを攻撃できるアバン流「空」の技くらいだろう。
 
現役勇者時代の【アバン】は古文書からこの秘法の存在を知り、当時魔王として世界を侵略していた【ハドラー】を封印しようと発動させた。
しかし、術の制御が極めて難しく、自分も時間の凍結に巻き込まれてしまったばかりか、僅か1年程で効果が切れている。
ただし、効果が短期間で切れたことについてはアバンのレベル不足によるものではなく、当時のハドラーの部下が解除の儀式を取り行ったからであることが、後年の外伝作品で判明している(後述)。
 
本編でこの秘法がクローズアップされたのは、【バーン】とその側近【ミストバーン】の正体に絡む戦闘の中。
ミストバーンは、生物なら確実に壊死による大ダメージを負うはずの【閃華裂光拳】を顔面に受けても痕跡ひとつ残らなかったことから、肉体が生命活動をしていないと推理された。
その後、ミストバーンの肉体はバーンが自らの肉体に凍れる時間の秘法をかけ、保管役であるミストに預けていたものだと判明する。
バーンは自らの体を二つに分離し、叡知と魔力を担当する普段の活動用の体を用意することで、「動けなくなる」という欠点を避けつつ、「変化しない」という性質だけを利用して『力と若さを保つ全盛期の肉体』を保存していた。
効力が切れる皆既日食のたびに時に術を掛け直せば半永久的に保存を持続させることが可能であり、バーンはこれを繰り返して、限りなく永遠に近い不老不死を得ようと考えていた。
秘法のかかった肉体は本来ならまったく動くことはないのだが、ミストバーンの正体である暗黒闘気生物「ミスト」の『相手に取り憑き、魂を一時的に消して肉体を自由に操る』という能力を持ってすれば、秘法のかかった肉体を操ることができる。
それに着目したバーンは脱け殻状態の『全盛期の肉体』をミストに預け、普段はミストの変化した【闇の衣】で覆い隠しながら操らせた。
さらに、緊急時にはミストが肉体の内部に入り込み、若きバーンの身体能力を発揮して戦うこともできる。
この状態こそが、大魔王の懐刀として「ミストバーン」を名乗っていた者の正体である。
絶対的な忠誠心を持ち、呪文を無力化できる黒い霧でもあるミストが常に肉体を隠蔽、守護しつつ、もしもの時はその能力により、動けないはずの肉体自らが封印を守る護衛戦力にもなるという一石二鳥の手であった。
 
衣を取り払ったミストバーンは『大魔王の全盛期の肉体』が『アストロンがかかったような無敵状態のまま自由に動く』という反則じみた戦闘能力を持つ。
【ポップ】はメドローアを習得しており、偶然にも秘法の効果を無視して撃破できる可能性はあったが、あらゆる呪文を弾き飛ばせる奥義【フェニックスウィング】によって防がれている。
 
ゲームシリーズのドラクエ世界では【いてつくはどう】【マジャスティス】など、特殊効果を打ち消す技が散見されるが、仮にダイ大世界にもこうした技があったとして、呪文なのか別の手法なのか、原理すら明らかでない凍れる時間の秘法に通じるかは不明なところ。
 
ちなみに【アストロン】を利用してダメージを受けずに戦い続ける裏ワザは、この術式を連想させるためか、「凍れる時の秘法」と通称されることも。

勇者アバンと獄炎の魔王

【ギュータ】にある【バルゴート】の書斎にこの魔法に関する書物が存在し、アバンはこれを発見。
あらかた内容を覚えたため【カノン】は半端にかじって実践される事を危惧してアバンに書物を託す。
 
第21話(コミックス6巻)からはこの呪法の名を冠する「凍れる時間の秘法編」が開始。
第23話の【ウロド荒野】での決戦でアバンがハドラーにこの呪法を使っているのと同時刻、バーンもまたこの呪法を掛け直している。
その際に、人間の中にこの秘法に目をつけそれを扱える者がいたことに感心した様子を見せており、彼がアバンを警戒するべき相手だと考えるようになったきっかけとなっている。
なお第24話では【マトリフ】が「呪法を解けそうな方法はいくつか見つけたがどれも魔王の方まで解けちまう」と述べており、掛けるのは難しいが解けうる可能性のある方法はいくつかあるらしく、ミストバーンがバーンの許可が無い限り素顔をひた隠しにした理由付けとなっている。
 
そして、第25話では実際に呪法を解く方法をバーンがミストバーンを介して【ガンガディア】に伝えている。
皆既日食の起こった正午とは真逆に位置する深夜の零刻に呪法を発動させれば、凍れる時間の秘法を解くことができると判明している。
そして、マトリフが述べた通り解除する呪法によってハドラーだけではなくアバンの呪法まで解けている。
 
この呪法がもたらした一年の影響は大きく、アバンは【空裂斬】、マトリフは【メドローア】の完成、【ロカ】【豪破一刀】の奥義を極める時間、レイラは【マァム】を産み育てる時間を得、
対する魔王軍はハドラーの捜索と解呪に時間を費やし、またハドラーの心には人間への大きな恐怖心が刻まれたことにより勇者側と魔王側に大きな隔たりを生むこととなった。
この隔たりが後の決戦で勇者側が有利に戦えた理由付けになっている。