【風の塔】

Last-modified: 2024-03-27 (水) 18:34:48

概要

シンプルで使いやすい名前ゆえか、複数の作品に登場する【塔】
ただしDQ2とキャラバンハート以外は名前が同じだけで建物としてはそれぞれ全くの別物である。

DQ2

【ムーンブルク】の東にある、記念すべきシリーズ初の塔。
【ドラゴンの角】を渡るために必要な【かぜのマント】が眠っている、シリーズ初の塔のダンジョン。
ただし後述のように多少分かりづらい位置にあるので、先にドラゴンの角(南の塔)で情報を得てから来たのであれば、2番目に足を踏み入れる塔ということになる。
【ムーンブルクの王女】を仲間にし、【バギ】を習得した辺りで向かうのが賢明だろう。
サマルと2人の状態でも登れなくはないが、かなりの難行となる(後述)。
 
【ムーンペタ】で「風のマントはどこかの塔にあるらしい」、ドラゴンの角(南の塔)で「ここからはるか東の風の塔という所に風のマントはあると聞く」という情報は聞けるが、それ以上のヒントは皆無。
南の塔からはあまりにも離れすぎているし、東というのは地形的にイメージするのが難しい。
それでもまっすぐ歩いてたどり着ける方向にあったならまだ良かったが、実際にはムーンペタからいったん北上して岩山を回り込み、海岸(砂浜)に沿ってまた南下してくるという難解な大回りルートを通らなければならず、分かりにくい。
ただ、行き方はともかくとして、位置的には【ラーのかがみ】のある毒の沼の比較的近くなので、その探索過程で岩山の向こうにある塔の存在に気付く可能性が少なくない。
とりあえず場所さえ分かれば岩山伝いにルートを探すことにはなるだろう。
結果的に回復などの拠点からの道のりの長さが、シリーズ初の塔にして類を見ないものとなっており、その点でもこの塔の難易度を更に高くしている。
もっとも【南東の島のほこら】のような前例もあるため、初見では見えるからといってすぐに行ける場所だという保証は無く、そのルートの複雑さから行けない場所と錯覚してしまうかもしれない。
(実際、のちの作品には同様な場所が幾つもある。)
 
さらに、ルートの分かりにくさ以上に道中の【マンドリル】が脅威。
最初にムーンペタまでやってきた時の倍以上の距離をマンドリル地帯の中歩かなければならないため、途中で後ろ2人が撲殺されてしまうこともしばしば。
【ルーラ】をまだ覚えていないことも多く、何かあった時のために【キメラのつばさ】は必須。
無事マントを取った後帰還するのもなかなかの難行で、どちらかが使えないと意図せず【デスルーラ】になってしまうことも少なくない。

塔の内部は地上8階建てと、いきなり重層構造。
2階から上では縁に壁が無い場所なら飛び降りることで脱出可能で、最上階から飛び降りてもダメージを受けたり死んだりはしないので安心して飛び降りて脱出できる。
頂上まで登ると宝箱があるが、中身は空っぽのフェイク。風のマントは2階の小部屋にあり、若干目立たない1階北東隅の階段から上っていき、途中から塔の内部を下っていかなくてはならない。
このような構造は【大灯台】【満月の塔】でも同様。同一作品で同じギミックが3回も繰り返されている。
 
ちなみに1Fの【宝箱】には【やくそう】が入っているが、FC版では建物に出入りすると重要アイテムでない宝箱は復活するので、繰り返し回収して収集・回復ができる。
 
敵は仲間を呼ぶ上にマンドリルに肉薄するほどの攻撃力を持つ【おばけねずみ】や、シリーズ初の【痛恨の一撃】を放つ【かぶとムカデ】に注意。
圧倒的に高いHPを持つ【リビングデッド】の4匹組も地味ながら厄介である。
ただ、マンドリルに殴られるここまでの道中の方が手ごわいという声も多く、マンドリルを簡単にあしらえるほど強くなってから来ているプレイヤーの場合、モンスターはあまり脅威に感じないかも知れない。
マンドリルがこの塔自体には一切出現しないのが救いか。もし出現していたら大幅に難易度が変わっていたことだろう。
 
当初は、ここの頂上に【ラーのかがみ】を置く予定で、サマルトリアの王子と2人の状態で登る塔ということになっていた。
しかし2人でこの塔を登るのはあまりにキツいということで、ラーの鏡は北にある毒の沼地へ移動させられ、この塔へはムーンブルクの王女を仲間にしてから来る前提となった。最上階の宝箱が空っぽなのはその名残である。

リメイク版

最上階の宝箱に貴重な【いのりのゆびわ】が入っているため、逆に登るメリットが増大しているので、取りに行くといいだろう。
 
なおSFC版では、この最上階のみ、なぜか【リレミト】が無効になっており、唱えても「しかしなにもおこらなかった!」と表示される。
通常のプレイでは、ここに来る段階でリレミトを覚えている可能性は低く、またすぐ下の階から飛び降りれば脱出できるため、実害はほぼ無いが、なんとも謎な設定である。

小説版

かつてムーンブルク王国が、ロンダルキアを見張るために築いた4つの塔の1つ。【ガルチラ】がここを中心として「風の国」を興した。現在では【盲目の魔女】の次女が風のマントを織り続けている。

ゲームブック(双葉社)

上巻では、猛犬に変えられたムーンブルク王女マリアが登場する。ラーの鏡を持たずにここに来ると、猛犬共々塔から転落してゲームオーバー。また風のマントはここにはなく、下巻で異なる方法で入手することになる。
下巻で立ち寄ることもできるが謎の【老婆】が「管理人から任された」と言いながら掃除をしているだけで、何のメリットもない。

ゲームブック(エニックス)

上巻のコミックシーンに選ばれている。
原作どおり風のマントがあるほか、進め方によって【マヌーサ】を習得できる。
マント入手後は一気にムーンペタまで飛んで帰る。

DQ7

現代の【聖風の谷地方】の南東に位置する塔。聖風の谷地方が出現した時点では入れないが、終盤の精霊関連イベントで行くことになる。
巨大な岩を削り取ってできたような塔。
【リファ族】の族長【セファーナ】と共に訪れることで入ることが可能。落とし穴から落ちたり、たくさんの梯子を昇ったりと割と面倒な塔だが、中の敵がそれほど強くなく、こちらの戦力も整っている時期なのでそれほど苦戦はしないだろう。
頂上には風の祭壇が存在し、そこから【始祖たちの村】へと導かれることになる。【始祖たちの村の族長】から貰った【聖風の光球】を使えば、始祖たちの村に飛ぶことができる
(聖風の光球は風の祭壇で使う必要はなく、入口の扉前で使っても始祖たちの村に行ける)。
 
なお、見張りの兵士の台詞からかなり古い塔であるらしいことがわかるのだが、過去の時代にこの塔は存在していない。
風の祭壇で【フィリア】が出て来るので、彼女が生きている時代にあったと推測されるのだが、フィリアが大人になるまでの短期間で作られたと考えるのは無理がある。
どういうわけか同じことが【世界一高い塔】にもいえる(詳細は「世界一高い塔」の項目を参照)。
セファーナは、かつてのリファ族は風の祭壇から始祖たちの村へ飛び立ったと予想していたが、実際にいつ造られたのかは、ストーリーを進めても明らかになることはなく真相は闇の中。最初から過去にあっても良かったんじゃないのか?と思わされる謎の多い塔である。
 
またこの塔はPS版DQ4で【ミステリータワー】として再利用されている。

DQM2、イルルカ

天空の鍵の世界にある塔。内部には【てんくうのよろい】(イルルカでは【天空の書】)が眠っている。ヒターノの西の大陸にある。内部にはちょっと頭を使う仕掛けがあるが、うまく雲(イルルカでは翼)を出しながら進んでいこう。
構造が複雑な代わりに宝が眠っているダンジョンで唯一ボス戦が無い。
ルカ編では【スカイドラゴン】が出るので、他に出現する鍵を持っていない場合はここで捕獲しよう。
リメイクのイルルカ3Dは空を飛ぶポイントが固定になったため比較的一本道になった。
ボスがいないのも同じなので難易度は低くなったが、出現するモンスターは配合素材としてあまり有用とはいえないので一度クリアしたら再訪する機会はないだろう。
難点を挙げるとすれば足場が狭い為モンスターシンボルに接触しやすい、背後を取りにくく踊りや驚かしがうまく決まらないところか。

キャラバンハート

基本的な構造はDQ2と同じで、塔への行き方も全く一緒である。あえて違う点を挙げるなら、今回は頂上を目指すのが目的な事、かつてかぜのマントがあった所には何も無い事、敵が全く違う事だろう。
また、今作はルート分岐が発生する。そのため、【満月の塔】とどちらか片方のみ攻略する事になる。多くの人は満月の塔より敵が弱いこちらを選ぶだろう。
 
主に【キメラ】【ヘルコンドル】【つじぎりアックス】が登場する。前二者は回復呪文を使いこなし、つじぎりアックスは程良く痛恨の一撃を放ってくる。さらに上層部では新種の【ファントムグラス】【のろいのことば】を使って妨害してくる。【シャナク】を覚えるモンスターはこの時点で仲間に入れるのは難しいので、極力避けて通りたい。
 
頂上では別の女性冒険者グループ、戦士の【セスカ】僧侶の【ターシャ】が先に到着しており、仲間にできる。
風の塔から先に攻略した場合ストーリーの鍵になる吟遊詩人の【ボルドー】もここで仲間にできるが、満月の塔を先に攻略した場合は風の塔でボルドーを仲間にすることはできない。その場合ボルドーを仲間にする場所は大分遠い【ドラゴンの角】になる。
帰りは近くのほこらの門を開けておこう。