Backstory/Chronicles/The_Titans

Last-modified: 2009-01-04 (日) 16:16:21

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初出

 
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The Titans
タイタン

 

Amarrの古典に記されしBeast of Heaven(天国の獣),その名を「Imud Hubrau」と言う.Gallenteの伝承に伝わりしSun Slayers(星を屠る者),その名を「Soltueurs」と言う.これ等の伝説上の怪物は総じて「Titans(タイタン)」として知られている.そしてこの名は,今まで建造された中で最も巨大な宇宙艦に冠された名称でもある.

 

Titanと呼ばれるような宇宙艦規模になると,その建造に必要な技術力,必要な資源,必要な人材,必要な費用ゆえから,実質的には巨大国家のみが所有可能だと言ってよい.Titanの建造には数十年,時には百年以上もかかり,最初のTitanとして知られるJove人の3隻の母船の建造開始は,実に近代宇宙航行技術が確立される以前にまで遡る.この3隻は今でも改修され続けており,3隻のうち1隻は常に何らかの改修のために戦列から離れている.

 

Titanの存在価値は筆舌に尽くし難い.一度(ひとたび)戦闘が起きれば,旗艦としての機能は勿論のこと,機動要塞として司令部そのものを担うことも出来る.しかし実際にはTitanがただ「そこに存在する」ということだけですら戦争の流れを全く変えてしまう.Titanの備える圧倒的な火力と,優に数メートルを超える分厚い装甲はさて置いても,この要塞は複数の艦隊を丸ごと船内に格納し,星系間を自在に輸送することができるのである.Titanの持つ驚くべき質量は,近隣を航行する小型艦がその重力張波(*1)に捕らわれる程で,Titanの航行は惑星の潮汐に影響することすらある.
(*1 the gravity bow-wave)

 

過去には実際,これを顕著に示す事件が起こった.ゴーラル(カモシカの一種)の牧畜を営む小さな惑星の軌道近くをGallente連邦のTitanが横切った際,Titanの大質量が惑星の潮に突然の変化を引き起こし,洪水が起こって畑と牧草地が押し流されてしまったのである.食料生産の減少は惑星全土に影響し,主たる産業を農作・牧畜に頼っていたこの惑星では暫くの間,物価の高騰と深刻な飢饉に悩むことになった.この事件以来,Titanの航行システムには十分な安全機能が組み込まれるようになり,惑星近傍を航行することはなくなっている.

 

最も裕福かつ強大なAmarr帝国では,近年,更なるTitanの建造が推し進められた.惑星探査時代の到来と共に豊かな資源を持つ新しい星系が次々に発見されたが,帝国は,これ等の惑星や衛星(月)の資源を最新の軍備拡充に用いることを決定したのである.Amarrの各企業が過剰なまでの惑星採鉱を繰り広げた結果,これ等の新星系の資源は僅かここ十年足らずで掘り尽されてしまった.幾つもの惑星を荒廃に追い込み,数万人のMinmatar人奴隷の命を犠牲にして,帝国のTitanは完成したのである.

 

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